【クライスラー ジープ 新型 グランドチェロキー 試乗評価】過去のイメージを捨て去り洗練の極みに
【クライスラー】2011/03/26
ジープ・グランドチェロキー リミテッド[エアサスペンション仕様車]
しかしその変身っぷりに、昔を知る中年世代は戸惑いも隠せない

私がまだ20歳代だった頃、ジープ・グランドチェロキーといえば、まさに憧れだった。サーフボードを載せ海辺の駐車場にグランドチェロキーを停め、カーゴルームからゴールデンレトリバーが出てくるのだ。無骨なSUVにカジュアルでカッコいいライフスタイルは、まさにアメリカ西海岸である。そんな憧れも、私の経済力ではまったく実現するにはムリ。さらに、私が色白でいかにも日本人ルックスで全然似合わないというのも致命的な要因だったように記憶している。
そんな20年近く前のイメージのまま、最新のジープ・グランドチェロキーと対面する。7本の縦型スロットルグリルを見なければ「君、誰だっけ?」と、問いたくなるほど大幅に変化している。とても、洗練されたといってもいい。塊感のあるカッチリとしたスタイルは、高級車にふさわしいものと評価できる。
だが、昔を懐かしむ中年世代としては、残念な気持ちが先走る。アメ車のSUVは、隙だらけじゃなくてはダメなのだ。無骨なカジュアルさがアメリカンSUVの真骨頂だと思っている私にとっては、心がキュンキュンとときめかない。良くも悪くもドイツ車的なのだ。価格的メリット(エアサス付で523万円は安いと思う)以外は心を揺さぶられるものがない。
エンジンもまさかのV6DOHCバルブタイミング機能を備えた新開発の3.6リッターエンジンを搭載する。アメ車のSUVもV6DOHCかぁ、と思いつつも環境対応は避けられない現実だ。当然、燃費は先代より約10%以上も燃費が改善されJC08モードで7.7km/lとなった。それでも、国産SUVに比べるとスペック上は若干分が悪く、2.4トン超の車両総重量にも原因があると思われる。もう少し、ダイエットが必要かもしれない。実用燃費上で期待できるのは、ボディの空気抵抗値であるCd値の向上だ。先代の0.404から0.37と低減。大きなボディで大きな空気抵抗は、燃費を悪化させる以外にない。それゆえに、先代に比べCd値の低下は高速道路などでの実用燃費に大きく貢献するだろう。エンジンは、286馬力&347Nmをアウトプット。スペックは、標準的で5速ATと組み合わされている。
そんな20年近く前のイメージのまま、最新のジープ・グランドチェロキーと対面する。7本の縦型スロットルグリルを見なければ「君、誰だっけ?」と、問いたくなるほど大幅に変化している。とても、洗練されたといってもいい。塊感のあるカッチリとしたスタイルは、高級車にふさわしいものと評価できる。
だが、昔を懐かしむ中年世代としては、残念な気持ちが先走る。アメ車のSUVは、隙だらけじゃなくてはダメなのだ。無骨なカジュアルさがアメリカンSUVの真骨頂だと思っている私にとっては、心がキュンキュンとときめかない。良くも悪くもドイツ車的なのだ。価格的メリット(エアサス付で523万円は安いと思う)以外は心を揺さぶられるものがない。
エンジンもまさかのV6DOHCバルブタイミング機能を備えた新開発の3.6リッターエンジンを搭載する。アメ車のSUVもV6DOHCかぁ、と思いつつも環境対応は避けられない現実だ。当然、燃費は先代より約10%以上も燃費が改善されJC08モードで7.7km/lとなった。それでも、国産SUVに比べるとスペック上は若干分が悪く、2.4トン超の車両総重量にも原因があると思われる。もう少し、ダイエットが必要かもしれない。実用燃費上で期待できるのは、ボディの空気抵抗値であるCd値の向上だ。先代の0.404から0.37と低減。大きなボディで大きな空気抵抗は、燃費を悪化させる以外にない。それゆえに、先代に比べCd値の低下は高速道路などでの実用燃費に大きく貢献するだろう。エンジンは、286馬力&347Nmをアウトプット。スペックは、標準的で5速ATと組み合わされている。






大幅に洗練されたのは大歓迎。だが、しかし・・・

そんな中年オヤジの戯言を無視すると、これはこれでいいクルマである。新しいボディ構造により、ねじれ剛性が146%も高められた結果、大幅に静粛性が向上したと評価していい。タイヤはクムホ製のオールシーズンタイヤを履いていた。オールシーズンタイヤだったのにもかかわらず、車内の騒音は低い。サスペンションからの突き上げ感も、それほど感じない。試乗車は、エアサス装備だったため乗り心地も快適だ。もはや、アメリカンSUVは、振動と騒音との戦いというのも過去のものだ。
今回の試乗はわずかな時間で、さらに道幅の狭い市街地が中心。グランドチェロキーの卓越した4×4システムなどは、ほとんど体感できなかった。
燃費重視のエコカーやハイブリッド車しか売れない日本マーケットにおいて、こういった趣味性の高いクルマは間違いなくニッチ商品だろう。それを十分承知の上で、数少ないマーケットに右ハンドル車を導入したのは、クライスラーのマジメさが伺える。左ハンドル車しか導入していないメーカーには、ぜひ見習ってもらいたいと思う。とはいえ、あえて趣味性の高いクルマに乗る理由が欲しいのも事実。例えばレクサスRX販売台数のうち約90%がハイブリッド車だ。ハイブリッドシステムをもたないクライスラーにとって、SUVファンへの回答は、差別化されたデザインだったのではないかと思う。洗練されるより、尖って欲しかった。
今回の試乗はわずかな時間で、さらに道幅の狭い市街地が中心。グランドチェロキーの卓越した4×4システムなどは、ほとんど体感できなかった。
燃費重視のエコカーやハイブリッド車しか売れない日本マーケットにおいて、こういった趣味性の高いクルマは間違いなくニッチ商品だろう。それを十分承知の上で、数少ないマーケットに右ハンドル車を導入したのは、クライスラーのマジメさが伺える。左ハンドル車しか導入していないメーカーには、ぜひ見習ってもらいたいと思う。とはいえ、あえて趣味性の高いクルマに乗る理由が欲しいのも事実。例えばレクサスRX販売台数のうち約90%がハイブリッド車だ。ハイブリッドシステムをもたないクライスラーにとって、SUVファンへの回答は、差別化されたデザインだったのではないかと思う。洗練されるより、尖って欲しかった。



![クライスラー ジープ 新型 ジープ グランドチェロキー リミテッド[エアサスペンション仕様車] リアビュー 外観 画像](/files/node_2011/1302240412-resize-655-436.jpg)
代表グレード | ジープ・グランドチェロキー リミテッド[4WD] |
---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 4825×1935×1785(エアサス車:1770)mm |
車両重量[kg] | 2190kg(エアサス車:2200kg) |
総排気量[cc] | 3604cc |
最高出力[ps(kw)/rpm] | 286ps(210kW)/6350rpm |
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] | 35.4kg-m(347N・m)/4300rpm |
トランスミッション | 5速AT |
10・15モード燃費[km/L] | 7.8km/L(エアサス車:7.7 km/L) |
定員[人] | 5人 |
消費税込価格[万円] | 498.0万円(エアサス車:523.0万円) |
発売日 | 2011/02/24 |
レポート | 大岡 智彦(CORISM編集部) |
写真 | CORISM編集部・クライスラー日本 |

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(レポート:大岡 智彦)
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