フォルクスワーゲンは、人気のスモールカー「フォルクスワーゲン アップ！（up!）」に、オレンジカラーをテーマにした特別限定車 「オレンジ アップ！（orange up!）」を設定し発売を開始した。

　フォルクスワーゲン アップ！は、2012年に国内マーケットに投入されたモデルで、フォルクスワーゲンブランド中、最もコンパクトなモデル。フォルクスワーゲン アップ！ は、直3 1.0Lという小さなエンジンを搭載し、23.1㎞/Lという低燃費を実現している。

　また、149万円からという輸入車としては驚きの低価格も話題になった。実際の量販モデルは169万円以上するモデルなのだが、軽自動車並みの価格で輸入車が買えるということで、フォルクスワーゲンに多くの新規顧客が訪れた。また、軽自動車の下取りも多く入っており、国産車を完全にターゲットにした戦略モデルともいえる。

　価格だけでないのが、フォルクスワーゲンの凄さでもあり、この価格帯のクルマに初の追突被害軽減自動ブレーキであるシティエマージェンシーブレーキが全車に標準装備。この安全装備は、イッキに軽自動車マーケットにも影響を及ぼし、現在のように多くの軽自動車が装備できるようになったきっかけを作った。

　そんな多くの話題を生んだフォルクスワーゲン アップ！にオレンジをテーマカラーにしたオレンジ アップ！が1,000台の限定車として投入された。すでに、アップ！はホワイトアップ！やブラックアップ！といった限定車も投入されている。この2台の限定車は、高級感をテーマとしたものだが、オレンジアップ！は、その鮮やかなオレンジカラーから連想できるようにポップで弾けるようなキビキビ走る元気の良さをイメージさせる限定車といえるだろう。

　ボディカラーは、オレンジアップ！の専用色である「ホットオレンジ メタリック」をメインに、「ディープブラックパールエフェクト」、「リフレックスシルバーメタリック」の全3色を用意。オレンジのダッシュパッドやステアリングやシフトノブまわりのオレンジステッチ、シートのオレンジパイピングなどでコーディネイトされている。

　ベースとなっているのは、最上級グレードであるハイアップ！のようで、装備類は充実している。価格もハイアップ！に対して3万円のアップだ。基本的に色味が違う程度だが、リヤ3枚がダークティンテッドガラスになっていたりするので、他のアップ！と比べるとちょっと違う雰囲気にもなっている。価格アップなりの装備といえるが、3万円アップでこれだけ他のアップ！と雰囲気が違うとお買い得に見えてくる。まぁ、そこがフォルクスワーゲンの狙いでもある。

　ただし、実際の購入時には、注意しなくてはならいないことがある。この手の限定車は、営業的に値引き抑制に使われることが多い。オレンジアップ！も同じ。限定車なので値引きができない、限定車なのでスグ無くなるから急いで決めてくれ、というようなセールストークがある可能性が高い。つまり、顧客を焦らせ値引きを抑え、即決させるためのツールでもある。オレンジアップ！の場合、限定数が1,000台と多いので、すぐに無くなることはないだろうから、ジックリと商談して一定の値引きを引き出すことが賢い買い物となる。

　一定の値引き条件を引き出すためには、ひとクラス上で199万円のフィアット500やシトロエンC3などと競合させてもいいだろう。これらのクルマが一定の値引きをしてくれれば、値引きゼロのオレンジアップ！と近い金額になる。

■フォルクスワーゲン オレンジアップ！価格：¥1,890,000

・専用装備
外観
- ダークティンテッドガラス（リヤ/リヤ左右、UVカット機能付き）
- ドアミラー ブラック塗装
内装
- 専用ダッシュパッド（オレンジ）
- 専用レザー3本スポーツステアリングホイール（オレンジステッチ）
- 専用レザーハンドブレーキグリップ（オレンジステッチ）
- 専用ファブリックシート（オレンジシートパイピング）
- 専用ドアシルプレート
タイヤ - 185/50 R 16
ホイール - 6JX16 アルミホイール（オレンジアップ！専用デザイン）
専用ボディカラー
- ホットオレンジメタリック（オレンジアップ！専用色）
- ディープブラックパールエフェクト
- リフレックスシルバーメタリック

■フォルクスワーゲン アップ！スペック
全長 3,545mm 全幅 1,650mm 全高 1,495mm
ﾎ ｲｰﾙﾍﾞｰｽ 2,420mm
排気量 形式 ：999cc 直列3気筒DOHC（4バルブ）
最高出力 55kW(75ps)/6,200rpm
最大トルク 95Nm(9.7kgm)/3,000~4,300rpm
トランスミッション 5速ASG
燃料　23.1km/ℓ（JC08モード）