スズキ スイフトスポーツ新車情報・購入ガイド 歴代最速確定! 軽量ボディとパワフルターボの最強コンビネーション!! [CORISM]

■コストパフォーマンスに優れる価値あるスポーツモデルがスイフトスポーツ

スズキは、主力コンパクトカーのスイフトにスポーツモデルの「スイフトスポーツ」を追加し発売を開始した。
スイフトスポーツは、今回のフルモデルチェンジで4代目となった。初代スイフトスポーツは、JWRCに参戦。スズキのスポーツイメージを体現したモデルとして成長を続けている。
また、スイフトスポーツは、安価なスポーツモデルとしての価値を生み出した。多くの自動車メーカーが、スポーツカーマーケットから撤退。もしくは、高額なモデルへとシフトした。スイフトスポーツもフルモデルチェンジするたびに価格がアップしていく。しかし、価格アップの幅は小さかった。4代目スズキ スイフトスポーツも200万円を切る価格で登場した。
クルマ離れが話題になるのと同じくして、スポーツカー離れも加速している。これは、メーカー側にも責任があり、売れないから造らない。だから、もっと売れなくなる。と、いうマイナスのスパイラルに突入している。
ところが、スイフトスポーツだけは異なっており、爆発的な販売台数ではないものの、多くのファンに支持された。また、手が届きやすい価格ということもあり、若年層が楽しめるスポーツモデルとして高い人気を得ている。
一定の支持があるとはいえ、標準モデルに比べれば販売台数は少なく、専用設計部分も多くコストもかかるスイフトスポーツ。売れないと、すぐに撤退してしまう傾向が強いスズキにとって、スイフトスポーツだけは異例のようだ。スズキ社内でも、スイフトスポーツのファンが多いというのも十分に納得がいく。




■初のターボエンジン搭載! しかし、環境性能は・・・

新型スズキ スイフトスポーツには、初のターボエンジンが搭載された。このエンジンは、エスクードにも搭載されているのは、1.4L直4のK14C型ブースタージェットエンジン。このエンジンをスイフトスポーツ用に専用チューニング。エスクードより出力がアップされ、140ps&230Nmを発揮する。
専用チューニングされたポイントは、点火制御とターボ過給圧制御。排気ガスの流入量を調節するウエストゲートバルブの開閉を、過給がかかりやすく反応に優れたノーマルクローズ制御とした。ターボエンジンの悪癖であるアクセルレスポンスを改善。アクセル操作に対する反応を高め、過給応答性を向上させている。こうした専用チューニングにより、使用する燃料はハイオクガソリンとなった。
ターボエンジンとしたことで、アフターマーケットでのチューニングもひとつの楽しみとなる。
そして、組み合わされるミッションは6速MTと6速ATが用意された。先代スイフトスポーツは、CVTだったため、ややダイレクト感に欠けるフィーリングだったが、6速ATになったことでMTにも負けないダイレクト感とイージードライブを可能としている。
6速MTは、2~5速をクロスレシオ化した先代スイフトスポーツと同じギヤ比の6速MTを採用した。
燃費性能は、6速MT車が16.4km/Lで6速AT車は16.2km/Lとなった。軽量ボディに、この燃費値はやや物足りない。スイフトスポーツ6速ATの車重は、わずか990㎏。同じようなスポーツモデルであるフォルクスワーゲン ポロGTIの車重は1,240㎏で燃費は17.2㎞/L。しかも、1.8Lターボエンジンが搭載されている。
スイフトスポーツの燃費が物足りない大きな理由は、アイドリングストップ機能が無いこと。同じ型式のエンジンを積むエスクードはアイドリングストップ機能付きだ。CO2の低減は、全世界的な課題でもある。量販スポーツモデルとはいえ、最もベーシックなエコ技術であるアイドリングストップ機能を装備しなくてよいという理屈はない。
スズキは、安全装備や環境技術の装備などに関して、軽視する傾向が強い。こうした装備を排して価格を安くするという価格重視の戦術を取る。そもそもクルマは、交通事故死を生み、環境破壊をしてきた歴史がある。この負の歴史から学びより良いクルマをマーケットに送り出す責任がメーカーにはある。現在、そうした負の歴史を改善するための安全や環境技術があるのに使わないという選択は、スズキという会社のブランド力を落とす結果になる。こうした戦術には、共感できない。



■軽量ボディは、トレッドを広げ3ナンバー化

新型スイフトスポーツには、新プラットフォーム「HEARTECT(ハーテクト)」が採用されている。スズキの軽量化技術も投入されていることもあり、先代スイフトスポーツと比べると70kgもの軽量化を実現。新型スイフトスポーツの車重は、MT車で970㎏と非常に軽く仕上がった。軽量化は、走行性能や燃費性能などに大きな影響を与える。この軽量ボディにパワフルな140ps&230Nmのエンジンの組み合わせは、誰もが期待する部分だ。
そして、新型スイフトは、より高い旋回性能を得るためにワイドトレッド化にチャレンジした。国内仕様スイフトスポーツとして、初の3ナンバーサイズのボディとなった。ボディサイズは、全長3,890×全幅1,735×全高1,500㎜となった。トレッドは、前1,510㎜、後1,515㎜。標準車のRStが前1,480㎜、後1,485㎜なので前後とも30㎜ワイドになっている。
また、空力特性も改善された。空力パーツを造り込むことにより、揚力低減と空気抵抗の低減を実現。空気抵抗は、先代スイフトスポーツ比で約10%低減している。
そして、クルマの動的性能を左右するシャシー関連も専用チューニングされている。ステアリング操作に対する高い追従性能を実現するため、専用ハブベアリングや専用トーションビームを採用。車軸支持剛性を強化した。
足回り関連では、専用スタビライザーやコイルスプリング、ブッシュ類などを採用。ロール剛性を最適化した。そして、よりスポーティな走行に対応するための減衰特性をもつモンローのフロントストラット、リヤショックアブソーバーを採用している。
ホイールは、強度と軽量化を両立した専用の17インチアルミホイールを装備。優れたグリップ性としなやかな接地性能を実現した195/45R17サイズのタイヤを採用した。
ブレーキ関連も強化された。フロントブレーキサイズを拡大。ディスク大径化やディスク厚を増すことで、高速領域での絶対的な制動力や耐フェード性も向上している。



■数々の専用パーツを装備し個性を主張するスイフトスポーツ

新型スイフトスポーツは、標準車に対して外観もよりスポーティなものに変更されている。フロントフェイスは、ノーズを前方にせり出させ、躍動感を強調した専用バンパー&グリルを装備。グリルは、より大きくなり迫力が増した。
リヤビューは、なかなかドッシリとした安定感のあるスタイルになった。これは、全幅がよりワイドになったことも影響している。カーボン調シボを施したフロントグリルとバンパー下部などにより、スポーティな雰囲気を大幅に向上。とくに、ディフューザー形状のリヤバンパーサイドに配された太めのマフラーは迫力満点。視覚的重心も下がって見えるので、スタイリッシュだ。
新型スイフトスポーツのボディカラーは、専用車体色チャンピオンイエロー4をはじめ、スピーディーブルーメタリック、バーニングレッドパールメタリック、ピュアホワイトパール、プレミアムシルバーメタリック、スーパーブラックパールの6色が設定された。
インテリアも多くの専用装備が占める。スポーツドライビングで重要なシートは、体をしっかりと支えるバケットシートタイプの専用フロントシートが採用された。
また、タコメーターの盤色を赤に、スピードメーターの盤色をダークシルバーとした強いインパクトのある専用メーターを採用し、視認性の向上はもちろん、視覚的にもスポーツドライビングを盛り上げてくれる。
メーター中央に配された高精彩の4.2インチ大型カラードット液晶のマルチインフォメーションディスプレイを設置。ブースト計と油温計を追加している。
ステアリングには、表皮にディンプル加工を施しグリップ性を向上させた専用本革巻ステアリングホイールを採用。スポーツモデルとしては、レッドをアクセントとした定番の手法が施されている。
ペダル類は、操作性に優れたステンレス製ペダルプレートが採用された。
全体的に、かなり多くの専用装備が装着されており、かなり満足度の高い仕上がりが特徴だ。



■優れた安全性能をもつものの、安全装備はユーザー任せのオプション設定

新型スイフトスポーツの安全装備には関しては、やはり及び腰な印象が強い。クルマは人を殺める危険性のある製品だ。歩行者など、死亡事故軽減のための装備は、人を殺めるクルマという製品を売る自動車メーカーの責任だ。オプション装備として、顧客に責任を転嫁するようなやり方は無責任すぎる。ホンダは、軽自動車のN-BOXで全車に歩行者検知式自動ブレーキを含む先進予防安全装備である「ホンダセンシング」を標準装備化した。
スイフトスポーツの安全性能は、一定以上のレベルにある。また、今後歩行者検知式自動ブレーキを含む先進予防安全装備の標準装備化は、確実に進んでいく。それだけに、オプション装備化するという選択をしたのは残念だ。
安全性能面では、スズキ初の車線逸脱抑制機能が用意され、歩行者検知式自動ブレーキを含む先進予防安全装備であるデュアルセンサーブレーキサポート(DSBS)は、さらに進化したことになる。
デュアルセンサーブレーキサポート(DSBS)とセットでオプションとなるセーフティパッケージ装着車には、誤発進抑制機能(6MT車を除く)、車線逸脱警報機能、ふらつき警報機能、先行車発進お知らせ機能と、ハイビームアシスト機能を搭載している。
その他、カーテンエアバッグ&フロントシートサイドエアバッグ、アダプティブクルーズコントロール(ACC)が装備される。



■クラストップレベルのパワフルさとコストパフォーマンスをもつスイフトスポーツ

新型スズキ スイフトスポーツの価格は、1,836,000円(6MT)とコストパフォーマンスに優れた価格設定となった。しかし、この状況では安全装備が物足りないので、歩行者検知式自動ブレーキを含む先進予防安全装備がセットになったセーフティパッケージ(86,400円)をオプション選択する必要がある。それでも、約192万円という価格だ。これで、十分に楽しめる仕様となる。この価格で走りを楽しめるクルマは数少ないので価値あるモデルだ。
直接のライバルとなりそうなのは、日産マーチニスモSで価格は約184万円。マーチニスモSは、1.5L自然吸気エンジンなので、116ps&156Nmとスイフトスポーツほどではない。ややボディサイズが大きくなるが、ノートニスモSやヴィッツGR SPORTなどもある。しかし、価格は200万円を軽々超えるものの、スイフトスポーツほどの出力はないという状況。スイフトスポーツのコストパフォーマンスは、このクラスのスポーツモデルの中でも際立っているといえるだろう。
そして、スイフトスポーツは新たに6ATが設定された。従来のCVTよりはダイレクト感のある走りが楽しめるのが特徴。また、免許制度や家族の都合でどうしてもATじゃないとダメ、という人でも十分に楽しめるようになっている。
また、スイフトスポーツはターボモデルなので、アフターマーケットで多くのコンピューターチューニングにより、更なるパワーアップが容易にできるようになるだろう。購入後のカスタマイズの幅もスイフトスポーツにはありそうだ。



■スズキ スイフトスポーツ価格
■スズキ スイフトスポーツ燃費、スペックなど
代表グレード | スズキ スイフトスポーツ6MT |
---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 3,890×1,735×1,500 |
ホイールベース[mm] | 2,450mm |
トレッド前後[mm] | F:1,510mm R:1,515mm |
乗車定員 | 5名 |
エンジン種類 | K14C型直4DOHC直噴ターボ |
ボア×ストローク[mm] | 73.0×81.9 |
総排気量[CC] | 1,371 |
エンジン最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] | 230Nm(23.4kg-m)/2500~3500rpm |
ミッション | 6速MT(6ATもあり) |
駆動方式 | FF |
サスペンション | F:マクファーソンストラット R:トーションビーム |
ブレーキ | F:Vディクス R:ディスク |
タイヤサイズ | 195/45R17 |
JC08モード燃費km/L | 16.4㎞/L |
価格 | 6MT:1,836,000円 |
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