
両側スライドドアになり使い勝手が大幅に向上!

ダイハツ タントがフルモデルチェンジを受け、超ハイト系軽自動車として従来からのコンセプトを進化させて登場した。
ダイハツ タイトはこれまで、左側にセンターピラーのないミラクルオープンドアを特徴としてきた。今回はそれを継承して開口部を拡大するとともに、ヒンジ式(スイング式)だった右側のリヤドアもスライド式に変更した。最近はミニバンの大半が左右にスライドドアを採用しており、新型ダイハツ タントでもそうした要望が強かったという。
また、助手席のシートのスライド量を拡大し、さらに運転席からも助手席のシートを容易に動かせるようにすることで、広い室内空間をより使い勝手の良いものにしている。
新型タントのエンジンはアイドリングストップ機構の採用などによって、全車がエコカー減税の対象になっている。数値性能を見ると、ライバル車であるスペーシアに対してやや及ばない。しかし、新型タントの燃費は28.0km/Lというレベルなので、十分な低燃費性能をもつ。無意味な燃費競争をして、ユーザーのニーズから離れるよりもずっと良い。

走りの質感を重視するダイハツの姿勢は高く評価できる!

新型ダイハツ タントを実際に走らせた印象は、車格がひとつ上がったような印象があった。タントは全高が高いため、初代モデルの時代から操縦安定性の確保が大きな課題になっていて、2代目にチェンジしたときにかなりの改善が施されたが、今回のモデルでは足回りの設計を見直すことで、さらに高い操縦安定性を確保した。
最近のダイハツ車は、昨年暮れにデビューしたムーヴもそうだが、フロントにスタビライザーを装着するなど、全体的に走りの質感を向上させている。走りの質感という点では、今回の新型タントは静粛性が向上したことも注目されるポイントだ。
新型タントのエンジンやCVTは、基本的にキャリーオーバーなので動力性能の面では変化はないが、CVTは坂道で余分な変速をしないように登坂制御で取り入れられた。これによって、スムーズで安定した駆動力が得られる走りができるようになった。まあ、こうした制御は登録車のATなどではとっくに常識だったから、むしろ採用が遅かったくらいである。
新型タントには、自然吸気エンジンだけが搭載され、別掲のタントカスタムにはターボ仕様のパワフルなエンジンも搭載されている。先に改良のあったムーヴでは、標準車にもターボエンジンが搭載されているので、さらに重量の重いタントにもそうしたバリエーションがあったほうが良い。試乗当時にそう感じていたら、最近になり標準車にもXターボグレードが追加された。高速道路や長距離走行が多い人なら、ターボモデルが向くだろう。
先進緊急ブレーキシステムのスマートアシストは、全グレードで選択が可能。わずか5万円ほどの装備だから、積極的に装着しておきたい。ムーヴでは装着率が70%に達しているというから、もはや全車に標準装備しても良い時代だ。
ダイハツ タント価格・燃費・スペックなど
■ダイハツ タント価格
・L 2WD 1,170,000円 4WD 1,291,000円
・L“SA”2WD 1,220,000円 4WD 1,341,000円
・X 2WD 1,300,000円 4WD 1,421,000円
・X“SA”2WD 1,350,000円 4WD 1,471,000円
・Xターボ 2WD 1,380,000円 4WD 1,501,000円
・Xターボ“SA” 2WD 1,430,000円 4WD 1,551,000円
・G 2WD 1,410,000円 4WD 1,531,000円
・G“SA” 2WD 1,460,000 4WD 1,581,000円
| 代表グレード | ダイハツ タントG“SA” |
|---|---|
| ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 3,395×1,475×1,750mm |
| ホイールベース[mm] | 2,455mm |
| トレッド前/後[mm] | 1,300/1,295 |
| 車両重量[kg] | 940kg |
| 総排気量[cc] | 658cc |
| エンジン最高出力[ps(kw)/rpm] | 52PS(38Kw)/6800rpm |
| エンジン最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] | 60(6.1)/5,200rpm |
| ミッション | CVT |
| タイヤサイズ | 155/65R14 |
| JC08モード燃費 | 28.0km/L |
| 定員[人] | 4人 |
| 税込価格[円] | 1,581,000円 |
| レポート | 松下 宏 |
| 写真 | 編集部 |

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