【ザ・対決 比較試乗】ホンダ ステップワゴン 対 トヨタ ノア/トヨタ ヴォクシー徹底比較 ROUND2達人によるコダワリ評価 [CORISM]

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【対決】2012/03/02
Mクラス&トールスタイルミニバンの世界。草分け的存在のホンダ・ステップワゴンと、販売的に他車を圧倒しているトヨタ・ノア ヴォクシーの対決だ。いよいよ専門家3人による評価が下るラウンド2。パッケージングやシート、走行性能など、多岐に渡るポイントをジャッジ。気になる勝敗の行方は!?

構成・文/近藤暁史

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達人によるコダワリ評価〜デザイン〜

ホンダ ステップワゴン トヨタ ノア トヨタ ヴォクシー
ホンダ ステップワゴン フロントビュー
トヨタ ヴォクシー フロントビュー
松下 宏 ウェッジの効いたボディサイドのキャラクターラインがスポーティさを表現する。標準車とスパーダの個性も明確で、Mクラスミニバンのなかでも存在感の際立つモデルだ。

8
ノアとヴォクシーでは違いがあり、一緒に語るのはむずかしいが、ファミリー向けのノアと若者向けのヴォクシーという違いが明確にされていて、わかりやすいデザインだ。

8
国沢 光宏 オーソドックスなミニバン。これといった特徴はない反面、逆に「ここが気にいらない」みたいな弱点もなし。実際に写真を見ないとスタイルを思い出せないと思う。

8
これまた特徴のないデザイン。強いて言えばヴォクシーはカッチリした存在感のあるフロントデザインをもつ。そのせいか、販売台数はノアよりヴォクシーのほうが多い。

9
近藤暁史 5ナンバーサイズ。さらにパッケージングなどの実用性を重視すると、デザインはプレーンになってしまうのか。ただし初代/2代目あたりの細かい部分はしっかりとデザインされていたが。

8
万人向け。つまり味がないのが味という、トヨタ的なデザインがノア。嫌味のない個性的なデザインという上手なまとめを見せるのがヴォクシーだ。どちらも売れるデザインだと思う。

8
SUBTOTAL 24 25

達人によるコダワリ評価〜パッケージ〜

ホンダ ステップワゴン トヨタ ノア/ヴォクシー
ホンダ ステップワゴン リヤビュー
トヨ ヴォクシー リヤビュー
松下 宏 ホンダならではの低床プラットフォームによって抑えた全高の中に十分な室内空間を確保している。走りと居住性のバランスを考えたら、あるべきミニバンの姿があるといえる。

9
室内空間の絶対的な広さがステップワゴンやセレナに劣るのは、全長の短さも関係している。3列目のシートの居住空間でやや不利になるのはやむを得ない。

7
国沢 光宏 ホンダ得意の低床型シャーシを採用。ライバルのミニバンより絶対的なフロアの高さが低いため乗降性良い。ボディサイズはノア/ヴォクシーより若干長く、室内も広い。

8
ド真ん中の典型的なミニバン。全長やホイールベースこそステップワゴンより短いものの、非常によく似たパッケージング。車重もイーブン。ガチンコのライバルである。

8
近藤暁史 全高を低くしているのが特徴のひとつ。その分、低床で広いということなのだが、いっそのこと、低床かつ高車高にすれば、タントみたいな驚きの広大室内になったのに。

8
マジメにパッケージングを煮詰めていったらこうなりました、的なじつにプレーンなパッケージング。これこそがMクラスミニバンの真骨頂だ。実用性はとても高い。

8
SUBTOTAL 25 23

達人によるコダワリ評価〜シート〜

ホンダ ステップワゴン トヨタ ノア/ヴォクシー
ホンダ ステップワゴン フロントシート
ホンダ ステップワゴン フロントシート
松下 宏 3列目シートの床下収納はミドルミニバンで唯一のもの。この使い勝手は相当に魅力的だ。1/2列目シートは普通に良くできている。運転席の乗降性やホールド性などもまずまず。

8
3列目のシートは左右に跳ね上げる方式。必ずしも操作性が良いとはいえず、ステップワゴンに分がある。1/2列目のシートの座り心地などのデキはほぼ互角といえる。

7
国沢 光宏 バイクを販売しているホンダだけあって、長尺物を運ぶのに向くシートアレンジが得意。2列目シートを畳んだビッグ収納モードもあって、絶対的なラゲッジスペースは優勢。

9
ステップワゴンにはない回転対座モードをもつ。荷物を積む能力より、居住性を重視したシートアレンジだと考えればいい。2列目シートの折りたたみ機能は付いていない。

8
近藤暁史 座り心地など、シート自体の造りはとてもいい。シートアレンジもオーソドックスだが、3列目が回転してラゲッジ床に収まるので、荷物をたくさん積むときに重宝する。

8
マイナーチェンジでさらにシートまわりのアレンジを煮詰めてきた。さらに5人乗りに割り切ったYY/トランスXもあるのは、より広い選択肢という点でうれしい配慮だ。

9
SUBTOTAL 25 24

達人によるコダワリ評価〜走り〜

ホンダ ステップワゴン トヨタ ノア/ヴォクシー
ホンダ ステップワゴン 走り
トヨタ ヴォクシー 走り
松下 宏 動力性能ではやや劣るものの、低重心による走りのバランスの良さがあるほか、CVTとの組み合わせによる、静かで滑らかな走りという点でも評価できる部分がある。

7
バルブマチック付きエンジンによって動力性能と燃費を両立させている。操縦安定性では劣るものの、総合的な走りのフィールではステップワゴンをやや上回っている。

8
国沢 光宏 ホンダ自慢の2リッターi-VTECは150ps。低い回転域から太いトルクを出す。ミッションは最適なギヤレシオを選ぶCVT。ハンドリングは従来型より少し後退した。

7
158psを発生するバルブマチックの2リッターを全グレードに搭載。10・15モードでホンのわずかながらステップワゴンを凌ぐ。ハンドリングはステップワゴンより上。

8
近藤暁史 i-VTECを搭載するエンジン自体のフィーリングはよく、パワー的にも不満はない。エコモードも付いている。CVTとのマッチングもいいが、それ以上のなにかが足りない。

8
スーパーが付くCVTは確かに賢い。エンジンはなんといってもバルブマチック搭載が効いている。アクセルレスポンスもよく、そこそこ気持ちいい走りが楽しめる。

8
SUBTOTAL 22 24

達人によるコダワリ評価〜安全性&経済性&エコ〜

ホンダ ステップワゴン トヨタ ノア/ヴォクシー
ホンダ ステップワゴン エンジン
トヨ ノア エンジン
松下 宏 昨年発売のクルマなのに中央席のシートベルトが2点式なのは納得できない。燃費も登場時点ではノア/ヴォクシーと同等だったが、マイナーチェンジですぐに離されてしまった。

5
マイチェンで中央席のシートベルトを3点式に変更したほか、エンジンを改良して燃費も向上させるなど、ステップワゴンを引き離すかのように魅力アップを図っている。

8
国沢 光宏 ガチンコのライバル関係とあって安全性も経済性もエコ性能もイーブン。クルーズコントロールは高価なアダプティブタイプ。横滑り防止装置は最廉価グレードだと付かない。

8
横滑り防止装置VSCはすべてのグレードに装着可能。ロングドライブで威力を発揮するクルーズコントロールは「Vグレード」にしか付かない。衝突安全性は互角かと。

8
近藤暁史 登場から1年ちょっとと、比較的新しいモデルながら、2/3列目の中央シートベルトが2点式だったりするのは残念。エコモードのボタンを押すと確かに燃費などがアップする。

7
マイナーチェンジで燃費に磨きをさらにかけた。15km/Lに迫る数値というのは、Mクラスのトールタイプでは驚異的といっていいほど。オプションも含め安全装備は充実。

8
SUBTOTAL 20 24

総評

ホンダ ステップワゴン トヨタ ノア/ヴォクシー
松下 宏 スポーティなデザインや低床プラットフォームによる操縦安定性の高さなどはミドルミニバンのなかでもっとも優位に立つ部分。新エンジンとCVTによって燃費を向上させたほか、静かで滑らかな走りを実現するなど、昨年のフルモデルチェンジでの魅力アップは明らかだ。ミドルミニバンで売れ行き首位にふさわしいクルマである。 発売時点が古く、居住空間がやや狭いのはミニバンとしての競争力に欠ける部分だが、両方を合わせればもっともよく売れているミニバンはこちらだ。特に今年のマイナーチェンジでしっかりと改良を行っており、走りと燃費を向上させ、安全装備を充実化させたのは高く評価できる。まだまだステップワゴンには負けていない。
国沢 光宏 ハンドリングマシーンのようだった従来型と対照的に「走りよりスペースユーティリティ」。燃費を重視したECOタイヤを履いていることもあり、先代と同じつもりでコーナーを走ると「あらら?」。とくにウェット路面では少し物足りない感じ。ただ使い勝手は大幅に向上。3列目シートの居住性はノア/ヴォクシーに迫る。 マイナーチェンジで全グレードがバルブマチックエンジンとなった。2.2リッターエンジンに匹敵する動力性能と、1.8リッターと同等の実用燃費なのだから素晴らしい。ハンドリングも大幅に向上しており、今やステップイワゴンに勝るレベル。数少ない弱点が乗り心地。もう少しソフトになれば文句ありません。
近藤暁史 先駆車としてジャンルを確立しながら、その個性や存在感を維持できないのが、ホンダの弱いところ。オデッセイしかりだ。先代みたいにフローリングや障子といったのはなくなったが、その分、使い勝手や走りでステップワゴンならではの部分を打ち出せたかというと疑問。走りはボディサイズゆえにライバルと大きく差が付けられない。 まず登場時にバルブマチックを搭載して驚いた。エンジンのうま味が十二分に引き出されている。さらにマイナーチェンジで燃費を中心に性能を煮詰めてきた。その数値はかなりよく、シートまわりの実用性も大きく向上した。リセールバリューも高く、買って損はない。本気になったトヨタの怖さが実感できるクルマだ。
TOTAL 116 120

評価する達人たち

小さくて軽く、誰でも買える価格帯、そして燃費がよいということを信念としてクルマを評論。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員としても、その信念は変わらない。大本命といわれている車種さえ外してでも自らの信念を貫き通す熱いハートをもつ。
歯に衣を着せぬ原稿で、なにかと話題の自動車評論家。歯切れのいい文章もわかりやすく、多くのファンをもつ。カートップやベストカーなど、多数の自動車雑誌に寄稿するだけでなく、WRCなどのTV解説まで幅広い活動を行なっている。
自動車ライター&エディター。自動車雑誌の編集者から独立。愛車はFIAT500。エンジンのOHからすべて自分でやり、今やもうやるところがない状態とか。自動車ライターだけでなく、業界唯一の省燃費グッズ評論家としても活躍。

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【ザ・対決 比較試乗】ホンダ ステップワゴン 対 トヨタ ノア/ヴォクシー徹底比較】
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(レポート:CORISM編集部

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