【トヨタ 新型 ヴォクシー試乗記】ホントはこっちがNo.1!? デビュー3年で熟成高まるニュー ヴォクシー[CORISM] [CORISM]

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【トヨタ】2010/05/29

トヨタのミニバン「ノア」(左)と「ヴォクシー」(右)

Mクラスミニバン、真のNo.1はどっちだ!?

トヨタ 新型 ヴォクシー ZS[FF]

トヨタ 新型 ヴォクシー ZS[FF]

 トヨタのミニバン「ヴォクシー」のマイナーチェンジモデルに試乗した。ヴォクシーが属するMクラスミニバンの人気No.1モデルは、TVCMなどでも盛んにうたわれているように日産の「セレナ」だ。2009年4月から2010年3月までの銘柄別ランキング(自販連調べ)を見ると、セレナは85642台で総合8位。それに対しヴォクシーは77260台で1万台近く差をつけられた9位となっている。しかしヴォクシーには兄弟車ノアがある。そちらは56864台を売って18位。2車を合わせれば134124台にも達することはあまり語られていない。2位のホンダ フィット(173154台)には及ばないものの堂々の3位にランクインするのだから、その凄さも判るだろう。
 そんな隠れた(?)大人気モデル「ヴォクシー」のマイナーチェンジの目玉は大きく分けて2つ。全車にバルブマチックエンジンを拡大採用したことと、カスタマイズ仕様「G SPORTS(G’s)」の新設定だ。そのほかはデザインの小変更などに留まる。さて、今回の目玉たるバルブマチックとは、カンタンに言うとエンジンの吸気機構を制御することで低・中速の力強さと高速域での伸びをもたらすというもの。結果、低燃費と高性能を両立させる夢の機構である。じゃあなんで最初から全車に採用しなかったの?という疑問は残るが、ともあれ今回の採用で、ノア/ヴォクシーは全車がエコカー減税75%の恩恵にあずかることになった。10・15モード燃費は14.4km/Lと確かに優秀だ。同クラスでNo.1の実力だと評価したい。
 しかし今回試乗車として我々に用意されたのが最上級モデルZS。これ、マイナーチェンジ前からもともとバルブマチック搭載車だった。いっぽう、新設されたG’sは試乗車の用意がなく、今回その実力を試すことは出来ず。うーん残念。今回は、デビューから3年が過ぎ熟成が進んだ(であろう)ニュー ヴォクシーの乗り味について試してみることにする。

 ともあれ気になるのは「バルブマチック」の出来。もともとエアロ付きの「ZS」(兄弟車「ノア」の場合「Si」)にしか載っていなかったこともあり、スポーティなエンジンなのかと勝手に期待を抱いてしまう人もいるかもしれない。しかしとりたててビュンビュン系という訳ではない点を記しておきたい。これだけの大きさ、車両重量1600kgの背の高い車を2.0リッターエンジンで動かしているのだからまあ仕方ないか。とはいえ、大人3人を乗せて試乗コースのバイバス道を良いペースで走っても、全く過不足ない走りだった。ただしセダン車に乗っているような気分で高速道の右車線をぐいぐいと加速するとなると、急激に賑やかになる。走らないというワケではないが、つまりそういう走りをするべき車ではないということだ。なにより大事な家族を乗せる車なのだから、そこは自重しよう。普通に走らせる分にはCVTのレスポンスも違和感はない。また、記憶の中にある日産 セレナ(同クラスの人気No.1モデル)の乗り味よりも、幾分静かな印象も受ける。両車を同条件で乗り比べてみないと結論めいたことは言えないがそう感じた。セレナの話ついでにその他の面も比較してみると、室内の質感についてはヴォクシーのほうがモダンな印象だ。シフト周りの造形など凝っているし、センターメーターも上質で視認性も良い。いっぽうのセレナは、そんなに質感が高いほうじゃないけど特に嫌じゃない、カジュアルかつシンプルな路線といったところ。TVCMの印象の違いとも似ていて興味深いところだ。

新型 ヴォクシー/ノア全車に搭載される3ZR-FAE バルブマチック付きエンジン

今回のマイナーチェンジで新型 ヴォクシー/ノア全車に搭載される3ZR-FAE バルブマチック付きエンジン。燃費も向上した

トヨタ 新型 ノア G's Version EDGE(左)とトヨタ 新型 ヴォクシー Version G's EDGE(右)

これが今回から追加されたスポーツコンバージョン仕様「G’s Version EDGE」。右がヴォクシー、左がノアだ。内外装のドレスアップのみならず、メーカー直系のトータルチューニングが施されている。

トヨタ 新型 ヴォクシー ZS[FF] リアビュー

ヴォクシーのZS・ZとノアのSi・S各グレードは専用のエアロパーツを装着し全長・全幅が標準車より少し大きく、3ナンバー登録となる。その他のモデルは5ナンバーだ。

7人乗りマルチ回転シートも新設定で、ますまず磐石なラインナップに

トヨタ 新型 ヴォクシー ZS[FF] インパネ周り
 そうそう、今回のマイナーチェンジでは、セカンドシートに2人乗りのキャプテンシートを装着した「マルチ回転キャプテンシート」が新設定となった。試乗車はその7人乗り仕様だったので、さっそく後席の乗り心地も試してみることにしよう。やはり後席キャプテンシートは快適だ。大人が2人独立して座れるのは良い。4名乗車時なら、後席を後ろまで目いっぱいスライドさせゆったり過ごすことだって出来る。そうなれば、広すぎてむしろ落ち着かないくらい、5ナンバークラスとは思えぬ余裕が足元に広がる。こういった背の高いミニバンの場合、重心の高さゆえカーブなどで体が左右に大きく振られてしまうこともあるが、その際にもアームレストの付いたキャプテンシートは体を保持するのに役立つ。また左右席間のスペースを利用すれば、わざわざ椅子を畳まずにサードシートへ移動することも出来る、と良いことづくしだ。6人以下の乗車が多いのなら、検討する価値はあるだろう。ただし8人乗り仕様に比べ3万円高となる点はご注意を。なおこの7人乗り仕様の場合、セカンドシートを180度回転させる対座モードもあるが、こちらはまず使わないと思う。実際にやってみるとわかるが、前席の背もたれが邪魔で、いちいち前席を倒してシートもスライドしてやらないといけないから面倒なのだ。そしてその結果得られる足元スペースも狭い。さすがに無理があるのだ。とはいえこの回転機構は、後席に乗せたチャイルドシートをドア側に半回転させることも可能。小さな子供がいる家庭には重宝すると評価していい。
 実はこのキャプテンシート、ライバル車には用意がないもので大きな強みとなる。とはいえ、昨年フルモデルチェンジしたステップワゴン、そして年内にもフルモデルチェンジがウワサされるセレナと、ライバルも黙ってはいない。新車が売れないと言われる中で、このMクラスミニバン市場だけはその規模を維持したまま推移している希少なゾーンだ。まだまだメーカー同士が激しく切磋琢磨し合うことは間違いない。ユーザーにとっては大いに歓迎したい戦いだ。
トヨタ 新型 ヴォクシー ZS[FF] フロントシート

今回のマイナーチェンジではフロントシートの快適温熱シートも一部グレードに設定された。肩や腰周りを適度に暖めるから、冬場のみならず、夏場のクーラーが苦手な方にもウレシイ装備なのだ。

トヨタ 新型 ヴォクシー ZS[FF] セカンドシート

こちらは7人乗り仕様のマルチ回転キャプテンシート。ライバルにはない仕様だ。定員乗車のニーズがないのならむしろ積極的に選びたいところ。

トヨタ 新型 ヴォクシー ZS[FF] サードシート

今回のマイナーチェンジから、全席に3点式シートベルトと中央席ヘッドレストが標準装備化した。しかしこのサードシートの中央ヘッドレストのデカさにびっくり。普段は外しておかないと、視認性にも難がある・・・

トヨタ 新型 ヴォクシー ZS[FF] エクステリア

(レポート:CORISM編集部

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