【トヨタ ノア/ヴォクシー 試乗記】メーカー直系のチューニングミニバン「ノア G’s/ヴォクシー G’s」の走りを試す
【トヨタ】2010/08/24
トヨタ ノア G's
GAZOO Racing(ガズーレーシング)プロジェクトの第一弾はノア/ヴォクシー

トヨタのGAZOO Racing(ガズーレーシング)と言えば、豊田章男社長の思い入れも強いプロジェクトで、テストドライバーなども参加する本格的な内容がウリでもある。すでにiQでGAZOO Racingバージョンが限定発売されているが、いよいよ本格始動。第一弾として選ばれたのは、ノア/ヴォクシーだ。その名もノア G'sとヴォクシー G'sとなる。
まず驚くのはその手抜きのない内容。通常、市販車として販売する場合、どうしてもぬるいものになってしまうのは、「自動車メーカーが作り、ディーラーが売る」という点で致し方ないのだが、このG'sたちは違う。
ラインナップはふたつで、スタンダードなノア/ヴォクシーG'sのほかに、さらにホットバージョンのノア/ヴォクシーG's バージョン エッジというグレードも用意されている。まずG'sだが、まず足回りは専用のサスペンションキットが入れられ、なんと30mmもローダウン。ホイールも18インチとなる。驚くのは根本であるボディ剛性を高めるべく、サイドシル裏などにスポット増しが施されているとのこと。ちなみにちょっと知った方だとスポットはもっとあちこちに打つもんだ、と思うかもしれないが、さまざまな解析をした結果、サイドシルの裏だけでも十分な効果が得られるとのことだと評価できる。
そして上級のバージョン エッジ。こちらはチューニングカーでよくやる、ロアメンバーなどを入れてボディ要所を連結することで、モノコックボディ自体の動きを抑制。さらにお馴染みのヤマハ製パフォーマンスダンパーも付き、高速走行時の安定や上質なフィーリングの実現にも力を入れている。そのほか、フロア下にディフューザーも装着されるなど、全方位的に手が加えられている。ただし、エンジンとミッションはノーマルだ。
まず驚くのはその手抜きのない内容。通常、市販車として販売する場合、どうしてもぬるいものになってしまうのは、「自動車メーカーが作り、ディーラーが売る」という点で致し方ないのだが、このG'sたちは違う。
ラインナップはふたつで、スタンダードなノア/ヴォクシーG'sのほかに、さらにホットバージョンのノア/ヴォクシーG's バージョン エッジというグレードも用意されている。まずG'sだが、まず足回りは専用のサスペンションキットが入れられ、なんと30mmもローダウン。ホイールも18インチとなる。驚くのは根本であるボディ剛性を高めるべく、サイドシル裏などにスポット増しが施されているとのこと。ちなみにちょっと知った方だとスポットはもっとあちこちに打つもんだ、と思うかもしれないが、さまざまな解析をした結果、サイドシルの裏だけでも十分な効果が得られるとのことだと評価できる。
そして上級のバージョン エッジ。こちらはチューニングカーでよくやる、ロアメンバーなどを入れてボディ要所を連結することで、モノコックボディ自体の動きを抑制。さらにお馴染みのヤマハ製パフォーマンスダンパーも付き、高速走行時の安定や上質なフィーリングの実現にも力を入れている。そのほか、フロア下にディフューザーも装着されるなど、全方位的に手が加えられている。ただし、エンジンとミッションはノーマルだ。



トヨタ ヴォクシー G's



トヨタ ノア G's



メッキのフロントグリルや専用バンパーなどを装備し、通常モデルとは異なる存在感を放っている。LEDランプはドレスアップだけでなく、安全装備としても役に立つアイテムだ。



リヤもディフューザー付きの専用エアロバンパーやエンブレムで、標準車との差別化が図られている。エンジンはノーマルだが、専用マフラーはスポーティなサウンドを味わえる。タイヤ&アルミホイールは18インチの大径タイプを装着する。
本格的なチューニングでミニバン離れした走りを楽しめると高評価

その効果は走ればすぐにわかる。最初にバージョン エッジから乗ったのだが、とにかくボディが硬い。硬いどころでなく、カチカチといってもいいほどなのだが、ボディが硬い分には安心感は増すので問題なかろう。ただ、足回りも同様に硬くなっており、段差などの入力があった場合、タイヤ→サスペンション→ボディとダイレクトに伝わってくるのは、少々疲れる点ではある。
ただし、それ以上に曲がるのが楽しい。「ボディがしっかりとしているサスペンションが仕事をしやすい」とはよく言うけど、まさにそれ。ボディのよじれがないので、スッと切った分だけ曲がっていくのは快感ですらある。やはりボディ剛性というのは基本だな、と改めて思い知らされるのだが、そこまでハイレベルに走りを追求しなくてもいいという人はバージョン エッジでなくて、ベーシックなG'sで十分。それでもしっかりとしたボディだから、チューニングモデルに乗っている気分にはなれるし、約30万円プラスでここまで違うなら満足度は高い。ちなみにバージョン エッジだと約60万円プラス(車両価格はグレードや乗車定員などにより261.5万円〜315.0万円)となってしまう。他にはないという点では安いと思うが、エスティマが買えてしまうのもまた事実である。
そもそもなぜここまでミニバンでやらないといけないのかと思ってしまうし、他の自動車雑誌などを見てもその論調が目に付く。「ミニバンでここまでやるのはどうか?」と開発陣に問いかけてみると「そもそも最適なスポーツカーがない」というのがあるし、さらに「売れているモデルでやるのは販売上自然なこと」という答えが返ってきた。確かにこのご時世、マニアックを追求しても厳しくなるのは当然で、売れているクルマの変わったグレードというほうが訴求はしやすかろう。ただし最後に「まぁ、そう言わないで見ててくださいよ」と言っていたのも事実。ボディ剛性の手法というのは確実に市販車にフィードバックされているというし、パート1、パート2と期待したいと評価したい。
ただし、それ以上に曲がるのが楽しい。「ボディがしっかりとしているサスペンションが仕事をしやすい」とはよく言うけど、まさにそれ。ボディのよじれがないので、スッと切った分だけ曲がっていくのは快感ですらある。やはりボディ剛性というのは基本だな、と改めて思い知らされるのだが、そこまでハイレベルに走りを追求しなくてもいいという人はバージョン エッジでなくて、ベーシックなG'sで十分。それでもしっかりとしたボディだから、チューニングモデルに乗っている気分にはなれるし、約30万円プラスでここまで違うなら満足度は高い。ちなみにバージョン エッジだと約60万円プラス(車両価格はグレードや乗車定員などにより261.5万円〜315.0万円)となってしまう。他にはないという点では安いと思うが、エスティマが買えてしまうのもまた事実である。
そもそもなぜここまでミニバンでやらないといけないのかと思ってしまうし、他の自動車雑誌などを見てもその論調が目に付く。「ミニバンでここまでやるのはどうか?」と開発陣に問いかけてみると「そもそも最適なスポーツカーがない」というのがあるし、さらに「売れているモデルでやるのは販売上自然なこと」という答えが返ってきた。確かにこのご時世、マニアックを追求しても厳しくなるのは当然で、売れているクルマの変わったグレードというほうが訴求はしやすかろう。ただし最後に「まぁ、そう言わないで見ててくださいよ」と言っていたのも事実。ボディ剛性の手法というのは確実に市販車にフィードバックされているというし、パート1、パート2と期待したいと評価したい。



インテリアのデザインやシートアレンジなどの使い勝手に変更はない。だが専用のシート地やフロアマットでスポーツマインドを高めている。



プッシュスターターのボタンやシフトレバーもG's専用タイプとなる。この他にもG's専用のアイテムが数多く採用されているのだ。



トヨタ ノア G's



トヨタ ヴォクシー G's
代表グレード | トヨタ ヴォクシー ZS G's(7人乗り) |
---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 4640×1720×1820mm |
車両重量[kg] | 1610kg |
総排気量[cc] | 1986cc |
最高出力[ps(kw)/rpm] | 158ps(116kW)/6200rpm |
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] | 20.0kg-m(196N・m)/4400rpm |
ミッション | CVT |
定員[人] | 7人 |
税込価格[万円] | 283.5万円 |
発売日 | 2010/6/30 |
レポート | 近藤暁史 |
写真 | オフィスマッシュルーム |
【関連記事】
- 【トヨタ 新型 ヴォクシー試乗記】ホントはこっちがNo.1!? デビュー3年で熟成高まるニュー ヴォクシー[2010.05.29/CORISM]
- トヨタの大人気ミニバン「ノア/ヴォクシー」がマイナーチェンジで全車エコカー減税75%適合[2010.04.27/CORISM]
- 【自動車業界・不思議発見】クルマが出ないTVCMでクラスNo.1!? 大人気「日産 セレナ」の謎に迫る Part1[2010.04.20/CORISM]
- トヨタ ハイエース/レジアスエースのディーゼル車がエコカー減税に適合[2010.07.27/CORISM]
- 【日産 新型 エルグランド 新車情報】8年ぶり、満を持して渾身のフルモデルチェンジ![2010.08.04/CORISM]
- トヨタ ヴォクシーハイブリッド&ノアハイブリッド(VOXY & NOAH)コンセプト新車情報・購入ガイド 待望のハイブリッドミニバンが、ついにデビュー! ヴォクシー&ノアハイブリッドの価格や燃費を予想した!【東京モーターショー出展車】
(レポート:近藤暁史)
【オススメ記事】
- フォルクスワーゲン ポロ新車情報・購入ガイド ついに全長4m越えに! 3ナンバー化した6代目新型ポロは、1.0L直3ターボを搭載【ニュース・トピックス】
- 三菱エクリプスクロス試乗記・評価 さすが4WDの三菱! 豪快にリヤタイヤを振りだすような走りも楽しめる絶妙なS-AWCに脱帽!【レビュー】
- 【日産リーフ 長期評価レポートvol.6】 日差リーフの実電費チェック! (一般道編)コツコツ電費を稼ぐe-Pedal【評論家ブログ : 日産リーフ】
- メルセデス・ベンツSクラス新車情報・購入ガイド 約20年振りの直6エンジンに、ISGを組みあわせた次世代エンジンを搭載!【ニュース・トピックス】
- 【日産リーフ 長期評価レポートvol.5】 日差リーフの実電費チェック! (高速道路編)実電費アップは、こだわりの空力性能にあり!【評論家ブログ : 日産リーフ】
- 三菱エクリプスクロス新車情報・購入ガイド スタイルに走り、装備とスキ無しの完成度を誇るコンパクトSUV。ガソリン車だけしかないことが、唯一の弱点?【ニュース・トピックス】
- 【日産リーフ 長期評価レポートvol.4】 30歳代クルマ好き女性、初めての電気自動車! その評価は?【評論家ブログ : 日産リーフ】
- 日産セレナe-POWER新車情報・購入ガイド ついに、シリーズハイブリッドシステムを搭載したセレナ! 5ナンバーミニバン、ハイブリッド車戦争へ加速!!【ニュース・トピックス】
- マツダCX-8試乗記・評価 際立つ運転のしやすさ! こだわりの「躍度」を雪上でチェック!【レビュー】
- 日産テラ(TERRA)新車情報・購入ガイド ナバラベースのSUV中国でデビュー! 日本への導入は?【ニュース・トピックス】
【関連記事】
- トヨタ、ダイハツ、スズキ商用軽バン電気自動車、新車情報・購入ガイド 2023年度内発売へ【スズキ】
- トヨタ ハリアーvsマツダCX-60 XD-ハイブリッド比較・評価 失敗・後悔しないためのクルマ選び【対決】
- 新車トヨタ ヤリス VS 中古車トヨタ カローラスポーツ徹底比較 失敗・後悔しないためのクルマ選び【対決】
- バンコク国際モーターショーレポート トヨタ/レクサス編【トヨタ】
- 中古ファミリーカーおすすめ5選! 「スライドドア車だけじゃない選び方」【生活・文化】
- ホンダ ステップワゴンスパーダ失敗・後悔しないための新旧比較【対決】
- ホンダ ステップワゴン vs トヨタ ヴォクシー&ノア徹底比較評価 失敗・後悔しないためのクルマ選び【対決】
- トヨタ プリウス新車情報・後悔しない購入ガイド 燃費より走行性能!?【トヨタ】
- 後悔、不要だった?ミニバンを買ってはいけない場合を解説【生活・文化】
- スズキ ソリオ/ソリオ バンディット新車情報・購入ガイド スズキ独自のハイブリッド搭載車を再投入!【スズキ】
【オススメ記事】
- ロングドライブでの運転が楽しく疲れにくい、お勧め中古SUV5選! 後悔・失敗しないための中古車選び【生活・文化】
- 三菱デリカミニ新車情報・購入ガイド やんちゃかわいいデザインで勝負! 人気グレード、ボディカラー、燃費、価格を追加【三菱】
- トヨタ、ダイハツ、スズキ商用軽バン電気自動車、新車情報・購入ガイド 2023年度内発売へ【スズキ】
- スバル クロストレック試乗記・評価 キャラ変しきれないモーター*人気グレード、価格、燃費追記掲載【スバル】
- ホンダ e:Ny1新車情報・購入ガイド 第2弾EV、欧州2023年秋! 日本での発売日は?【ホンダ】
- トヨタ ハリアーvsマツダCX-60 XD-ハイブリッド比較・評価 失敗・後悔しないためのクルマ選び【対決】
- アウディA3新車情報・購入ガイド これぞプレミアムブランド! リサイクル素材を積極採用した限定車【アウディ】
- 新車トヨタ ヤリス VS 中古車トヨタ カローラスポーツ徹底比較 失敗・後悔しないためのクルマ選び【対決】
- BMW X6新車情報・購入ガイド SUVなのに、速すぎてごめんなさい・・・【BMW】
- フォルクスワーゲン ID.4試乗記・評価 久しぶりの後輪駆動で走る楽しさを倍増!?【VW】
CORISM公式アカウントをフォローし、最新記事をチェック!