トヨタ カローラクロス VS トヨタC-HR 徹底比較評価

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【対決】2022/07/13

トヨタ カローラクロス VS C-HR

 

トヨタブランド内で直接的なライバル関係にあるカローラクロスとC-HR

 

カローラクロスとC-HRは、同じトヨタブランドから登場したCセグメントのコンパクトSUV。レクサスブランドのUXを含めると、3車種も同じカテゴリーに投入している。これほど、同じセグメントに異なる車種を投入しているのは、とても珍しくトヨタくらいだ。

それは、趣味趣向が異なる世界のユーザーに、最適なモデルを提案し買ってもらうためだ。その分、個々の車種ではそれほど多い販売台数にならないケースも多い。だが、3車種合わせると圧倒的な販売台数となることがポイントだ。

当然、この3車種共にGA-Cと呼ばれるプラットフォーム(車台)が使われている。プラットフォームの開発には、膨大なコストがかかるのだが、より多くのクルマに使えればコストの低減になる。その他、多くの部品も共通化されている。まさに、世界トップレベルの販売台数を誇るトヨタにしかできない戦略だ。

そんな中、国内ではカローラクロスとC-HRが直接的なライバル車となる。微妙に価格や装備が異なるが、その違いを徹底比較評価した。

 

 

トヨタ カローラクロスの特徴

 

トヨタ カローラクロスは、2021年9月に登場したCセグメントの新型コンパクトSUVだ。カローラという車名になっているが、デザインはセダンやワゴン、スポーツとは異なり、独立したモデルである。

このカローラシリーズに使われているGA-Cプラットフォーム(車台)は、Cセグメント用だ。プリウスや同じC-HRなども同じプラットフォームを使っている。

ただし、他のGA-Cプラットフォームを採用したモデルには、リヤサスペンションにダブルウィッシュボーン式が採用。しかし、カローラクロスには、ややグレードが落ちるトーションビーム式が使われている。走行性に直結する部分が、まったく異なるのだ。

そして、カローラクロスに搭載されたパワーユニットは、1.8Lハイブリッドと1.8Lガソリンの2タイプだ。ハイブリッド車の駆動方式は、FF(前輪駆動)と4WDのE-Four、1.8Lには4WDの設定はなくFF(前輪駆動)のみとなっている。

トヨタ カローラクロス
トヨタ カローラクロス

 

 

トヨタC-HRの特徴

 

注:トヨタC-HRの画像はマイナーチェンジ前のものです。

 

トヨタC-HRは、2016年に発売された新型車だ。特徴的な点は、デザイン。エッジの効いた強烈なキャラクターラインが複雑に交わっている。このデザインは、良くも悪くも万人受けしない。そのため「このデザインが好き」という人にとっては非常に満足度の高いものといえる。

また、C-HRは2016年デビューなので、すでにモデル末期状態だ。しかし、予防安全装備である「トヨタセーフティセンス」は、最新世代のものへアップデートされている。右左折時の歩行者や右折時の対向車にも対応し、このクラスではトップレベルの優れた安全性能を誇る。

プラットフォーム(車台)は、カローラクロスと同じGA-Cを採用している。リヤサスペンションは、ダブルウィッシュボーン式をスポーティな走りを披露する。

燃費もクラストップレベルの実力だ。パワーユニットは1.8Lハイブリッド、ガソリン車には今では希少な1.2Lターボエンジンを搭載している。

トヨタ C-HR
トヨタ C-HR

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1.燃費比較

 

カローラクロスとC-HRの燃費性能は同等レベル

 

カローラクロスの評価は 4.5
C-HRの評価は 4.5

燃費性能は以下の通りだ。(両車FF車、WLTCモード)

・カローラクロス 26.2km/L(1.8Lハイブリッド)  14.4km/L(1.8Lガソリン)

・C-HR 25.0~25.8km/L(1.8Lハイブリッド)  14.9km/L(1.2Lターボ)

燃費性能は同等レベルだ。わずかな差は、車重によるものだろう。カローラクロスの車重は1,380~1,410kgなのに対して、C-HRは1,440~1,450kgである。

カローラクロスが軽量化に成功している要因のひとつは、リヤサスペンションをトーションビーム式にグレードダウンされていることだ。C-HRに対して30kgも軽い。

ガソリン車は、両車で異なるエンジンが採用されているものの、燃費性能ほぼ互角である。

だが、カローラクロスの1.8Lエンジンには、アイドリングストップ機能が装備されていないのは残念だ。アイドリングストップ機能が装備されていれば、燃費値はさらに伸びる。トヨタは「カーボンニュートラルに全力で取り組む」としている。しかし、今でもアイドリングストップを装備していないモデルを販売している点には疑問が残る。

トヨタ カローラクロス
トヨタ カローラクロス

 

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2.価格比較

 

安価なカローラクロス。高価なりの価値があるC-HR

 

カローラクロスの評価は 3.5
C-HRの評価は 3.5

カローラクロスの価格は以下の通りだ。

1.8Lガソリン、全車CVT(FF、G Xグレード) 1,999,000円
1.8Lガソリン、全車CVT(FF、Zグレード) 2,640,000円
1.8Lハイブリッド車(FF、Gグレード) 2,590,000円
1.8Lハイブリッド車(E-Four、Zグレード) 3,199,000円

C-HRの価格は以下の通りだ。

1.2Lターボ(FF、6MT、S-Tグレード) 2,382,000円
1.2Lターボ(FF、6MT、S-T GR-SPORTグレード) 2,782,000円
1.8Lハイブリッド(FF、CVT、Sグレード) 2,745,000円
1.8Lハイブリッド(FF、CVT、S GR-SPORTグレード) 3,145,000円

同じCセグメントのコンパクトSUVであっても、見事なくらいに価格帯を分けている。

カローラクロスは、とにかく安価に見せたい狙いがある。ガソリン車のエントリーグレードでは、200万円を切る価格を付けて安さをアピールしている。エントリーグレードのG Xは、今時、必須ともいえるUSB端子も無いくらいシンプルな仕様だ。実際にある程度満足できる装備となるSグレードになると、価格は240万円になる。このクラスの平均的価格だ。

全体的にカローラクロスは、C-HRよりも安価な価格設定がされている。これは、機能的な部分でコストダウンが行われた結果だ。サスペンションは、C-HRのダブルウィッシュボーン式からトーションビーム式にグレードダウンしている。

予防安全装備「トヨタセーフティセンス」で比較すると、C-HRの自動ブレーキは昼夜の歩行者と昼間の自転車の他、右左折時の歩行者や右折時の対向車も検知する。対するカローラクロスは、昼夜の歩行者と昼間の自転車にしか対応していない。C-HRよりも後に発売されたカローラクロスのほうが、性能面で物足りなさを感じる。

こうした部分などを含めると、C-HRのほうがカローラクロスより少々高価なのは仕方がない部分でもある。

トヨタC-HR
トヨタC-HR

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3.購入時の値引き術

 

値引き幅が拡大傾向のカローラクロスとC-HR

 

カローラクロスの評価は 3.5
C-HRの評価は 4.5

トヨタ カローラクロスは、2021年9月に登場したばかりの新型車だ。本来なら、1年くらいは値引きが厳しい状態が続く。ところが、すでに値引きが拡大傾向にある。

値引きの要因は、納期遅れだ。コロナ禍によって部品調達ができず、ハイブリッド車を中心に大幅に納期の遅れが続いている。顧客が他社へ流出させないための値引きも含まれているようだ。

対するC-HRは、カローラクロスほどの納期遅れは発生していない。だがモデル末期なので、大幅値引きを十分に期待できる。

ただし、両車共に何もしなければ、ちょっとした値引きで終了してしまうので注意が必要だ。大幅値引きを引き出すためには、しっかりとライバル車と競合させなくてはならない。

カローラクロスとC-HRは同じトヨタ車同士なので、少々値引き交渉がややこしい。そのため、経営が異なるトヨタディーラー同士で競わせるのがコツとなる。経営母体が異なれば、同じトヨタディーラーであってもライバル関係になるからだ。

その上で、他社のライバル車も含め競合させたい。国産CセグメントのSUVでハイブリッド車はない。そのため、価格が300万円前後のモデルと競合させてみるといいだろう。1クラス下となるが、ホンダ ヴェゼルや日産キックスなどのハイブリッド車と競合させたい。ガソリン車であれば、マツダCX-30やスバルXVと競合させるとよい。

商談のコツは、先にライバル車の見積りを取っておくことだ。その後で本命となるC-HRやカローラクロスの商談をしたい。「とりあえず見に来た」くらいで商談するのがポイントだ。C-HRやカローラクロスが本命であると営業マンに悟られれば、値引きアップが難しくなる。

商談期間も長めにするのがコツだ。営業マンやお店がノルマ達成のため大幅値引きしてくれるかもしれない。タイミング次第なので、商談期間を長くして先方が「とにかく売りたい」と痺れを切らせるのを待つのもよい。

トヨタ カローラクロス

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4.デザイン比較

 

万人受けのカローラクロス

 

カローラクロスの評価は 4.0
C-HRの評価は 3.5

 

トヨタ カローラクロスは、「アーバン・アクティブ」をコンセプトとしてデザインされた。

大きな台形のグリルで、SUVらしい堂々とした安定感あるフロントフェイスを持ち、薄型LEDヘッドライトで睨みの効いた迫力も得ている。SUVのデザイントレンドをしっかり押さえながら、嫌味の無い万人受けするスタイルにまとめている。

ただ、横長のコンビネーションランプでワイド感をアピールするリヤビューは、フェイスデザインと比べるとやや平凡な印象だ。

 

個性派で、好き嫌いが分かれるC-HR

 

トヨタC-HRのデザインテーマは、「セクシーダイヤモンド」だ。とくにサイドビューは、色々なキャラクターラインが複雑に交わり、キャビンを含めた形がダイヤモンド風にまとめられている。前後フェンダーの盛り上がりも、かなりこってり系である。そのため、良くも悪くもとにかく目立つ。

このデザインは、好き嫌いが明確になる。販売直後は、こうしたデザインに惹かれた顧客が一斉に購入したこともあり、販売は絶好調だった。しかし、現在では発売直後の勢いがなくなり、販売面も低迷中だ。

カローラクロスとC-HRは共に、同じCセグメントのコンパクトSUVである。トヨタは、共食いを防ぐため、あえてデザインのテイストを明確に分けている。デザイン的には、どちらが良いかというより、どちらが好きか? で選ぶのがおすすめだ。

しかし、C-HRはやや古さを感じさせるようになってきている。

トヨタC-HR
トヨタC-HR

 

 

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