居眠りは病気!? 睡眠時無呼吸症候群のお話

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【生活・文化】2007/03/30

 

何気ない日常生活の中、突然居眠りをしてしまったら・・・

あたたかな春の日差しの中で

『春眠暁を覚えず。』
――春になるとよく耳にする言葉である。「春は特に眠たい」という意味ではなく「睡眠からなかなか起きることが出来ない。」というのが本来の意味らしいのだが、多くの人が「春は眠たい季節」のように使っているのではないだろうか?
たしかに暖かい天気のせいもあってウトウトしてしまいがちなこの季節、その心地よい眠気が実は体から異変を知らせるシグナルという可能性もあるのだ。
自分も運転中や仕事中に強烈な眠気に襲われることがある。恥ずかしながら、過去にそんな眠気が原因で追突事故を起こしたこともある。幸い大きなケガにはならなかったものの、タイミングが悪ければ重大事故を起こしてもおかしくなかった。その時点では、単に過労が起因の睡眠不足だと思い込んでいた。
その後、別の治療で訪れた病院に入院した際に看護士からの指摘で初めて「自分は睡眠時無呼吸症候群だったんだ!」と知った経緯がある。

知らないのは本人だけ?睡眠時無呼吸症候群

事故が起きてからでは遅すぎる

事故が起きてからでは遅すぎる!
 で、この「睡眠時無呼吸症候群Sleep Apnea Syndrome (略称SAS)」。最近ニュースや新聞などで耳にする機会も多いが、実際にどのような症状か理解されていないのが現状である。しかもSASは日本だけで約200万人〜300万人いるとも言われている。しかし自覚して治療を受けている人は非常に少ない。直接的に死亡したりする症例よりも、他の病気などの合併症を発症したり、高血圧や心疾患などの生活習慣病にも大きく影響があることはあまり知られていないだろう。
SASを疑うポイントとして、まず「いびき」をかく人は要注意だ。一般的に肥満体型の人や鼻が悪い人ばかりが「いびき」をかくように思われがちだが、残念ながらそうとは限らない。「いびき」の原因は睡眠中の喉や鼻の粘膜の振動と言われている。そして「いびき」をかいたあとに無意識で呼吸を止めてしまう症状が「睡眠時無呼吸症」と呼ばれている。体型に関係なく喉や気道など喉元の形状に左右されたりするので、過去に家族や友人などから「いびき」をかいていたと指摘をされた人は特に注意したほうがいいだろう。しかし「自分に限っては」と後回しにしていると、いつまでたっても改善されずに症状が悪化することも考えられる。

運転免許の更新にも影響アリ?

 近年、飲酒運転取り締まりのニュースなどをよく耳にするが、SASは飲酒と違い、病気なので取り締まることが難しい。しかも、飲酒のようにその場で簡単に確認できることではないので判別できない。
平成13年の法改正により運転免許の欠格事由のなかに睡眠障害として盛り込まれたので、最近になって免許取得や更新の手続きをした人は気が付いたかもしれない。飲酒運転も重大な過失だが運転に支障が出る睡眠障害の状態でも同じように過失と判断されてもおかしくはないのだ。

フクダ電子製 C-PAP装置

フクダ電子製C-PAP装置 使用には専門医の診察が必要になる

 現在、治療方法のひとつとして有効なのがC-PAPと呼ばれる装置により、睡眠中に一定圧の空気を送り込み強制的に睡眠障害を起こさないようにする方法が主流のようである。個人によって設定が異なるので専門医の診断処方が必要となる。自分も「もしかしたら・・・?」と感じたら早めに専門医に掛かることをオススメする。
事故が起きてからでは取り返しがつかないが、事前に気をつければトラブルを軽減することも可能だということを忘れないで欲しい。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)のチェックポイント

ここで簡単な睡眠時無呼吸症候群のチェックポイントを挙げておこう。

・ 睡眠中に「いびき」をかく。
・ 目覚めると寝汗をかいていることが多い。
・ 目覚めても疲労感やだるさが抜けない。
・ 睡眠が浅いうちに金縛りにあっているような感覚になる。
・ 昼間に突然、強烈な眠気に襲われる。
・ 肥満体型
・ 集中力が低下する。
・ 口や喉が渇きがちである。
・ 不眠症

筆者の体験や掛かっている医者からのアドバイスを参考にしているので
詳細が気になる方は、お近くの呼吸器科のある病院へ。

それでも、やっぱり春は眠たい季節。

(レポート:ダーワ教授

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