
話題のスズキから登場した愛らしいフォルムのベーシックカーが高評価

スズキといえばフォルクスワーゲンとの提携を発表したり、話題の多いメーカーだ。もちろん今に始まったことではなく、巷で言うところのカリスマ経営者たる鈴木修氏の指揮の下、さまざまな方針や新型車を打ち出してきた。そのひとつが、スズキ アルトだろう。乗用車ながら、貨物扱いとして登録するという発想、つまりボンバン(ボンネットバン)の先駆車として時代を切りひらいてきた。「アルト、 47万円」という登場時のコピーはこのクルマのキャラクターをよく表している。まぁ、このところ、軽自動車にもハイト系や超スペースの波が押し寄せてきており、以前ほどの輝きはないように見えるのは致し方ないか?
というところで、新型スズキ アルトである。なんと7代目になるのだが、先代のいわゆるハッチバックセダンスタイルから一転。ボンネットからルーフまでのラインをなだらかにひとつの流れとしたスタイル、つまりモノフォルム化とし、少々、ワゴンRレベルのハイトテイストもプラスして生まれ変わった。ちなみにデザインターゲットとしては、先代が女性向けだったのに対して、今回はターゲットを絞ることなく、広い層に受け入れられることを想定しているという。丸いライトは愛嬌があるけれど、確かに男が乗っても変ではないし、老若問わず誰もが気恥ずかしくなく乗れるハズだ。
というところで、新型スズキ アルトである。なんと7代目になるのだが、先代のいわゆるハッチバックセダンスタイルから一転。ボンネットからルーフまでのラインをなだらかにひとつの流れとしたスタイル、つまりモノフォルム化とし、少々、ワゴンRレベルのハイトテイストもプラスして生まれ変わった。ちなみにデザインターゲットとしては、先代が女性向けだったのに対して、今回はターゲットを絞ることなく、広い層に受け入れられることを想定しているという。丸いライトは愛嬌があるけれど、確かに男が乗っても変ではないし、老若問わず誰もが気恥ずかしくなく乗れるハズだ。
スタンダードな乗用車タイプのフォルムながら、ワゴンRのようなハイトテイストもプラスされたのが特徴だ。
全高が高められたスクエアなフォルムで、どっしりとした安定感を感じさせてくれる。シンプルで好感がもてる。
自然吸気のみでターボの設定はなし。だが CVT車ならばターボはいらないと感じさせるほどの走りを味わえる。
5速MTや4速ATもあるが、オススメは CVT(写真)。副変速機付きの新開発のモノで、走りと燃費の良さを両立させた。
メーターはシンプルなデザインでコントラストがはっきりしている。文字盤も大きく非常に見やすい印象がある。
オーディオやエアコンのスイッチ類は円をモチーフにしたインパネに上手く納められている。操作性も良好だ。
力強いけど低燃費なNEW アルトの走りは「コレで十分」どころではない凄さだ

で、その乗り味自体が大きく進化した。スズキの軽ラインナップのなかでも、アルトはスタンダード部門を担当する車種。それだけにターボは設定がないのだが、こう文字にすると「まぁ、安いし、ベーシックだから、ガマンガマン」と思ってしまいがち。でも、こと新型に限ってはまったくもってそんなことはない。その最大の功労者が「副変速機付きCVT」だ。これは日産系のミッションメーカー、ジヤトコへスズキも出資をしたことによる採用といった側面もあるものの、とにかくこのCVTがエンジンのうま味を最大限に引き出してくれる。
高回転を常に維持してパワーを絞り出し、そこそこ走る、みたいなイメージはまったくない。回転を低く抑えながら、滑らかに、そして気持ちよく加速していくし、アクセルに対する反応もソフトかつ確実。逆に「ターボがなくてもいいや」とまで思ってしまったほど。足回りもしなやかで、エンジンともども走りの質を1ランク以上アップさせてくれる。
そして副変速機付きCVT の恩恵を最大限に受けているのが燃費だ。そもそもCVTはワイドレンジかつ、ハイギア寄りにもっていける特性が省燃費を引き出すのに威力を発揮する。そこにローとハイのふたつを切り替える副変速が加わったのだから、燃費もさらによくなりつつ、走りもキビキビとしたモノになって当然だ。実際のところ、FFの CVTがカタログ値は24.5km/L(10・15モード)を誇る。この数字自体がかなり優秀でありつつ、実際撮影であちこち動き回っても、20km/L を軽く割る程度。ハイブリッドではなく、純粋なガソリン車でこれほどまで、実燃費がカタログ値に近いクルマもそうないだろう。
もちろん価格は 100万円以下が中心価格帯となる。室内の質感も明るくて開放感溢れる感じにまとめられ、アルトというか軽自動車スペシャリスト、スズキの実力が全開。「これで十分じゃん」と思わず心の中で唸ってしまったが、アルトの実力のほどを見るとそんなつぶやきもじつに自然に出てくるというものだ。
高回転を常に維持してパワーを絞り出し、そこそこ走る、みたいなイメージはまったくない。回転を低く抑えながら、滑らかに、そして気持ちよく加速していくし、アクセルに対する反応もソフトかつ確実。逆に「ターボがなくてもいいや」とまで思ってしまったほど。足回りもしなやかで、エンジンともども走りの質を1ランク以上アップさせてくれる。
そして副変速機付きCVT の恩恵を最大限に受けているのが燃費だ。そもそもCVTはワイドレンジかつ、ハイギア寄りにもっていける特性が省燃費を引き出すのに威力を発揮する。そこにローとハイのふたつを切り替える副変速が加わったのだから、燃費もさらによくなりつつ、走りもキビキビとしたモノになって当然だ。実際のところ、FFの CVTがカタログ値は24.5km/L(10・15モード)を誇る。この数字自体がかなり優秀でありつつ、実際撮影であちこち動き回っても、20km/L を軽く割る程度。ハイブリッドではなく、純粋なガソリン車でこれほどまで、実燃費がカタログ値に近いクルマもそうないだろう。
もちろん価格は 100万円以下が中心価格帯となる。室内の質感も明るくて開放感溢れる感じにまとめられ、アルトというか軽自動車スペシャリスト、スズキの実力が全開。「これで十分じゃん」と思わず心の中で唸ってしまったが、アルトの実力のほどを見るとそんなつぶやきもじつに自然に出てくるというものだ。
インパネは丸みを帯びた形状で好感が持てるもの。大きなグローブボックスを始め、収納スペースはとても充実している。
フロントシートは形状から想像する以上に、しっかりと体を支えてくれる。クッションもソフトで快適な乗り心地だ。
リヤシートは足元のスペースもゆったりしている。上下方向のゆとりはハイト系には及ばないが、十分な余裕がある。



後席は左右別々に倒せるので、使い勝手はとてもいい。背もたれ部分のレバーを操作するだけで、簡単に収納可能。スペースも実用上不満のない容量が確保されている。
written by マッシュ近藤
代表グレード | スズキ アルト G(FF/CVT) |
---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 3395×1475×1535mm |
車両重量[kg] | 760kg |
総排気量[cc] | 658cc |
最高出力[ps(kw)/rpm] | 54ps(40kw)/6500rpm |
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] | 6.4kg-m(63N・m)/3500rpm |
ミッション | CVT |
10・15モード燃費[km/l] | 24.5km/l |
定員[人] | 4人 |
税込価格[万円] | 95.025万円 |
発売日 | 2009/12/16 |
レポート | 近藤暁史 |
写真 | 近藤暁史 |
(レポート:近藤暁史)
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