『動画あり!』日産エクストレイル新車情報・購入ガイド ハイブリッドは1年後? 安全装備や世界初の走行支援技術満載した先進都会派SUVへ大変身!! [CORISM]

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【日産】2013/12/11

日産エクストレイル、オフロード試乗評価

日産エクストレイル
 日産 が横浜にある本社前のキャッツシアター跡地を利用して作った特設オフロードコースで、新型日産エクストレイル の試乗会を開催した。基本的には一般ユーザーを対象としたコースで、本格的なオフロードコースに比べたら、比較的容易なセクション設定だったものの、エクストレイルの走破性の一端は体感できた。

●SUSPENSION BUMPS
 今回は基本的に4WD のローレンジを選んで走る設定だ。セクションによってはローレンジを選ばなくても走破できるが、ローレンジで走ることになっていた。

 まず、最初のセクションはモーグルというか、サスペンションの伸縮を試すもの。左右交互に穴が掘られていて、大きな上下動を感じながら走り抜けていくコースだ。

 モビリティパークなどでは、一輪、あるいは二輪が浮くくらいに大きな凹凸を設定することもあるから、それに比べたらはるかに容易。これはまず簡単な手馴らしという感じだ。

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日産エクストレイル新車試乗評価 より進化したALL MODE 4×4。悪路での実力は?

グローバル化という名のもとに、少し大きくなったボディ

日産エクストレイル
 日産は、国内SUV 車をけん引する主力SUVである日産エクストレイルをフルモデルチェンジし12月16日より発売を開始する。フルモデルチェンジされ新型となった日産エクストレイルは、今回のモデルで3代目となる。

 すでに、概要は報じられている通り、新型日産エクストレイルは、全く新しいコンセプトのSUVとなった。外観デザインが旧エクストレイルらしさをほとんど感じさせない、かなり都会派スタイルとなったこともそうだが、開発関連でも大きなチャレンジがなされている。そのひとつの要因が、日産・ルノーアライアンスが新たに共同開発したコモン・モジュール・ファミリー(CMF)のプラットフォームを初採用したことにある。開発・生産効率・コストなど、多方面に多くのメリットがあるCMFを使うことで、新型日産エクストレイルは、より一層グローバルモデルとしての方向性を強く打ち出した。北米では、新型日産ローグとして発売され、新型エクストレイルをベースとしたモデルが、今後グローバルに約190ヶ国で販売される予定だという。

 グローバルモデルという言葉は、世界中でクルマを販売する自動車メーカーにとって、免罪符のようなもの。本来ならば、その地域や国に合わせ最適化したクルマをマーケットに届けるのが理想だ。しかし、世界中の国々でこういった開発をしていると、少量多品種生産となり効率が悪く儲からない。そのため、基本的な部分を共通として、コストを抑え利益を出す。つまり、グローバル車といえば、聞こえはいいかもしれないが、最大公約数で作られるクルマという側面ももつ。最大公約数という視点になると、やはり北米・中国がメイン。それ以下の日本マーケットの優先度は低くなる。

 こういった流れを踏まえ、大きなクルマが好まれるマーケット優先となると、全幅や全長はドンドン大きくなり、最小回転半径も大きくなり、狭い道幅の日本では使いにくい傾向になる。これは、日産だけの問題ではなく、世界中の自動車メーカーがこういった方向性なのだ。

 旧型日産エクストレイルのボディサイズは、全長4635×全幅1790×全高1700mm、最小回転半径は5.5mとなっていて、ある程度日本での使い勝手も良かった。そして、新型日産エクストレイルのボディサイズは、全長4640×全幅1820×全高1715mm、最小回転半径は5.6mとなった。

 ライバルとされるマツダ CX-5 の全幅は1840mmなので、若干、全幅は抑えた傾向にある。ただ、スバル フォレスター の全幅は1795mmとしており、かなり日本マーケットを意識したもので、最小回転半径は5.3mと大きなボディの割には使いやすさを重視したスペックとなっている。こういったスペックをどうとらえるかというのも、新型日産エクストレイルを選ぶ上でのポイントとなるだろう。

日産エクストレイル
日産エクストレイル

日産エクストレイル エクストリーマーX

日産エクストレイル

日産エクストレイル エクストリーマーX

日産エクストレイル

洗練されたスタイル&インテリア。しかし、防水ラゲッジなどの優れた使い勝手は継承

日産エクストレイル
 新型日産エクストレイルのデザインは、驚くほど大きく変化した。歴代エクストレイルの少々無骨ともいえるタフネスさは一切排除され、クリーンでモダンなSUVとなった。これほど全く違うと、旧型エクストレイル顧客からの代替えが進むのか、逆に疑問に思ってしまうものだ。このあたりのデザイン変更も、グローバル化のトレンドが都会派SUVにあるという判断だろう。

 旧型のデザインが良いか悪いのかはさておき、新型エクストレイルのデザインも魅力的だ。グリルからエンジンフードへつながる「V-モーションシェイプ」や、ヘッドランプとリアコンビネーションランプの点灯時に現れる「ブーメランシェイプ」など、日産ブランドの共通したデザイン要素が用いられている。

 インテリアもエクステリア同様にタフネスさは感じさせない。どちらかというと、SUVというより高級サルーンのような雰囲気だ。各所に配されたクロームパーツなどにより、プレミアム感をある。シートには、前席に中折れ(スパイナル)形状の背もたれパッドを採用。背骨の負担を軽減し、長時間移動の疲労も軽減するスパイナルサポート機能付シートが装備された。さらに、寒冷地の顧客にはうれしい乗員をより早く、より快適に温めることができる前席クイックコンフォートヒーター付シートも採用されている。

 こういった装備だと、ずいぶんサルーンのような仕様かと思うが、先代エクストレイルから受け継いだものもある。汚れたり濡れたりしても簡単にきれいにできる防水仕様のシート・フロアや、最大550Lのクラストップレベルの大容量防水ラゲッジ、荷室の間仕切りが自由自在に行える防水ラゲッジボードなど、道具としてガンガンと使えるタフネスさは健在だ。

 そして、3代目新型エクストレイルから、5人乗りだけでなく、後席2名分のシートをプラスした7人乗り仕様が追加された。シアタースタイルのシートレイアウトを採用して、後席からの視界も確保している。ミニバンだと、生活感があって嫌だけど、たまに5人以上乗せることがあるような顧客にはピッタリの仕様となるだろう。

 細かいちょっとした装備や、使い勝手の良さは、最近登場している日産車の特徴でもある。新型日産エクストレイルの後席ドアは、80度まで開口するし乗り降りだけでなく、チャイルドシートの積み降ろしも容易にできための工夫だ。また、旧型エクストレイルに対しホイールベースを延長。フロントシートバックの形状を工夫することで、ニースペースを広げ、セカンドシートの快適性も向上させている。

 そして、最近のトレンドも取り入れ、フロントシートの間に配置された大きなコンソールボックスには、iPadなどの10インチ型タブレット端末を収納することができる。

日産エクストレイル
日産エクストレイル
日産エクストレイル


日産エクストレイル
日産エクストレイル
日産エクストレイル

日産初となる追突被害軽減自動ブレーキを搭載。しかし、安全装備はオプション設定ばかり!

日産エクストレイル
 新型エクストレイルは、日産初となる安全装備の数々が用意された。日産初となるエマージェンシーブレーキは、フロントカメラにより、前方の車両や歩行者と衝突する危険を察知した場合、ディスプレイ表示とブザーでドライバーに回避操作を促し、万一、ドライバーが安全に減速できない場合は緊急ブレーキを作動させ、衝突を回避、または被害軽減する。

 また、万一ブレーキ操作が遅れ障害物と衝突する危険を察知したり、アクセルペダルをブレーキペダルと間違えて踏み込んでしまったときに、ドライバーにメーター内のディスプレイ表示とブザーで警告する踏み間違い防止アシストも用意。動的にエンジン出力やブレーキを制御することで、障害物への衝突防止や過度の加速の防止を支援する。壁はもちろん、コンビニなどのガラスも認識し、前進時にも後退時にも衝突回避をアシストするというものだ。

 その他に、フロントカメラによりレーンマーカーを検知し、意図せずに走行車線から逸脱しそうな場合、メーター内のディスプレイ表示とブザーで注意を喚起するLDW(車線逸脱警報)、前方の車両進入禁止標識を検知し、進入禁止路へ進入する可能性がある場合に、ドライバーにメーター内のディスプレイ表示とブザーで知らせる進入禁止標識検知も用意されている。

 これらの装備は、エマージェンシーブレーキ パッケージ車に搭載。20Xグレードで約8万円以下で装備できるので、新型日産エクストレイルの購入を考える場合、エマージェンシーブレーキ パッケージ車をベースに選ぶといい。

 その他、オプションとして車両側方の安全を支援するBSW(後側方車両検知警報)、ドライバーのハンドル操作から車両のふらつきをシステムが判断すると、表示とブザーで警告するふらつき警報などが用意される。

 ほとんどオプションだが、全体的に高いレベルの安全装備を装着できる。ただし、サイドエアバックやカーテンエアバックなども未だオプションだ。なんでもかんでも安全装備は、オプションとしている傾向が強い。日産として安全思想を明確するべきで、サイドエアバックやエマージェンシーブレーキなどは標準装備するなどし、豪華装備の有無でグレード体系を構築するべきだ。

日産エクストレイル
日産エクストレイル
日産エクストレイル

賢くクルマが運転をサポート。運転が下手な人も、上手になる先進技術が標準装備!

日産エクストレイル
 走行性能面でも大きな進化がみられる。4駆性能では、オールモード4x4-iを採用。オールモード4x4-iは、二輪駆動、オート、四輪駆動の各モードを選択することが可能。オートモードでは、スロットル開度、エンジン回転数やトルク等をモニタリングし、前後に最適なトルク配分を行う。

 新型エクストレイルには、世界初の「アクティブ・ライド・コントロール」と「アクティブ・エンジン・ブレーキ」など最新技術が投入された。この技術は、2WD車を除く全車に標準装備される。

 アクティブ・ライド・コントロールは、車体の上下の動きを予測し、エンジン(駆動力)とブレーキを制御することで、デコボコ道などでの車体振動を低減。微細な振動から大きな揺れまで、さまざまな起伏に対応し、乗り心地と安心感の向上を実現した。例えば、小さなデコボコ道では、エンジントルクの細やかな制御により、車両姿勢がスムースになる。そして、大きなデコボコ道では、エンジントルクに加えてブレーキ制御も加えて、車両の揺れを抑制。車輪速をモニターすることで、車体の上下の動きを推測し、車両の制御を行い、快適な走行を提供するというものだ。

 また、こちらも世界初となる技術アクティブ・エンジン・ブレーキは、コーナリング中、または減速時などのエンジンブレーキが必要な時にCVTの制御を行い、ドライバーが少ないブレーキ操作でスムースに走行することができる。ブレーキ操作が少ないということは、ドライブ中の疲労軽減にもなる。

 コーナリングスタビリティアシストは、カーブでドライバーのハンドル操作やアクセル/ブレーキ操作に基づいた走行状況に応じ、4輪それぞれのブレーキを制御。車両の動きを滑らかにし、安心感の高いコーナリングを可能としている。

 こういった技術は、ある意味、ドライバーのスキルを問わず、誰もがベテランドライバー並みの能力が持てるというもの。運転が苦手で、運転に興味がないドライバーにとって便利な機能だが、運転を自ら楽しみ、ドライビングスキルを上げたいと望むドライバーには大きなお世話な機能でもある。こういった機能こそ、オプションにするべきで、安全装備のより一層の充実を望みたいところだ。

クラストップの燃費を達成! しかし、本当に期待されているのは、新型日産エクストレイルハイブリッドの存在!

 新型日産エクストレイルの燃費は、クラスナンバー1の16.4㎞/Lとなった。搭載されるエンジンは、セレナなどでも高い燃費性能を誇るMR20DD型。108kw&207Nmという出力とトルクをもつ。先代エクストレイルと比べると、36%もの燃費改善が図られた。

 さらに、新エクストロニックCVTが採用され、旧型エクストレイルに対し、CVTギヤ比のレンジ拡大、徹底的な摩擦抵抗損失の低減などにより、約10%の燃費改善を実現している。また、このCVTには、新ステップ変速制御を採用。加速が必要なシーンで、アクセルを踏み込むと、車速の伸びに合わせてエンジン回転数を上昇。不必要なエンジン回転数の上昇や停滞感を回避させることで、ダイレクトかつリズミカルな加速をサポートしている。

 新型日産エクストレイルのパワーユニットは、現在、この2.0Lエンジンのみの設定。マツダCX-5には、2.0Lと2.5L、そして2.2Lのクリーンディーゼル車が用意されている。そのため、新型エクストレイルは、多くの顧客を満足させるとはいえない状況。クリーンディーゼル車は、旧型を残すなど苦しい状況にある。そこで、待望されているのが、FF用1モーター2クラッチ式のハイブリッドシステムだ。

 すでに、日産は1年後に、この1モーター2クラッチ式ハイブリッドを新型エクストレイルに搭載することを公表している。この新型日産エクストレイル ハイブリッドが、やはり出てこないと、なかなかライバルと勝負するのは厳しいのが現状だろう。もちろん、新型エクストレイルハイブリッドの価格がいくらなのか、ということにもよるが、複数のパワーユニットをラインアップにもつライバルがいる以上、1年後とはいわず、なるべく早い登場に期待したい。

 新型日産エクストレイルの購入術は、2WDか4WDの選択から。4WD機能が必要なく、予算重視であるのならFFの20Xエマージェンシーブレーキ パッケージがおすすめ。価格も約233万円となっていて、お買い得感もある。

 短期の乗り換えでのリセールバリューや、やはりレジャーなどで4WD機能が必要というのなら、4WDの20Xエマージェンシーブレーキ パッケージを基本にして選ぶといい。このグレードは、約253万円となっている。これに、好みのオプションを選んだり、3列シートなどを選ぶことになる。

 より満足度をアップさせるオプションとして、LEDヘッドランプはおすすめ。73,500円と安くはないが、より個性的なフェイスになることは確実。より、新型エクストレイルの安全性を高めたいのなら、サイドエアバック+カーテンエアバッグのオプション(73,500円)を装備したい。これで、ようやくグローバルレベルの安全性となる。せめて、安全装備をオプションとするなら、もっと安く選びやすい価格にしてほしい。

 さらに、個性的な新型エクストレイルを望むのなら、従来通りオーテックジャパンがプロデュースするエクストリーマーXだ。フロントオーバーライダーやアンダーカバー、専用の大型フロントフォグランプやアルミホイールなどを装備し、本格SUVとしてワイルドでタフなイメージ強調。その分、高価になっていて約265万円からとなっている。

日産エクストレイル
日産エクストレイル
日産エクストレイル

■日産エクストレイル価格
・2WD(FF)
20X 2列 2,249,100円
20X 3列 2,319,450円
20X"エマージェンシーブレーキ パッケージ" 2列 2,326,800円
20X"エマージェンシーブレーキ パッケージ" 3列 2,397,150円
・4WD
20S 2列 2,259,600円
20X 2列 2,449,650円
20X 3列 2,520,000円
20X"エマージェンシーブレーキ パッケージ" 2列 2,527,350円
20X"エマージェンシーブレーキ パッケージ" 3列 2,597,700円
20X エクストリーマーX 2列 2,649,150円
20X エクストリーマーX 3列 2,719,500円
20X エクストリーマーX "エマージェンシーブレーキ パッケージ" 2列 2,726,850円
20X エクストリーマーX "エマージェンシーブレーキ パッケージ" 3列 2,797,200円

代表グレード 日産エクストレイル20X 2列 4WD エマージェンシーブレーキパッケージ
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) 4,640×1,820×1,715mm
ホイールベース[mm] 2,705mm
トレッド前/後[mm] 1,575/1,575mm
車両重量[kg] 1,500kg
総排気量[cc] 1,997cc
エンジン最高出力[kw(ps)/rpm] 108(147)/6000
エンジン最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] 207(21.1)/4400
ミッション CVT
タイヤサイズ 225/65R17
JC08モード燃費 16.0km/L
定員[人] 5人
税込価格[円] 2,527,350円
発売日 2013/12/16
レポート 編集部
写真 日産

2013年9月13日更新 グローバルという言い訳で、ボディサイズが悪戯に拡大されないかが心配

日産エクストレイル
 日産は、2013年のフランクフルトモーターショーにおいて、3代目となる新型日産エクストレイルを世界初公開した。

 この新型日産エクストレイルは、全く新しいコンセプトのクロスオーバーSUVとしてデビューするという。そのひとつの要因が、日産・ルノーアライアンスが新たに共同開発したコモン・モジュール・ファミリー(CMF)のプラットフォーム・アーキテクチャーをベースとした初めてのモデルとなることがあげられる。この新技術採用により、新型エクストレイルは、より一層グローバルモデルとしての方向性を強く打ち出すことになる。アメリカでは、新型ローグとして発売され、今後グローバルに190か国で販売される予定だ。

 グローバルという言葉の響きが良いせいか、あまり話題にならないが、気になるのはボディサイズだ。この言葉を聞くたび、クルマが肥大してきた。それは、北米マーケット重視を意味していて、最大のマーケットである北米に基準を置くためだ。そうなると、全幅や全長がドントン大きくなり、狭い道が多い日本において使いにくいクルマとなってしまう。

現行の日産エクストレイルのボディサイズは、全長4635×全幅×1790×全高1700mmとなっていて、ある程度日本での使い勝手も良かったものの、これが全幅1,850mmなんてことになると、日本の道路事情ではかなり扱いにくくなる。少し古いスーパーの駐車場に止め、隣に同じようなサイズのクルマが入るとドアが開けにくく乗り降りが不便、なんてよく聞く話である。

日産エクストレイル
日産エクストレイル
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現行エクストレイルのもつタフネスさは消滅。新型エクストレイルは、洗練されたアーバンSUVへとイメージチェンジ

日産エクストレイル
 さて、デザインは日産自ら全く新しいコンセプトのクロスオーバーSUVとアピールするだけあり、まったく現行エクストレイルのイメージは感じられない。少々無骨なタフネスさが現行エクストレイルの魅力であったが、今回、こういった日本マーケットの評価もグローバルという名のもと排除されたようだ。

 新型日産エクストレイルのデザインは、いわゆるアーバンSUV化しクリーンでモダンなデザインとなった。現行エクストレイルのイメージさえ捨てて、違うクルマだと思えば、これはこれで魅力的だ。スタイリング全体のイメージは、グリルからエンジンフードへつながる「V-モーションシェイプ」や、ヘッドランプとリアコンビネーションランプの点灯時に現れる「ブーメランシェイプ」など、日産ブランドの共通したデザイン要素を用いて、ボディ全体の存在感を際立せている。

 インテリアもタフネスさを一切排除され、高級サルーンのような雰囲気にまとめられている。広く快適な空間に、緻密に作りこまれた幾何学パターンを用いたフィニッシャーや、各所に配したクロームによって、プレミアム感とプロテクト感を表現した。シートは、ステッチのアクセントが施された高品質なレザー生地と、洗練されたファブリックが選択可能。広々とした室内空間には、シアタースタイルのシートレイアウトを採用している。新型日産エクストレイルには、初の7人乗りも選択することができるようになった。ミニバン は嫌だけど、たまに5人以上乗せることがあるような顧客にはピッタリの仕様となるだろう。

 最近の日産車は、使い勝手がよい。新型日産エクストレイルの後席ドアは80度まで開口する。乗り降りだけでなく、チャイルドシートの積み降ろしも容易にできための工夫だ。また、現行エクストレイルに対しホイールベースを延長。フロントシートバックの形状を工夫することで、ニースペースを広げ、セカンドシートの快適性を向上させた。

 2列目シートは好みの位置にリクライニングとスライドをさせることが可能で、3列目シートはラゲッジスペースを広く使いたいときには折り畳むことができる。それぞれの列のシートは前列のシートよりも着座位置が高くなっており、十分な前方視界を確保できるシアタースタイルのシートとなった。また、フロントシートの間に配置された大きなコンソールボックスには、iPad®などの10インチ型タブレット端末を収納することができる。

 現行のエクストレイルの良さである多彩な荷室収納スペースは、新型エクストレイルに継承された。新型エクストレイルには、スマートで画期的なフレキシブルラゲッジボードを採用。また、パワーテールゲートの採用により、荷室へのアクセスや利便性も向上している。

日産エクストレイル
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アーバンSUVでも、本格的4WDシステムは継承。世界初のアクティブ・ライド・コントロールなどの最先端技術には高評価

日産エクストレイル
 日産エクストレイルの魅力は、本格的な4WD機能にもある。多くのSUVがFF化するなか、エクストレイルは4WD が売れていることからも、そういったニーズの顧客が多い。新型エクストレイルにも、そんな本格的4WDシステムであるオールモード4x4-iを採用。オールモード4x4-iは、二輪駆動、オート、四輪駆動の各モードを選択することが可能。オートモードでは、スロットル開度、エンジン回転数やトルク等をモニタリングし、前後に最適なトルク配分を行う。

 これらだけでは、現行エクストレイルの焼き直し程度だが、新型エクストレイルには、世界初の「アクティブ・ライド・コントロール」と「アクティブ・エンジン・ブレーキ」など最新技術が投入された。こういった新技術の投入は高く評価できる。

 アクティブ・ライド・コントロールは、車輪速をモニターすることで車体の上下の動きを推測し、車両の制御を行い、快適な走行を提供。アクティブ・エンジン・ブレーキは、コーナリング中、または減速時などのエンジンブレーキが必要な時にCVTの制御を行い、ドライバーが少ないブレーキ操作でスムースに走行することができる。

 また、特に滑りやすく濡れた路面を走行する際に有効な「アクティブ・トレース・コントロール」は、コーナリング時にドライバーが安全な軌道で走行できるように、オンボードセンサーが速度やステアリング角度、スロットル開度、ブレーキの利き具合などをモニターし、必要に応じて各車輪を制御することでアンダーステアーを軽減し、思い通りのラインで走行することができる。

日産エクストレイル
日産エクストレイル
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しばらくは、新型エクストレイルにハイブリッド&クリーンディーゼルは無し? 国内はガソリンエンジンのみで勝負?

 低燃費時代への対応も新型エクストレイルには、盛り込まれている。テールゲートにプラスチックを採用するなどして車両重量を軽減。空力を向上させるために、ドアミラーやエグゾーストを覆うリアパネル等の形状を工夫し空力性能も大幅に向上させている。

 そして、気になるのがパワーユニットだ。現行エクストレイルには、2.0&2.5Lガソリンエンジンとクリーンディーゼル の3ユニットが用意されている。今回の新型エクストレイルに関しては、パワーユニットの情報は一切ない。グローバルカーであるとすると、ガソリンにハイブリッド、クリーンディーゼルすべてに対応しなくては、真のグローバルカーとは呼べない。とくに、日本マーケットではハイブリッドとクリーンディーゼルは必須要件になるだろう。

 ただし、日産には最適なパワーユニットが無いのが現状だ。現在のルノー製クリーンディーゼルでは、振動や音、燃費、ATとのマッチング、さらにアイドリングストップ機能も無いので、ライバルとなるCX-5を超えることはできないと予想できる。スペック的に劣るクリーンディーゼルを持ち込みことも考えにくく、大幅な改良が施されない限り日本導入はないかもしれない。ディーゼルが主流の欧州には、投入されるのは確実だろう。メルセデス・ベンツ とのアライアンスもあり、メルセデス・ベンツのパワーユニットが搭載されることも予想できる。

 また、日産にも一応FF用ハイブリッド システムがある。スーパーチャージャーを搭載した2.5L直4エンジンに15kWのモーターを組み合わせたものだ。北米で売られるパスファインダーに搭載されるもので、このハイブリッドシステムは、250hpの出力、243lb-ftのトルクを発生。フーガ などに採用されている1モーター2クラッチ式を採用する。

 これを搭載することも考えられなくはないが、パスファインダーは新型エクストレイルよりひとクラス上のモデル。スーパーチャージャーまで付いているので、新型エクストレイルに搭載するには少々コスト高にもなる。日本マーケットでは、2.5Lもしくは2Lのガソリン車と組み合わせることが求められるだろう。そういったハイブリッドシステムの存在も、まだ情報が漏れてこないことからハイブリッドの導入もしばらくないと予想できる。つまり、一定期間待てば、新型日産エクストレイル ハイブリッドが登場するということだ。新型エクストレイルハイブリッドの登場は1年後くらいではないかと予想されている。

 これらの状況を考えると、新型日産エクストレイルが日本に導入される時にパワーユニットは、ガソリン車のみで、2Lと2.5Lというのが有力だろう。ガソリンエンジンしかないスバル フォレスターも月販3,000台程度を売っており、ガソリン車だけでも戦えるかもしれないが、スバルには安全装備のアイサイトがあり、これで差別化できている。新型日産エクストレイルが、ガソリン車のみだった場合、何をもって差別化できるのかがポイントになってくるだろう。

 新型日産エクストレイルハイブリッドにクリーンディーゼルは、今後、搭載が十分予想できるだけに、日産からのインフォメーションに注目したい。

 新型日産エクストレイルの発売時期は、冬とされているが、今の日本は消費増税の可能性が極めて高い。もし、増税されると増税前の駆け込み需要が発生するだろう。冬に発売される新型日産エクストレイルの購入を考えているのなら、発売直前の予約受注時に買うことをおすすめする。爆発的にヒットすると、増税前の3月末登録に間に合わない可能性もあるからだ。

日産エクストレイル
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新型日産エクストレイル車両概要

新型日産エクストレイル技術概要

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(レポート:CORISM編集部

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