新型エクストレイルのオフロード性能を評価する!
日産 が横浜にある本社前のキャッツシアター跡地を利用して作った特設オフロードコースで、新型日産エクストレイル の試乗会を開催した。基本的には一般ユーザーを対象としたコースで、本格的なオフロードコースに比べたら、比較的容易なセクション設定だったものの、エクストレイルの走破性の一端は体感できた。
●SUSPENSION BUMPS
今回は基本的に4WD のローレンジを選んで走る設定だ。セクションによってはローレンジを選ばなくても走破できるが、ローレンジで走ることになっていた。
まず、最初のセクションはモーグルというか、サスペンションの伸縮を試すもの。左右交互に穴が掘られていて、大きな上下動を感じながら走り抜けていくコースだ。
モビリティパークなどでは、一輪、あるいは二輪が浮くくらいに大きな凹凸を設定することもあるから、それに比べたらはるかに容易。これはまず簡単な手馴らしという感じだ。
●BANK
次いで20度くらいの傾斜が設けられたバンクを走った。バンクの角度がエクストレイルの最大安定傾斜角以内に納められているはずということは理解できていても、それなりに緊張感を持って運転することになる。
車体が右側に傾くと、運転席から地面が近くに見えるようになるので、気分的にはかなり神経を使って運転する感じになる。速度を抑えて慎重に走り抜けた。
●LOG BRIDGE
丸太で作られた橋を渡るログブリッジのセクションは、さすがに一人で渡るのは無理。前方の係員の指示に従って、ステアリングに微妙な修正を加えながらわたっていく。橋を渡ること自体は難しくないが、クルマを正しく丸太の上に置くように走るのが難しい。
●ROCK SECTION
ごろごろとした大きめの石が転がるロックセクションは、やはりサスペンションのバンプなどが分かる部分。乾いた状態の石だったのでグリップが失われることはなかったが、部分的にはタイヤが滑るシーンもあった。これもエクストレイルの実力なら難なくこなせるセクションである。
●LARGE HILL
最後のセクションであるラージヒルの登りは、走り出すとすぐに空しか見えなくなる。ハンドルを真っ直ぐに保ったままで、クルマが水平になるところまでゆっくりと進めていく。途中で一時停止してもヒルホルダーがあるので何の問題も生じない。
また、エクストレイルは十分なアプローチアングルやデパーチャーアングルが確保されているので、登りはもちろん下りも余裕でこなす実力がある。
ラージヒルの頂上部で一旦停止して、ヒルデセントコントロールのスイッチを確認し、下り坂を降りていく。このときにはアクセルもブレーキも踏まずに、クルマがずっずっずっという感じで下っていくのに任せることになる。
自動的にABSが働いて速度を制御しながら降りていくので、急な坂道を安心して下っていける。旧型エクストレイルでは、モビリティパーク内のオフロードコースで、もっと急で長い距離のある坂道をくだったことがあるから、今回のセクションくらいなら極めて容易である。
今回の特設オフロードコースで試せたのは、恐らくエクストレイルが持つ走破性の3〜4割から半分以下ではないか。かねてから悪路走破性に定評のあるエクストレイルなら、はるかに厳しいセクションであってもこなせるはずだ。
今回のセクション設定は、かなり容易なものであったが、エクストレイルのポテンシャルの一部を体験することができた。終わってみると、もうちょっと厳しいコースでも体験したいと思った。
今後日産のスタンダードとなる安全装備エマージェンシーブレーキの実力を評価
●エマージェンシーブレーキ
オフロードコースのほかに、今回はエマージェンシーブレーキの体感コースも用意されていた。先にCX-5 で事故が発生したこともあり、我々が運転することはできず、助手席などに同乗して体感する仕組みだった。
日産はスカイライン 用のミリ波レーダータイプの高度なエマージェンシーブレーキを持ち、エクストレイル用にはシングルカメラの比較的シンプルな仕様のエマージェンシーブレーキを設定している。今回は、そのシンプルな仕様のエマージェンシーブレーキを体験したのだが、シンプルな仕様とはいえ、けっこう良くできたシステムであることが分かった。
前方に障害物があったとき、警報を発してもドライバーが反応しなかった場合、時速30kmくらいまでなら減速して停止し、衝突を回避する。また、それ以上の速度が出ていても、時速80kmまでならシステムか作動し、減速して衝突の被害を軽減するようになっている。
また、シングルカメラとはいえ、カメラを使っているので、人間を認識して停止したり、減速することも可能だ。スカイラインのミリ波レーダータイプは、高価で高度なシステムながら人間認識はできない。これを考えると、エクストレイル用のエマージェンシーブレーキは7万7700円というコストを含めて考えても相当に良いものだと思う。
日産エクストレイル価格、燃費、スペック、画像など
■日産エクストレイル価格
・2WD(FF)
20X 2列 2,249,100円
20X 3列 2,319,450円
20X"エマージェンシーブレーキ パッケージ" 2列 2,326,800円
20X"エマージェンシーブレーキ パッケージ" 3列 2,397,150円
・4WD
20S 2列 2,259,600円
20X 2列 2,449,650円
20X 3列 2,520,000円
20X"エマージェンシーブレーキ パッケージ" 2列 2,527,350円
20X"エマージェンシーブレーキ パッケージ" 3列 2,597,700円
20X エクストリーマーX 2列 2,649,150円
20X エクストリーマーX 3列 2,719,500円
20X エクストリーマーX "エマージェンシーブレーキ パッケージ" 2列 2,726,850円
20X エクストリーマーX "エマージェンシーブレーキ パッケージ" 3列 2,797,200円
代表グレード | 日産エクストレイル20X 2列 4WD エマージェンシーブレーキパッケージ |
---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 4,640×1,820×1,715mm |
ホイールベース[mm] | 2,705mm |
トレッド前/後[mm] | 1,575/1,575mm |
車両重量[kg] | 1,500kg |
総排気量[cc] | 1,997cc |
エンジン最高出力[kw(ps)/rpm] | 108(147)/6000 |
エンジン最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] | 207(21.1)/4400 |
ミッション | CVT |
タイヤサイズ | 225/65R17 |
JC08モード燃費 | 16.0km/L |
定員[人] | 5人 |
税込価格[円] | 2,527,350円 |
発売日 | 2013/12/16 |
レポート | 松下 宏 |
写真 | 編集部 |
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