アレがない理由はコレだった!【新型日産ラフェスタ ハイウェイスター】 [CORISM]

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【日産】2011/06/15

アレがないワケとは?

新型日産ラフェスタ ハイウェイスター

 クロームのライセンスフィニッシャーなど、クールな印象にまとめている

 新型日産ラフェスタ ハイウェイスターは、マツダ プレマシーのOEM供給車だ。簡単にいうと、プレマシーをベースに、マツダの工場で日産ラフェスタ ハイウェイスター用に衣替えし、日産に供給されている。日産にとってOEM車導入は、開発コストがかからないし、マツダにとっては増産効果によるコストダウンや工場の稼働率アップにもつながる。つまり、両社にとってメリットがある生産方式なのだ。
 販売目標台数は1200台/月と、控え目な数字。だが、日産にとってこのクラスのミニバンはモデル末期のラフェスタしかない。それも、このクラスはほとんどスライドドアになる可能性が高い。しかし、販売台数の少ないクラスに、多額のコストはかけられない。だが、車種ラインアップ上保有を守るためにも必要な車種でもある。そこで、今回のOEM供給となった。極秘だった当時のプロジェクトでは、打ち合わせのためマツダの広島本社に行くとはいえず「広島日産」と書いて外出する幹部もいたという。
 そんな戦略的な車種ということもあり、日産ラフェスタ ハイウェイスターは、意外にもお金がかかっている。フロントまわりからドア、リヤとラフェスタ ハイウェイスター専用パーツに変えられている。リヤレンズが同じと分かる程度だ。
 そこで、クルマ好きなら「アッ」と思うかもしれない。そう、プレマシーのデザインアイデンティティであるNAGAREと呼ばれる自然界の水や風の流れの美しさを表現したキャラクターラインが姿を消しているのだ。思わず、NAGAREを無くしていいのか日産? と叫びたくなったほどだ。ところが、このNAGAREデザインを無くすことについては、マツダ側もなんのためらいもなかったようだ。それは、NAGAREデザインはマツダ独自のものでありプレマシー専用ということ。日産もボディサイドのデザインを、セレナやエルグランドという日産ミニバンラインアップと共通のデザインにまとめられたのだ。余計なお世話だが、めでたしめでたしである。

新型日産ラフェスタ ハイウェイスター

 フェイスは、もはやプレマシーとは違う顔に。メッキ調のグリルがハイウェイスターの証

新型日産ラフェスタ ハイウェイスター

 ボディサイドのデザインは、エルグランドやセレナと同じテイストを持つ。アレが無くなったことで、もしものときの板金も容易に

新型日産ラフェスタ ハイウェイスター

 アイドリングストップ機能付き車には、ピュアドライブのエンブレムあ貼られる

新型日産ラフェスタ ハイウェイスター

 もはや、ミニバンはスライドドア無しでは戦えない。年々、スライドドア車の比率が高まっているという

エアロとメッキ調グリルはハイウェイスターの証

新型日産ラフェスタ ハイウェイスター

 ブラックを基調にまとめられたインテリア

 ラフェスタ ハイウェイスターは、ハイウェイスターブランドの法則にのっとり、メッキ調で水平基調のグリルとエアロパーツが組み合わされスポーティな演出が施されている。また、フルカラードリヤバンパーや、クロームライセンスフィニッシャーなど、クールな演出もハイウェイスターブランドの手法。
 インテリアもブラックを基調として、スポーティにまとめられている。シートアレンジは、キャプテンシートからベンチシートへ早変わりするフレキシブルシートなど、プレマシー同様多彩。ハイウェイスターGには、水分や油分の汚れを簡単に拭き取れる機能をもつ生地を採用するなど、ファミリーに便利な機能も搭載している。
 さらに、このクラスのミニバンでもっとも便利な機能が両側スライドドア。小さい子供を持つ親なら、駐車場で隣のクルマにぶつけないかどうかヒヤヒヤした経験があるだろう。このラフェスタ ハイウェイスターなら、そんな心配も無用だ。スライドドアの開口部も686mmと大きく使いやすい。
 
新型日産ラフェスタ ハイウェイスター

 全幅1750mmと5ナンバーサイズではないので、多少横方向にゆとりを感じるフロントシート

新型日産ラフェスタ ハイウェイスター

 セカンドシートは、キャプテンシートとベンチシートがフレキシブルに変更可能

新型日産ラフェスタ ハイウェイスター

 サードシートの広さも平均点以上


新型日産ラフェスタ ハイウェイスター

 開口部も広く荷物の出し入れもしやすいラゲッジルーム

新型日産ラフェスタ ハイウェイスター

 3列目シートを折り畳むと、かなり広大なスペースが出現。4人家族なら大きなワゴンとして使うことも可能

新型日産ラフェスタ ハイウェイスター

 スライドドアは左右ともパワードアにすることも可能

アイドリングストップ機能で低燃費化。このグレードを選ばずにどうする?

 エンジンは、直噴の2リッター直4DOHCを搭載。150馬力のパワーと186Nmのトルクを発揮する。ATは5速だ。やはり、気になるのは低燃費性能。ラフェスタ ハイウェイスターには、アイドリングストップ機能が搭載されている。エンジン停止後から0.35秒で再発進できる。そんため、10・15モード燃費は16.9km/lとクラストップレベル。
 アイドリングストップ機能は、とくに日本のようなストップ&ゴーが多い道でメリットを発揮する。停車している時間が長いので、その間はもちろんガソリンを使いっぱなし。停車時間が長いと燃費計がどんどん悪くなっていくのを経験したことはないだろうか。アイドリングストップ機能は、基本的にそれが少ない。無駄にエンジンをかけない。それは、エコドライブの基本中の基本。もちろん、停車中はエンジンがかかっていないので静か。車内での会話も弾むというもの。
 そんな理由もあり、お勧めグレードは、当然アイドリングストップ機能を搭載したハイウェイスターかハイウェイスターGのいずれか。4WD使用車には、残念ながらアイドリングストップ機能は搭載されていない。かなり雪深い人を除けば、ハイウェイスターとハイウェイスターGには、VDC(横滑り防止装置)が装着されているので、ある程度の滑り防止や駆動力の確保もVDCがコントローしてくれるので、試してみる価値はある。
 日産こだわりのディテールで勝負するラフェスタ ハイウェイスター。プレマシーと明確に個性を分けることで、さらなる販売台数増を狙う。じゃぁ、ラフェスタ ハイウェイスターとプレマシー、どちらを選べばいいのか。それは、見た目のファーストインプレッションが重要。
 また、旧型のラフェスタも一部の廉価グレードのみを残して継続販売する。継続販売されるラフェスタJOY JOY Xの価格は1,793,400円。
新型日産ラフェスタ ハイウェイスター

 アイドリングストップ機能付き2リッターエンジン。買うならアイドリングストップ機能付きだ

新型日産ラフェスタ ハイウェイスター

 ハイウェイスターGには、205/55R16サイズのアルミホイールが標準。205/50R17のオプションも用意される

新型日産ラフェスタ ハイウェイスター

 プレマシーのナビはトヨタ系のG-BOOK。しかし、日産はカーウイングス。それゆえに、ナビはディーラーオプションみたいなフィッティングになった

代表グレード 日産ラフェスタ ハイウェイスターG
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) 4615×1750×1615mm
車両重量[kg] 1520kg
総排気量[cc] 1998cc
エンジン最高出力[ps(kw)/rpm] 150ps(110kw)/6200rpm
エンジン最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] 19.0kg-m(186N・m)/4500rpm
ミッション 5速AT
10・15モード燃費[km/l] 15.0km/l
定員[人] 7人
税込価格[万円] 226.8万円
発売日 2011/6/15
レポート 大岡智彦
写真 編集部

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(レポート:大岡 智彦

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