ボルボS60新車情報・購入ガイド 美しさ際立つ粋なセダン

はてなブックマークに追加 Googleブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録
【ボルボ】2019/12/18

ボルボS60

 

先代より狭くなった全幅だが、まだまだワイドな新型ボルボS60

ボルボS60ボルボは、ミッドサイズのセダンS60をフルモデルチェンジし発売を開始した。8年ぶりのフルモデルチェンジで3世代目へと進化した新型ボルボS60は、ダイナミックな走りと流麗なスタイリングを両立させた。

新型ボルボS60は、クリーンかつシャープな印象のエクステリアや、スカンジナビアンデザインのシンプルで上質なインテリアを採用。ワゴンモデルのV60同様、全幅を1850mm(先代比-15mm)に抑え、ボディの肥大化に歯止めをかけている。日本では立体駐車場の規格として1800mmがハードルになっているので、それでもまだ大きいのだが、ボディが縮小に向かったのは大いに歓迎しておきたい。ボディは先代に比べて全長が125mm延長されると同時に、全高は45mm低くなって伸び伸びしたスタイルとしている。

また、新型S60は、昨年に稼動を開始したアメリカ・サウスカロライナ州のチャールストン工場にて最初に生産されたボルボ車であり、電動化を見据えた取り組みの一環としてディーゼルエンジンのラインナップを持たない最初のモデルになる。アメリカ産のクルマであることが、スウェーデン産のクルマとどう違うかなど、興味が持たれる部分である。

ボルボS60

 

 

ボルボらしい内外装デザイン

ボルボS60新型ボルボV60でも、ボルボ車のアイデンティティになっているT字型の印象的なLEDヘッドライトデザインが採用されている。北欧神話に登場するトール神が持つハンマーをモチーフとしたものだ。シャープなショルダーラインも新世代ボルボに共通するデザインである。テールランプは、アルファベットの“C”字型が向かいあった形状のLEDテールライトが採用され、シャープなスピード感がある。

インテリアは、ボルボらしい洗練されたスカンジナビアンデザインを取り入れている。上級モデルの90シリーズと同機能を有するフロントシートを採用し、マッサージ機能やベンチレーション機能(Inscriptionグレードに標準装備)など、快適装備も充実している。

ボルボのセダンモデルで初めて採用されたチルトアップ機構付きの電動パノラマガラスサンルーフ(オプション設定)は、閉じているときには濃色ガラスによって不快な眩しさを抑え、開け放てばキャビンを爽快感あふれる空間とするものだ。

ボルボS60

 

 

世界トップレベルの予防安全装備を全車標準装備

ボルボS60ボルボといえば安全。今回の新型S60にも、最新のテクノロジーを駆使した安全装備が採用されている。ボルボ車の乗員のみならず、車外の人をも守る先進安全・運転支援機能である「IntelliSafe(インテリセーフ)」は全グレードに標準装備れる。

またIntelliSafeのうち、City Safety(衝突を回避・軽減するフルオートブレーキシステム)に、新型V60から新たに「対向車対応機能」が導入された。これは日本国内における最も多くの交通死亡事故要因となっている対向車との衝突被害を回避または軽減するものだ。

ほかの新世代ボルボ車に搭載されている「オンカミング・レーン・ミティゲーション(対向車線衝突回避支援機能)」「インターセクション・サポート(右折時対向車検知機能)」と合わせ、一段と安全性を高めている。

ボルボS60具体的には、City Safety(衝突回避・被害軽減ブレーキシステム)の検知対象を拡大し、従来の前走車に加え新たに対向車も追加した。対向車との衝突が避けられない場合、衝突警告、前席左右の電動シートベルトおよびブレーキの作動を同時に開始し、対向車との衝突速度を最大で10km/h低下させ、衝突エネルギーを減少させることで乗員へのダメージを軽減する。

なお、オンカミング・レーン・ミティゲーション(対向車線衝突回避支援機能)は、対向車が接近しているときに自車走行車線から対向車線へ意図しないはみ出しを検知すると、ステアリングを自動で操作し、正面衝突を回避するため自車を対向車線から走行車線に戻すよう支援するものだ。

また、インターセクション・サポート(右折時対向車検知機能)は、交差点での右折時に、直進する対向車と衝突する可能性が高まった場合に車両がブレーキを掛け、衝突回避を支援する。

ボルボS60

 

出力違いの2.0Lターボを2タイプ用意

ボルボS60新型ボルボS60には、燃費効率とパフォーマンスを両立するボルボの新世代パワートレイン(Drive-E)として2種類のガソリンエンジンが搭載されるほか、2種類のPHEV(プラグインハイブリッド)が設定された。すべてのパワートレーンは、高効率の8速ATを採用し、プラグインハイブリッド車はエンジンと電気モーターを組み合わせた電子制御AWDシステムにより卓越した走行性能を発揮させている。

ベースとなるのはT4に搭載されるガソリンエンジンで、最高出力140kW(190ps)、最大トルク300N・mを発揮するDrive-Eの直列4気筒2.0Lの直噴ターボ仕様だ。300N・mの最大トルクを1400rpmから4000rpmの幅広い回転域で発生し、常用回転域でゆとりある走りを満喫できる。

T5に搭載されるガソリンエンジンには同じDrive-Eの直列4気筒2.0Lの直噴ターボ仕様だがチューニングが異なり、最高出力187kW(254ps)、最大トルク350N・mを発揮する。高回転域の優れたレスポンスと伸びやかなドライビングフィールを特徴とするハイパフォーマンス仕様により、余裕のあるスポーティな走りを可能にしている。

 

 

電動化時代に対応する2タイプのPHEV用パワーユニットを設定

ボルボS60PHEV用の2種類のパワートレーンは、いずれもスーパーチャージャーとターボチャージャーのツインチャージ仕様で、さらに後輪用の電機モーターも組み合わされている。

ベースとなるT6搭載用は、エンジンが最高出力186kW(253ps)、最大トルク350N・mを発生する。また特別限定車のT8 Polestar Engineered用は、最高出力333kW(318ps)、最大トルク430N・m発生する高性能ガソリンエンジンを搭載する。両方のパワートレーンとも240N・mの最大トルクを発生する高出力の電気モーターをリアに配置する。

ガソリンエンジンで前輪を、また電気モーターで後輪を駆動するAWD車で、エンジンと電気モーターの連携により燃費消費量やC02発生量を大幅に低減している。2つのパワーソースの組み合わせによってパワフルかつ効率の良い走りを実現し、シチュエーションに応じてHybrid、Pure、Power(Polestar Engineered)、AWDの4種類のドライブモードから好みのモードを選択することもできる。

電気モーターだけで駆動する「Pureモード」では、都市内などで静かな走りを実現するゼロ・エミッション車となる。EVとしての走行距離(プラグインレンジ)はT6が48.2km、T8 Polestar Engineeredが42kmとされている。(いずれも国土交通省審査値)。

また、搭載されるリチウムイオンバッテリーは事故の衝撃に耐えるための強固なケースに収容されていて、フロアトンネル内に搭載されることで前後重量バランスの適正化と低重心化をもたらし、バランスのよいハンドリングにも貢献している。

 

 

タッチスクリーン&モニター設置位置が安全面で微妙

ボルボS60新型V60にも、インフォテイメントシステムとしてドライバーが直感的に操作できるボルボ独自の「SENSUS(センサス)」を搭載する。ナビゲーションやメディアの選択、電話、エアコンや車両の各種設定などが素早く行える。

インパネ中央には赤外線方式タッチスクリーンを採用し手袋をしたままでも操作可能な9インチのセンターディスプレイを配置したほか、ドライバーが必要な情報は12.3インチのドライバー・ディスプレイ(メーターパネル・4モード選択式)とヘッドアップディスプレイ(ベースグレードのモメンタム以外に標準装備)にも表示される。

またナビゲーションの目的地設定やメディアの選択、エアコンの温度調整等の機能を音声でコントロールすることも可能で、SENSUSはさらに、アップル社のカープレーとグーグル社のアンドロイドオートにも対応している。

ただ、タッチスクリーン式は、安全面で少々微妙。操作するときに、どうしても指先を注視してしまい前方監視がおろそかになる瞬間が多くなるからだ。とくに、揺れる車内での操作は難しい。また、多くの右利きの人にとっては、左手での操作になり、さらに操作が難しくなるからだ。ダイヤル式のコントローラーとの併用が望ましい。さらに、モニター位置も低く、視線移動が多い。できるだけ高い位置で視線移動の少ない位置にモニターを設置すべきだろう。

 

価格.com 自動車保険

 

高級車らしい極上のサウンドを提供

パワフルできめ細やかなサウンドを実現するハーマンカードンのプレミアムサウンド・オーディオシステム(モメンタム以外に標準装備)は、出力600Wのデジタルアンプと14個のスピーカーによって構成され、サラウンドサウンドが音楽に包み込まれる上質な音場体験を演出する。

また、世界最高水準のパフォーマンスを誇るバウワーズ&ウィルキンスのプレミアムサウンド・オーディオシステムは、(モメンタム以外にオプション設定)は、出力1100Wのデジタルアンプと新構造のサブウーファーを含む15個のスピーカーを搭載し、車内のどの座席でも極上のサウンドを体感できる。スウェーデンのイェーテボリ・コンサートホールのベストシート「席番号577」の音響を再現した「コンサートホールモード」など3つのモードからサウンド設定を選択可能だ。

 

発売日当日に完売した特別限定車 「Polestar Engineered」

Volvo S60 Polestar 新型V60の発売合わせて設定された特別限定車の「S60 T8 Polestar Engineered」は、S60をベースに開発された初のハイパフォーマンス・コンプリートカーだ。T8 Twin Engine AWDパワートレーンをベースに、ポールスターによるチューニングによって、参考出力420ps(333ps /430N・m+87ps/ 240Nm)の圧倒的な走りを実現する。0-100km/h加速は4.3秒(メーカー発表値)のパフォーマンスを実現している。

シャシーには専用のオーリンズ製DFVショックアブソーバー(22段階調整)、ブレーキにはPolestar Engineered/ブレンボ製フロントブレーキ(371mm/6ピストン)などを採用する。また専用の内外装に加え、フロントとリアには専用のエンブレムが取り付けられ、スポーツ走行に適したオープングリッドテキスタイル/ナッパレザーのコンビネーションスポーツシート、ゴールドカラーのシートベルトなどがそのスポーティな個性を演出する。

Volvo S60 Polestar

 

 

<S60 T8 Polestar Engineered特別仕様・装備>

●エクステリア
Volvo S60 Polestar ・専用フロント・グリル
・専用フロント・バンパー
・専用リア・バンパー
・専用エンドパイプ(ブラッククローム仕上げ、Polestar Engineered ロゴ入り)
・専用グロッシーブラック仕上げサイドウインドーフレーム
・専用ブラックカラー・ドアミラーカバー
●インテリア
・専用オープングリッドテキスタイル / ナッパレザー・コンビネーションスポーツシート
・専用ゴールドカラー・シートベルト
・メタルメッシュアルミニウム・パネル
・本革 / シルクメタル・スポーツステアリングホイール
・スポーツ・ペダル
・専用本革巻シフトノブ
Volvo S60 Polestar ・専用フロアマット
・テイラード・ダッシュボード
・チャコールカラー・ルーフライニング

●専用装備
・パドルシフト
・ステアリングホイール・ヒーター
・チルトアップ機構付き電動パノラマガラスサンルーフ
・専用デザイン19インチ鍛造アルミホイール8.0JX19ポリッシュド/ブラック
・専用タイヤ(235/40R19)
・Polestar Engineered/ブレンボ製フロントブレーキ(371mm/6ピストン)システム
・ゴールドカラー・ブレーキキャリパー(フロント、リア)
・Polestar Engineered フロント、リア・サスペンション: オーリンズ・デュアルフローバルブ・ショックアブソーバー(22段階調整)、強化フロント・スプリング、強化リア・リーフスプリング
・Polestar Engineered ストラットタワーバー

Volvo S60 Polestar

 

価格.com 自動車保険

 

新型ボルボS60のグレード選び

ボルボS60新型ボルボV60には、別掲の4グレードが設定されているが、それぞれの価格差が非常に大きい。グレードを選ぶというより、予算が優先されることになりそうだ。ただ、500万円を切る価格が設定されたT4モメンタムは、装備面で見劣りする上に、選べるオプションにも制約がある。ガソリン車なら、車両価格614万円のT5インスクリプションがイチ推しのグレードになる。

ただ、クルマの電動化が急速に進んでいることを考えると、やはりPHEVという選択も捨てがたい。PHEVのT6になると、さらに150万円以上価格が高くなり、T8に至って900万円を超える価格になる。予算に余裕があれば、PHEVを積極的に選びたい。PHEVなら満充電であれば、48.2㎞の距離をEV走行できるので、通勤や買い物、送迎といった使い方なら、ほとんどガソリンを使用しない生活が可能だ。

また、PHEVはエコだけでなく、ガソリン車にはない爽快な走りが可能。瞬時に最大トルクを発揮するモーターは、アクセルレスポンスの良さに優れる。パワフルな過給機付きエンジンとの相性は抜群だ。

PHEVは、4WDのみの設定。予算次第になるのだが、ガソリン車はFF(前輪駆動)のみなので、雪国のユーザーにもお勧めだ。雪国ではなくても、雨の高速道路などで、より安定した走りを求めるのであればPHEVという選択になる。

ボルボS60価格

T4モメンタム 4,890,000円
T5インスクリプション 6,140,000円
T6ツインエンジンAWDインスクリプション 7,790,000円
T8ポールスターエンジニアード 9,190,000円

ボルボS60燃費、ボディサイズなどスペック

代表グレード S60 T6 Twin Engine AWD Inscription

全長 × 全幅 ×全高  4,760×1,850×1,435mm

ホイールベース  2,780mm

車両重量 2010kg

エンジン種類 インタークーラー付スーパーチャージャー&ターボチャージャー DOHC直列4気筒16バルブ +モーター

総排気量  1,968cc

ボルボV60 T6最高出力  186kW(253ps) /5,500rpm (ECE)

最大トルク 350Nm (35.7kgm) / 1,700-5,000rpm (ECE)

モーター最高出力(kW/rpm)  34/2,500(前) 65/7,000(後)

最大トルク(Nm/rpm)  160/0-2,500(前) 240/0-3,000(後)

トランスミッション  8速A/T

充電電力使用時走行距離  48.2km

ボルボV60 T6タイヤ・ホイールサイズ  235/45R18

最小回転半径 5.7m

駆動方式 電子制御AWDシステム(エンジン+モーター)

サスペンション 前/輪  ダブルウィッシュボーン式/インテグラル式

エネルギー消費効率 (WLTCモード燃費値) 13.7km/L

ボルボ車新車情報・試乗評価一覧

セダン新車情報・試乗評価一覧

ハイブリッド、PHEV新車情報・試乗評価一覧

【関連記事】

【オススメ記事】