日産、新開発電動パワートレインの試作ユニットを公開の目次
電動化を推進するためのモジュール化技術「X-in-1」
日産は、長期ビジョン「Nissan Ambition 2030」において、2030年度までに19車種のEVを含む27車種の電動車を導入することを目指している。その目標達成の方策のひとつとして、新開発された電動パワートレインの試作ユニットを公開した。
この新開発された試作ユニットは、電気自動車(以下EV)とe-POWERの主要部品を共用化し、モジュール化した新開発電動パワートレイン「X-in-1」だ。
例えば、EV用にモーター、インバーター、減速機の3つの部品をモジュール化したタイプが「3-in-1」。e-POWER用に、モーター、インバーター、減速機に加えて、発電機、増速機の5つの部品をモジュール化したタイプが「5-in-1」となる。現在、このタイプを開発中だという。
「X-in-1」技術によるメリットは以下の通り。
・主要な駆動部品の共用化と、ユニットのモジュール化による生産効率の向上により、パワートレイン コストを2019年比で約30%削減し、e-POWERにおいては2026年までにエンジン車と同等の車両コストを目指す。
・ユニットの小型化と軽量化により、車両の走行性能や音振性能を向上。
・重希土類の使用を1%以下(磁石重量比)まで削減した新開発のモーターを採用予定。
・駆動部品や制御技術を共用し、EVとe-POWERどちらも日産の電動車ならではの魅力的な運転体験を提供する
モーターや電池技術も進化中!
従来、e-POWERの場合、モーター、インバーター、減速機、発電機、増速機を別々に生産し組み立てられていた。これを1つのモジュールにすれば、生産性やコストが下がるのはイメージしやすい。
モジュール化というと、それぞれのパーツを入れるための箱を作ればいいと容易に考えがちだ。しかし、モジュール化は、そんなに容易ではない。それぞれパーツが、発熱したり振動したりするので、ひとつにまとめることにより、他のパーツに影響を及ぼすからだ。モジュール化させるための技術というのも必要。こうした優れたモジュール化技術を磨いたことで、「X-in-1」を成立させている。
また、日産は2028年度までに自社開発の全固体電池を搭載したEVの投入を目指すとしている。全個体電池は、EVの航続距離など性能を伸ばすために必要な技術のひとつ。
さらに、日産アリアに永久磁石を使わない巻線界磁式モーターを搭載。モーターも電動車において重要なアイテム。日産は、こうした部分にもチャレンジしている。
モーターに関しては、軽量化や熱損失も重要な課題のひとつ。車載用のモーター類は、アルミ製のエンジンよりも重いことがあるからだ。
世界中の自動車メーカーが、クルマの電動化に舵を切る中、電動車のパイオニアとしての続々と電動化技術を公開した日産。今後、続々と投入される電動車に期待は高まる。
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