三菱自動車 は、ジュネーブショーで、新たなプラグインハイブリッドEV（PHEV） を搭載する小型SUV コンセプトカー 「三菱コンセプトXR-PHEV II」 を世界初公開した。

　三菱コンセプトXR-PHEV IIは、ヒットモデルとなったアウトランダー PHEV に次ぐPHEVとして開発された小型のSUVだ。アウトランダーPHEVは、基本EVとして走るSUV 。4WD にこだわる三菱らしく、後輪を独立したモーター駆動とするなど、先進技術の塊ともいえる。アウトランダーには、PHEVの他ガソリン車があるのだが、国内の販売のほとんどがPHEVという状況。このアウトランダーPHEVの技術こそが、唯一、三菱車を選んでもらえる魅力となっている。

　ただし、アウトランダーPHEVは、比較的リーズナブルな価格設定になっているとはいえ、約340万円超からの高額車。三菱としては、もう少し数が売れる人気モデルが欲しい。そんなこともあり開発されたのが、三菱コンセプトXR-PHEV IIということになる。

　ただし、三菱コンセプトXR-PHEV IIはFF。三菱のこだわりである4WD機能は無い。まぁ、コンセプトカー なので、これからいかようにもなるだろうが、やはり三菱車に4WD設定が無いのは少し寂しいし、SUVである以上、やはり4WDは機能は欲しいところだろう。

　そんな三菱コンセプトXR-PHEV IIのボディサイズは、4,490×1,890×1,620mm。SUVらしく、塊感のあるシルエットをもつ。サイドのキャラクターライン、リヤフェンダーの立体的で、なかなかダイナミックな躍動感を表現している。フロントフェイスは、歴代パジェロ のデザインを継承し進化させ、バンパー両サイドのプロテクター形状を中央方向へ拡張している。アンダーガードを下から中央方向へ拡張したことで、人とクルマを保護する新しい盾のカタチを表現している。

　インテリアは、ロボちっくなデザインを得意とする三菱らしいもの。水平基調のインパネに左右に広がるアルミフレームによって、SUVの力強さを表現。三菱のロゴをモチーフとしたステアリングセンターパッドなど、エッジの効いたデザインが特徴だ。操作系は、ステアリングホイールとコンソール中央部に集中配置。機能的なコックピットとされている。

　注目のPHEVシステムは、新開発のモーターとジェネレーターを装備し、ユニットをフロントに搭載したFFタイプとしている。大容量バッテリーは、当然、低重心化のためにフロア下に配置し、優れた運動性能を狙っている。

　この新型パワードライブユニットは、インバーターと可変電圧システムで構成し、小型・高効率なシステムでありながら高出力・高トルクを実現。走行時のCO2排出量を40g/km以下に抑え、プラグインハイブリッドでクラストップレベルの環境性能としている。

　搭載されるバッテリー容量は12kWh。これは、アウトランダーPHEVと同じ容量。アウトランダーPHEVより、小さいボディサイズながら、同じ容量のバッテリーを積んでいるということは、EV 走行できる距離は大幅に伸びることも予感させる。

　また、このPHEVシステムは、アウトランダーPHEVと同様にモーター走行を基本としている。エンジンが発電と駆動の両方を担い、走行状況やバッテリー残量に応じて、EV走行、シリーズ走行、パラレル走行のうち最適な走行モードを自動選択。バッテリーセーブモードやバッテリーチャージモードを備え、EV走行をしたい状況に合わせることができる。アウトランダーPHEVには搭載されていなかったが、協調回生ブレーキなどの技術が用意されているかも注目したい。

■三菱コンセプトXR-PHEV II基本諸元
・全長×全幅×全高　4,490[mm]× 1,890[mm]× 1,620[mm]
・ホイールベース　2,670[mm]
・乗車定員　4名
・バッテリー容量　12kWh
・モーター出力　120kW
・駆動方式　2WD
・CO2排出量　40g/km以下