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【BMW】2014/03/19

FR車らしさを思う存分に楽しめるサイズ感、力強いデザインが魅力

BMW2シリーズクーペ
 BMWは、コンパクトなボディサイズをもつスポーツクーペ新型BMW2シリーズクーペの発売を開始した。2シリーズクーペは、先代1シリーズクーペの後継ということになる。

 すでに、BMWは3シリーズのクーペモデルとなる4シリーズクーペを発売している。この新型BMW2シリーズクーペも4シリーズ同様で、2シリーズとして独立させることで存在感をよりアピールしている。BMWは偶数のシリーズ名をクーペとし6シリーズ、4シリーズ、そして2シリーズをラインアップ。2シリーズは最もコンパクトなクーペシリーズとなる。国内マーケットでは、なかなかクーペモデルの販売は伸びないものの、BMWは着実に車種の隙間を埋めラインアップ強化している。

 今回登場した新型2シリーズクーペは、その名に2が付くことから1966年に登場したBMW02シリーズの系譜を受け継ぐモデルとされている。とくにBMW2002ターボは、1970年代に量産車初のターボモデルとしてデビューし、レースでポルシェと熾烈な争いをしたことで有名。スーパーカー世代にとっては、懐かしいモデルでもある。そんな時代から約40年以上が経過しているため、BMW02シリーズの系譜と言われても、スタイリングはほぼ別物と言っていいくらい。とりあえず、同じなのはドアが2枚というくらいだろうか。

 新型BMW2シリーズクーペのエントリーグレード220iクーペSportのボディサイズは、4440×1775×1420mmで先代1シリーズクーペに対して全長で+70mm、全幅で+25mm、全高で+35mm、ホイールベースで+30mmと、ひと回り大きくなっている。その分、室内スペースやトランク容量などは拡大している。

 スタイリングは、小さなボディながらBMWらしいスポーティなものとなった。全幅が広がったことで、よりワイドなスタンスとなったのと同時に、パンっと面の張りの強いデザインとなったことにより、筋肉質で力強さをアピールする。ボディサイズそのものはコンパクトなのだが、小さく見えないのが特徴だ。とくに、フロントフェイスの4灯ヘッドとバンパーボトム部に配された大型のエアダクトが精悍さを強調している。

 インテリアは、いつものBMWらしいものにまとめられている。8.8インチのモニターをもつアイドライブも標準装備だ。

 安全面装備も最新のものへ進化している。車線逸脱警告システムや前車接近警告機能、衝突回避・被害軽減ブレーキ、クルーズ・コントロール(ブレーキ機能付)、BMW SOSコールなどが標準装備されている。

 そして、この新型BMW2シリーズクーペの魅力は、なんといってもセグメント唯一のFRということだ。とくに、このコンパクトなボディサイズは狭い道が多い日本でも使い勝手は抜群。当然、BMWなので約50:50の理想的な前後重量配分をもつ。クルマとの一体感を感じながら走れるクルマといえる。全長はちょっと2シリーズクーペが長く全高も高いが、トヨタ86とも共通した走りのエッセンスをもつモデル。FR車の楽しさを思う存分楽しめるサイズ感だ。

 また、空気抵抗の低減にもこだわりをみせる。新型2シリーズクーペには、「エア・カーテン」が採用された。これは、フロント・エプロン両端のエア・インテークから取り込まれた空気を高速でフロント・ホイール・アーチへと放出するというもの。この機能により作り出される空気の流れによって、フロント・ホイールの側面をカーテンのように覆い、ホイールおよびホイール・アーチ周辺の乱気流を抑え、空気抵抗を低減する。高速域での空気抵抗の乱れは、燃費や走行性能にかかわる部分だけに、こういったエアロダイナミクスは重要な技術のひとつだ。

 そして、搭載されるエンジンは2タイプが用意されている。220iクーペに搭載されるのが、3シリーズなどでお馴染みの2.0L直列4気筒BMWツインパワー・ターボ・エンジンで最高出力135kW(184ps)/5,000rpm、最大トルク270Nm(27.5kgm)/1,250 -4,500rpmを発生する。燃費は320iよりボディサイズが小さいこともあり、16.7km/Lを達成し75%エコカー減税に対応している。

 そして、新型2シリーズクーペの魅力を最大限発揮するスポーツモデルであるM235iクーペには、3.0L直列6気筒BMW M Performanceツインパワー・ターボ・エンジンが搭載されている。このエンジンは、最高出力240kW(326ps))/5,800rpm、最大トルク450Nm(45.9kgm)/1,300-4,500rpmを発生し、0-100㎞/h加速はわずか4.8秒(ヨーロッパ仕様車値)という俊足だ。

 このエンジン、すでにM135iにも搭載されていたが、M235i用に進化していた。M135iは最高出力235kW(320ps)/5,800rpm、最大トルク450Nm(45.9kgm)/1,300-4,500rpmなので、トルクは同じだがパワーは6psほどアップしていることになる。

 M235iクーペには、M社による専用セットアップが施されたアダプティブMサスペンション(電子制御式ダンパー)や、ステアリング・ギヤ・レシオを可変制御するバリアブル・スポーツ・ステアリング、そして、対向ピストン・ブレーキ・キャリパーを備えたMスポーツ・ブレーキが採用されている。エクステリアも、よりエアロダイナミクスを追求し、高性能エンジンおよびブレーキ・システムに大量の冷却用空気を供給する大型エア・インテークを備えた専用フロント・エプロンを装備された。さらに、450Nmという自然吸気4.5Lエンジン並みのトルクを堪能できるローンチ・コントロールも用意されており、M135iの強力な加速性能が堪能できるようになっている。また、このM135iにはMT車も用意されているのも特徴だ。

 新型BMW2シリーズクーペの価格は、444~598万円。2シリーズクーペの選び方は、BMW車選びの鉄則ともいえるMスポーツを選択するのがベスト。Mスポーツは、リセールバリューが高めになる傾向になるため、短期の買い替え時にメリットなる可能性が高いからだ。また、220iMスポーツの価格は468万円に対して、M135iが598万円となっていて、価格差は130万円。徹底的に走りを楽しみたいのなら、多少価格差はあるものの無理してでもM135iがお勧めとなる。

■BMW2シリーズクーペ価格

・220iクーペ Sport ¥ 4,440,000円
・220iクーペ M Sport ¥ 4,680,000円
・M235iクーペ 6速MT ¥ 5,840,000円
        8速AT ¥ 5,980,000円

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(レポート:CORISM編集部

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