トヨタC-HR新車情報・購入ガイド スポーツモデル「GR SPORT」追加で、SUV新車販売台数ナンバー1へ返り咲きを狙う

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【トヨタ】2019/12/04

トヨタC-HR

 

ライバル、マツダCX-30の登場でうかうかしていられないC-HR

トヨタC-HRトヨタは、CセグメントのコンパクトSUVであるCH-Rをマイナーチェンジし発売を開始した。そして、新たに新グレードでスポーツモデルの“GR SPORT”を設定した。

トヨタC-HRは、2016年12月登場した新型SUVだ。プリウスやカローラにも使われているGA-Cプラットフォームを採用している。

C-HRは、デザインにもこだわったモデル。ダイヤモンドをモチーフにして、大胆でユニークなスタイリングがもつ。やや違和感があるものの、このデザインは多くのファンを生み出し、C-HRはデビュー時からイッキに人気モデルとなる。2017年度の登録車新車販売台数ランキングでは、コンパクトカーのホンダ フィットより売れ4位に入り、SUV新車販売台数ナンバー1になっている。

しかし、そのユニークさからか、一定のファン層に売ったあとは、徐々に販売台数を落としていく。2018年度の登録車販売台数ランキングでは、大きく順位を落とし13位となる。そして、マイナーチェンジ直前の2019年度上期の登録車販売台数ランキングでは、さらに順位を落とし18位となった。

大きく販売台数を落としているC-HR。CセグメントのSUVには、新たにマツダCX-30が投入され、販売面ではさらに競争が激化。C-HRにとって、今回のマイナーチェンジでいかに競争力を高め、販売台数を伸ばすかという重要な局面を迎えている。

 

 

力強さをアピールする新デザインだが・・・

トヨタC-HR今回のマイナーチェンジでは、C-HRの開発当初からの大きな訴求ポイントであるデザインに手が加えられた。エアインテークを左右に広げ、ワイドスタンスを強調するとともに、フロントフォグランプをエアインテーク上部に配置して、ワイドスタンスを強調するフロント&リアスタイルとした。SUVらしい力強さを表現すると同時に、CH-Rならではのスタイリッシュさを進化させたものだ。

ただ、それほど変わり映えしないようにも見える。販売台数を大きく落としているのであれば、もっと大胆なデザイン変更も必要だったかもしれない。

上級グレードのヘッドランプは、上部に長く伸びるLEDクリアランスランプをデイライトとターンランプのダブルファンクションとし、リヤコンビネーションランプには右左折時に車両内側から外側に流れるように点灯するシーケンシャルターンランプを採用した。

このほかボディカラーは新色を含めて全16色(“GR SPORT”は11色)と豊富な設定としている。内装色には新たにオーキッドブラウンを設定した。

トヨタC-HR

 

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ディスプレイオーディオを装備しコネクティビティを強化

トヨタC-HR装備面では、スマートフォンとの連携を可能にしたディスプレイオーディオ(DA)や車載通信機DCMを全車に標準装備した。最近のトヨタは、こうしたコネクティビティの強化を急速に進めている。これにより、コネクティッドカーとしての便利で快適な機能を進化させた。

具体的には、SmartDeviceLinkに対応するTCスマホナビや、音楽・ラジオアプリなどをDA上に表示して操作可能とし、LINEカーナビでは音声認識で目的地設定やLINEのメッセージ送受信したり、音楽再生などを可能としている。

また、Apple CarPlayやAndroid Autoなど、日常利用している地図アプリや音楽アプリなどをディスプレイで操作・利用が可能だ。(TVとセットオプションで、契約時にT-Connect契約が必要となる)

 

物足りない予防安全性能

トヨタC-HR安全機能にも進歩が見られる。駐車するときなど、静止物を検知して衝突被害の軽減に寄与するインテリジェントクリアランスソナー[パーキングサポートブレーキ(静止物)]を始め、駐車場での後退時に左右後方から接近する車両を検知し、衝突の可能性がある場合、ブレーキを制御するリヤクロストラフィックオートブレーキ(パーキングサポートブレーキ[後方接近車両])や、車両を上から見たような映像をディスプレイ画面などに表示するパノラミックビューモニターなど、安全機能をオプション選択可能とし、ドライバーを支援する安全装備の充実化を図っている。

ただ、こうした装備の多くがオプションばかり。予防安全装備は、必要最低限のものが標準装備だと思っていい。例えば、後側方車両接近警報(BSM)は、もはや1クラス下のマツダ2 には標準装備されているくらいベーシックな予防安全装備だ。

また、歩行者検知式自動ブレーキの性能は進化していない。C-HRの歩行者検知式自動ブレーキは、昼間の歩行者のみに対応。しかし、同じトヨタ車で同じプラットフォームを使うカローラでは、昼夜の歩行者と自転車にも対応。こうした部分の進化に対応しなかったのは、かなり物足りない部分だ。

トヨタC-HR

 

 

期待のスポーツモデル「GR SPORT」を新投入

トヨタC-HRマイナーチェンジに合わせて追加設定された“GR SPORT”は、トヨタが運営するコンシューマー向け情報提供サービスのGAZOO(ガズー)の名前を冠したレーシングチームのTOYOTA GAZOO Racing(トヨタ・ガズー・レーシング、TGR)が、市販車のスポーツチューンモデルをGR(ジーアール)ブランドで販売するもので、さまざまなトヨタ車に設定されている。それが今回はCH-Rにも設定された。

TGRは、ワークス参戦から普及活動まで幅広くモータースポーツ活動を行っており、その活動を通じて得られた知見やノウハウを行かし、スポーツチューンを加えたのが“GR SPORT”だ。

CH-Rの“GR SPORT”では、標準車に対して専用の外観デザインを与えるなどの差別化を図ると同時に、標準車と合わせて6速iMT(インテリジェントマニュアルトランスミッション)を、1.2Lのターボエンジン搭載車(FF)に追加し、より充実したラインナップとしている。

こうしたスポーツモデルの人気が高い。日産もモータースポーツブランドであるニスモの名を冠したモデルが良く売れている。

 

数多くの専用パーツを装着したGR SPORT

トヨタC-HR“GR SPORT”のエクステリアデザインは、フロントバンパー、大開口アンダーグリル、アンダーガーなどを専用のものとして、より精悍なスタイルとしている。同時に、Bi-Beam LEDヘッドランプ(GR専用ダークスモークエクステンション)+LEDクリアランスランプ+LEDターンランプ+LEDデイライトを採用した。フロントタイヤ上部まで回り込む大型ヘッドランプは、すべての光源をフルLED化し、1灯の光源でロービームとハイビーム切替が行えるBi-Beam(バイ-ビーム)LEDとすることで、前方を明るく照射しながら、省電力にも寄与している。さらにフォグランプもLEDである。

インテリアも“GR SPORT”専用のものがいろいろと用意されている。本革巻き小径3本スポークステアリングホイール(シルバーステッチ+ GRエンブレム+スポーク部:ダークシルバー塗装)を始め、センターコンソールアッパー加飾(ピアノブラック)、パワーウインドゥスイッチベース加飾(ブラック+ピアノブラック)、専用スポーティシート(GRエンブレム付き+シルバーダブルステッチ付き) /シート表皮(メイン部:パーフォレーション付きブランノーブ/ サイド部:合成皮革)、アルミペダルなどが特徴だ。

トヨタC-HR

 

 

ボディ、サスペンションも強化し走りの質を向上したGR SPORT

トヨタC-HR“GR SPORT”はボディにも手が加えられ、ベース車のボディ剛性をより高水準なものにするため、フロア下にフロアセンターブレースを追加した。スポーティな走りを堪能できるよう、操舵応答の向上やフラットな乗り心地に寄与するものだ。

当然ながらサスペンションも専用のチューニングを受けていて、専用に設定された19インチタイヤの性能を最大限に引き出すため、GR専用のチューニングを徹底した。前後サスペンションの各コイルスプリングのバネ定数やセット荷重、スタビライザー、ショックアブソーバーの減衰力特性の最適化を実施している。

ブレーキは仕様こそ変わらないが、ホワイト塗装(フロント・リヤ)を施し、GRロゴ付き(フロント)としたブレーキキャリパーが採用されている。

GR SPORTは、非常にレベルの高い仕様にまとめられている。ベース車のSグレードに対して約28万円の価格アップだ。この価格アップで、これほど濃い内容のレベルアップが図られていることを考えると、とてもリーズナブルといえる。

ただ、販売台数アップという面では、内外装のみなどもっとライトな仕様で価格アップ抑えたGR SPORTが欲しいところだ。見た目のカッコよさだけが欲しいという顧客も多いからだ。ボディ剛性アップやサスペンションなど、走行性能のアップなどを求めていない顧客は意外なほど多い。

C-HR“GR SPORT”の価格は、ハイブリッド車のS“GR SPORT”が309万5000円(電気式無段変速)で、1.2Lターボ車のS-T“GR SPORT”が273万2000円(6速iMT)の設定。標準車に対して30万円以上高くなるが、魅力的なモデルであるのは間違いない。標準車の価格は、236万7000円から299万5000円の設定である。

 

 

トヨタC-HR価格

■1.2Lターボ

・S-T 6速マニュアル(iMT) 2WD  2,367,000円/Super CVT-i 2,400,000円、4WD  2,598,000円

・G-T 6速マニュアル(iMT)  2WD 2,632,000円/Super CVT-i 2,665,000円、4WD  2,863,000円

・S-T“GR SPORT”  6速マニュアル(iMT)  2WD 2,732,000円/

■1.8Lハイブリッド車

・S 2,730,000円

・G 2,995,000円

・S“GR SPORT” 3,095,000円

 

トヨタC-HR燃費、スペックなど

代表グレード  トヨタC-HR S“GR SPORT”

ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高)  4390×1795×1550mm

車両重量[kg] 1450kg

総排気量[cc] 1797cc

エンジン最高出力[kw(ps)/rpm] 72(98)/5,200

エンジン最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] 142(14.5)/3,600

モーター最高出力[kw(ps)] 53(72)

モーター最大トルク[N・m(kg-m)] 163(16.6)

ミッション  電気式無段変速機

WLTCモード燃費[km/l] 25.0㎞/l

JC08モード燃費[km/l] 29.0km/l

定員[人] 5人

税込価格[円] 3,095,000円

発売日 2019/10/18

 

 

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