日産キックスe-POWER 2026バンコク国際モーターショー解説

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2026/08/14

日産キックス フロントスタイル

 

リストラから、e-POWERで反転攻勢へ

 

日産は、タイ国内における第1工場を閉鎖し、生産を第2工場へと集約・統合するなどの大規模な固定費削減(リストラ)を断行した。

しかし、日産にとってタイ市場がASEAN地域における唯一の直接投資国であり、地域統括本部を置く最重要拠点であることに変わりはない。過酷なサバイバルレースが続くタイにおいて、日産は独自の電動化技術e-POWERを武器に、確固たる存在感を示そうとしている。

日産キックス リヤスタイル

 

アジア専用の激変フェイスリフトとなったキックス

 

日産がバンコク国際モーターショー2026のステージで主役に据えたのが、大幅な改良を受けた新型キックス e-POWERのワールドプレミア(世界初公開)だ。

フルモデルチェンジではなくマイナーチェンジだが、大幅な改良を受けており、完全な新型車と見紛おうほどのインパクトがあった。

北米向けに先行公開された2代目モデルと違い、こちらはアジア・ASEAN市場のトレンドやニーズに合わせた独自のビッグマイナーチェンジ版である。

キックスe-パワーは、外観デザインだけでなく内装にまで手を加えている。外観は最近の日産のデザイン言語ともいえるデジタルVモーションを採用し、これまでの丸みを帯びた表情から一転して、スリムなアッパーヘッドランプと3本の矢印型デイタイムランニングライト(DRL)を組み合わせた、ワイドで精悍なフロントマスクへと生まれ変わった。

インテリアの進化も著しい。コックピットには、12.3インチの大型高解像度インフォテインメントディスプレイと、7インチのデジタルメーターを新採用し、利便性とプレミアム感を大幅に高めている。

日産キックス インパネ

日産キックス フロントスタイル

 

ADAS強化で、商品力を大幅アップ

 

そして、装備面における最大のトピックが先進運転支援システム(ADAS)の強化だ。タイ仕様のキックスとして初となる、高速道路での単一車線運転支援技術プロパイロットが遂に標準搭載され、商品力を一気に引き上げた。

パワートレーンは、タイの工場で生産された1.2L直列3気筒エンジンに発電用モーターを組み合わせたe-POWERシステム(最高出力136PS/最大トルク280Nm)を搭載し、BEVに近いレスポンスにすぐれた力強い走りを実現する。

キックスeパワーの価格は、発売記念の特別価格として、ベースモデルが78万9900バーツ(約384万円)からのスタートとされた。

プロパイロットをはじめとする先進装備を盛り込みながらも、競合ひしめくコンパクトSUVセグメントにおいて非常に競争力の高い価格設定となっており、日産のタイ市場に対する本気度が伺える発表となった。

<レポート:松下 宏

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