BMW は、2014年にフルモデルチェンジしたばかりのプレミアムコンパクトカー 、ミニ （MINI）に、エントリーモデルとなるとなるミニ ワン（MINI ONE）を追加し発売を開始した。

新型ミニ（MINI）は、7年振りのフルモデルチェンジとなり、このモデルで3代目となった。2002年よりBMWグループにて開発、製造および販売されたミニは、3ドアハッチバック モデルから始まり、ドンドンと派生モデルを増やしていく。その結果、現在ではオープンモデルのミニ コンバーチブル 、ワゴン タイプのミニ クラブマン 、SUV スタイルのミニ クロスオーバー 、スポーツ系のミニ クーペ /ロードスター 、クーペとSUVのクロスオーバー 車ミニ ペースマン など、計7モデルという幅広いラインアップとなっている。強力なミニブランドの強みを生かし、様々な顧客ニーズを拾い上げ、販売台数増につなげる戦略だ。これらの派生車も、今後、順次に3代目ミニをベースとしたモデルに切り替わっていく。

そんな3代目ミニだが、ボディが肥大化した。そして、当然、車重もアップ。ボディの肥大化は、ミニ本来の持ち味が無くなる傾向にあるため、あまり歓迎できるものではない。

ミニのビュー当初は、1.5L直3ターボのクーパー と2.0L直4ターボのクーパーSの2タイプが投入された。クーパーのMT車は、19.2㎞/Lという低燃費を誇っている。ただ、クーパーもクーパーSも基本的に上級モデル。最も安いクーパー（MT）の価格でさえも、266万円となかなか高価だ。

そして、今回投入されたのがミニのエントリグレードとなるミニ ワン （ONE）だ。ミニ ワンには、USBオーディオインターフェース、フルホイールカバー付15インチホイール、サーボトロニックなどが標準装備。操作性の高いナビゲーションシステムや前車接近警告機能、衝突回避・被害軽減ブレーキ、アクティブ・クルーズ・コントロール、ヘッドアップディスプレイ等、数々の先進装備や安全装備も用意されている。

そして、ミニ ワンに搭載されるエンジンは1.2L直3ターボとなった。この新開発の高効率3気筒ターボ・エンジンを採用することにより、燃料消費率は約10%向上し20.2km/L（MT車）を実現している。その結果、エコカー減税が適用され自動車取得税が60%、重量税が50%減税になる予定だ。

この新型1.2L直3ターボの登場で、ミニのラインアップは1.2L、1.5L、2.0Lと3つのエンジンの中から選択できるようになった。

驚きなのは価格だ。先代モデルも価格的なインパクトがあり、ミニが売れるきっかけとなった。今回も同様にミニ ワン（MT）の価格は226万円と非常に魅力的な価格となっている。税金分を除けば、先代とほぼ同等の価格と言える。先代の自然吸気エンジンから、新開発のターボエンジンやボディサイズの拡大、安全装備への対応などを含めてもコストは増大していると予想できるため、今回のミニ ワンの価格は、もはや価格引き下げに近いレベルと思っていいだろう。

実際には、6速ATのミニ ワンの価格は240万円なので、これに必要なオプションを加えていくと、実際には300万円くらいの支払いになる場合が多いので、ミニは一見安くは見えるが、安いクルマではない。ミニを購入するときには、少なくとも50万円位はオプションが追加されるイメージをもったほうが良いだろう。

ミニの場合、圧倒的な人気を背景になかなか値引きには応じてもらえない。そのため、予算的に厳しくなってきたのであれば、残価設定ローンなどを使うのもひとつの方法。ミニは、リセールバリューが高いので、他のクルマと比較するとやや有利だ。また、あまりデザインが変わっていないので、中古車というのも選択肢のひとつでもある。