スバルXVハイブリッド新車試乗評価 燃費じゃなくて、走行性能重視というXVハイブリッドの実力を評価する!

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【スバル】2013/06/15

 

 

後発ゆえに、個性を重視! よりスポーティな走りを目指したスバルXVハイブリッド

スバルXVハイブリッド

 スバル初のハイブリッド車である新型スバルXVハイブリッド。2012年には日本市場で43車種、18%を占めるようになったハイブリッド車。その投入に、スバルは遅いと言われても仕方ないかもしれない。それだけにスバルは燃費だけのハイブリッド車ではなく走る楽しさの両立を目指して開発をした。スバルXVハイブリッドプロトタイプの試乗は、富士スピードウェイのショート・サーキットと敷地内の道路を中心としたコースである。XVハイブリッドのようなSUVとしては不釣り合いのサーキットを会場に選んだのはスバルの自信と意気込みだろう。

最初に、ベースモデルのスバルXVについてお復習いをしよう。インプレッサをベースとしたSUVで2012年秋にフルモデルチェンジを行い「インプレッサXV」から「スバルXV」と名乗るようになった。全長4.45m、全幅1.78mと、SUVとしては比較的コンパクトなボディに、立体駐車場に入る1.55mに全高を抑えた運転し易い大きさである。

スバル伝統の水平対向4気筒2リッター・エンジンは、最高出力150PS、最大トルク20.0kg・mを発生し、効率の良いCVTのトランスミッションと4WDを採用。クラストップレベルの燃費性能15.8km/l(JC08モード)を実現している。

スバルXVハイブリッドの魅力は、そのスタイルだと思う。Sports x casual=スポカジ、とスバルはアピールしているスタイリッシュなエクステリアは、私のような中年でも乗ってみたいと思わせる。特にイメージカラーであるオレンジのような派手な色はXVのカッコ良さをアピールする。

XVハイブリッドになっても、エクステリアに大きな変更は無く、新デザインのアルミホイール、ヘッドランプ及びテールランプのレンズ変更とLEDの採用や、専用レターマークなどが追加された。

試乗したモデルはプロトタイプであり市販モデルと異なる可能性の説明を受けたが、ブルーを基調としたメーターやハイブリッドの作動状態を示すメーターは装備されていた。他社のシステムを流用しないで、スバル独自のハイブリッドシステムを使って冒頭の走る楽しさを狙って開発された。エンジンはハイブリッド化に伴い細かな変更は行っているが、基本的には150PSのエンジンに13.6PSのモーターでアシストする4WDである。

スバルXVハイブリッド
スバルXVハイブリッド
スバルXVハイブリッド

 

スバルXVハイブリッド

 

 

スバルXVハイブリッド
スバルXVハイブリッド
スバルXVハイブリッド

 

スバルXVハイブリッド
スバルXVハイブリッド
スバルXVハイブリッド

 

 

重さの欠点を長所に?  燃費の良さではなく、走りの味で選びたいハイブリッド

スバルXVハイブリッド

 最初は、サーキット敷地内の道路から試乗。一般道を想定して運転をしたが、期待していたEV走行は少なく、ハイブリッド車とは思えない程エンジンが止まらない。一方、アクセルペダルから伝わる加速感はハイブリッドシステムによる約120kgの重量増加を感じさせない。重さを感じないのは全回転域でモーターがしっかり仕事をしているのだろう。ガソリン車より吸音材を多く採用した室内は、明らかにノイズは少なくハイブリッド車に乗ってしまうとガソリン車の荒さを感じてしまう。

アクセルペダルに触れるように発進すれば、EV走行は可能であるが時速40kmを越えればエンジンが始動してしまう。EV走行を諦めてアクセルを床まで踏むと、エンジンが活き活きとしてきて4000rpmを越えると一段とエンジンが元気になり、そのままレッドゾーン目指して回転計の針が急上昇する。ガソリン車と比較するとベースが同じエンジンとは思えない程に気持ち良い。燃費が良いからハイブリッド車にするのではなく、楽しいエンジンなので乗りたいのがXVハイブリッドである。

サーキットで乗っても走りの良さは続く。重いバッテリーを後部に搭載した為であろうか? ハンドリングが素直で、アンダーステアも軽い。絶対的な車重はあるが「コーナーを攻めてみようか」との気持ちにさせる。サスペンションは固めであるが車重の重さがプラスに働き重厚な乗り心地となっている。「ハイブリッド車だから」のデメリットが少なく、重さの欠点を長所に代えている。

スバルXVハイブリッドは、インプレッサ・シリーズのトップ・グレードとの位置付けで、全ての面でガソリン車を上回っている。燃費は20.0km/l(JC08モード)と経済性はあるが、それ以上に走りの良さが際立っている。

スバルが「Fun to Driveを実感出来るハイブリッド車」を目指した成果は確認出来た。ガマンするハイブリッド車を卒業したい人に乗って欲しいモデルである。しかし、アクセルを感情に任せて踏むとハイブリッド車とは思えない程、燃費が悪くなるだろうから理性とシチュエーションを選んで乗って欲しい。

スバルXVハイブリッド
スバルXVハイブリッド
スバルXVハイブリッド

 

スバルXVハイブリッド
スバルXVハイブリッド
スバルXVハイブリッド

 

 

新型スバルXV ハイブリッド米国仕様スペック 価格

スバルXV ハイブリッド価格:未定

<主な仕様>(米国仕様)
ボディサイズ(全長×全幅×全高):4,450×1,780×1,615mm (全高:ルーフレール付き車)
ホイールベース:2,640mm
最低地上高:220mm
エンジン:2.0ℓ水平対向4気筒DOHCエンジン
トランスミッション:リニアトロニック(CVT)
モータータイプ:永久磁石式三相交流同期電動機
モーター最高出力:13.4 hp (10kW)
モーター最大トルク:48.0 lb・ft (65N・m)
バッテリー:ニッケル水素タイプ
タイヤサイズ:225/55 R17
乗車定員:5名

 

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(レポート:丸山 和敏

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