【新車・中古車購入術】女性視点のおすすめコンパクトカーNO1決定戦! 2回戦 日産マーチVSマツダ デミオ比較評価 [CORISM]

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【対決】2010/10/20
経済性の高さや運転のしやすさで、女性ユーザーに人気のコンパクトカー第1回目のホンダ フィット vsトヨタ ヴィッツ では、ヴィッツが勝利した。第2回目はデビュー間もない日産 マーチマツダ デミオ を対決させてみた。気になる結果は!?</strong>

日産 マーチ マツダ デミオ
日産 マーチ リヤビュー

[日産 マーチ 評価]
スタイリング:12点
インテリア:12点
メカニズム:20点
走り:17点
安全装備:15点
合計:76点
※スタイリング/インテリの評価は女性ユーザーの平均点。メカニズム/走り/安全装備は藤島知子の評価。各項目は20点満点で合計100点。
マツダ デミオ リヤビュー

[マツダ デミオ 評価]
スタイリング:11点
インテリア:14点
メカニズム:17点
走り:20点
安全装備:15点
合計:77点
※スタイリング/インテリの評価は女性ユーザーの平均点。メカニズム/走り/安全装備は藤島知子の評価。各項目は20点満点で合計100点。
女性的なかわいらしいルックスが受け入れられた クールでスタイリッシュな内外装が高評価
 日産 マーチは7月にフルモデルチェンジされたばかりで、コンパクトカーのなかでは最新のモデルだ。新型マーチの特徴は燃費の良さ。上級グレードにはアイドリングストップ装置を搭載し、なんと26.0km/lという10・15モード燃費を実現した。搭載エンジンは全車1.2リッターの3気筒で、ミッションはCVTが組み合わされる。こうした経済性の高さだけでなく、運転のしやすさにも力を入れている。一部のグレードではエンジン始動直後やバック時にハンドルの切れている方向と量をメーターに表示してくれるので、運転が苦手な人でも安心感は高いだろう。
 新型マーチのスタイリングは、丸みを帯びたデザインが特徴。先代に引き続き、デザイン性を重視している。女性の意見はというと「コロンとしていてかわいい(isaisaさん/42歳)」や「女性らしさを感じる(なみへいさん/38歳)」などに代表されるとおり、女性的でかわいらしいという印象を持つ人が多かった。
 またインテリアの評価だが丸を使ったインテリアはちょっと……(FTGWさん/33歳)」という意見もるが、「小さいのにすっきりしている。細々していないのがいいですね(ちえさん/32歳)」や「インパネのデザインに努力が感じられる。頑張っている感じ(なみへいさん/38歳)」と、おおむね高評価だった。

女性評論家 藤島知子の評価は?
 4代目は『エコ・マーチ』と呼ばれるだけあって、燃費に掛けてはこのクラスで一等賞狙い。その動力性能は新開発の技術がてんこ盛りで、比較的購入しやすいコンパクトカーながら、今後の日産車を支える技術となっていきそうです。1.2リッターの3気筒エンジンと副変速機構付きのCVTは、エンジン自体の排気量は小さいものの、低速域から高速道路まで不足なく、スイスイ加速していけるほどのパワーを引き出してくれます。また、街乗りでアイドリングストップの作動に適した条件になっていると、赤信号でブレーキを踏んでからおよそ1秒後にエンジンが停止、ブレーキを離して約0.4秒後にエンジンが始動することで、停車中の余分な燃料の消費を抑え、燃費性能は10・15モードで26.0km/lを実現しています。
 フレンドリーという意味では先代モデルの親しみやすさも受け継がれていて、女性が苦手としがちな車庫入れでは、前輪の切れ角がメーター内のディスプレイに表示される『タイヤアングルインジケーター』を12Gと12G FOURに採用するなど、ドライバーをフォローしてくれる思いやり機能もアリ。これまで積極的に採用してきたキーレスエントリーについても、今回のモデルから施錠するさいにドアミラーが連動して格納できるものに進化。駐車場での面倒なひと手間を省いてくれる便利な装備のひとつです。
 安全面では、運転席・助手席のエアバックは全車に標準装備ですが、カーテンシールドエアバックは上級グレードにオプション設定。数は全部で4つですが、デミオと同等の数字となります。ブレーキ時の動力を配分する機能はどちらのモデルにも採用されていますが、運転に不慣れなドライバーに支持率が高いカテゴリーのわりに、走行中に車両が滑りだしたときに横滑りを防止する装置がマーチにもデミオにも設定されていない点が残念なところ。また、デミオは後部中央席が2点式シートベルトになるのに対して、マーチは全席が3点式を標準装備し、着用時の圧迫感を低減する低フリクションのものが採用されています。

[取材時実測燃費]
18.4km/L

[日産 マーチ 価格帯]
99.96〜164.43万円

 マツダ デミオは、居住性やスペース効率よりもスタイリッシュなデザインや燃費の良さ、そしてコンパクトカーらしからぬキビキビした走りを重視したのが特徴だ。確かにヨーロッパのコンパクトカーのようなしっかり感のある走りが味わえ、コンパクトカーのなかでは運転自体もそれなりに楽しめる。だた、快適性という点ではライバル達に一歩譲る場面もある。とくに後席は狭く、大柄な男性などは長時間乗っていたくないと感じてしまうかもしれない。女性ならばそれほど気にならないかもしれないが、余裕はそれほど大きくはない。
 そんなデミオのスタイリングだが、女性達はどんな評価を下したのだろうか? 個性的でスタイリッシュなデザインは、好評のようで「かわいさがあまりないのがいい(FTGWさん/33歳)」や「外車みたい(なみへいさん/38歳)」、そして「リヤがかっこいい(えくぼさん33歳)」に代表されるように、クールで男性的な印象を受ける人が多かった。
 デミオのインテリアは、比較的スポーティなイメージでまとめられているが、女性達もそう感じているようだ。他のクルマと違って極端に低い評価はあまりなく「モダンなインテリア(isaisaさん/42歳)」や「クールな感じ(えくぼさん/33歳)」などと、スタイリッシュさが高く評価されたようだ。

女性評論家 藤島知子の評価は?
 この手のモデルが居住性やスペースを意識してサイズを大きくしていく傾向があるなかで、デミオはそれらに逆行し、ボディを絞り込んだデザインを採用してきた、スタイリッシュなモデル。車重についても仕様によっては1トン以下に抑えられた軽量ボディが採用されており、ドライバーの着座姿勢は、ペダル類やハンドル操作がしやすく、欧州人好みのスポーティなキャラクターといえます。2007年7月にモデルチェンジしたばかりのころは、それまで実用的なスタイルだった初代と比べて挑戦的なデザインに変わったことに圧倒されがちだったものの、近ごろやっと時代にマッチしてこなれてきた印象。中古車として良い条件で手にした場合も、まだまだ現役のモデルとして、カッコよく乗りこなすことができそうです。
 燃費については、低燃費のミラーサイクルエンジンとCVTを組み合わせた13C-Vというグレードが10・15モードで23.0km/Lを実現。真新しい機能性が少ないオーソドックスなメカニズムではあるものの、クルマと一体感が感じられるデミオの走りは、安定感のある走りを意識した保守的なマーチのキャラクターと比較すると、積極的に走りを楽しみたいという、自立した女性に似合うイメージといえるでしょう。扱いやすさという点では、小回り性能は最小回転半径がマーチよりも0.2m大きい4.7m。リヤハッチが絞り込まれた形状になっていることで、バックするさいは斜め後方の視界には注意が必要となるものの、サイドウインドウは外観のデザインを野暮ったくすることなく低く切り込まれているので、前進するさいの見切りは思いのほか悪くないほう。少なくとも、クルマの周囲が見えにくいことによるハンドルの切り遅れは防げそうです。
 マーチは夜間に後続車両のヘッドライトが眩しくないように配慮された防眩式ルームミラーや、車速を感知して適切に機能するワイパーを全車に標準装備するなど、走行中に便利な上級装備は積極的に採用している点ではデミオをリード。しかし、全グレードがオーディオレスになっているなど、重視するポイントが異なるので、同じ予算であっても、ライフスタイルやクルマを使う目的によって、選択肢が変わってきそうです。

[取材時実測燃費]
17.9km/L

[マツダ デミオ 価格帯]
119.5〜162.175万円

代表グレード 日産 マーチ 12X
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) 3780×1665×1515mm
車両重量[kg] 950kg
総排気量[cc] 1198cc
最高出力[ps(kw)/rpm] 79ps(58kW)/6000rpm
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] 10.8kg-m(106N・m)/4400rpm
ミッション CVT
10・15モード燃費[km/l] 26.0km/l
定員[人] 5人
税込価格[万円] 122.955万円
発売日 2007/7/13
代表グレード マツダ デミオ 13C-V
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) 3885×1695×1475mm
車両重量[kg] 990kg
総排気量[cc] 1348cc
最高出力[ps(kw)/rpm] 90ps(66kW)/6000rpm
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] 12.2kg-m(120N・m)/4000rpm
ミッション CVT
10・15モード燃費[km/l] 23.0km/l
定員[人] 5人
税込価格[万円] 128.5万円
発売日 2007/7/5
日産 マーチ 1.2リッター エンジン

マーチには、新開発の1.2リッター3気筒エンジンが搭載される。アイドリングストップ装置付き車は26.0km/lという低燃費を実現。
日産 マーチ 14インチタイヤ&ホイール

14インチサイズのタイヤを装着する。燃費の良さや快適性を重視したタイヤだが、ハンドリングも不安感はない。
日産 マーチ インテリア

丸のモチーフを取り入れたインテリア。視界も広く、運転はしやすい。小物の収納スペースなども豊富で、使い勝手は良好だ。
日産 マーチ シフトレバー

ミッションは全車CVTを採用する。滑らかな変速フィールと低燃費な走りを実現している。
日産 マーチ リヤシート

コンパクトカーとしてはまずまずの広さを確保している。頭上の空間も余裕は十分確保されている。
日産 マーチ フロントシート

フロントシートはソフトなかけ心地で、ゆったりとくつろげる。小物入れも豊富で使いやすい。
日産 マーチ ラゲッジ

ラゲッジは十分な容量が確保されている。開口部も広く、使い勝手に大きな不満は感じられない。
日産 マーチ ラゲッジ

リヤシートはワンタッチで収納が可能だ。しかしフロアとの境目に段差ができてしまうのは残念な部分だ。
マツダ デミオ 1.3リッター エンジン

デミオは1.3リッターが2種類(ミラーサイクルと通常仕様)と1.5リッターが用意される。ミラーサイクルモデルは23.0km/lの燃費。
マツダ デミオ 14インチタイヤ&ホイール

1.5リッターは16インチだが、1.3リッターは14インチ(写真)となる。キビキビした走りがとても印象的だ。
マツダ デミオ インテリア

デミオのインテリアは、フィットのようにスポーティさを重視したデザインだ。もちろん実用性も考慮されている。
マツダ デミオ シフトレバー

グレードにより4速ATとCVT、そして5速MTが選択可能。CVTはカタログ値だけでなく実用燃費も優れている。
マツダ デミオ リヤシート

デザインを重視したため、後席ははっきり言って狭い。足元はまだしも、頭上の空間はミニマム。
マツダ デミオ フロントシート

ややスポーティな形状のシートを装着する。しっかりした作りなので、疲労感も少ない。
マツダ デミオ ラゲッジ

リヤウインドーが寝かされているため、見た目ほど大きな荷物は積めない。だが、実用上困る場面はないだろう。
マツダ デミオ ラゲッジ

マーチと同じく、リヤシートを収納した場合には段差が生じる。やはりフラットになるほうが使い勝手はいい。

日産 マーチ 走り

マツダ デミオ 走り

フジトモこと女性自動車評論家の藤島 知子

フジトモこと女性自動車評論家の藤島 知子

日産 マーチ(写真上)は、アイドリングストップ装置を採用するなど、低燃費な走りが自慢。対するマツダ デミオも一部のグレード(13C-V)にミラーサイクルエンジンを採用するなど、やはり燃費の良さをウリにしている。ただ、デミオはスタイリッシュなデザインやしっかり感のある走りに力を入れたため、やや快適性が犠牲になっている面もある。

■藤島知子プロフィール
スーパー耐久のレースクイーンを経験後、軽自動車の公認レースに参戦。以来、さまざまなカテゴリーのレースへ参戦する。現在は自動車雑誌やWebで執筆活動を行なっており、日本カーオブザイヤー選考委員でもある。

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(レポート:CORISM編集部

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