2021年9月、新車販売台数ランキング 新車販売超絶ピンチ!登録車過去50年間で最低。 軽 41年振りの超低水準!
半導体不足、さらに深刻さ増す! 記録的な低水準の自動車販売
自販連は全軽自協の調べによる2021年9月の新車販売台数は、部品不足や半導体不足などの影響でかつてない低迷を示す結果なった。
合計の販売台数は31万8371台で、前年同月比は3カ月連続のマイナスで、32.2%減という惨憺たる状況だった。
このうち登録車は20万5423台で、前年同月比30.0%減と7か月ぶりのマイナスを記録した。この台数は9月としては、1968年に統計を取り始めた年の18万4709台に続く少なさ。過去50年間で最も少ない台数である。
一方軽自動車は11万2948台で、前年同月比は35.9%減と4か月連続でマイナスとなった。軽自動車は1981年以来、41年振りの低水準だった。
三菱だけが前年比プラスに
登録車と軽自動車の合計をブランド別に見ると、台数規模の小さい三菱自動車だけが前年比23.7%増と増加を示したが、ほかの各社は揃ってマイナスを記録している。
三菱は、半導体不足が解消傾向にあるようだ。11月の工場操業停止予定も今のところ無いという。10月以降、どれだけ販売台数を伸ばせるのか注目したい。
日産が前年比13.8%減と比較的堅調だったが、マツダは前年比50.0%減、スズキは40.5%減、ダイハツは51.8%減などと大きくマイナスしている。
トヨタは36.7%減、ホンダは33.4%減、スバルは30.2%減、などとなっている。
軽自動車についてブランド別に見ると、三菱自動車だけが前年比23.7%増とプラスになっただけで、ホンダが42.3%減、スズキが39.8%減、ダイハツが39.7%減、日産が24.4%減などと、軒並み台数を落としている。
10月も工場稼働停止が続く
このように極端に少ない台数になったのは、従来から続いている半導体需給の逼迫状態に加え、新型コロナウィルス禍が東南アジアに大きく広がって部品工場が稼働できなくなり、日本への部品供給が滞ってきたことなどが理由だ。
メーカー各社は、10月になってもまだ工場の稼働休止を発表しており、生産の急回復は望みにくい状況にある。
アクア好調! 一気に1万台越えの3位に
乗用車の銘柄別販売ランキングは別掲の通り。だが、前年比の台数が大きく減少したことを背景に順位にはいろいろな変動が出ている。
9月の販売台数に限っては、工場の休止という特殊事情なので順位の解説はあまり意味を持たないが、特徴的な部分をざっと取り上げてみよう。
販売ランキング首位の座はヤリス系が維持した。前年に比べると42.5%減と大きく台数を落としているが、それでも首位キープである。
2位に入ったのはN-BOXで、これも前年比32.6%減と台数を落としているが、それでも2位の座をしっかり確保した。
この2車種を大きく追い上げたのがフルモデルチェンジを受けたばかりのアクアで、前年の2倍近い1万台を超える台数を確保した。N-BOXに迫る売れ行きである。
フルモデルチェンジの直後には、半導体不足でナビキットの納期が長くなるなどの影響もあり、出足の鈍さを感じさせたアクアだが、このあたりで実力発揮ということだろう。ここまでの3車種が1万台を超える台数を販売している。
日産好調!? トップ10に3車種がランクイン
トップ10に入った車種を見ると、登録車は首位のヤリス系以下、3位のアクア、5位のカローラ系、7位のアルファード、9位のノート、10位のセレナと6車種が入っている。8月は登録車と軽自動車が5車種ずつだったが、9月はまた登録車が優勢になった印象だ。
それ以上に注目されるのは、日産車が3車種も入ったことだ。8月には17位に沈んでいたルークスが一気に4位にまで浮上し、ノートはひとつランクを落として9位だったものの、8月に20位だったセレナが10位に入った。日産車がトップ10に3車種入る結果になった。
ノートとセレナについては、前年を上回る販売台数を確保している。古い記録を振り返ることはできないが、トップ10に日産車が3車種入るのは恐らく初めてのことではないか。
一時はトップ10に入る登録車はトヨタ車ばかりという状況になっていたが、9月は様相が大きく変わった。
ダイハツ急ブレーキ? ムーヴ系、トップ10から陥落
軽自動車は2位のN-BOXのほか、4位のルークス、6位のワゴンR系、8位のスペーシアの4車種だった。
ワゴンR系はスマイルの追加が貢献したものと見られる。その影響を受けてスペーシアの台数がダウンしたともいえる。
それ以上に注目されるのは、タントもムーヴ系もトップ10から陥落してしまったこと。工場休止が大きく響いたものと見られる。また、ムーヴキャンバスのライバル車であるワゴンRスマイルが登場したことも影響しているのだろう。
■2021年9月の新車販売ランキング 1~10位
1)ヤリス系 12,696台( 57.5%)
2)N-BOX 11,805台( 63.4%)
3)アクア 11,137台(196.2%)
4)ルークス 9,708台( 90.4%)
5)カローラ 7,901台( 58.2%)
6)ワゴンR系 7,573台(104.5%)
7)アルファード 7,444台( 71.3%)
8)スペーシア 7,064台( 45.3%)
9)ノート 6,830台(105.2%)
10)セレナ 6,828台(107.5%)
11~20位は、なんと軽自動車が7車種も!
11位から20位までの車種を見ると、ここでは軽自動車が7車種を占めている。12位のハスラー、13位のタント、15位のアルト、16位のeKワゴン系、17位のデイズ、18位のN-WGN、20位のタフトの7車種だ。
タントは本来ならトップ10の常連だし、ハスラーもそれに匹敵する実力の車種だ。
これに加えて大きく台数を伸ばしたeKワゴン系が入り、さらにデイズは前月の31位から、N-WGNは26位から大きく順位を上げている。今年9月だけの特殊事情かも知れない。
また、ここに入った登録車は、11位のフリード、14位のシエンタ、19位のヴェゼルの3車種だった。モデルサイクルが長期化しているフリードは、半導体不足の影響も少ないようで、納期が比較的早いこともあり手堅い売れ方をしている。
その他、シエンタとヴェゼルは前年に比べて台数を伸ばしている。ヴェゼルはフルモデルチェンジの新型車効果だが、半導体不足で思うように生産ができない状況。本来ならトップ10に入ってもおかしくない実力車だ。また、シエンタの堅調も注目される。
■2021年9月の新車販売ランキング 11~20位
11)フリード 6,139台( 79.8%)
12)ハスラー 5,903台( 76.1%)
13)タント 5,298台( 44.5%)
14)シエンタ 4,807台(133.0%)
15)アルト 4,788台( 70.1%)
16)eKワゴン系 4,721台(142.0%)
17)デイズ 4,653台( 62.0%)
18)N-WGN 4,453台( 49.6%)
19)ヴェゼル 3,901台(134.8%)
20)タフト 3,899台( 56.7%)
21位以下の車種では、前年に比べて台数を伸ばしたのは38位のデリカD:5だけだった。9月の三菱車の好調を代表する形になった。
他の車種では、27位のキックスと33位のランドクルーザーワゴンがほぼ前年並みの数字。新型車効果が如実に現れている。
■2021年9月の新車販売ランキング 21~40位
21)ミラ 3,896台( 59.6%)
22)ムーヴ系 3,879台( 43.1%)
23)フィット 3,730台( 41.8%)
24)ハリアー 3,702台( 41.2%)
25)プリウス 3,661台( 56.9%)
26)ルーミー 3,638台( 45.0%)
27)キックス 3,348台( 95.8%)
28)ステップワゴン 3,303台( 62.0%)
29)ライズ 3,091台( 23.6%)
30)RAV4 3,001台( 62.0%)
31)ヴォクシー 3,000台( 46.1%)
32)ジムニー(軽自動車) 2,736台( 58.2%)
33)ランドクルーザーワゴン 2,497台( 99.8%)
34)ソリオ 2,483台( 59.5%)
35)ノア 2,060台( 44.2%)
36)スイフト 1,909台( 60.1%)
37)インプレッサ 1,804台( 64.0%)
38)デリカD:5 1,797台(147.4%)
39)CX-30 1,632台( 56.2%)
40)マツダ3 1,599台( 70.2%)
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