3列シートSUV対決! マツダCX-8 VS 三菱アウトランダーPHEV徹底比較評価

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【対決】2022/08/26

三菱アウトランダーPHEV VS マツダCX-8比較評価

 

徐々に、人気が高まっている3列目シートをもつSUV

 

大人気カテゴリーであるミニバンが代表するように、日本マーケットでは多人数乗車できるモデルの人気が非常に高い。大は小を兼ねる的な考え方が根強い。そのため、SUVブームであっても、ミニバンの販売台数は堅調に推移している。

ところが、SUVブームの中、SUVにも大は小を兼ねる的考え方が徐々に浸透。従来、あまり注目されてこなかった3列目シートをもつSUVの人気が高まっている。とくに3列目シート車でありながら、燃費がよいモデルに注目が集まっている。

そこで、短距離であればEVとして走る三菱アウトランダーPHEVと、ディーゼルエンジンを搭載し力強さと低燃費を両立したマツダCX-8をピックアップ。3列目シートをもつ人気SUV同士を徹底比較評価した。

 

 

三菱アウトランダーPHEVの特徴

 

PHEVは、Plug-in Hybrid Electric Vehicleの略である。

ハイブリッド車と異なるのは、外部電力を使い車両の走行用バッテリーを充電し、その電力が無くなるまで、基本的にEV(電気自動車)として走行する点だ。

電力が無くなれば、ガソリンを使いハイブリッド車として走行する。短距離の移動はほぼEV走行なので、CO2の排出量はほとんど無くなる。長距離走行時はガソリンを使用するため、航続距離も長いというメリットがある。

EVのデメリットは、充電ポイントが少なく充電時間がかかる、航続距離がやや短いなどが挙げられる。だがPHEVであれば、ガソリンは容易に手に入り、給油時間も短いのでEVのようなデメリットはほとんどない。まさに、EVとガソリン車のいいトコ取りをした環境車といえる。

こうしたPHEVシステムと三菱独自のツインモーターAWDを組み合わせ、2013年に登場したのがアウトランダーPHEVだ。このツインモーターAWDは、当時、世界初となる技術で、2013-2014日本カー・オブ・ザ・イヤーでイノベーション部門賞を受賞した。

2021年12月には2代目アウトランダーPHEVが登場。PHEVシステムは初代を踏襲しているものの、ほぼすべてが刷新されている。後輪側のモーター出力は70kWから100kWへと大幅にアップした。

基本骨格であるプラットフォーム(車台)も新しくなった。三菱・日産・ルノーのアライアンスで開発されたCMF-C/ Dと呼ばれるものだ。ボディサイズも拡大されたことにより、7人乗りモデルが中心となっている。

新しくなったPHEVシステムやプラットフォームによって、2代目アウトランダーPHEVは大幅に運動性能を高めた。

2代目アウトランダーPHEVの完成度は非常に高く、2021-2022日本カー・オブ・ザ・イヤー、テクノロジー・カー・オブ・ザ・イヤーを受賞している。

三菱アウトランダーPHEV
三菱アウトランダーPHEV

 

 

マツダCX-8の特徴

 

マツダCX-8は、国内マツダのフラッグシップSUVとして2017年12月に発売された。CX-8は3列目シートをもち、6/7人乗りの多人数乗車を可能としたラグジュアリーSUVだ。

CX-8は「走りやデザインを諦めたくない。でも家族や友人ともドライブを楽しみたい」と考える顧客向けに、多人数乗用車の新たな選択肢として提案された。

CX-8のパワーユニットは、デビュー直後は2.2Lディーゼルのみだった。その後、ガソリンの2.5Lと2.5Lターボが追加されている。

CX-8のインテリアは上質感があり、ラグジュアリーSUVに相応しい仕上がりだ。そのため、走りのキャラクターもロングツアラー的である。CX-5ほどの切れ味あるハンドリングではないものの、直進安定性に優れ、ゆったりとハイスピードで快適に移動できる。

マツダCX-8
マツダCX-8

 

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PHEV優位は揺るぎなし!

1.燃費比較

 

アウトランダーPHEVの評価は 4.5

CX-8の評価は 3.5

燃費(WLTCモード)、EV航続距離、バッテリー容量は以下の通りだ。

 

 
  燃費 EV航続距離 バッテリー容量
アウトランダーPHEV 16.2~16.6km/L 85~87km 20kWh
CX-8 15.4km/L(ディーゼル4WD)

 

三菱アウトランダーPHEVのハイブリッド燃費とCX-8の燃費を比べると、ややアウトランダーPHEVが優れている。

ただし、CX-8は燃料に軽油を使う。レギュラーガソリンより約20円/L前後安価なため、燃料費ではほぼ互角。

アウトランダーPHEVのメリットを活かせるのは、日々の短距離移動の繰り返しだ。通勤や送迎、買い物といった近距離走行であれば、ほとんどEV走行となりガソリンを消費しない。

常に燃料を使い続けるCX-8と比べると、安価な電気を使うアウトランダーPHEVとの差はドンドンと大きくなる。使い方次第によるとはいえ、アウトランダーPHEVの方がメリットは大きい。

三菱アウトランダーPHEV
三菱アウトランダーPHEV

 

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補助金次第だが、コスパに優れるアウトランダーPHEV

2.価格比較

 

アウトランダーPHEVの評価は 4.5

CX-8の評価は 3.5

価格は以下の通りだ。

・三菱アウトランダーPHEV 4,621,100〜5,320,700円

・マツダCX-8(ディーゼル、4WD車) 3,613,500~4,999,500円

三菱アウトランダーPHEVは、マツダCX-8より高価な価格となっている。駆動用の大容量バッテリーを搭載しているため、これは仕方が無いことだ。

だが、アウトランダーPHEVには、国の令和3年度補正予算である「クリーンエネルギー自動車・インフラ導入促進補助金」が出ている。

アウトランダーPHEVの場合、55万円も補助された。さらに自治体による補助金が加わる場合もあった。東京都だとトータルで100万円を超える補助金が出ていた。

CX-8もわずかだが補助金が出ていたものの、補助金を含めるとアウトランダーPHEVのほうが安価になるケースが多くなる。

補助金次第で、かつ多少の装備差はあるとはいえ、アウトランダーPHEVのコストパフォーマンスは高いといえる。

またCX-8も、補助金を得たアウトランダーPHEVと比べるとやや高価になるものの、コストパフォーマンスは悪くない。このクラスの高級SUVとして名を馳せるトヨタ ハリアーハイブリッドは、3,800,000~5,040,000円(4WD車)なので、若干の装備差はあるが同等程度の価格だ。ただし、CX-8は7人乗りであることは含めば、CX-8は安価に感じる。

マツダCX-8
マツダCX-8

 

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ある程度の値引きが期待できる

3.購入時の値引き術

 

アウトランダーPHEVの評価は 3.0

CX-8の評価は 3.0

 

三菱アウトランダーPHEVは、2021年12月に登場した。まだ、デビュー直後の新型車である。しばらくの間、基本的に値引きはゼロベースだ。

しかし、三菱の場合、車種が少なく新型車もなかなか出てこない。そのため、新型車効果があるうちに、店舗では1台でも多く売りたい。「競合されれば値引き対応してでも受注したい」という流れになっているようだ。トヨタRAV4 PHVなどと競合させれば、10~15万円程度の値引きは、引き出させるだろう。

値引きを引き出すコツは、先に他車の見積りを取っておくことだ。アウトランダーPHEVが本命だと悟られれば、値引きしなくても買う客と判断されるからだ。

また、アウトランダーPHEVは多くのバックオーダーを抱え、納期が長くなっている。そのため、値引きにはなかなか応じてくれないケースもあるだろう。こうした場合、商談期間を長くとり、ジワジワと値引きを上乗せさせていく方法もよい。

下取車がある場合、注意しなくてはいけないのが車検の問題だ。納期が長くなると、下取車の車検が先に切れることもある。こうなると、値引きもないまま慌てて注文せざるを得なくなる。車検が切れる日から逆算し、早めの商談がよい。

対するマツダは、値引きを抑制する営業をしている。特殊な場合を除き、大幅値引きはあまり期待できない。

ただしCX-8は2017年末にデビューしているので、モデル後期に入っている。商品力はやや下がり始めている時期だ。営業的には、値引きで対抗するしかない。

当然、何もしなければ値引きはゼロになる。同じ多人数乗車モデルであるアウトランダーPHEVや、トヨタ ハリアーハイブリッドなど価格帯の近いモデルと競合させることが重要だ。その上で、先にライバル車の見積りを取ることが大切である。

三菱アウトランダーPHEV
三菱アウトランダーPHEV

 

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キレイなCX-8、迫力のアウトランダーPHEV。異なる方向性

4.デザイン比較

 

アウトランダーPHEVの評価は 4.0

CX-8の評価は 4.0

三菱アウトランダーPHEVの外観デザインは、とにかく大きく見えて迫力がある。ボンネットは、ほぼ地面に対して平行にすることで、大きな顔を創り出している。

その上で、三菱SUVのデザインアイコンである「ダイナミックシールド」を採用し、タフネスさと押出し感の強さをアピール。7人乗りなので、サイドビューは、とにかく長くストレートなルーフとなった。横から見ても大きく見える。

アウトランダーPHEVの開発コンセプトは「威風堂々」。デザインテーマは、「BOLD STRIDE(ボールド ストライド)」とした。まさに、開発コンセプト通りのデザインだ。

アウトランダーPHEVのボディサイズは、全長4,710mm×全幅1,860mm×全高1,745mm。ややワイドなシルエットになっている。

 

対するCX-8のデザインは、アウトランダーPHEVとは異なりスッキリとしたキレイ系にまとめられている。

デザインテーマはマツダの「魂動デザイン」を採用した。普遍的な美しさと上質なデザインによって、日々の暮らしに心地よい刺激を受け続けて欲しいとの想いをこめて「TIMELESS EDGY(タイムレス・エッジ―)」がキーワードに掲げられた。

フロント&リヤデザインは、ひとクラス下のモデルになるCX-5と酷似している。見分けは付きにくいが、シットリして落ち着いた印象を受ける。6~7人乗りなので、CX-5よりもルーフが大幅に伸びているのも特徴だ。

そのため、サイドビューは伸びやかで安定感あるシルエットにもなっている。

CX-8のボディサイズは、全長4,900mm×全幅1,840mm×全高1,730mm。全長はアウトランダーPHEVより190mm長い。

アウトランダーPHEVとCX-8の外観デザインは、かなり方向性が異なる。そのため、デザイン性というより好みで評価は大きく変わるだろう。とにかく大きく見え迫力重視が好きであればアウトランダーPHEV、キレイで飽きのこないデザインが好みならCX-8がおすすめだ。

<レポート:大岡智彦

 

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マツダCX-8
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