【ルノー カングー 試乗評価】フレンチ風味の超個性派! 商用車ベースらしい使い勝手の良さも魅力だ [CORISM]

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【ルノー】2009/09/26

スペース効率を重視した四角いボディがとても個性的だ。国産車にはないおしゃれな雰囲気が感じられる。

商用車ベースながらおしゃれで個性的なデザイン

ルノー カングー リヤビュー

リヤから見ると、まさに1BOX風だが野暮ったくないのはさすが。スライドドアや左右に開くリヤハッチなど、使い勝手も考え抜かれたデザインだ。

 元々は商用車として作られたクルマながら、使い勝手とデザインに魅力を感じて乗るユーザーが多く、結果として乗用/商用合わせると10年ほどの間に 260万台が販売されたヒットモデル。日本に導入されたのは2002年からだが、平均すると年に1000台以上をコンスタントに販売しており、日本におけるルノー車販売の半分以上を占めるような売れ方を見せてきた。日本でも、カングーの個性を楽しんで乗るユーザーが多かったのだ。
 というか、ルーテシアやメガーヌなどだとルノー車と国産車との違いを見出しにくいが、突出した個性を持つカングーなら選ぶだけの理由が十分にあるからだ。

ボディが拡大され使い勝手がさらにアップ評価!

 今回登場した2代目カングーは、デザインや使い勝手の良さなど従来からの個性を生かすと同時に、より乗用車感覚のモデルに仕上げて登場してきた。
 基本プラットホームをコンパクトカー用のBプラットホームからメガーヌセニックと同じCセグメント用のプラットホームに変更したこともあり、ボディサイズは全長が180mm、全幅が155mmも拡大されたので、格段に大きくなった。近づいて見るととても大きなクルマに思える。
 外観デザインはアーモンド型のヘッドライトやボンネットフード中央のプレスラインなどによって、ひと目でカングーであることが分かるものとされた。観音開きのバックドアなどもカングーらしさのポイントが評価だ。
ルノー カングー エクステリア

リヤから見ると、まさに1BOX風だが野暮ったくないのはさすが。スライドドアや左右に開くリヤハッチなど、使い勝手も考え抜かれたデザインだ。

ルノー カングー フロントマスク

最近のルノーファミリーに共通するイメージでまとめられている。全幅が155mmも拡大され、存在感も増している。

ルノー カングー リヤコンビランプ

縦長のリヤコンビランプがとても印象的だ。これもラゲッジの開口部を少しでも広くするための工夫だ。

シンプルで実用性を重視したインテリアデザイン

ルノー カングー インテリア

実用性を重視したシンプルなデザインが好印象。室内空間はボディ拡大のおかげもあって、かなり広くなった。また運転席からの視界も良く運転しやすい。

 商用車系のクルマだけにインテリアデザインは決してラグジュアリーな雰囲気があるわけではないが、それなりに個性的なものに仕上がっている。装備に関しても乗用車ライクな快適装備が用意される。
 ボディサイズが拡大されたので、室内空間は格段に広くなった。運転席と助手席の間隔が広がってゆったりした感じなったし、後席のシートに座っても頭上にも足元にも広々とした空間が広がっている。
 後席は非対称の分割可倒式で、背もたれのレバーを引くだけのごく簡単な操作でシートがダイブダウンしてフラットなラゲッジスペースを作ることができる。たっぷりした荷物を積むことができる広大なスペースだ。助手席の背もたれを倒せば2m50cm級の長尺物も積める。
ルノー カングー フロントシート

シート地はおしゃれな雰囲気でまとめられている。シートの造りも良く、疲れにくいだけでなくスポーティな走りにも耐えるもの。

ルノー カングー リヤシート

頭上はもちろん、足元のスペースにも十分な余裕がある。中央席もヘッドレストと3点式シートベルトが装着され、安全面でも満足できる。

ルノー カングー 収納スペース

運転席まわりはもちろん、頭上や後席の床下収納など、小物を入れられるスペースはあちこちに設置されている。

ラゲッジの広さや収納の豊富さには驚かされる

ルノー カングー ラゲッジ

ラゲッジスペースは驚くほどの広さが確保されている。トノカバーは高さが調整できるだけでなく、50kgまでの荷物も載せられるし、収納する場合でも邪魔にならない工夫がなされている。

 収納スペースが豊富なのも新しいカングーの特徴で、運転席と助手席の間には深さと大きな容量のあるコンソールボックスが用意されるほか、天井には3分割のオーバーヘッドボックスが設けられ、後席の足元にも床下収納が設けられるという具合だ。
 ラゲッジスペースのトノカバーは2段階の高さに調整することが可能で、このトノカバーの上には50kgまでの荷物を置くこともできる。また背の高い荷物積むためにトノカバーを外したときは、後席の背もたれの裏側に格納できるので、外したトノカバーが邪魔にならない工夫もなされている。
 オートランプやオートワイパー、クルーズコントロールなどの快適装備に加え、6SRSエアバッグなど安全装備もまずまず充実している。だがESP(横滑り防止装置)が装備されていないのがわずかな不満点だ。

平凡だが十分な動力性能を発揮するエンジン

ルノー カングー 走り
 カングーに搭載されるエンジンは従来と同じ直列4気筒1.6リッターの自然吸気DOHCだ。ただこのエンジンは改良を受けていて、パワー&トルクは 105PS(78kW)/15.1kg-m(148N・m)に向上している。といっても特に優れた数値ではないが、大きく重くなったボディに対して不満を感じるものではない。まずまずのトルク感のあるエンジンなので1500kgに近い重さのボディに対しても負けている感じにはならない。
 トランスミッションはマニュアルモード付きの4速ATと5速MTの2種類が設定されている。あえて5速MTを用意したのは評価できる要素で、カングーでMT車を選ぶユーザーはせいぜい10%くらいだろうが、そうしたユーザーの期待に応えた点は評価していい。
 試乗したのは4速AT車で、ATの変速フィールは特に不満を感じさせるものではないものの、今どきのクルマとしては4速ではなく5速が欲しいところ。今回からマニュアルモード付きになっただけに、余計に5速ATが欲しくなる。

足まわりはソフトな設定だが安定感ある走りが味わえる

ルノー カングー 走り
 足回りは柔らかめの印象で、コーナーではそれなりにロールする。乗員や荷物の多いときと少ないときで、重量が変化してもクルマの姿勢が変わらないようなサスペンションチューニングがなされているとのことで、ロールはするものの安定感はまずまずだった。
 案外感心したのは小回り性能に優れること。ハンドルの切れ角が大きいので、大柄なクルマとは思えないくらいに小さく回れる。またAピラーの付け根部分が生む死角は大きいが、高めのアイポイントによってクルマの周囲を確認しやすい。これも取り回しの良さにつながる要素だ。逆に走行中の騒音レベルはちょっと大きめだった。
 ボディが格段に大きくなって装備が充実した割には価格アップはわずかなものに抑えられている。このボディのクルマを置く駐車場を確保できる人には、広い空間を持つ楽しいクルマとして人気を集めそうだ。
ルノー カングー 1.6リッター直4エンジン

従来と同じ1.6リッター直4エンジンを搭載するが、パワーとトルクは増している。そのおかげもあり重くなった車重に対しても不満を感じることはない。

ルノー カングー シフトレバー

ATはマニュアルモードを備えているが、今時4速というのは物足りない印象。だが変速フィールなどは特にこれといった不満は感じられない。また5速MTが用意されているのもマニアにはうれしいところだ。

ルノー カングー 15インチタイヤ&ホイール

15インチのタイヤが標準装備。ややロールは大きいものの、乗り心地はしなやかで安定感のある走りを楽しめる。

代表グレード ルノー カングー 1.6(4速AT)
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) 4215×1830×1830mm
車両重量[kg] 1460kg
総排気量[cc] 1598cc
最高出力[ps(kw)/rpm] 105ps(78kw)/5750rpm
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] 15.1kg-m(148N・m)/3750rpm
ミッション 4速AT
10・15モード燃費[km/l] 未公表
定員[人] 5人
税込価格[万円] 229.8万円
発売日 2009/9/11
レポート 松下宏
写真 佐藤靖彦

(レポート:松下 宏

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