ルノージャポンは、ルノー ルーテシアのスポーツグレード「ルノースポール(R.S.)」に、往年のスポーツモデル名を冠した限定車「ルーテシア ゴルディーニ R.S.」を10月22日に発表した。全国15店舗のルノー・スポール スペシャリストディーラーにて30台限定で販売開始されたが、ルノージャポンによれば、10月22日の時点で既に全台数が完売状態だという。

　「ゴルディーニ」は、1950年代後半から70年代にかけて、ルノーのスポーツモデルとして名を馳せた。中でも、1964年に発売された「ルノー 8 ゴルディーニ」は、大衆車「ルノー 8」をベースにした高性能かつラグジュアリーなモデルで、ラリーなどモータースポーツシーンで大いに活躍し人気を集めた。
　折りしも欧州では「ジョン・クーパー」や「アバルト」など、1960年代前後にモータースポーツシーンで旋風を巻き起こした懐かしい名称を再び用いるケースが増えている。このゴルディーニ・ルノーもそんな"レトロ"なブランド名を復活させ生まれた限定車だが、そもそもベースのルーテシア ルノースポール自体がモータスポーツ部門を担う「ルノースポール」が仕立てた高性能モデルであり、特に走行性能の面では変更はない。ゴルディーニで変わったのは主に「ラグジュアリー」な部分だ。
　ルーテシア ゴルディーニ R.S.は、2本の白いストライプが施された専用ボディ色「ブルー マルト メタリック」(地中海・マルタ島の青)を採用。写真では分からないが、白いストライプ上にはゴルディーニのイニシャルをモチーフにした「G」マークがエンボス状にプリントされている。これにあわせフロント部のホワイトインテーク、ホワイトドアミラー、ホワイトレザーセンターポイント入り専用ステアリングホイールを採用。シートはシルバーステッチ付・GORDINIロゴ入りのブルーレザーとなっているほか、GORDINIロゴ入りアルミシフトノブ＆ブルーレザーシフトブーツ、GORDINIロゴ入りフロアマット、シリアルナンバー入りGORDINIステッカーなど専用装備・装飾が加えられている。さらにボディカラーのブルーを配した専用17インチアルミホイールやリアサイドの専用バッチなどでスペシャル感をアピールする。
　既に完売してしまった限定車「ルーテシア ゴルディーニ R.S.」、その価格はベース車の35万円高、334.0万円[消費税込み]だ。

　現在、「カングー」と並んでルノー・ジャポンの販売を支える人気モデルとなっているベースモデルのルーテシア「ルノースポール(R.S.)」 だが、8月末のフランス出荷分をもって輸入が終了する。これは日本国内の歩行者保護に関する法改正に伴うもので、9月以降の出荷分は登録が出来なくなってしまう。ルノー・ジャポンによれば、現モデルについては今後も対策の予定はないとのこと。そのため出来る限り多くの台数を押さえ、今まさに船便に載っている状態だという。このホットハッチが欲しければ、いずれにせよ急いだほうが良さそうだ。
　なお今回のルーテシア ゴルディーニ R.S.も、実は7月よりフランス本国で生産が始まったばかりのニューモデル。本国でも期間限定の特別仕様車として売られている。当初日本への導入予定はなかったが、国内でのルノースポール人気を受け、急遽今回の30台がぎりぎりで間に合った状況だ。なおルーテシアの1.6リッター標準モデルについては法改正とは無関係で、継続して販売が続く。

車名	ルノー ルーテシア ゴルディーニ R.S.(ルノースポール)[FF・限定車]
ボディサイズ［mm］（全長×全幅×全高）	4020X1770X1485mm
車両重量［kg］	1240kg
総排気量［cc］	1998cc
エンジンタイプ	直列4気筒 DOHC 16バルブ
最高出力［ps(kw)/rpm］	202ps(148kW)/7100rpm
最大トルク［kg-m(N・m)/rpm］	21.9kg-m(215N・m)/5400rpm
トランスミッション	6速MT
10・15モード燃費［km/L］	－
定員［人］	4人
消費税込価格［万円］	334.0万円
発売日	2010/10/22
限定台数	30台
レポート	徳田 透(CORISM編集部)