【BMW 320d BluePerformanceツーリング長期評価レポートvol.6】 勝つのはオレの足? それともECO PROか? 高速燃費をチェックする! [CORISM]

1周約35kmの首都高速で、ECO PRO VS コンフォートの高速燃費対決

BMW320d BluePerformanceには、ECO PROモードという、より積極的に効率よく低燃費化する制御が装備されている。シフトレバー右にあるドライビング・パフォーマンス・コントロールをひと押しするだけで、制御は簡単に切り替わる。最近では、日産ノート がエコモードと呼ばれる低燃費制御を入れている。
こういった低燃費制御は、かなり便利。まず、運転が苦手な人にとっては、アクセルの踏みすぎなど、車両側がある一定の制御をしてくれることで、無駄な燃料を使わなくて済む。運転が上手い人は、元々よい燃費を出すコツを経験的にも分かっているので、効果は低くなるが、さすがに運転中こまめにエアコンの制御などできないし、長い時間集中してエコ運転するのはむずかしい。運転技量に差はあれ、ECO PROのような制御は楽に低燃費化できるとても便利な装備だ。
BMWによると、このECO PROによる効果は、最大で20%にもなるという。そう言われると、本当なのか? と、素直に信じられない人もいるだろう。そこで、ECO PROとオレの足、どっちが低燃費かをチェックしてみたい。
コンフォートで、なんと26.5km/Lの低燃費を叩きだしたBMW 320d BluePerformanceツーリング

今回は平均走行速度を同じにしやすいことを条件に、首都高速での燃費チェックとした。横浜の大黒埠頭にある大黒PAを起点として、東京方面に湾岸線を走り、川崎浮島ジャンクション経由で一旦川崎方面へ、首都高速1号線に合流し横浜方面へ。そして、スタート地点である大黒PAへ戻るという1周約35kmというルートだ。
さて、スタート。エンジンをスタートさせるとドライビング・パフォーマンス・コントロールは、コンフォートからスタートする。メーターでしっかりとコンフォートであることを確認して、ゆっくりとアクセルを踏む。湾岸線に入るまでの数キロは、ひたすら急激な登り坂なので当然、燃費は6km/L程度。
湾岸線に合流し、多少、アップ&ダウンはあるものの、燃費は一気に好転。速度はまわりの環境に合わせ90km/h前後。3車線ある中央を走行。すると、15km付近から、平均燃費計はあっという間に20km/Lをオーバー。20km/Lオーバー後は、ジリジリと燃費を上げる。
燃費が24km/L付近からは、なかなか向上しない。そんな状態から、首都高速1号線へ。流れがあまり良くなく、60~80km/hくらいに落ちてきた。70km/hくらいで走る時間も長くなり、平均速度も落ちてくると、同時に燃費計もジリジリと上向きに。速度が落ちれば、当然、空気抵抗も減り、エンジンの回転数も下がるので、燃費はよくなる。
なんと、大黒PA直前で26km/Lになった。大黒PAへは、一気に急坂を下る。そのため、アクセル開度は、ほぼオフになり惰性で下る。当然、急激に燃費に良くなり、PAに着き最終的な燃費を確認すると26.5km/Lという脅威の燃費を叩きだした。平均速度は73.4km/hだった。
さすがのECO PRO! さらに、燃費はアップし27.0km/Lを達成!!
さて、次はECO PROでのチェック。メーター類をリセットし、ドライビング・パフォーマンス・コントールで、ECO PROモードへ。実際の走行パターンは、コンフォートで測定したように、ほぼ同じような走りを心がけた。オレの右足は、どれだけECO PROに近付くことができたのだろうか。
結果は、ECO PROモードで、なんと27km/L! わずか0.5km/L及ばず、オレの右足はECO PROに勝つことは出来なかった。平均速度は、71.7km/hと若干落ちたものの、大きな差はない。
今回、ECO PROとコンフォートで大きな違いが出なかった理由は、ちょっとしたエコラン状態になって走っていたからだ。下り坂では、ほとんどアクセルはオフ、登り坂も速度を極端に落とさないようにしながら、ジワジワとアクセルを開ける走りをしていた。そのため、必要最低限のトルクがあれば十分だったため、ECO PROがアクセル開度やパワーやトルクを制御する必要があまりなく、ほとんどエアコン制御で終始したためだろう。それでも、0.5km/L違うのだから、ECO PROの効果は大きい。
エコランではなく、普通に走っていてECO PROを使っていると、時々、確実にアクセル操作に対して反応が鈍くなる印象を受ける。このときは、ECO PRO制御で、アクセルの開度やパワーを調整している。恐らく、流れが遅く、減速&加速を繰り返すスピードの変化が多い高速道路などでは、かなりの効果を発揮してくれる。無駄なアクセルの踏み過ぎなどを制御してくれるからだ。こういった状態は、一般道でも同じで、欧州より日本でより高い効果が期待できる機能だろう。また、雨の日のドライブなどでは、フロントウィンドウの四隅が時々曇ることがある。これは、エアコンを不快になるギリギリまで制御している証でもある。
さて、しっかりとエコランでストレスを溜めた後は、発散しなくてはならない。このBMW 320d BluePerformanceが良いなぁ、と一番感じる部分は、一度、ドライビング・パフォーマンス・コントールをスポーツ、もしくはスポーツ・プラスにすれば、380Nmというガソリン4L車並の大トルクで、爽快なスポーツドライビングが楽しめる。抑えるところは、しっかり抑えて低燃費に。そして、楽しむ時は、とことん楽しめる。BMW 320d BluePerformanceは、燃費特化のハイブリッド 車には、今のところなかなか出来ない技をもったクルマなのだ。
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BMW 320d BluePerformanceツーリング 価格 スペック 燃費 画像集など

・320d BluePerformanceツーリング 4,910,000円
・320d BluePerformanceツーリング Sport 5,110,000円
・320d BluePerformanceツーリング Modern 5,110,000円
・320d BluePerformanceツーリング Luxury 5,110,000円
・320d BluePerformanceツーリング M Sport 5,350,000円
| 代表グレード | BMW320d BluePerformance ツーリング Sport |
|---|---|
| ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 4,625×1,800×1,460mm |
| ホイールベース[mm] | 2810mm |
| トレッド前/後[mm] | 1,520/1,560mm |
| 車両重量[kg] | 1,620kg |
| 総排気量[cc] | 1,995cc |
| エンジン最高出力[ps(kw)/rpm] | 135〔184〕/4,000rpm |
| エンジン最大トルク[N・m/rpm] | 380〔38.7〕/1,750-2,750rpm |
| ミッション | 8速AT |
| タイヤサイズ | F:225/50R17 R:225/50R17 |
| 燃費 | JC08モード 19.4km/L |
| 定員[人] | 5人 |
| 税込価格[万円] | 511万円 |
| 燃料 | 軽油 |
| レポート | 編集部 |
| 写真 | 編集部/ユニットコンパス |
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