【速報:新型 ルノー トゥインゴ 緊急試乗記】まるで”ポニョ”!?とぼけたおさかな顔は健在!14年ぶりにフルモデルチェンジを果たしたトゥインゴを初代オーナーが試してみた![CORISM] [CORISM]

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【ルノー】2008/09/24

新旧顔合わせ! 新型トゥインゴGT(左)と98年式 トゥインゴ「エリート」パック キャンバストップ

初代オーナーは、しょーじき戸惑いを隠せない

筆者の元愛車、'96 ルノー トゥインゴ イージー キャンバストップ

筆者の元愛車、'96 ルノー トゥインゴ イージー キャンバストップ

 正直なハナシ戸惑っていました。何がって、新しいトゥインゴのこと。「あの」トゥインゴが、14年ぶりにフルモデルチェンジして、日本にやってくるんですよ!
 ワタクシ、7年間ほど「その」初代トゥインゴに乗っていました。90年代初頭にフランス・ルノーが製作したAセグメント・コンパクトカー。とぼけた顔つきとかカラフルなボディカラーとか魅力は多いけれど、何より凄かったのがパッケージングでした。全長わずか3.4mで、この秋話題の「トヨタ iQ」ともわずか40数cm程度しか変わらない小さな小さなクルマ。でもスペース効率を極めたモノフォルムスタイルだから、身長180cmのワタクシが仮に4人乗り込んでも大丈夫なくらい。さらに、用途に応じて荷室の拡大も出来る後席のスライド機構や、視認性の高いセンターレイアウトのデジタルメーターも採用。今聞くと「ふーん」かもしれないけれど、実は当時、時代の1歩も2歩も先をゆく先進性だったんです。どう、すごいでしょ、えへん。お金を出して(しかも安く中古車を)手に入れただけなのに、なぜだかちょっと誇らしい気分になるくらい、とっ・・・ても気に入っていましたよ、トゥインゴ。ああ、維持出来るならもっと乗り続けたかったなあ・・・
 と、そんな素敵な素敵なトゥインゴの名を継いだニューモデルが、いよいよこの日本にも入ってくるっていうんだから、やっぱ冷静じゃいられませんって!

“ポニョ”顔した新型トゥインゴは、初代とは似て非なるモデル!?

ルノー 新型 トゥインゴ(クイックシフト5) エクステリア
 さて、その新型トゥインゴ。1.2リッター程度のエンジンを搭載するAセグメントの小型3ドアハッチバックという成り立ちこそいっしょ。でも、見るからに「似て非なる感じ」。戸惑っていたのは、その様変わりのせいかもしれません。
 実際、専用プラットホームを用いた初代とは、随分と違った成り立ちで生まれました。日産とのアライアンスを生かし新Aプラットホームでも設計したのかと思いきや、なんとベースは先代ルーテシア。生産もフランスではなく東欧で行われるなど、徹底した「低コスト」対策も抜かりアリマセーン。うーん、さすがはゴーンさん。安くて儲けが少ないこのクラスでも、しっかり利益を確保してるワケやね。裏を返せば初代トゥインゴって、実のところあんまり儲からなかったクルマだったのかもしれません。その分回収すべく長く造られた、と。いやいや、初代ユーザーからしたら「贅沢な」クルマだったことを喜ぶべきでしょ、やっぱり。
 しかしなによりワタクシ、それ以上に複雑な心境です。だって、トゥインゴの後に乗り換えたクルマが・・・その先代ルーテシアだったんだもん! しかも我が愛車は後期型の1.2リッター16V クイックシフト5。新型トゥインゴにも同じエンジン、同じトランスミッションを積んだベーシックモデルが用意されているっていうんだから二度びっくり。ある意味、これって運命? ならばオーナーを代表して、その違いをチェックしてみようじゃないの!

ルノー 新型 トゥインゴ(クイックシフト5) エクステリア

そうそうこの感じ! 乗るとやっぱり「トゥインゴ」だった!

 それまでモーターショーなどで何度か対面してきた新型トゥインゴだけど、広い屋外でしみじみ眺めたのはこれが最初。実車は金魚みたいな色で、ちょっと目の離れたまんまる顔。最初は違和感たっぷりだったけれど、ん?これってまるで”ポニョ”じゃん。ぽーにょぽーにょぽにょ♪と歌いたくなるほど、かわいらしいフェイスに「グッときた」のは確か。思えば初代トゥインゴも、思わず脱力してしまうようなサカナ顔(ってかカエル顔?)だったっけ。
 今回少しの時間だけ試乗することが許されたのは、ロボタイズド・マニュアル・トランスミッション「クイックシフト5」を搭載した2ペダルシフトのベーシックグレードと、5速MTと組み合わされた3ペダル車「GT」の2台。後者はサンプル輸入されてモーターショーなどで展示していたあの車そのものらしく、最終仕様ではないそう。まず、個人的に気になるクイックシフト5車からGO!
 見た目なんでもないかたちなんだけど、ソフトでふわっと包み込まれるような椅子に座ってみれば、往年のルノー車ほどじゃないにせよやっぱりフランス車の血統だなと実感。初代同様のセンターメーターながら、新型トゥインゴでは随分と立派に進化していて、さらにステアリング前にはタコメーターまでついてびっくり。でもナビつける場所がないよなあ、なんて思ったり。ともかく、立派になったなあってしみじみしちゃいます。
 さ、スタート。まず気付かされるのはクイックシフト5のショックの少なさでした。どうしてもこの手の2ペダルMTは1速⇒2速の切り替えでギクシャクしたりするものだけれど、新型トゥインゴはほとんど気にならないレベルまで進化していました。初代トゥインゴより、ルーテシアより、確実に進化してます。そして何よりそのソフトな乗り心地にびっくり。これは椅子に助けられている面も大きそうだけど、随分と大人びた乗り味です。嬉しくなってクラクションを鳴らそうとしたら(なんで?)・・・お!
 なんと新型トゥインゴ、久しく見なくなったあの古典的なフレンチスタイルじゃないの!ウィンカー横をプッシュする、あれですよ。「え、そうなの♪」と反応したアナタも、「なんのこっちゃ?」なアナタも、ぜひショールームに行って確かみましょう、はい。

小さいけれど「GT」なんです、「ルノー」なんです!

ルノー 新型 トゥインゴ インテリア
 さて、もういっぽうの1.2GT。こんな小さなボディに1.2リッターターボエンジン、そして5速MTの組み合わせと聞けば、まさに「ホットハッチ」(←ちょっと死語?)。うーんヤル気十分!と思って走り出すと、「ん?」。いい意味でアクがない。むちゃくちゃスムーズな吹け上がりです。きっと何も言われなきゃ、鈍感なワタクシではターボとは気付きませんよ、ホントに。こちらもノーマル車同様のソフトな乗り心地。パワーに余裕がある分、せわしなくシフト操作することもない。ちなみにGTには電動パノラミックグラスルーフも標準装備で開放感もばっちり。初代トゥインゴの広大なキャンバストップを思い出すなあ。長距離ドライブが楽(ラク)で、そしてなにより楽しいクルマ。その名の通り、小さいけれど立派な「GT(グランドツーリング)」カーなんですね。ロングドライブを愛する”バカンスの国”フランスのクルマらしいキャラ。チョイ乗りだけだと分かりにくいところだけど、ルノー車共通の魅力だったりすると評価だ。そういやあ、なんとクルーズコントロールまでついていたりします。ならば多段ATでも組み合わせてあげたほうが、明確に「GT」として分かりやすいクルマになっていたかもしれませんね。今後に期待、と。
 で。小型ハッチでスポーツカーをカモってやるぅ!と意気込むラテン系な熱いアナタには、1.6リッターNAエンジン搭載のスポーツグレード「ルノースポール(RS)」という贈り物がちゃんと控えています。うーんそっちも気になるなあ!もっとも現時点では日本へ入ってくるかどうかは未定、ってハナシですが。いやいや、せっかくだからぜひ、ルノージャポンさんに熱い要望を出しましょうよ。

 というワケでそろそろ結論を。偉大だった(そして大好きだった)初代モデルの元オーナーとしては、最初はちょっと斜め目線で見ていたのは確か。でも乗ってみたらやっぱり「トゥインゴ」でした、「ルノーでした」ってのが結論。特に気に入ったのは「GT」のオトナな乗り味。今回は短距離の試乗だったから、今度はぜひコイツでロングドライブでもしてみたいところです。きっと、そういうシチュエーションがハマル稀有なコンパクトカーなんだと思います。今や貴重な存在となってしまった5ナンバーサイズのコンパクトハッチ。価格だけは「トゥインゴ」198万円、「トゥインゴ GT」240万円と、あんまりコンパクトじゃなくなったのが唯一残念なんだけど。

ルノー 新型 トゥインゴ ルノースポール(RS)  エクステリア(※欧州仕様)

コイツも気になる!本国では発表済みのスポーツグレード「トゥインゴ ルノースポール(RS)」。1.6リッター16Vエンジンを搭載したホットハッチだ!

代表グレード ルノー トゥインゴ GT
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) 3600x1655x1470mmmm
車両重量[kg] 1040kg
総排気量[cc] 1148cc
最高出力[ps(kw)/rpm] 100ps(74kW)/5500rpm
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] 14.8kg-m(145N・m)/3000rpm
トランスミッション 5速MT
10・15モード燃費[km/L] -/td>
定員[人] 4人
消費税込価格[万円] 240.0万円
発売日 2008/11/07
レポート 徳田 透(CORISM編集部)
写真 CORISM編集部/ルノージャポン

(レポート:admin

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