マツダの意地はエンジンにあり! よくトマールi-STOPと豊かな低速トルクが魅力【マツダ デミオSKYACTIV試乗評価】
スタイリッシュなフォルムと低燃費エンジンの組み合わせは、お買い得感高し!
クルマ好きでなくてもインテル・ミラノ所属のサッカー日本代表の長友佑都選手が出演しているマツダ・デミオ のテレビCMを見て記憶に残っている人は多いだろう。一方クルマ好きにとっては、レーシングカー も真っ青の高圧縮比14.0エンジンで、10・15モード燃費30km/lのSKYACTIVエンジンを搭載するデミオは注目のクルマ。以前より試乗してみたいと思っていたクルマである。
エクステリアは最近のマツダ 共通のデザインで、スマートかつスポーティ。SKYACTIV専用色のブルーマイカの試乗車は綺麗な色で高級感もあり、私のようなオヤジでも抵抗なく乗れる。車両本体価格は140万円と聞くと、スタイルから想像した価格よりも、お買い得に感じると評価していい。
インテリアのデザインもクールであり、マツダのデザイン力の高さと個性を感じる。質感は高く、シートのデザインも安っぽさは感じさせない。メーターパネルは中央にスピードメーター、左にタコメーター、右にカラー液晶のディスプレイi-DMを配置し平均燃費や瞬間燃費を表示する。シルバーのメーターリングは欧州車のような雰囲気をかもし出し、メーターも見やすい。ボディサイズはコンパクト であるがシートに座ってみると視界も良く大人二人でも左右のスペースは充分であり、小さなクルマに乗っている印象は少ない。
進化したアイドリングストップと扱いやすいエンジン特性
注目のエンジンは低回転から充分のトルクがあり、低燃費エンジンだからと、我慢は全く必要が無い。むしろ高圧縮エンジンの良さが出て常用する1500回転付近のトルクが厚く街中で運転し易い。
高速道路の進入路で、初めてアクセルを床まで踏みつけてみた。低回転のトルク感から想像した加速とは違っていたが、1.3Lで最高出力84psを考えれば当たり前の加速だ。それだけ、実用域のトルクが高い証明である。
交通の流れに乗っているとトルクがあるので、街中や高速道路でもアクセルを踏む量は少なく燃費に貢献している。試乗当日は残暑が厳しく暑い日であり、エアコンをガンガン使用していたが、想像以上にアイドリングストップi-stop機能がよく働いた。一世代前のi-stopとは、明らかにエンジンが止まる頻度と時間は伸びている。
燃費は、高速道路で80km/h前後でゆっくり走行なら20km/L以上が狙える。全般的に航続燃費が得意なようで、100km/h前後でも20km/L弱近くまでいくだろう。一方、市街地燃費は18km/L以下になることが多かった。
フットワークと遮音性が、さらに上がればクラスを超えた存在にも
サスペンションはロールが比較的少なくスポーティではあるが、乗り心地は快適とはいえない。そうは言っても、同クラスでは平均的。ただ、スタイルやエンジンが良かっただけに期待値が高くなってしまった。ベーシックなクラスのクルマだからこそ、クルマの基本性能にはコストをかけ、フリクションを減らしクルマとの対話を楽しめるようにして欲しい。また、エンジンノイズは低いが、ロードノイズが高く特に高速道路では賑やかだ。遮音性をもう少し高めれば、クラスを越えた存在となるだろうと評価したい。
デミオはスタイリッシュなクルマでありながら、実用性も高い。ライバル車との違いはマツダのDNAがしっかり注入されている点だ。特に、このSKYACTIV車はロータリーエンジンに共通する個性的な雰囲気を持っている。もしデミオのスタイルやマツダのDNAが好きならお勧めしたい。
ハイブリッド 車ばかりが注目されるが、ガソリンエンジンの改良だけで未だ頑張れる事を証明したマツダの功績は大きいと思う。省燃費を謳いながら、実用エンジンとしての完成度が高いSKYACTIVエンジンの今後の展開が楽しみである。
代表グレード | マツダ デミオ13-SKYACTIV |
---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 3900×1695×1475mm |
車両重量[kg] | 1010kg |
総排気量[cc] | 1298cc |
エンジン最高出力[ps(kw)/rpm] | 84ps(62kw)/5400rpm |
エンジン最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] | 11.4kg-m(112N・m)/4000rpm |
ミッション | CVT |
10・15モード燃費[km/l] | 30.0km/l |
定員[人] | 5人 |
税込価格[万円] | 140.0万円 |
発売日 | 2011/6/9 |
レポート | 丸山和敏 |
写真 | 編集部 |
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