【フォルクスワーゲン ゴルフ TSIトレンドライン 試乗評価】排気量をダウンしたゴルフ史上最もエコなモデル
【VW】2010/04/30

●コンセプト

フォルクスワーゲン のゴルフ に新しいモデルが加わった。1.2リッターのTSIエンジンを搭載するゴルフTSI トレンドラインがそれだ。
ゴルフはここ数年、エンジン排気量のダウンサイジングを進めてきた。TSIと呼ぶ直噴エンジンにターボやスーパーチャージャーなどの過給器を装着することで小さな排気量でも十分な動力性能を発揮すると同時に燃費性能にも優れたクルマにしてきたのだ。
TSIにはGTIに搭載される2リッターエンジンのようにパワフルかつスポーティなエンジンもあるが、標準系のモデルには1.4リッターのターボ+スーパーチャージャー仕様がTSIハイラインに、また1.4リッターのシングルターボ仕様がTSIコンフォートラインに搭載されている。
そして今回のトレンドラインには、エンジンのダウンサイジングのひとつの到達点として、1.2リッターのシングルターボ仕様のエンジンを搭載してきた。
ゴルフというと、2リッター級のエンジンを搭載するクルマというイメージがあり、従来のモデルでも最小排気量は自然吸気の1.6リッターだったから、1.2リッターというとさすがにえっ? と思う人が多いかも知れない。でもこれで十分というのがフォルクスワーゲンの考えで、実際に乗った印象もそうしたものだった。
ゴルフはここ数年、エンジン排気量のダウンサイジングを進めてきた。TSIと呼ぶ直噴エンジンにターボやスーパーチャージャーなどの過給器を装着することで小さな排気量でも十分な動力性能を発揮すると同時に燃費性能にも優れたクルマにしてきたのだ。
TSIにはGTIに搭載される2リッターエンジンのようにパワフルかつスポーティなエンジンもあるが、標準系のモデルには1.4リッターのターボ+スーパーチャージャー仕様がTSIハイラインに、また1.4リッターのシングルターボ仕様がTSIコンフォートラインに搭載されている。
そして今回のトレンドラインには、エンジンのダウンサイジングのひとつの到達点として、1.2リッターのシングルターボ仕様のエンジンを搭載してきた。
ゴルフというと、2リッター級のエンジンを搭載するクルマというイメージがあり、従来のモデルでも最小排気量は自然吸気の1.6リッターだったから、1.2リッターというとさすがにえっ? と思う人が多いかも知れない。でもこれで十分というのがフォルクスワーゲンの考えで、実際に乗った印象もそうしたものだった。



ゴルフのラインアップ中、もっともベーシックなエントリーモデルだが、チープな印象とは無縁。新開発の1.2リッターTSIエンジンは、従来の1.4リッターTSIと比べてもそれほど遜色のないパワーと優れた燃費性能を両立させた。
●デザイン&装備

エンジンについて詳しく紹介する前に、内外装の仕様などについて紹介しよう。ゴルフTSIトレンドラインは、TSIコンフォートラインに比べて21万円安い257万円の価格が設定されている。これはエンジンの違いに加えて装備の違いがいくつかあるためだ。
外観はタイヤサイズとホイールが違う。コンフォートラインは16インチタイヤにアルミホイールが付くが、トレンドラインは15インチタイヤとスチールホイール(フルホイールキャップ付き)になる。
快適装備はマニュアルエアコンとオートエアコンの違いがあり、シートがスタンダードシートとコンフォートシートの違いがあり、ステアリングホイールも本革巻きとウレタンという違いがある。
これくらいの装備の違いがあると、それだけで21万円になってしまいそうな印象もあるくらいだが、さらにエンジンの違いを加えて21万円の価格差にしている。
なお、基本的な安全装備は全車とも共通の仕様が用意され、ニーエアバッグを含むSRSエアバッグや横滑り防止装置のESP、前席左右の鞭打ち低減ヘッドレストなどがいずれも標準装備となる。
外観はタイヤサイズとホイールが違う。コンフォートラインは16インチタイヤにアルミホイールが付くが、トレンドラインは15インチタイヤとスチールホイール(フルホイールキャップ付き)になる。
快適装備はマニュアルエアコンとオートエアコンの違いがあり、シートがスタンダードシートとコンフォートシートの違いがあり、ステアリングホイールも本革巻きとウレタンという違いがある。
これくらいの装備の違いがあると、それだけで21万円になってしまいそうな印象もあるくらいだが、さらにエンジンの違いを加えて21万円の価格差にしている。
なお、基本的な安全装備は全車とも共通の仕様が用意され、ニーエアバッグを含むSRSエアバッグや横滑り防止装置のESP、前席左右の鞭打ち低減ヘッドレストなどがいずれも標準装備となる。



ステアリングが本革からウレタンになったり、シートの形状がスタンダードタイプになるなど、装備が簡略化されている部分もある。だがインパネ周りの質感や広々した室内空間は上級モデルと変わらない。
●メカニズム&走り

さて、ゴルフTSIトレンドラインとTSIコンフォートラインの走りだが、走り比べてもほとんど分からないくらいで、まさにこれで十分という印象と評価。
トレンドライン用の1.2リッターのTSIは、排気量が1.2リッターというだけでなく、8バルブのSOHCどうというきわめてシンプルな機構だ。これに対してコンフォートライン用の1.4リッターのTSIは、16バルブのDOHCである。この結果、動力性能は105ps(77kW)/17.8kg-m(175N・m)に対しては122ps(90kW)/20.4kg-m(200N・m)という違いがある。
今回、TSIトレンドラインに試乗する前に、先にTSIコンフォートラインに試乗し、同じコースをほとんど同じシチュエーションで走らせてみた。なので、追い越し加速を得るためにアクセルを踏み込んだときなどに違いが確認できたが、普通に走らせていたら違いが分からないくらいだ。装備や仕様まで同じにしたクルマで目隠しテストをされたら、判別できないかも知れないと思うほどである。
1.2リッターのゴルフTSIトレンドラインはそれくらいに良く走る。山道を元気よく走らせたり、高速道路で追い越し加速を得たいというような使い方が多い人ならともかく、タウンユースを中心に使うのであれば1.2リッターのトレンドラインで十分だろう。
組み合わされる7速のDSGは、微低速域での走りに多少のぎくしゃく感があるものの、徐々に改善が進んで良くなってきた。全体的な変速フィールに大きな不満はない。
エンジン以外の部分は特に変更を受けていない。しっかりした感じの硬めの乗り味や手応えのあるステアリングフィールなどはそのままだ。
トレンドライン用の1.2リッターのTSIは、排気量が1.2リッターというだけでなく、8バルブのSOHCどうというきわめてシンプルな機構だ。これに対してコンフォートライン用の1.4リッターのTSIは、16バルブのDOHCである。この結果、動力性能は105ps(77kW)/17.8kg-m(175N・m)に対しては122ps(90kW)/20.4kg-m(200N・m)という違いがある。
今回、TSIトレンドラインに試乗する前に、先にTSIコンフォートラインに試乗し、同じコースをほとんど同じシチュエーションで走らせてみた。なので、追い越し加速を得るためにアクセルを踏み込んだときなどに違いが確認できたが、普通に走らせていたら違いが分からないくらいだ。装備や仕様まで同じにしたクルマで目隠しテストをされたら、判別できないかも知れないと思うほどである。
1.2リッターのゴルフTSIトレンドラインはそれくらいに良く走る。山道を元気よく走らせたり、高速道路で追い越し加速を得たいというような使い方が多い人ならともかく、タウンユースを中心に使うのであれば1.2リッターのトレンドラインで十分だろう。
組み合わされる7速のDSGは、微低速域での走りに多少のぎくしゃく感があるものの、徐々に改善が進んで良くなってきた。全体的な変速フィールに大きな不満はない。
エンジン以外の部分は特に変更を受けていない。しっかりした感じの硬めの乗り味や手応えのあるステアリングフィールなどはそのままだ。



ミッションはフォルクスワーゲン自慢の7速DSGを搭載。非常に効率がよく燃費の良さに貢献するのはもちろん、ダイレクト感のあるスポーティな走りも楽しめる。足まわりはドイツ車らしいしっかり感としなやかな乗り味が楽しめる設定だ。
●買い得感

ゴルフTSIトレンドラインはTSIコンフォートラインとともに、低排出ガス仕様が★★★★で、燃費基準+25%を達成しているので、エコカー減税の適用が受けられる。自動車取得税と自動車重量税が75%低減されるので、これはけっこう大きい。
ただ、250万円を超える輸入車でアルミホイールが装備されないなど、仕様の面でちょっと物足りなさを感じる部分もある。それを考えると、21万円高のTSIコンフォートラインも選択肢に入っていくる。さらにいえば、TSIコンフォートラインの1年落ちの中古車なら、200万円台前半で販売されているから、それを含めて考えると、ますます悩ましい選択になる。
新車には新車という絶対的な魅力があるが、中古車にも無理なく買えるスマートな選択という長所があるからだ。TSIトレンドラインは、新車だけでなく中古車も含めて比べて選ぶことの大切さを改めて考えさせるクルマだったと高評価。
ただ、250万円を超える輸入車でアルミホイールが装備されないなど、仕様の面でちょっと物足りなさを感じる部分もある。それを考えると、21万円高のTSIコンフォートラインも選択肢に入っていくる。さらにいえば、TSIコンフォートラインの1年落ちの中古車なら、200万円台前半で販売されているから、それを含めて考えると、ますます悩ましい選択になる。
新車には新車という絶対的な魅力があるが、中古車にも無理なく買えるスマートな選択という長所があるからだ。TSIトレンドラインは、新車だけでなく中古車も含めて比べて選ぶことの大切さを改めて考えさせるクルマだったと高評価。



ゴルフTSIトレンドラインは、257万円というリーズナブルな価格と優れた燃費が最大の魅力だ。だが、これだけの価格となると1年落ち程度のゴルフを中古車で買うこともできる。そういった部分も含めて検討したほうがいいだろう。
代表グレード | フォルクスワーゲン ゴルフ TSIトレンドライン |
---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 4210×1790×1485mm |
車両重量[kg] | 1270kg |
総排気量[cc] | 1197cc(ターボ) |
最高出力[ps(kw)/rpm] | 105ps(77kW)/5000rpm |
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] | 17.8kg-m(175N・m)/1550〜4100rpm |
ミッション | 7速DSG |
10・15モード燃費[km/l] | 17.0km/l |
定員[人] | 5人 |
税込価格[万円] | 257.0万円 |
発売日 | 2010/3/25 |
レポート | 松下 宏 |
写真 | CORISM編集部 |
(レポート:松下 宏)
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