トヨタ プリウスPHV試乗記・評価 なんと、ソーラーカーとしての機能もプラス! 太陽光で、なんと最大6.1㎞/日走行可能に!! [CORISM]

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【トヨタ】2016/09/13

 

 

デュアルモータードライブシステムの新採用で、より力強いEV走行が魅力的!

新型トヨタ プリウスPHV

 トヨタ プリウス PHV プロタイプの試乗は、ショートサーキット内で行われた。アクセルを踏むと、ほぼ無音のまま力強く走り出す。普通に運転している限り、ほとんどエンジンが始動することはない。EVでの最高速度は135㎞/hなので、日本の道ではほぼEV 走行が可能だ。

このEV走行時の力強さは、先代プリウスPHVを大きく上回る。通常走行時でも、十分に力強いが、ややアクセルとグッと踏み込むと、ジェネレーターモーターが走行用モーターとして加わり、よりパワフルな走りを披露する。この機能は、デュアルモータードライブシステムと呼ばれいる。

アクセルを床まで踏みつけるような操作をすると、瞬時にエンジンが始動。エンジンが始動しても静粛性は高い。かなり遠くにエンジンがあるような雰囲気だ。

新型トヨタ プリウスPHV
新型トヨタ プリウスPHV
新型トヨタ プリウスPHV

 

意外と走りが楽しい。120㎏もあるリチウムイオン電池をラゲッジスペースに積むため、荷室はやや小さめ

新型トヨタ プリウスPHV

 この状態でサーキットを楽しく走ると、エコカーなのに意外と気持ちよい。基本はEVなので、アクセルを踏むとモーターの特性で瞬時に最大トルクを発生することから、非常にレスポンス良く加速する。このレスポンスの良さは、エンジンでは味わえない独特のフィーリング。エンジンが始動している状態でも同様で、モーターがエンジンの出力より先にトルクでクルマを前に押し出すので、アクセル操作への反応が早く気持ちの良い走りが可能だ。

ところが、サーキットのような場所で気持ちよくカーブを曲がろうとすると、エコタイヤが足を引っ張る。路面状況がセミウェットだったこともあり、ブレーキングからステアリングを切り始めると、前タイヤのグリップがすぐに無くなって曲がらない。

困ったことに、新型プリウスPHVはTNGAにより低重心化されるなど、走りの質が大幅に向上している。新型プリウスPHVの潜在能力は、はるかに高いレベルにあるのにタイヤが、そのパフォーマンスを生かし切れていない状態だった。

とはいえ、新型プリウスPHVは、非常に高いレベルのエコカー。燃費が優先されるために、エコタイヤを装着している訳だ。多少燃費が下がっても、走りの質のいいクルマというのであれば、購入後にタイヤ&ホイールをインチアップして、ややスポーツ系のタイヤを履いてみるのもおもしろいかもしれない。新型プリウスPHVのシステム出力は122psとそれほどパワフルではないが、意外と面白い。

新型プリウスPHVは、120kgもあるリチウムイオン電池がリヤのラゲッジスペースに搭載されている。その結果、7㎝ほど床面がアップしており、荷室容量は小さくなっている。気になっていたのは、プリウスがシート下に電池を搭載して低重心化と前後の重量バランスを上手く保っていた。

しかし、新型プリウスPHVは120㎏もの電池を高い位置にあるラゲッジスペースに設置されていることから、重心高が高くなっていることが予想できる。実際に走り出すと、そうした部分はほとんど気にならならなかった。

 

これからのクルマは、太陽光で走る!? ソーラー充電システムは標準装備化すべき! なんと、太陽光だけで最大6.1㎞/日走行可能!!

新型トヨタ プリウスPHV

 走行性能以外で最も驚いたのがソーラー充電システム。ルーフにはソーラーパネルがビッシリと貼られていた。このソーラー充電システムは、最大で6.1㎞/日、平均で2.9㎞/日走れる電気を発電する。屋根の無い駐車場で、週末にしかクルマに乗らないユーザーなら、クルマを駐車しているだけで平日5日間で15㎞くらい走れる分の電力が溜まっていることになる。こうした充電システムは、今後かなり発展が期待できる装備。ソーラー充電システムの効率が上がっていけば、よりガソリンを使わずCO2を減らせる世界へと、また1歩近付けるようになる。

残念ながら、ソーラー充電システムはオプションになるという。こうした新たな未来に進むことだできる装備こそ本来標準装備化すべきだろう。標準装備化することで、コストはドンドン下がり、他の車種にも応用しやすくなり、よりスピーディに横展開できるようになる。そうなれば、ソーラー充電システムがスタンダードな装備になり、より環境に貢献できる。当然、トヨタ はソーラー充電システムでもイニシアチブを握ることができるだろう。

オプション化となった理由は価格だという。価格が高くなって新型プリウスPHVが売れなくなるという。新型プリウスPHVの価格について「高くなるんでしょう?」と何人かに質問したところ「今は言えません」とのこと。まぁ、安くなっているのなら「価格にも期待して下さい!」となるからだ。どうせ、高価なクルマになるのなら、こうした先進技術をてんこ盛りにして差別化したほうが、買う側も十分に納得できる。オプションでプラス何十万円と言われるので、高価だとか、元が取れるとか取れないとか、そんな話になる。こうなると装着率は上がらない。標準装備化してしまえば、ソーラー充電システムがいくらかなんて分からない。新型プリウスPHVの機能の一部としてパッケージ化してしまえばいい。そう思えるほど、ソーラー充電システムは素晴らしい機能だ。

先代プリウスPHVが売れなかった理由のひとつである価格に関して、克服されているのか否かは2016年冬の発表後ということになる。

 

大幅に進化&差別化したことで、新型プリウスPHVの価格は400万円オーバー確実か?

新型トヨタ プリウスPHV

 新型プリウスPHVは、細かいところでも使い勝手を向上させている。まず、先代には無かった急速充電器に対応している。数は少なくなったが無料で使える急速充電器なら、一定のメリットが出てくる。また、通常の充電ではAC200V/16Aで約2時間20分でフル充電が可能。さらに、200Vでの充電は充電設備を設置する必要があったが、今回はAC100V/6Aでの充電が可能。約14時間と充電時間は長くなるものの、自宅の一般的なコンセントからも充電が可能となっている。

新型トヨタ プリウスPHVは、スタイルだけでなく色々な部分でプリウスとはまったく違うクルマに仕上がっている。欧州車なども、今後ドンドンとPHV化を進めていることから、脱ガソリンの傾向はより強まっていく。充電インフラも徐々に増えてきていることから、ハイブリッド からPHVへ乗り換える顧客も増えていくだろう。こうした高い環境性能をもつモデルは、普及させてこそ意味がある。これだけ完成度の高い新型プリウスPHVを見ていると、ハイブリッドからPHVへのシフトも時間の問題ともいえるかもしれない。それは、トヨタの価格戦略次第ということになりそうだ。

そんな新型トヨタ プリウスPHVの価格だが、これだけベース車と異なると、やはりかなり高価になることが予想できる。先代プリウスPHVの価格は約90万円高。外観や内装は、通常のプリウスとほぼ同じで約90万円アップなのだから、新型プリウスPHVの価格は100万円高は確実だろう。搭載されるリチウムイオン電池の容量は2倍になっているし、バックドアはカーボン製。これだけ高価なものを惜しみなく使っているので、100万円高でも安いくらい。そうなると、150〜200万円高くらいになるのでは? と、予想した。

通常のプリウスで、リチウムイオン電池を搭載したエントリーグレードであるAの価格は2,777,563円。これに150万円プラスすると428万円! もはや、Cセグメントの輸入車さえはるかに超える価格帯に突入する。同じクラスのPHEVフォルクスワーゲン ゴルフGTE の価格が499万円。こうしてみると、意外にバランスが取れているような・・・。まぁ、エントリーグレードの価格で400万円オーバーは確実かも?

新型トヨタ プリウスPHV
新型トヨタ プリウスPHV
新型トヨタ プリウスPHV

 

トヨタ プリウスPHV燃費、スペックなど

全長(mm) / 全幅(mm) / 全高(mm) 4,645 / 1,760 / 1,470
ホイールベース(mm) 2,700
乗車定員(人) 4
車両重量(㎏) 1,510
エンジン 種類 直4DOHC
総排気量 (cc) 1,797
最高出力 (kW[PS]/rpm) 72[98] / 5,200
最大トルク (N・m[kgf・m]/rpm) 142[14.5] / 3,600
モーター 最高出力 (kW[PS]) ①53[72]/②23[31]
最大トルク (N・m[kgf・m]) ①163[16.6]/②40[4.1]
バッテリー リチウムイオ
総電力量(kWh) 8.8
ハイブリッド燃費(㎞/L) 37.0
EV走行距離(㎞) 60㎞以上
EV最高速度(㎞/h) 135
トランスミッション 電気式無段変速機
駆動方式 FF(前輪駆動)

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(レポート:大岡 智彦

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