【ルノー コレオス 試乗記】フレンチのシェフが挑んだ和の素材。ルノー初のクロスオーバーSUV「コレオス」はヌーヴェル・キュイジーヌだ! [CORISM]

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【ルノー】2009/07/23

ルノー初のクロスオーバーSUV

ルノー コレオス エクステリア

 ルノー コレオスはルノーと日産のアライアンスの中から生まれたミディアムクラスのSUVだ。ルノーはこれまでSUVをラインナップに持っていなかったが、日産の主要コンポーネンツを利用して新しいSUVを作り上げた。ありていにいえば、デュアリス=キャッシュカイのルノー版といえなくもないが、単純な姉妹車ではなく、外観デザイン以外にも随所にルノーらしさが表現されていると評価していい。
 乗用車感覚の外観デザイン、4WDの走破性や走行安全性、ミニバン感覚の居住性や使い勝手などがコレオスの特徴で、ルノーの開発責任者が日産の厚木テクニカルセンターに常駐し、日産のスタッフととにも開発を進めたという。生産は韓国の釜山にあるルノーサムソンの工場が担当し、ここから世界中に供給されるという。

ルノーらしいおしゃれなエクステリアデザイン

ルノー コレオス フロントマスク

ヘッドライトは標準車がハロゲン、プレミアムはバイキセノンが標準装備だ。

 その外観デザインはボディサイズが大きめということもあって、やや大味な印象もあるが、フロント回りのデザインなどはいかにもルノー車らしいもの。全高の高さなどからセダンではなくSUVであることはひと目で分かるが、フロントグリルなどにルノーの乗用車との共通性のあるデザインが採用されている。
 ボディサイズは全長は4525mmとミディアムサイズのものだが、全幅は1855mmと日本ではかなり大きめの3ナンバーサイズとなり、全高も 1710mmと高めだ。最近のヨーロッパのSUVと比べたら、特に大きいとはいえないボディサイズだが、日本ではちょっと大きめであるのは間違いない。
ルノー コレオス フロント

SUVらしい力強さを意識しつつも、どこか都会的な雰囲気が感じられるエクステリア。ルーフに装着されているのはディーラーオプションのキャリア。

ルノー コレオス リヤ

ワゴン的な印象もあるリヤビュー。前後のオーバーハングを切り詰め、悪路での走破性も考慮されている。

ルノー コレオス リヤコンビランプ

リヤコンビランプは視認性だけでなく質感の高さも感じられる。

ルノー コレオス インテリア

曲面を多用したルノーらしい雰囲気のインテリア

ルノー コレオス インテリア

曲面を多用したインテリアは視界も広々しており、狭い道などでも運転はしやすい。また小物の収納も充実しており、使い勝手も良好だ。

 シートの座面の地上高はやや高めだが、それでも乗用車系のSUVなので、ステップを踏んだり、アシストグリップをつかんだりすることなく、普通の乗用車とそう変わらない感覚で乗り降りできる。
 運転席回りのデザインはいかにもルノー車らしい雰囲気。曲面を多用したデザインとされているほか、スイッチ数を少なくした操作系の配置やロジックなどもルノーならではのものだ。
 操作系で注目されるのはセンターコンソールに設けられた電子制御パーキングブレーキのスイッチ。これはいざというときには長く引き続けることで急ブレーキをかけることができる。万一ドライバーが気を失ったような場合にも同乗者がクルマを停止させるよう対応できるという。
ルノー コレオス フロントシート

シートは標準車(写真)がチャコールグレーのファブリック、プレミアムはベージュの本革が標準装備となる。

ルノー コレオス リヤシート

リヤシートは頭上、足元ともに十分なスペースが確保されている。クッションの硬さもちょうど良く、長時間乗っていても疲れにくい。

ルノー コレオス メーター

大きなスピードメータが中心に配され、とても見やすい。デザインはシンプルだが好感が持てるものだ。

ゆったりと快適な室内にはSUVらしい装備も満載と評価!

 ボディサイズが大きいだけに、室内にはゆったりした広さの空間が広がっている。前後のシート間の距離はたっぷりで余裕で足が組める広さだし、ヘッドクリアランスも文句のないものだ。さらにラゲッジスペースも大容量が確保されている。標準状態で450リッター、後席のシートを倒せば1380リッターの容量があるから、たっぷりと荷物を積んでアウトドアに出かけるのに最適といった印象だ。
 装備はグレードによって異なるが、350万円弱の価格が設定された中心グレードとなるコレオス プレミアムでは、レザーシート、2ゾーンフルオートエアコン、オーディオ、自動防眩ミラー、バイキセノンヘッドライト&コーナリングライトなどが標準。また安全装備も6つのSRSエアバッグやESPなど、基本的なものが装備されている。4WDらしい機能装備としてはヒルデセントコントロールやヒルスタートサポートなどがある。
ルノー コレオス ラゲッジ

ラゲッジは十分な容量が確保され、形状なども使いやすい工夫がされている。

ルノー コレオス ラゲッジ

後席が左右分割して倒せるのはもちろん、助手席の背もたれを倒せば2.6mまでの長尺物も搭載可能だ。

ルノー コレオス リヤゲート

リヤゲートは上下分割式となっている。最大200kgまでの重量に耐えられるので、ベンチ代わりに使用することもできる。

ルノー コレオス 走り

乗用車並みの優れた静粛性を実現した

 搭載エンジンやトランスミッション、4WDシステムなど、基本メカニズムは日産のエクストレイル用のものを流用している。直列4気筒2.5リッターの自然吸気DOHCエンジンは2TR型というルノーの型式が付けられているが、これは日産のQR25DE型に対するルノー名。エクストロニックCVT-M6を組み合わせている点もエクストレイルと同じである。さらに4WDシステムもセンターデフを持たない電子制御式のオールモード4×4-iで、これも日産のものだ。
 コレオスに乗って走り出してすぐに感じたのは静粛性の高さだ。ハッチバック形状のボディだし、SUVなのだから、少々の室内騒音は仕方がないという考えるのが一般的だが、コレオスは想像していた以上に静かで、乗用車並みの静かさがあった。静粛性対策をしっかりやったというのがはっきりと体感できると、おおいに評価しよう。
ルノー コレオス 2.5リッターエンジン

コレオスに搭載されるエンジンは、2.5リッターの直4のみ。パワー感やレスポンスなどに不満はなく、扱いやすい特性だ

ルノー コレオス シフトレバー

ミッションはマニュアルモード付きのCVTが全車に標準。滑らかで燃費のいい走りが味わえる。日産 エクストレイルにある6速MT車は用意されない。

ルノー コレオス 17インチタイヤ&アルミホイール

全車に17インチのタイヤ&アルミホイールが標準装備される。乗り味はいかにもルノーらしいもので、しなやかで快適な乗り心地だ。

ソフトでしなやかな足まわりと扱いやすいエンジン特性

ルノー コレオス 走り

コレオスはとても静粛性が高く、乗り心地もソフトで快適だ。それでいてコーナーでも不安定な印象はないのには驚かされる。

 もうひとつの特徴は乗り心地の良さだ。フォルクスワーゲン ティグアンやアウディ Q5など、ドイツのSUVが硬めの足回りを採用するのに対し、コレオスはさすがにルノー車というイメージで、乗り心地を重視した仕上がりになっている。このためレーンチェンジやコーナーを抜けるときのロールは大きめに出るが、柔らかくロールしてしゆったりと受け止めるイメージの乗り心地だ。ドイツ車的な乗り心地というか安定性重視の味付けも良いが、コレオスの柔らかさもまた良いものだと思った。
 2.5リッターエンジンのレスポンスやトルク感はまずまずだし、CVTの滑らかさも上々のレベルにある。CVTはマニュアルモード付きなので積極的にレバーを操作して走ることも可能だ。パワートレーンの印象はエクストレイルと同じですでに定評を得ている。
 韓国製のクルマということで、日本人の感覚からすると品質面で不安があるのではないかと思う部分もあるが、走らせた印象は韓国製のクルマであることのネガは何も発見できなかった。韓国製であること自体、知らずに乗っていたら分からないと思う。ガラスの隅に記されたメーカーを見たり、バッテリーの生産国名を見たりしなければ、たいていの人が韓国製であることが分からないだろう。
 ルノージャパンの関係者によると、フランス製のクルマに比べたら、かえってPDI(配送前検査)のコストがかからないくらいだという。しかも日本から工場までの距離が近いので、何かと対応しやすい面があるという。

ルノー コレオス 走り

代表グレード ルノー コレオス プレミアム
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) 4525×1855×1710mm
車両重量[kg] 1700kg
総排気量[cc] 2488cc
最高出力[ps(kw)/rpm] 170ps(126kw)/6000rpm
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] 23.1kg-m(226N・ m)/4400rpm
ミッション CVT
10・15モード燃焼[km/l] -km/l
定員[人] 5人
税込価格[万円] 349.8万円
発売日 2009/5/27
レポート 松下宏
写真 佐藤靖彦

(レポート:松下 宏

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