キープコンセプトで走りと使い勝手に磨きをかけ高評価
初代モデルが大ヒットして日本のミニバン市場のルーツともいえるモデルとなったオデッセイは今回のモデルが4代目に当たる。3代目で採用した全高を抑えた独特のパッケージングを今回も採用し、オデッセイならではの独特の魅力を持つクルマに仕上げていると高評価だ。
低床プラットホームをベースにした低全高パッケージは、今回のモデルではさらに全高を5mm低くしてほかのミニバンでは成立しえないような独特の空間設計とした。もちろん室内空間の広さは従来と同様に確保されており、多人数が快適に移動できる空間が作られている。
シリーズに標準系とアブソルート系が設定されるのは従来と同じ。スポーティなアブソルートでは、内外装に専用の仕様が与えられるほか、サスペンションのチューニングや搭載エンジンなど、走りのメカニズムにも大きな違いが設けられている。
■新型ホンダ オデッセイの詳細レポート
■ホンダ オデッセイ新車情報・購入ガイド 11月1日発売予定の新型オデッセイは両側スライドドア! ライバルはエスティマ。 注目の新型オデッセイ ハイブリッドのの存在は? 価格も予想する!
従来のイメージを受け継ぎつつ、ダイナミックな印象を与えてくれるエクステリア。質感も増して、オデッセイらしい存在感を感じさせてくれる。
アブソルートも従来同様ラインアップされる。
低くて伸びやかな雰囲気を感じさせるリヤビュー。ホンダ独自の低床低重心プラットホームを採用し、全高は5mmマイナスの1545mmとされた。
従来のイメージを残しつつ先進的なエクステリア
低くて伸び伸びした感じの外観デザインは、オデッセイならではの存在感を表現しており、ミニバンでありながらいかにも走りの良さを感じさせるようなデザインに仕上がっている。フロント回りのデザインは燃料電池車FCXクラリティと共通するイメージがあり、シャープでアグレッシブな感じのオデッセイらしさと先進性とが表現されていると評価していい。
ボディカラーは6色用意されていて、そのうちスーパープラチナ・メタリックでは、塗料に含まれるアルミ顔料の配列を整えるように工夫し、光の乱反射を抑えてダイナミックな面構成をさらに際立たせる新しい塗装が採用された。
ボディカラーは6色用意されていて、そのうちスーパープラチナ・メタリックでは、塗料に含まれるアルミ顔料の配列を整えるように工夫し、光の乱反射を抑えてダイナミックな面構成をさらに際立たせる新しい塗装が採用された。
大きなフロントグリルやメッキパーツを採用して質感を高めるとともに、存在感の増したフロントマスク。
プロジェクター式のディスチャージヘッドランプを採用する。デザインは従来のイメージを受け継いでいる。
サイドまで回り込んだ横長のリヤコンビランプを採用。レンズカットも複雑でキラキラと輝いて見える。
より広々とした視界のいいインテリア
室内長が60mm延長されるなど、が室内空間は従来に比べてやや広くなった。特に3列目シートのニースペースや足元スペースが広くなり、これまで以上に大人が普通に乗れる室内空間が作られている。
シート配置は左右席がフロントからリヤに向かってやや中央寄りに配置されていて、上から見るとV字型を描くようになった。これによって後ろの席からも良好な前方視界が得られ、後席の乗員が気分良くドライブを楽しめるための仕様だと評価していい。
新型オデッセイの運転席に乗り込んだときにまず感じるのは開けた視界だ。ホンダ車には平均して視界の良いクルマが多いが、今回のオデッセイは細くなったAピラーによって特に開けた視界が確保されている。三角窓やドアミラーとの関係もうまく配置されていて、ピラーの陰に歩行者が隠れてしまうことがほとんどなくなった。この視界の良さは安全にもつながるものだ。
視界に関してはオプションのマルチビューカメラシステムにより、周囲の状況を俯瞰で見たかのように描くグランドビューが投影されるほか、ボディサイドなどの見切りを助けてくれるサイドビューなども映し出される。
シート配置は左右席がフロントからリヤに向かってやや中央寄りに配置されていて、上から見るとV字型を描くようになった。これによって後ろの席からも良好な前方視界が得られ、後席の乗員が気分良くドライブを楽しめるための仕様だと評価していい。
新型オデッセイの運転席に乗り込んだときにまず感じるのは開けた視界だ。ホンダ車には平均して視界の良いクルマが多いが、今回のオデッセイは細くなったAピラーによって特に開けた視界が確保されている。三角窓やドアミラーとの関係もうまく配置されていて、ピラーの陰に歩行者が隠れてしまうことがほとんどなくなった。この視界の良さは安全にもつながるものだ。
視界に関してはオプションのマルチビューカメラシステムにより、周囲の状況を俯瞰で見たかのように描くグランドビューが投影されるほか、ボディサイドなどの見切りを助けてくれるサイドビューなども映し出される。
ゆったりくつろげる出来のいいシートだが後席中央の3点式シートベルトは装着されず
インパネ回りのデザインは従来のモデルと同様にいかにも先進的な印象を与えるものに仕上げられた。立体式に表示される自発光メーターやインストセンター部分のカーナビや各種操作系のデザインなど、いかにも最新のクルマという印象だ。
シートはホールド系と乗降性の良さをバランスさせたもので、しっかり体をホールドしてくれると同時にスポーティなドライビング時にも体がぶれないように作られている。上級グレードには8ウェイパワーシートが標準となり、本革シートがオプション設定されている。ただ、2列目の中央席には今回もまだ3点式シートベルトとヘッドレストが装備されていない。これは何とも不満な点だ。
シートはホールド系と乗降性の良さをバランスさせたもので、しっかり体をホールドしてくれると同時にスポーティなドライビング時にも体がぶれないように作られている。上級グレードには8ウェイパワーシートが標準となり、本革シートがオプション設定されている。ただ、2列目の中央席には今回もまだ3点式シートベルトとヘッドレストが装備されていない。これは何とも不満な点だ。
室内スペースは拡大され、より広く快適になった。上級グレードには写真の本革シートがオプション設定されて高級感もたっぷり。
セカンドシートは足元、頭上の空間ともにゆとりが大きくなり、非常にゆったりとくつろげる。だが中央席の3点式シートベルトとヘッドレストは装備されていない。全車にVSA(横滑り防止装置)をヒョウ重化するのもいいが、こういった基本部分も手を抜かないで欲しいものだ。
室内長が60mm延長されたおかげで、サードシートはずいぶん広くなった。従来モデルでも十分な広さがあったが、これなら長距離ドライブもまったく苦にならない。
スピードメーターの中央には外気温や燃費などの情報が表示される。表示は大きく視認性はとてもいい。
標準車のFFはCVT、4WDとアブソルートは5速ATが組み合わされる。CVTはエンジンとのマッチングもさらに良くなり、滑らかで低燃費な走りを味わえる。
標準系のモデルに設けられたECON(イーコン)スイッチ。これを押すとエンジンやCVT、そしてエアコンなどの制御が変更され、より低燃費な走りを実現してくれる。
ラゲッジに使い勝手は良好。サードシートは床下にすっきり収納できるし、セカンドシートも左右分割して倒すことができる。広さも十分でミニバンらしくたくさんの荷物を積み込める。
パワフルで扱いやすいエンジンでスポーティな走りが楽しめる
搭載エンジンは直列4気筒2.4リッターのK24A型だから、これだけ見ると従来と変わらない。でも中身は大幅な改良を受けていて、新エンジンと言っても良いくらいに違うエンジンになっているという。結果として動力性能が大きく向上すると同時に、環境性能も向上した新エンジンとなった。
標準系エンジンの動力性能は173ps(127kW)/22.6kg-m(222N・m)の実力で、FF車は無段変速のCVTと組み合わされている。これによる滑らかな走りにはとても好印象を受けた。従来からFF車は基本的にCVTと組み合わされていたが、今回のモデルではエンジンの動力性能が大きく向上したことで、CVTとのマッチングも良くなった感じ。市街地から高速クルージングまで余裕を感じさせる走りだ。
標準系のモデルにはECON(イーコン)スイッチが設けられていて、これをオンにして走るとドライバーが少々ラフなアクセル操作をしても、それをうまくいなしてスムーズな発進や加速をしてくれる。これにはCVTやエアコンの協調制御も加えられているので、トータルでとても燃費の良い走りが可能。標準系のFF車では13.2km/Lを実現し、低排出ガス性能の☆☆☆☆と基準値-25%の低燃費と合わせてグリーン税制の適用を受けられる。
アブソルートのエンジンはFF車用が 206ps(157kW)/23.7kg-m(232N・m)の動力性能を発揮する。157kWといえば200psを超える実力だ。アブソルートではFF 車も5速ATになるのは従来と同じ。十分な動力性能があるだけに、5速ATでも相当にスポーティで滑らかな走りが可能。オデッセイのボディをグイグイ引っ張っていく感じだ。アブソルートではパドルシフトを操作することで、積極的にマニュアル車感覚の運転も可能だ。
標準系エンジンの動力性能は173ps(127kW)/22.6kg-m(222N・m)の実力で、FF車は無段変速のCVTと組み合わされている。これによる滑らかな走りにはとても好印象を受けた。従来からFF車は基本的にCVTと組み合わされていたが、今回のモデルではエンジンの動力性能が大きく向上したことで、CVTとのマッチングも良くなった感じ。市街地から高速クルージングまで余裕を感じさせる走りだ。
標準系のモデルにはECON(イーコン)スイッチが設けられていて、これをオンにして走るとドライバーが少々ラフなアクセル操作をしても、それをうまくいなしてスムーズな発進や加速をしてくれる。これにはCVTやエアコンの協調制御も加えられているので、トータルでとても燃費の良い走りが可能。標準系のFF車では13.2km/Lを実現し、低排出ガス性能の☆☆☆☆と基準値-25%の低燃費と合わせてグリーン税制の適用を受けられる。
アブソルートのエンジンはFF車用が 206ps(157kW)/23.7kg-m(232N・m)の動力性能を発揮する。157kWといえば200psを超える実力だ。アブソルートではFF 車も5速ATになるのは従来と同じ。十分な動力性能があるだけに、5速ATでも相当にスポーティで滑らかな走りが可能。オデッセイのボディをグイグイ引っ張っていく感じだ。アブソルートではパドルシフトを操作することで、積極的にマニュアル車感覚の運転も可能だ。
オデッセイに搭載されるエンジンは、従来と同じく2.4リッターの直4のみ。標準車(写真左・右)の173psに対してアブソルート(写真中央)は206osを生み出すハイパワー仕様となる。どちらを選んでも街中から高速まで余裕ある走りを楽しめるのはもちろん、燃費も改善されている。
しなやかさで快適な乗り心地とスポーティな走りをバランスさせた足まわり
足回りは標準系が乗り心地の良さを感じさせたのが印象的。オデッセイというと、ミニバンでありながら走りを意識してかなり硬めの足回りを採用するクルマだったが、今回のモデルでは乗り心地や静粛性にも配慮したバランスの良いクルマに仕上がっている。このあたりはステージがひとつ上がった感じで、より上質な走りが得られたように思う。
アブソルートではタイヤサイズも大きくなるし、専用にチューニングされたサスペンションが採用されているので、標準系とは違った硬めの乗り味になるが、これも従来のアブソルートが感じさせた硬さに比べると、乗り心地と操縦安定性がより高い次元でバランスされたように思う。
今回のオデッセイでは全車に横滑り防止装置のVSAが標準装備されると同時に、VSAとの協調制御が行われるモーションアダプティブ EPSが採用された。クルマの動きに応じて操舵力にアシストが加わるので、クルマの挙動が乱れやすい雪道などでは特に安定方向に働いてくれるという。
アブソルートではタイヤサイズも大きくなるし、専用にチューニングされたサスペンションが採用されているので、標準系とは違った硬めの乗り味になるが、これも従来のアブソルートが感じさせた硬さに比べると、乗り心地と操縦安定性がより高い次元でバランスされたように思う。
今回のオデッセイでは全車に横滑り防止装置のVSAが標準装備されると同時に、VSAとの協調制御が行われるモーションアダプティブ EPSが採用された。クルマの動きに応じて操舵力にアシストが加わるので、クルマの挙動が乱れやすい雪道などでは特に安定方向に働いてくれるという。
標準車(写真左)は16インチ、アブソルート(写真中央・右)は18インチのタイヤ&ホイールを装着する。標準系でもミニバンらしくないスポーティな走りが楽しめるのはもちろん、18インチ仕様のアブソルートでも快適な乗り心地を楽しめる。
●お勧めグレード
オデッセイの価格は259万円から361万円まで。グレードに応じて装備や仕様が異なるが、ベースグレードとなる標準系のMが最もオデッセイらしいモデルだと思う。これなら259万円の本体価格にカーナビやいくつかの安全装備・快適装備をオプション装着して値引きを考慮するとざっと300万円くらいの予算。現実的な選択肢としてもこのあたりが適当だと思う。
予算に余裕があるならラグジュアリーな快適装備を備えたLや、追突軽減ブレーキなど最新の安全装備を標準で備えたLiを選ぶ手もあるが、これらのモデルもカーナビはオプション設定である。
アブソルートはエンジン性能の差や仕様の差によってMと比べて30万円高い289万円の設定。快適装備の充実度はM並みなのでやはりオプションをいろいろ装着することになる。
予算に余裕があるならラグジュアリーな快適装備を備えたLや、追突軽減ブレーキなど最新の安全装備を標準で備えたLiを選ぶ手もあるが、これらのモデルもカーナビはオプション設定である。
アブソルートはエンジン性能の差や仕様の差によってMと比べて30万円高い289万円の設定。快適装備の充実度はM並みなのでやはりオプションをいろいろ装着することになる。
ホンダ オデッセイ燃費、ボディサイズ、スペックなど
代表グレード | ホンダ オデッセイ L(FF) |
---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 4800×1800×1545mm |
車両重量[kg] | 1620kg |
総排気量[cc] | 2354cc |
最高出力[ps(kw)/rpm] | 173ps(127kw)/6000rpm |
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] | 22.6kg・m(222N・ m)/4300rpm |
ミッション | CVT |
10・15モード燃焼[km/l] | 13.2km/l |
定員[人] | 7人 |
税込価格[万円] | 291.0万円 |
発売日 | 2008/10/16 |
レポート | 松下宏 |
写真 | 森山良雄 |
(レポート:松下 宏)
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