ジープ グランドチェロキー試乗評価 もう武骨とは言わせない!?オシャレになったジープの長男坊登場!
非関税障壁をものともせず、かつて日本で大人気となったアメリカ車は?
ちょっと固い話になりますが、今アメリカと日本の間で争点となっているのがTPP 、環太平洋パートナーシップ協定。特に豚肉の関税と、自動車の非関税障壁が問題となりなかなか折り合いがつかないとか。んっ?自動車の非関税障壁?なんか昔聞いたような・・・。
かつては、フェンダーミラーや速度100km/h超での警告チャイムがないと日本で販売できないことなどがやり玉にあがった非関税障壁。アメリカの要求を受け入れ、それらが必須装備でなくなってからも日本におけるアメリカ車の販売台数は思ったほど伸びず、貿易摩擦解消のためトヨタ がGMのキャバリエを輸入して販売したりしていましたっけ。
そんな1990年代に、例外的によく売れたアメリカ車 がジープ ・チェロキー 。なんでも、アメリカの郵便配達人が車に乗ったまま各家庭の郵便受けに配達物を入れられるよう、歩道側が運転席となる右ハンドル仕様車も作っていたとかで、日本にもその仕様を持ってきたところこれが大当たり。無骨さを感じさせるアメリカンな車なのに、右ハンドルで気軽に乗れるということで大人気となったのでした。ホンダ が一時、自社の販売網で売っていたことも功を奏したと思います。
都会風のスタイリッシュなフォルムで、アーバン・インディアンにイメチェン!?
そんなチェロキーの兄貴分に当たるのが、このグランドチェロキー。名前からわかる通り「大きなチェロキー」ということで、メーカーも自らジープのフラッグシップモデルと呼ぶ、現在のラインナップ上の長男坊です。
その長男が、この度都会風に洗練されたフォルムで登場!「チェロキー」はインディアンの部族の名前ですから、まるで「アーバン・インディアン」にイメチェンしたみたい、と言ったらいいでしょうか。ライバルのフォード ・エクスプローラー やレンジローバー と同じようなスタイリッシュさを身につけた感じがします。
そしてライバル車以上にエンジン・バリエーション&グレード展開が豊富なのがグランドチェロキーの魅力。V6DOHC3.6L、210kW(286ps)のエンジンを搭載する「ラレード」「リミテッド」、ラグジュアリーな最高峰グレードでV8OHV5.7L、259kW(352ps)のエンジンを搭載する「サミット」、V8OHV6.4Lで344kW(468ps)を叩き出すHEMIエンジン搭載のトップ・パフォーマンス・モデル「SRT8」の3エンジン・4グレードの中から自分の好みの1台を選ぶことができます。
ボディサイズは試乗した「ラレード」で全長4,835mm☓全幅1,935mm☓全高1,825mm。「サミット」だと全長が4,880mm、「SRT8」だと全幅が1,985mmとなるなど、外観もグレードにより少しづつ差別化が図られています。
電子デバイスによるいろいろな機能を満載して、グローバルな優等生に変身!
駆動方式は全グレード4WDですが、「サミット」はメーカーがクォドラドライブ2と呼ぶ電子式LSD搭載の贅沢な機構を採用。ミッションは全車8AT、パドルシフト付き。
「リミテッド」「サミット」はクォドラリフトと呼ぶエアサスペンション装備で車高を5段階に変化させることが可能。「SRT8」もアダプティブダンピングサスペンション装備、と書ききれないほどいろいろな機能満載。
そんなグランドチェロキーのベーシックグレード、「ラレード」に試乗した感想は・・・、「扱いやすい!」
狭い山道に入って対向車とのすれ違いを体験したりしましたが、1,935mmという全幅にもかかわらず高い着座位置と見切りのいいボディ形状で離合もまったく不安なし。
操作性やパワートレインのクセもなく、右ハンドルのみの設定ということもあって少しも緊張することなく気楽に乗りこなすことができます。書ききれなかった電子デバイスによる豊富な機能装備が充実している点も、まるで国産車に乗っているかのような感覚。
ただ、人間満ち足りてしまうと物足りなくなってしまうもので、グローバルな優等生となった長男坊にも、もうちょっとアメリカの香りを発散してほしい、と思う人にはOHVエンジン搭載の「サミット」か「SRT8」をお勧めします。
他社のプレミアムSUVと同等の洗練された外観ながら、ワイルドな走りでアメリカン・スピリットを満喫させてくれること、きっと請け合いです、よ。
<レポート:堂島昭>
ジープ・グランドチェロキー価格、スペックなど
■ジープ・グランドチェロキー価格
・Laredo ¥4,503,600
・Limited ¥5,691,600 サンルーフ付 ¥5,853,600
・Summit ¥6,998,400
・SRT8 7,560,000
代表グレード | ジープ・グランドチェロキー ラレード |
---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 4835×1935×1825mm |
ホイールベース[mm] | 2915 |
車両重量[kg] | 2160kg |
総排気量[cc] | 3604cc |
最高出力[kw(ps)/rpm] | 210 (286)/6,350 (ECE) |
最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] | 347 (35.4kg・m)/4,300 (ECE) |
トランスミッション | 8速AT |
JC08モード燃費[km/L] | 8.6km/L |
定員[人] | 5人 |
消費税込価格[円] | 4,503,600 |
レポート | 堂島昭 |
写真 | 堂島昭 |
【関連記事】
- 【クライスラー ジープ 新型 グランドチェロキー 試乗評価】過去のイメージを捨て去り洗練の極みに
- クライスラー「ジープ・グランドチェロキー」をフルモデルチェンジ
- クライスラー「ジープ グランドチェロキー」のハイパフォーマンス仕様『ジープ グランドチェロキー SRT8』2010年モデル
- ジープ新車情報・試乗評価一覧
- フォード エクスプローラー新車情報・試乗評価一覧
- SUV新車情報・試乗評価一覧
【オススメ記事】
- 三菱エクリプスクロス試乗記・評価 さすが4WDの三菱! 豪快にリヤタイヤを振りだすような走りも楽しめる絶妙なS-AWCに脱帽!【レビュー】
- 【日産リーフ 長期評価レポートvol.6】 日差リーフの実電費チェック! (一般道編)コツコツ電費を稼ぐe-Pedal【評論家ブログ : 日産リーフ】
- メルセデス・ベンツSクラス新車情報・購入ガイド 約20年振りの直6エンジンに、ISGを組みあわせた次世代エンジンを搭載!【ニュース・トピックス】
- 【日産リーフ 長期評価レポートvol.5】 日差リーフの実電費チェック! (高速道路編)実電費アップは、こだわりの空力性能にあり!【評論家ブログ : 日産リーフ】
- 三菱エクリプスクロス新車情報・購入ガイド スタイルに走り、装備とスキ無しの完成度を誇るコンパクトSUV。ガソリン車だけしかないことが、唯一の弱点?【ニュース・トピックス】
- 【日産リーフ 長期評価レポートvol.4】 30歳代クルマ好き女性、初めての電気自動車! その評価は?【評論家ブログ : 日産リーフ】
- 日産セレナe-POWER新車情報・購入ガイド ついに、シリーズハイブリッドシステムを搭載したセレナ! 5ナンバーミニバン、ハイブリッド車戦争へ加速!!【ニュース・トピックス】
- マツダCX-8試乗記・評価 際立つ運転のしやすさ! こだわりの「躍度」を雪上でチェック!【レビュー】
- 日産テラ(TERRA)新車情報・購入ガイド ナバラベースのSUV中国でデビュー! 日本への導入は?【ニュース・トピックス】
- フォルクスワーゲン パサート新車情報・購入ガイド 遅れてきた大本命! クリーンディーゼルエンジンを搭載したTDIデビュー!!【ニュース・トピックス】
【関連記事】
- 三菱 アウトランダーPHEV新車情報・購入ガイド 大幅改良&値上げ。それでも、コスパ高し!!【三菱】
- 【動画】三菱トライトン 後悔・失敗しないための試乗レビュー ピックアップなのに、乗り心地が・・・【三菱】
- 三菱トライトン試乗記・評価 ピックアップなのに快適!?【三菱】
- 日産キックス新車情報・購入ガイド 特別感と充実装備が魅力の90周年記念車登場!【日産】
- 日産エクストレイル新車情報・購入ガイド 安全性をアップさせた仕様向上【日産】
- トヨタ ランドクルーザー250新車情報・購入ガイド やや大きくなったプラドの後継モデル。高リセール確実!?【トヨタ】
- スバル インプレッサ新旧比較 失敗・後悔しないクルマ選び【対決】
- 日産車雪上、試乗記・評価 雪道でe-4ORCEの実力は?【日産】
- ホンダZR-V vs 日産エクストレイルを徹底比較・評価! 失敗・後悔しない新車選び【対決】
- 三菱トライトン新車情報・購入ガイド タフネスさ溢れる漢のピックアップトラック!【三菱】
【オススメ記事】
- BMW M2クーペ(G87)試乗記・評価 「サーキットで乗ってみたい!」クルマ好き女子が試乗!【BMW】
- 2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー、栄えある10ベストカーが決定! 今年のナンバー1は、どのクルマに!?【イベント】
- 2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー、ノミネート車31台が決定!【イベント】
- マツダCX-80試乗記・評価 すべてに大人の余裕を感じた国内フラッグシップ3列SUV【マツダ】
- 三菱 アウトランダーPHEV新車情報・購入ガイド 大幅改良&値上げ。それでも、コスパ高し!!【三菱】
- スズキ フロンクス試乗記・評価 価格、燃費値を追加。欧州プレミアムコンパクトに近い上質感【スズキ】
- 日産セレナAUTECH SPORTS SPEC新車情報・購入ガイド 走りの質感を大幅向上した特別なモデル【日産】
- 日産セレナe-POWER新車情報・購入ガイド 待望の4WD「e-4ORCE」を搭載!【日産】
- ホンダ N-BOX JOY新車情報・購入ガイド オシャレ、かわいいクロスオーバーモデル【ホンダ】
- スズキ スペーシアギア新車情報・購入ガイド キープコンセプトだが魅力的!【スズキ】
CORISM公式アカウントをフォローし、最新記事をチェック!