ジープ グランドチェロキー試乗評価 もう武骨とは言わせない!?オシャレになったジープの長男坊登場!

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【クライスラー】2014/05/10

 

 

非関税障壁をものともせず、かつて日本で大人気となったアメリカ車は?

ジープ・グランドチェロキー

伝統の縦型7スロットグリルは継承するものの、グッと都会風になった新型ジープ・グランドチェロキー

 ちょっと固い話になりますが、今アメリカと日本の間で争点となっているのがTPP 、環太平洋パートナーシップ協定。特に豚肉の関税と、自動車の非関税障壁が問題となりなかなか折り合いがつかないとか。んっ?自動車の非関税障壁?なんか昔聞いたような・・・。

かつては、フェンダーミラーや速度100km/h超での警告チャイムがないと日本で販売できないことなどがやり玉にあがった非関税障壁。アメリカの要求を受け入れ、それらが必須装備でなくなってからも日本におけるアメリカ車の販売台数は思ったほど伸びず、貿易摩擦解消のためトヨタ がGMのキャバリエを輸入して販売したりしていましたっけ。

そんな1990年代に、例外的によく売れたアメリカ車 がジープ ・チェロキー 。なんでも、アメリカの郵便配達人が車に乗ったまま各家庭の郵便受けに配達物を入れられるよう、歩道側が運転席となる右ハンドル仕様車も作っていたとかで、日本にもその仕様を持ってきたところこれが大当たり。無骨さを感じさせるアメリカンな車なのに、右ハンドルで気軽に乗れるということで大人気となったのでした。ホンダ が一時、自社の販売網で売っていたことも功を奏したと思います。

ジープ・グランドチェロキー

リアビューもスタイリッシュにイメチェン。ぱっと見でグランドチェロキーとわかればかなりの通

ジープ・グランドチェロキー

試乗車はV6DOHC3.6Lエンジン搭載。この他V8OHVの5.7Lと6.4Lエンジン搭載車もあり

ジープ・グランドチェロキー

荷室容量は1,027L。電動のパワーリフトゲートは「ラレード」以外に標準装備

 

 

都会風のスタイリッシュなフォルムで、アーバン・インディアンにイメチェン!?

ジープ・グランドチェロキー

試乗車のグレードは「ラレード」(消費税込4,503,600円)。色はブライトホワイトクリスタルコート

 そんなチェロキーの兄貴分に当たるのが、このグランドチェロキー。名前からわかる通り「大きなチェロキー」ということで、メーカーも自らジープのフラッグシップモデルと呼ぶ、現在のラインナップ上の長男坊です。

その長男が、この度都会風に洗練されたフォルムで登場!「チェロキー」はインディアンの部族の名前ですから、まるで「アーバン・インディアン」にイメチェンしたみたい、と言ったらいいでしょうか。ライバルのフォードエクスプローラーレンジローバー と同じようなスタイリッシュさを身につけた感じがします。

そしてライバル車以上にエンジン・バリエーション&グレード展開が豊富なのがグランドチェロキーの魅力。V6DOHC3.6L、210kW(286ps)のエンジンを搭載する「ラレード」「リミテッド」、ラグジュアリーな最高峰グレードでV8OHV5.7L、259kW(352ps)のエンジンを搭載する「サミット」、V8OHV6.4Lで344kW(468ps)を叩き出すHEMIエンジン搭載のトップ・パフォーマンス・モデル「SRT8」の3エンジン・4グレードの中から自分の好みの1台を選ぶことができます。

ボディサイズは試乗した「ラレード」で全長4,835mm☓全幅1,935mm☓全高1,825mm。「サミット」だと全長が4,880mm、「SRT8」だと全幅が1,985mmとなるなど、外観もグレードにより少しづつ差別化が図られています。

ジープ・グランドチェロキー

グレードは「ラレード」のほか、「リミテッド」「サミット」「SRT8」の計4つと結構豊富

ジープ・グランドチェロキー

センターパネル組み込みのタッチスクリーンディスプレーは8.4インチと巨大

ジープ・グランドチェロキー

白以外はダーク系中心のボディ色。「SRT8」のみ赤色(レッドライン2コートパール)あり

 

電子デバイスによるいろいろな機能を満載して、グローバルな優等生に変身!

ジープ・グランドチェロキー

フォード・エクスプローラーやレンジローバーに対抗するようなモダンで洗練された外観

 駆動方式は全グレード4WDですが、「サミット」はメーカーがクォドラドライブ2と呼ぶ電子式LSD搭載の贅沢な機構を採用。ミッションは全車8AT、パドルシフト付き。

「リミテッド」「サミット」はクォドラリフトと呼ぶエアサスペンション装備で車高を5段階に変化させることが可能。「SRT8」もアダプティブダンピングサスペンション装備、と書ききれないほどいろいろな機能満載。

そんなグランドチェロキーのベーシックグレード、「ラレード」に試乗した感想は・・・、「扱いやすい!」

狭い山道に入って対向車とのすれ違いを体験したりしましたが、1,935mmという全幅にもかかわらず高い着座位置と見切りのいいボディ形状で離合もまったく不安なし。

操作性やパワートレインのクセもなく、右ハンドルのみの設定ということもあって少しも緊張することなく気楽に乗りこなすことができます。書ききれなかった電子デバイスによる豊富な機能装備が充実している点も、まるで国産車に乗っているかのような感覚。

ただ、人間満ち足りてしまうと物足りなくなってしまうもので、グローバルな優等生となった長男坊にも、もうちょっとアメリカの香りを発散してほしい、と思う人にはOHVエンジン搭載の「サミット」か「SRT8」をお勧めします。

他社のプレミアムSUVと同等の洗練された外観ながら、ワイルドな走りでアメリカン・スピリットを満喫させてくれること、きっと請け合いです、よ。

<レポート:堂島昭>

ジープ・グランドチェロキー

「ラレード」以外は500万円超え。最上級の「SRT8」は756万円

ジープ・グランドチェロキー

タイヤサイズはV6搭載車が265/60R18。V8搭載車は20インチを履く

ジープ・グランドチェロキー

気楽に乗れるプレミアムSUV。燃費だけ要注意!(V6車でJC08モード8.6km/L)

 

ジープ・グランドチェロキー価格、スペックなど

■ジープ・グランドチェロキー価格
・Laredo ¥4,503,600
・Limited ¥5,691,600 サンルーフ付 ¥5,853,600
・Summit ¥6,998,400
・SRT8 7,560,000

代表グレード ジープ・グランドチェロキー ラレード
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) 4835×1935×1825mm
ホイールベース[mm] 2915
車両重量[kg] 2160kg
総排気量[cc] 3604cc
最高出力[kw(ps)/rpm] 210 (286)/6,350 (ECE)
最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] 347 (35.4kg・m)/4,300 (ECE)
トランスミッション 8速AT
JC08モード燃費[km/L] 8.6km/L
定員[人] 5人
消費税込価格[円] 4,503,600
レポート 堂島昭
写真 堂島昭

 

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(レポート:堂島 昭

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