
まるでクーペを思わせる流麗なフォルムの4ドア車
ヨーロッパの自動車メーカーは最近、スタイリッシュな4ドア車作りに取り組む傾向が強まっている。日本ではその昔、トヨタ カリーナEDや日産 プレセアなどが流行った時代があったが、ヨーロッパでは数年前のメルセデス・ベンツ CLSに続き、ジャガーのXFやXJ、フォルクスワーゲンのパサートCCなど、クーペを思わせるルーフラインを持つ4ドア車が次々に登場している。最近では、クーペ風のルーフラインを持つSUVも登場しいてるほどだ。
そんな中で新しいクーペ風セダンとして登場したのがアウディ A5スポーツバックだ。アウディのラインナップの中でA5は、セダン/アバントのA4の基本プラットホームをベースにした2ドアクーペ/カブリオレだったが、今度はそのA5をベースにした4ドア車が作られた。オーソドックスなA4と違って、スタイリッシュな4ドア車に仕上げたことで、A4スポーツバックではなくA5スポーツバックを名乗ることになった。
そんな中で新しいクーペ風セダンとして登場したのがアウディ A5スポーツバックだ。アウディのラインナップの中でA5は、セダン/アバントのA4の基本プラットホームをベースにした2ドアクーペ/カブリオレだったが、今度はそのA5をベースにした4ドア車が作られた。オーソドックスなA4と違って、スタイリッシュな4ドア車に仕上げたことで、A4スポーツバックではなくA5スポーツバックを名乗ることになった。
4ドア車ながらクーペのような流麗なフォルムが与えられたA5スポーツバック。低めの全高のおかげもあり、どっしりとした安定感がある。
フロントからリヤへかけて、流れるようなライン構成となっている。ボディサイドやバンパーなどは立体的な造形で、躍動感を感じさせる。
大きなフロントグリルやLEDライト付きのヘッドライトなど、最近のアウディに共通するフロントマスク。上品で落ち着いた印象だ。
デザインだけでなくセダンとしての機能性にも配慮した
スタイリッシュなボディに加え、セダンとしての機能性や実用性、TFSIエンジンによる走りと燃費の高次元でのバランスなどがA5スポーツバックの特徴。全長とホイールベースはA4と変わらないサイズだが、全幅が広がって全高を低くしているので、ワイド&ローのスタイルが強調されている。
フロントのワンフレームグリルや本国ではデイタイムランニングライトして使われているLEDのボジショニングランプなど、アウディのアイデンティティーを表現する要素はしっかり盛り込まれている。バックドアはハッチバックタイプとされ、4ドアだが独立したトランクは設けられていない。
フロントのワンフレームグリルや本国ではデイタイムランニングライトして使われているLEDのボジショニングランプなど、アウディのアイデンティティーを表現する要素はしっかり盛り込まれている。バックドアはハッチバックタイプとされ、4ドアだが独立したトランクは設けられていない。
独立したトランクは持たず、ハッチバックボディとされた。リップスポイラー風の突起がスポーティな雰囲気。
リヤコンビランプはLED式で、視認性にも配慮している。マフラーは左右2本出しで、見た目にも走りの良さを感じさせてくれるもの。
18インチのタイヤ&アルミホイールが標準装備。スポーティな走りとしなやかな乗り味を両立している。

ドライバーを中心としたデザインのインテリアが好評価
アウディ A5スポーツバックのインパネ回りはアウディの文法に従ってデザインされており、センター部分をややドライバー側に傾けたドライバーオリエンテッドのデザインが採用されている。基本的にA4&A5系と共通したものだ。
プッシュ式エンジンスタートのボタンがセンターコンソールに設けられているのはアウディならではの特徴。コンソールにはMMIのダイヤル式コントローラーも設けられていて、独特の操作系が採用されている。インパネ上部に設けられたカーナビ用の液晶画面を見ながら、操作部分を見ることなく容易に操作できる。
プッシュ式エンジンスタートのボタンがセンターコンソールに設けられているのはアウディならではの特徴。コンソールにはMMIのダイヤル式コントローラーも設けられていて、独特の操作系が採用されている。インパネ上部に設けられたカーナビ用の液晶画面を見ながら、操作部分を見ることなく容易に操作できる。
インパネ中央をドライバー側に少し傾けることで、スポーティな雰囲気を演出。アウディらしい上質さも文句なしのレベルだ。
メーターは文字盤が大きくインフォメーションディスプレーの表示もはっきりしていて非常に見やすい。
アウディ A5スポーツバック MMIコントローラー
シートや天井の形状を工夫して居住性も良好評価
低全高でクーペ風のルーフラインを持つモデルだけに、気になるのは後席の居住空間だが、シートの座面や天井のトリムの形状を工夫することなどによって後席にも十分な空間が確保されている。フルタイム4WD車でセンタートンネルがあるため、後席の中央はやや窮屈だが、大人4人が乗るなら文句のない広さである。後席への乗降性に関しても特に不満のないレベルが評価される。
後部のハッチバックドアを開くとたっぷりしたラゲッジスペースがある。リヤシートの背もたれを倒せばさらに広い空間が作れる。
後部のハッチバックドアを開くとたっぷりしたラゲッジスペースがある。リヤシートの背もたれを倒せばさらに広い空間が作れる。
フロントシートはサイドのサポートがしっかりしており、長時間のドライブでも疲労感は少ない。使用される本革も質が高い印象だ
4人乗りとすることで、ゆったりとくつろげる空間となっている。天井部分の形状を工夫し、低い全高と頭上空間の余裕を両立させている。
ラゲッジの広さは十分で、大きな荷物も余裕で積み込める。リヤシートは左右分割化等式のため、乗車人数や荷物の量にあわせたアレンジもしやすい。

低速域から力強さを感じさせるターボエンジン
アウディ A5スポーツバックの基本メカニズムはA4&A5系のものが流用されている。A4に比べると車両重量が数十kg重くなっているが、これは走りのフィールに影響するほどではない。
搭載エンジンは直列4気筒2リッターで直噴ターボのTFSI仕様。211ps(155kW)のパワーはもちろんのこと、 35.7kg-m(350N・m)の最大トルクは自然吸気の3.5リッターエンジンに相当するものだから、まさに余裕十分といった感じだ。しかもそれをわずか1500回転で発生する。
アクセルを軽く踏み込むというか、アクセルペダルに軽く足を乗せるくらいの感じで、すぐにトルク感のある走りが得られるので、とてもスムーズで力強いエンジンという印象を受ける。これはとても好ましい印象だ。
搭載エンジンは直列4気筒2リッターで直噴ターボのTFSI仕様。211ps(155kW)のパワーはもちろんのこと、 35.7kg-m(350N・m)の最大トルクは自然吸気の3.5リッターエンジンに相当するものだから、まさに余裕十分といった感じだ。しかもそれをわずか1500回転で発生する。
アクセルを軽く踏み込むというか、アクセルペダルに軽く足を乗せるくらいの感じで、すぐにトルク感のある走りが得られるので、とてもスムーズで力強いエンジンという印象を受ける。これはとても好ましい印象だ。
A5スポーツバックに搭載されるエンジンは2リッターの直噴ターボのみ。低回転から太いトルクを生み出すので、非常に力強い印象だ。燃費も 12.0km/Lとターボ+4WDの組み合わせとしては良好な数値をマーク
ミッションは7速Sトロニックを採用。湿式クラッチタイプなので、ダイレクト感あふれる走りだけでなく、より滑らかな変速フィールも味わえる。マニュアルモードもあり、パドルでのシフト操作も可能だ。
ダイレクトで滑らかなシフトフィールとしなやかな乗り味が楽しめる
7速のSトロニックとの組み合わせも上々だ。ゴルフでは1.4リッターのTSI用に乾式の7速DSG、2リッターのTSI用に湿式の6速DSGを組み合わせているが、アウディは2リッターのTFSI用に湿式の7速Sトロニックを採用する。よりしっとりした変速フィールの得られる湿式Sトロニックのギアが 7速に刻まれているので、より少ないショックでスムーズな変速が可能だ。変速操作はパドルによっても可能で、ステアリングから手を離すことなくスポーティな走りが楽しめる。
試乗車にはアウディドライブセレクトと呼ぶ可変機構が採用されていた。コンフォート、ノール、ダイナミックの3モードの選択が可能で、これを選択することで、エンジンのレスポンスや吹き上がり、トランスミッションの変速スケジュール、サスペンションのショックアブソーバーの硬さ、ステアリングのレスポンスなどが変わるもの。モードによってかなりメリハリの効いた印象になる。
さらにインディビジュアルというモードも設定されているので、足回りは柔らかめだが、エンジンのレスポンスは敏感にといった設定をすることもできる。これもなかなか具合の良いものだ。
試乗車にはアウディドライブセレクトと呼ぶ可変機構が採用されていた。コンフォート、ノール、ダイナミックの3モードの選択が可能で、これを選択することで、エンジンのレスポンスや吹き上がり、トランスミッションの変速スケジュール、サスペンションのショックアブソーバーの硬さ、ステアリングのレスポンスなどが変わるもの。モードによってかなりメリハリの効いた印象になる。
さらにインディビジュアルというモードも設定されているので、足回りは柔らかめだが、エンジンのレスポンスは敏感にといった設定をすることもできる。これもなかなか具合の良いものだ。

代表グレード | アウディ A5スポーツバック 2.0TFSIクワトロ |
---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 4710×1855×1390mm |
車両重量[kg] | 1710kg |
総排気量[cc] | 1984cc(ターボ) |
最高出力[ps(kw)/rpm] | 211ps(155kw)/4300〜6000rpm |
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] | 35.7kg-m(350N・m)/1500〜4200rpm |
ミッション | 7速Sトロニック |
10・15モード燃費[km/l] | 12.0km/l |
定員[人] | 4人 |
税込価格[万円] | 575.0万円 |
発売日 | 2010/1/13 |
レポート | 松下宏 |
写真 | 近藤暁史 |
(レポート:松下 宏)
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