【BMW 320d BluePerformanceツーリング長期評価レポートvol.6】 勝つのはオレの足? それともECO PROか? 高速燃費をチェックする! [CORISM]

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2013/04/24

 

1周約35kmの首都高速で、ECO PRO VS コンフォートの高速燃費対決

BMW 320d BluePerformanceツーリング

シフトノブ右にあるスイッチがドライビング・パフォーマンス・コントロール

BMW320d BluePerformanceには、ECO PROモードという、より積極的に効率よく低燃費化する制御が装備されている。シフトレバー右にあるドライビング・パフォーマンス・コントロールをひと押しするだけで、制御は簡単に切り替わる。最近では、日産ノート がエコモードと呼ばれる低燃費制御を入れている。

こういった低燃費制御は、かなり便利。まず、運転が苦手な人にとっては、アクセルの踏みすぎなど、車両側がある一定の制御をしてくれることで、無駄な燃料を使わなくて済む。運転が上手い人は、元々よい燃費を出すコツを経験的にも分かっているので、効果は低くなるが、さすがに運転中こまめにエアコンの制御などできないし、長い時間集中してエコ運転するのはむずかしい。運転技量に差はあれ、ECO PROのような制御は楽に低燃費化できるとても便利な装備だ。

BMWによると、このECO PROによる効果は、最大で20%にもなるという。そう言われると、本当なのか? と、素直に信じられない人もいるだろう。そこで、ECO PROとオレの足、どっちが低燃費かをチェックしてみたい。

 

 

コンフォートで、なんと26.5km/Lの低燃費を叩きだしたBMW 320d BluePerformanceツーリング

BMW 320d BluePerformanceツーリング

コンフォートで走行した燃費データ。26.5km/Lという高速燃費は、ハイブリッド車並。

 今回は平均走行速度を同じにしやすいことを条件に、首都高速での燃費チェックとした。横浜の大黒埠頭にある大黒PAを起点として、東京方面に湾岸線を走り、川崎浮島ジャンクション経由で一旦川崎方面へ、首都高速1号線に合流し横浜方面へ。そして、スタート地点である大黒PAへ戻るという1周約35kmというルートだ。

さて、スタート。エンジンをスタートさせるとドライビング・パフォーマンス・コントロールは、コンフォートからスタートする。メーターでしっかりとコンフォートであることを確認して、ゆっくりとアクセルを踏む。湾岸線に入るまでの数キロは、ひたすら急激な登り坂なので当然、燃費は6km/L程度。

湾岸線に合流し、多少、アップ&ダウンはあるものの、燃費は一気に好転。速度はまわりの環境に合わせ90km/h前後。3車線ある中央を走行。すると、15km付近から、平均燃費計はあっという間に20km/Lをオーバー。20km/Lオーバー後は、ジリジリと燃費を上げる。

燃費が24km/L付近からは、なかなか向上しない。そんな状態から、首都高速1号線へ。流れがあまり良くなく、60~80km/hくらいに落ちてきた。70km/hくらいで走る時間も長くなり、平均速度も落ちてくると、同時に燃費計もジリジリと上向きに。速度が落ちれば、当然、空気抵抗も減り、エンジンの回転数も下がるので、燃費はよくなる。

なんと、大黒PA直前で26km/Lになった。大黒PAへは、一気に急坂を下る。そのため、アクセル開度は、ほぼオフになり惰性で下る。当然、急激に燃費に良くなり、PAに着き最終的な燃費を確認すると26.5km/Lという脅威の燃費を叩きだした。平均速度は73.4km/hだった。

BMW 320d BluePerformanceツーリング
BMW 320d BluePerformanceツーリング
BMW 320d BluePerformanceツーリング

さすがのECO PRO! さらに、燃費はアップし27.0km/Lを達成!!

 さて、次はECO PROでのチェック。メーター類をリセットし、ドライビング・パフォーマンス・コントールで、ECO PROモードへ。実際の走行パターンは、コンフォートで測定したように、ほぼ同じような走りを心がけた。オレの右足は、どれだけECO PROに近付くことができたのだろうか。

結果は、ECO PROモードで、なんと27km/L! わずか0.5km/L及ばず、オレの右足はECO PROに勝つことは出来なかった。平均速度は、71.7km/hと若干落ちたものの、大きな差はない。

今回、ECO PROとコンフォートで大きな違いが出なかった理由は、ちょっとしたエコラン状態になって走っていたからだ。下り坂では、ほとんどアクセルはオフ、登り坂も速度を極端に落とさないようにしながら、ジワジワとアクセルを開ける走りをしていた。そのため、必要最低限のトルクがあれば十分だったため、ECO PROがアクセル開度やパワーやトルクを制御する必要があまりなく、ほとんどエアコン制御で終始したためだろう。それでも、0.5km/L違うのだから、ECO PROの効果は大きい。

エコランではなく、普通に走っていてECO PROを使っていると、時々、確実にアクセル操作に対して反応が鈍くなる印象を受ける。このときは、ECO PRO制御で、アクセルの開度やパワーを調整している。恐らく、流れが遅く、減速&加速を繰り返すスピードの変化が多い高速道路などでは、かなりの効果を発揮してくれる。無駄なアクセルの踏み過ぎなどを制御してくれるからだ。こういった状態は、一般道でも同じで、欧州より日本でより高い効果が期待できる機能だろう。また、雨の日のドライブなどでは、フロントウィンドウの四隅が時々曇ることがある。これは、エアコンを不快になるギリギリまで制御している証でもある。

さて、しっかりとエコランでストレスを溜めた後は、発散しなくてはならない。このBMW 320d BluePerformanceが良いなぁ、と一番感じる部分は、一度、ドライビング・パフォーマンス・コントールをスポーツ、もしくはスポーツ・プラスにすれば、380Nmというガソリン4L車並の大トルクで、爽快なスポーツドライビングが楽しめる。抑えるところは、しっかり抑えて低燃費に。そして、楽しむ時は、とことん楽しめる。BMW 320d BluePerformanceは、燃費特化のハイブリッド 車には、今のところなかなか出来ない技をもったクルマなのだ。

BMW 320d BluePerformanceツーリング

ECO PROを使って走行した燃費データ。燃料がガソリンより20円/L前後安い軽油を使うBMW 320d BluePerformance。そのため、燃費がハイブリッド車並なら、燃料費はさらに安くなる。

BMW 320d BluePerformanceツーリング

ECO PROモードの設定画面。iDriveで簡単に操作可能。エアコンの制御や速度制御も、自分で決めることができる。

BMW 320d BluePerformanceツーリング

今回の燃費チェックの数字ではないが、ECO PROを使った結果、得した燃料で何キロ走れたか表示される。

 

BMW 320d BluePerformanceツーリング 価格 スペック 燃費 画像集など

BMW 320d BluePerformanceツーリング

・320d BluePerformanceツーリング 4,910,000円
・320d BluePerformanceツーリング Sport 5,110,000円
・320d BluePerformanceツーリング Modern 5,110,000円
・320d BluePerformanceツーリング Luxury 5,110,000円
・320d BluePerformanceツーリング M Sport 5,350,000円

BMW 3シリーズ ツーリング公式HPはコチラ

 

 

代表グレード BMW320d BluePerformance ツーリング Sport
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) 4,625×1,800×1,460mm
ホイールベース[mm] 2810mm
トレッド前/後[mm] 1,520/1,560mm
車両重量[kg] 1,620kg
総排気量[cc] 1,995cc
エンジン最高出力[ps(kw)/rpm] 135〔184〕/4,000rpm
エンジン最大トルク[N・m/rpm] 380〔38.7〕/1,750-2,750rpm
ミッション 8速AT
タイヤサイズ F:225/50R17 R:225/50R17
燃費 JC08モード 19.4km/L
定員[人] 5人
税込価格[万円] 511万円
燃料 軽油
レポート 編集部
写真 編集部/ユニットコンパス
BMW 320d BluePerformanceツーリング
BMW 320d BluePerformanceツーリング
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