軽自動車がライバルとなる非常に厳しいマーケットで戦うパッソ。燃費向上で、大幅戦闘力アップ!
トヨタ は、 コンパクトカー でトヨタ車最小モデルとなるパッソ を大幅マイナーチェンジし発売を開始した。トヨタ パッソは、2010年にデビューし2代目となった。ダイハツ ブーンと姉妹車関係にあり、ハード部分はダイハツ が担当するなど共同開発されているのが特徴。
トヨタ パッソは、開発当初から女性をターゲットにしたモデルとして企画された。多くの女性スタッフが参加し、女性目線を重視しされている。
女性目線をウリにデビューしたパッソだが、発売直後こそ1万台を超える販売台数を記録するも、その後は低迷。自販連車種別販売台数ランキングでも、コンパクトカーなのにベスト10内に入ることができないようになり、2013年のランキングでは15位で月平均4,000台弱という販売台数となった。
このいった結果は、パッソそのものが悪いわけではなく、このクラス全体が売れないマーケットとなっているのが主な要因。4mを大幅に切る3,650mmというサイズをもつものの、軽自動車 の全長3,395mmと比べると居住性では軽自動車が勝ってしまっていたりする。さらに、保有コストも大幅に軽自動車が勝るので、普段の足として使うなら軽自動車という選択になってしまうのが現状だ。ファーストカーとして使うのであれば、もう少し大きいホンダ フィット や日産 ノート 、多少高価でもハイブリッド のアクア という選択がされてしまう傾向があった。
さらに追い打ちをかけるように、軽自動車とパッソより少し大きいコンパクトカーが燃費戦争に突入していたこともあり、小さい軽自動車や少し大きいコンパクトカーよりも燃費が悪いという状況になってしまって、非常に選びにくい状況が続いていた。
約30%もの燃費向上。新世代エンジンだけでなく、安全装備も向上!
国内マーケットにおいて、サイズが微妙というのは、どうにもならないが、燃費は改善できる。今回登場した新型トヨタ パッソは、燃費性能をイッキ伸ばしてきたのが最大のポイントだ。マイナーチェンジ前のパッソ1.0Lの燃費は21.2㎞/Lだったものが、なんと27.6㎞/Lとなった。約30%もの燃費向上だ。95Nmとパッソ1.0L並みのトルクを出すターボ車であるワゴンR スティングレーの燃費が27.0㎞/Lなので、軽自動車のターボより燃費がいいことになる。
大幅に改良された1.0L 1KR型エンジンは、ハイブリッド用エンジンの技術が投入された新世代エンジン群のひとつ。トヨタは、こうしたエンジン群を2年間で14機種投入するという。
この新型パッソの1KR型エンジンが低燃費化にできたのは、最大熱効率37%を実現できたことによる。圧縮比を従来の10.5から11.5に高め、クールドEGRやエキゾーストマニホールド一体型シリンダーヘッドを採用した。さらに、エンジン以外では、減速エネルギー回生機能の強化や空力の改善も行われている。出力は、69ps&92Nmと同じ。最大トルクの発生回転数が4,400rpmと高くなっている。
残念ながら、すでに発表されている13.5という高圧縮比を実現した1.3Lエンジンは、新型パッソに搭載されておらず、既存のエンジンが使用されている。全体の約10%しか売れないということもあり、アイドリングストップ機能も装備されず、燃費は19.0㎞/Lと同じまま。まぁ、パッソは1.0L車を買え! と、いうトヨタのメッセージのようなものだろう。低燃費の新型1.3Lエンジンは、パッソよりひと回り大きいコンパクトカーであるヴィッツ に搭載予定だという。
そして、ようやく遅れていたアイドリングストップ機能が新型1.0Lエンジンに標準装備化された。遅れて標準装備化されたということもあり、車両が停止する前の約9㎞/hからエンジンを停止する機能がプラスされている。ダイハツ ムーヴ と同じタイプのアイドリングストップ機能だ。
こういった低燃費化技術の恩恵で、新型トヨタ パッソの燃費は27.6㎞/Lと低燃費化された。この燃費は、三菱ミラージュを上回りクラストップの低燃費性能をもつ。その結果、エコカー減税免税対象車となり、顧客へのメリットをより提示できるようになった。
また、新型パッソを高く評価したいのは、横滑り防止装置(VSC)が標準装備化されたことだ。ただし、ムーヴと同じ追突被害軽減自動ブレーキであるスマートアシストは装備されていない。
トヨタ パッソ価格、燃費、スペックなど
<トヨタ パッソ価格>
■X(FF) 1,257,709円
“V package” 1,098,655円
“L package” 1,293,055円
“G package” 1,356,873円
X(4WD) 1,398,109円
“L package” 1,433,455円
“G package” 1,497,273円
■G(FF 1.3L) 1,471,745円
■+Hana(FF) 1,444,255円
“C package” 1,355,891円
“G package” 1,501,200円
+Hana(4WD) 1,595,455円
“G package” 1,652,400円
■+Hana(FF 1.3L)1,605,273円
<トヨタ パッソ スペック>
代表グレード | トヨタ パッソ+Hana Gパッケージ |
---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 3,650×1,665×1,535mm |
ホイールベース[mm] | 2,440mm |
トレッド前/後[mm] | 1,455/1,465mm |
車両重量[kg] | 910kg |
総排気量[cc] | 996cc |
エンジン最高出力[kW(PS)/rpm] | 51(69)/6,000 |
エンジン最大トルク[N・m/rpm] | 92(9.4)/4,400rpm |
ミッション | CVT |
タイヤサイズ | 165/65 R14 |
JC08モード燃費 | 27.6km/L |
定員[人] | 5人 |
税込価格[円] | 1,501,200円 |
発売日 | 2014/4/14 |
レポート | 編集部 |
写真 | トヨタ |
【関連記事】
- 【トヨタ パッソ/ダイハツ ブーン 試乗評価】ダイハツの軽ノウハウを活かした新世代小型車
- 【トヨタ パッソ セッテ&ダイハツ ブーン ルミナス 試乗評価】気軽に使える3列小型ミニバン
- トヨタ パッソ新車情報・試乗評価一覧
- トヨタ新車情報・購入ガイド一覧
- トヨタ新車試乗評価一覧
- 新型 三菱ミラージュ新車情報/購入ガイド 動画追加! 祝! 復活ミラージュ。低価格、低燃費でコンパクトカー市場を席巻?
- 日産マーチ新車情報・試乗評価一覧
【オススメ記事】
- フォルクスワーゲン ポロ新車情報・購入ガイド ついに全長4m越えに! 3ナンバー化した6代目新型ポロは、1.0L直3ターボを搭載【ニュース・トピックス】
- 三菱エクリプスクロス試乗記・評価 さすが4WDの三菱! 豪快にリヤタイヤを振りだすような走りも楽しめる絶妙なS-AWCに脱帽!【レビュー】
- 【日産リーフ 長期評価レポートvol.6】 日差リーフの実電費チェック! (一般道編)コツコツ電費を稼ぐe-Pedal【評論家ブログ : 日産リーフ】
- メルセデス・ベンツSクラス新車情報・購入ガイド 約20年振りの直6エンジンに、ISGを組みあわせた次世代エンジンを搭載!【ニュース・トピックス】
- 【日産リーフ 長期評価レポートvol.5】 日差リーフの実電費チェック! (高速道路編)実電費アップは、こだわりの空力性能にあり!【評論家ブログ : 日産リーフ】
- 三菱エクリプスクロス新車情報・購入ガイド スタイルに走り、装備とスキ無しの完成度を誇るコンパクトSUV。ガソリン車だけしかないことが、唯一の弱点?【ニュース・トピックス】
- 【日産リーフ 長期評価レポートvol.4】 30歳代クルマ好き女性、初めての電気自動車! その評価は?【評論家ブログ : 日産リーフ】
- 日産セレナe-POWER新車情報・購入ガイド ついに、シリーズハイブリッドシステムを搭載したセレナ! 5ナンバーミニバン、ハイブリッド車戦争へ加速!!【ニュース・トピックス】
- マツダCX-8試乗記・評価 際立つ運転のしやすさ! こだわりの「躍度」を雪上でチェック!【レビュー】
- 日産テラ(TERRA)新車情報・購入ガイド ナバラベースのSUV中国でデビュー! 日本への導入は?【ニュース・トピックス】
【関連記事】
- 日産ノート オーラ新車情報・購入ガイド 大胆イメチェンしたプレミアムコンパクトカー【日産】
- トヨタ アクア新車情報・購入ガイド オシャレな上質感をまとった特別仕様車「Z Raffine(ラフィネ)」登場【トヨタ】
- BYD ドルフィン試乗記・評価 ゆるふわ系快適電気自動車【その他】
- 日産ノートe-POWER 新車情報・購入ガイド 斬新フロントフェイスとなったマイナーチェンジ【日産】
- スズキ スイフト新車情報・購入ガイド 予防安全装備&燃費が飛躍的進化!【スズキ】
- マツダ2 新車情報・購入ガイド 大幅イメチェンに成功した新グレード「BD」ってナニ?【マツダ】
- フォルクスワーゲン ポロ 対 ルノー ルーテシア徹底比較評価【対決】
- 日産ノート オーテッククロスオーバー+Active新車情報・購入ガイド よりSUVらしさを強調した新グレード追加!【日産】
- スズキ ソリオ/ソリオ バンディット新車情報・購入ガイド スズキ独自のハイブリッド搭載車を再投入!【スズキ】
- フィアット500e試乗記・評価 ビリビリ痺れる魅力満載【フィアット】
【オススメ記事】
- 速報!2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー「ホンダ フリード」に決定!!【イベント】
- トヨタRAV4(50系)新車情報・購入ガイド 新型RAV4デビュー直前? 最後の改良か?【トヨタ】
- 2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー 10ベストカー取材会開催!【イベント】
- 【動画】トヨタ アルファード (40系)後悔・失敗しないための内外装レビュー【トヨタ】
- ホンダWR-V試乗記・評価 大満足か後悔か? 成功か失敗か? 見極め重要なコンパクトSUV【ホンダ】
- 日産エクストレイル(T33型)vs トヨタ ハリアーハイブリッド(80系)徹底比較!【対決】
- 日産フェアレディZ新車情報・購入ガイド 2025年モデルが登場! 納期は? 転売ヤー対策は?【日産】
- BMW M2クーペ(G87)試乗記・評価 「サーキットで乗ってみたい!」クルマ好き女子が試乗!【BMW】
- 2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー、栄えある10ベストカーが決定! 今年のナンバー1は、どのクルマに!?【イベント】
- 2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー、ノミネート車31台が決定!【イベント】
CORISM公式アカウントをフォローし、最新記事をチェック!