【三菱アウトランダーPHEV 長期評価レポートvol.2】 いざとなればEVからハイブリッド! 急速充電器の普及が遅い東北だからこそわかるPHEVの実力。 「八重の桜」で人気の会津から伊達藩・仙台まで実走チェック!
PHEVの実力は長距離走らなきゃわからない!?話題の観光地をアウトランダーPHEVで周遊すると!?
今話題の映画といえば宮崎駿監督の「風立ちぬ」。主人公の堀越二郎は、零戦などを設計した三菱の著名なエンジニアです。その流れをひくのか三菱自動車もいろんな車両制御デバイスを積極的に開発・投入してくるメーカーです。
そんな三菱 の最新技術の結晶ともいうべき、アウトランダー PHEV の実力を実走行でチェックしレポートします!
できるだけ一般的な使い方をしてみて、その実力を探るべく、今回は今大河ドラマ「八重の桜」で人気の会津藩ゆかりの会津若松市から山形市を通って伊達藩の本拠仙台市まで、一般道と高速道を使って走ってみることにしました。東北地方は、東北自動車道などを含め、急速充電器が少なく、ほとんど三菱や日産のディーラーくらい。オプションの急速充電口を備えていたテスト車も、そう簡単に充電できない環境は、いざとなればEVからハイブリッドとして使えるPHEVとしての実力をチェックするうえで最適かもしれません。
スタート前の状況は、ガソリン満タンで充電は85%。バッテリーのみで52km走行可能と表示されていましたが、気温は30度以上の猛暑。エアコンは多くの電力を消費しますが、一般的な使い方ということで、エアコンをオフで走るなど小細工はせずに、常時温度設定は25度でフルオートに設定しました。
しかし、空いていて気持ちの良い道では、我慢できずについつい元気よく走ってしまう我慢できない右足をもつ中年オヤジなので、省燃費走行はあまり自信がないので。そんな、私がどんな数値をだすのか・・・。猛暑&我慢できない右足をもつ中年ドライバーと、三菱アウトランダーPHEVにとって、かなり厳しい戦いになるとは思いますが、さあ出発です!!
一般道を走行して急速充電設備のある山形県庁へ!バッテリー表示は減るけどガソリンは・・・。
最初の目的地は急速充電設備がある山形市内の山形県庁。約112kmの距離を喜多方市から米沢市まで国道121号、米沢市から山形市までは国道13号、と一般道で走行してみました。
まずは、国道121号へ。スタート時間が遅かったこともあり、道路は空いていて快適でした。アウトランダーPHEVは、充電されていれば通常はほぼEV 走行モードで走ります。電池残量少なくなると、エンジンで発電。大きな力が必要な時は、エンジンもアシスト。クルージングに入り、発電するよりエンジンの力で走るほうが効率的とクルマが判断するとエンジンで走ります。色々なモードがあるのですが、ドライバーは特に何かを操作する必要はありません。状況により、クルマが最も最適なモードを選択してくれるので、クルマに詳しくなくても安心です。
EV状態では、停止中はもちろん走行中も音や振動はほとんどなく安楽に走れるアウトランダーPHEVですが、実はエンジンがかかっても相変わらず音が静かなのです。意識してメーターを見るか、余程集中して乗らない限りハイブリッド状態になったということに気付かないほど。というのも、エンジンは発電のために使われるのが基本なので、普通のガソリン車のように速度に応じて回転数が上がりエンジン音が高まる、といったことがまずないからです。こういった体験は初めてでした。多くの人がアウトランダーPHEVに乗ると、驚きを隠せないと思います。
EV走行時にバッテリーだけでどこまで走れるかは、メーター内の「エネルギーフロー」表示で確認できます。喜多方市と米沢市との間にある峠道にかかりはじめた34.9km走行地点で、ついにエンジンが始動しました。基本的にEV走行では、走行速度に比例して電力を消費します。スピードを上げれば上げるほど、EV走行距離も短くなるのです。これはどんなEVも同じです。
「ああ、また私の右足は我慢できず省燃費走行に失敗・・・。まだ残り80km近くあるし、重さ2t近い車だからけっこうガソリン食うかも」と思いつつ、峠を越え山形県庁まで走行。しかしながらガソリン・メーターはまったく減る気配を見せず、エンジンがかかってからの燃費はメーター読みで25.6km/Lを記録!計算では約3Lのガソリンで会津若松市から山形市まで走ったのでした。高い経済性に驚きです。
山形市から仙台市まで高速道路を走行!バッテリーは早く減ったが、ガソリンはやっぱり・・・?
「しめしめ。これでエコラン下手との汚名を返上できるかも・・・」と思いつつ、山形県庁の設備をお借りして急速充電。道の駅や公共機関の充電設備は営業時間のみ利用可、というところが多いですが、山形県庁は24時間365日利用可能。利用に対する運営協力金も1回300円でした。
ただ、駐車場が広くて初めて行くと充電設備の場所を見つけるのに時間がかかるかも。出先で充電する場合は、予め利用予定の施設に設置場所や利用可能時間、利用に必要な金額等を確認しておくことをおすすめします。
急速充電設備は30分で80%充電されるものと思っていましたが、山形県庁のものは充電時間か充電率のどちらかを自分で設定する方式でした。ちょうどお昼時だったので、充電の間食事をとるつもりでしたが、どれくらいで戻ってこれるかわからないので充電率を選択し、なるべく多くということで95%と入力。40分後戻ってきたところ93%まで充電されていました。
そのまま山形自動車道に入り、高速道で仙台市に向かいます。仙台までの距離は約73km。「さっきと同じだと約半分くらいはバッテリーだけで行けるな」と思ったのもつかの間、高速道路ではみるみるバッテリーの残量が減っていきます。ややアップダウンがきつい高速ということもありましたが、結局29.2km走行した時点でエンジンが始動。やはり、速度が上がると電力の消費は激しいようです。
「うーん、40分間の充電が・・・」と思いましたが、その後はやはりガソリン・メーターはまったく減る気配を見せず、通常の車と同じく高速では燃費が伸びて、25.6km/Lからさらに改善して26.1km/Lにまでなったのでした。
計算では、約1.7Lのガソリンを消費。トータルでは185.7kmを約4.7Lのガソリンで走ったことになります。とうとうガソリン・メーターは、1メモリも欠けることなし。EV走行距離は約1/3の64.1km。名うてのエコラン下手の手にかかってこの数字。うーん、恐るべし、アウトランダーPHEV!
次回、仙台~東京440km走行レポートにご期待ください!
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