スズキ スペーシアギアvs中古車クロスビー 同価格帯比較・評価 失敗・後悔しないためのクルマ選び
スズキ スペーシアギアvs中古車クロスビー 同価格帯比較・評価の目次
新車スペーシアギアの価格で、中古車なら1クラス上のクロスビーが手に入る!お勧めは?
隆盛極まるSUVブーム。軽自動車やコンパクトカーにもSUVテイストを取り入れたモデルも続々と登場している。
そんな中、扱いやすいハイトワゴンとSUVのクロスオーバーモデルとして人気を得ているのが「スズキ クロスビー」だ。中古車の流通量も増えてきており、買い得感も出てきている。
その一方で、順調に販売台数を伸ばしているのが、スーパーハイト系軽自動車とSUVのクロスオーバーモデルであるスペーシアギアだ。
元々、スーパーハイト系の車両価格は高価なこともあり、新車のスペーシアギアと、1クラス上の中古車クロスビーの価格帯が同等レベルになってきた。
そこで、新車にこだわりスペーシアギアを選ぶべきなのか? それとも、1クラス上の贅沢ができる中古車クロスビーなのか? 購入後、後悔しないよう徹底比較評価した。
スズキ スペーシアギアの特徴
スズキ スペーシアギアは、2018年末に登場した。スーパーハイト系軽自動車のスペーシアがベースだ。
アンダーガード風にデザインされ、ガンメタ塗装された前後バンパーなどを装備し、タフでワイルドなSUVルックに仕上げている。
ベースとなっているスペーシアは、スーパーハイト系なので居住性や積載性に優れる。さらに、両側スライドドアなので、アウトドアレジャーなどでの使い勝手も抜群だ。SUVルックになったことで、アウトドアシーンに似合うモデルとなった。
スズキ クロスビーの特徴
スズキ クロスビーは、2017年末に発売されたAセグメントのコンパクトSUVだ。
ハイトワゴン系のボディをベースにSUV化されたクロスビーは、大きな丸形ヘッドライトが特徴的である。コンパクトカーらしい可愛らしさは、迫力を重視したデザインが多いSUVの中においてかなりユニークな存在といえる。
その一方で、バンパーやフェンダーまわりには十分なボリュームが与えられ、SUVらしいタフネスさも表現した。
また、軽自動車で鍛えたスズキの高効率パッケージにより、車内と荷室はとても広い。シートアレンジなども含め、使い勝手は抜群だ。
両車良好な燃費値
1.燃費比較
スペーシアギアの評価 4.0
クロスビーの評価 3.5
スズキ スペーシアギアと、スズキ クロスビーの燃費は以下の通りだ。(双方FF、WLTCモード)
スペーシアギア | 19.8~21.2km/L |
クロスビー | 18.2km/L |
両車マイルドハイブリッドシステムを搭載しているため、燃費値は良好だ。
クロスビーは、1.0Lターボ+6速ATの組み合わせ。さすがに660ccのスペーシアギアと比べると燃費値では負けるものの、その差はわずかである。
クロスビーのパワフルさを踏まえると、この燃費値であれば許容範囲といえるだろう。
新車のスペーシアギアよりも、かなり安価になってきた高年式中古クロスビー
2.価格比較
スペーシアギアの評価 3.0
クロスビーの評価 3.5
スズキ スペーシアギアの新車価格と、スズキ クロスビー新車価格と中古車相場は以下の通りだ。
スペーシアギア(新車) | 1,725,900円(XZ、FF)~1,922,800円(XZターボ、4WD) |
クロスビー(新車) | 1,840,300円(MX、FF)~2,245,100円(MZ、4WD) |
クロスビー(中古車相場) | 約1,400,000円~2,100,000円(2020年式) |
スズキ クロスビーはリセールバリューが高いため、中古車価格はやや高値を維持している。2020年式の中古車相場は、やや価格幅が広いものの、安価な価格帯の車両は買い得感が出てきている。
スペーシアギアの新車価格並みの予算があれば、1クラス上で高年式のクロスビーが十分に狙えるのだ。
どうしても軽自動車じゃなければダメ、という人以外は、より車内が広く、パワフルな中古のクロスビーという選択肢もアリだ。およそ170万円以下の中古クロスビーであれば、新車スペーシアギアよりも予算が節約できるメリットもある。
高額値引きは期待できないが、しっかりと競合させることが重要
3.購入時の値引き術
スペーシアギアの評価 3.0
クロスビーの評価 3.0
新車スペーシアギア、中古クロスビー共に、高額な値引きはあまり期待できない。少しでも値引きを引き出すには、ライバル車と競合させる必要がある。
スペーシアギアの直接的なライバル車は、ダイハツ タントファンクロスだ。ファンクロスとの競合は必須。その上で、同じスーパーハイト系であるホンダN-BOXなども加えて競合させるとよい。新車のクロスビーであれば、トヨタ ライズとの競合が効果的だ。
値引き交渉が厳しくなってきたら、現金値引きではなく、ディーラーオプションなどの用品サービスなどに切り替えてみるものいい。
中古車の場合、高額な現金値引きは行われない傾向がある。だがお店によっては一定の値引きに応じてくれる。
中古クロスビーもしっかりと値引き交渉したい。近隣に同じような価格帯の中古クロスビーがあれば、中古車同士競わせたい。同じような中古車が無ければ、新車同様、中古のライズなどを探して競合させるとよい。
中古車は現車での商売だ。即決を迫られるケースが多いが、営業マンの口車に乗るのは避けたいところだ。「納得のいく価格にならなければ、買わない」というスタンスで商談したい。
現金値引きが厳しいのであれば、中古車の有料延長保証やタイヤ交換などを条件にしてみるのもよい。
SUVトレンドとは逆!? 愛着がわく可愛らしいデザイン
4.デザイン比較
スペーシアギアの評価 4.0
クロスビーの評価 4.5
SUVのデザイントレンドは、とにかく迫力重視だ。押し出し感のある大きなグリルに薄型LEDヘッドライトを組み合わせることが多い。
だが、スペーシアギアとクロスビーは、SUVのトレンドとはまったく異なるデザインが採用されている。
両車共に、角を丸くした四角いボディに丸形のヘッドライトを組み合わせている。可愛らしく、愛着がわくシルエットにまとめている。
スペーシアギアは軽自動車のボディであるため、やや平面的なデザインだ。だがフロントフェイスに上手く凹凸を付け、存在感を表現している。
クロスビーのデザインは秀逸だ。ボディサイズの制約は軽自動車ほど厳しく無いため、面の張りも強く、SUVらしいタフネスさが表現された。小さなボディながら、意外なほど存在感がある。
室内スペースはクロスビーだが、スペーシアギアの両側スライドドアも捨てがたい。
5.室内空間と使い勝手
スペーシアギアの評価 4.5
クロスビーの評価 4.5
スズキ スペーシアギアと、スズキ クロスビーのボディサイズとホイールベースは以下の通りだ。
全長×全幅×全高 | ホイールベース | |
---|---|---|
スペーシアギア | 3,395mm×1,475mm×1,800mm | 2,460mm |
クロスビー | 3,760mm×1,670mm×1,705mm | 2,435mm |
驚きなのは、スペーシアギアのホイールベースだ。なんと、1クラス上のコンパクトカーであるクロスビーよりも長い。そのため後席足元はそれほど大きな差はない。
むしろスペーシアギアは、クロスビーより開放感を感じるほどだ。スペーシアギアは全高が高いため、頭上方向のスペースに余裕がある。
対するクロスビーは、全幅がワイドだ。フロントシートのカップルディスタンスに余裕があるのは、クロスビーとなる。
乗車定員も、軽自動車のスペーシアギアが4人であるのに対し、クロスビーは5人乗りだ。荷室も同様でクロスビーは横方向に広い。サイズにもよるが、ゴルフバックを真横に積むことができる。
両車共にアウトドアレジャーでの使用シーンが想定されている。一部グレードを除き、シート表皮は撥水加工タイプだ。小さな子供の食べこぼしなどもサッと拭き取れるため便利だ。
後席背面と荷室フロアは防汚タイプなので、濡れた荷物なども気兼ねなく積むことができる。小物入れなども充実している。
使い勝手で大きな差が付くのは、両側スライドドアだ。狭い場所や小さな子供の乗り降りでは、両側スライドドアが便利である。この部分は、スペーシアギアがリードする。
このように、それぞれ一長一短といった状態。購入後に、後悔しないためには、自分の使い方にどちらが合うのかジックリと検討することが重要だ。
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平均レベルの安全装備
6.安全装備の比較
スペーシアギアの評価 3.0
クロスビーの評価 3.0
スペーシアギアとクロスビーには、スズキの予防安全装備パッケージである「スズキセーフティサポート」が用意されている。
新車の場合、スペーシアはスズキセーフティサポートが全グレード標準装備だ。クロスビーは、MXグレードを除き標準装備化されている。
歩行者検知式自動ブレーキは、両車共に昼夜の歩行者検知が可能だ。誤発信抑制機能など、一定レベルの安全装備といえる。ただし、以下の検知にはまだ対応していない。
・自転車、自動二輪
・交差点内での右左折時の歩行者
・右折時の対向車
クロスビーは、2020年10月の改良で安全装備が向上し、以下の機能が搭載された。
・車線維持支援機能
・アダプティブクルーズコントロール(全車速追従機能付)
・デュアルカメラブレーキサポート(夜間の歩行者も検知)
クロスビーの中古車を選ぶなら、改良後モデルがお勧めだ。
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走行性能はクロスビーが圧勝!?
7.走行性能の比較
スペーシアギアの評価 3.0
クロスビーの評価 4.0
スズキ スペーシアギアと、スズキ クロスビーの出力、車重は以下の通りだ(全てFF)。
出力 | 車重 | |
---|---|---|
スペーシアギア 660cc自然吸気エンジン | 52ps&60Nm | 880kg |
スペーシアギア 660ccターボエンジン | 64ps&98Nm | 890kg |
クロスビー1.0Lターボエンジン | 99ps&150Nm | 960kg |
エンジンのスペックを比較すると、1.0Lターボを搭載するクロスビーが優位に立つ。クロスビーの最大トルクは150Nmと1.5L自然吸気エンジン並みだ。車重は960kgと軽いので、とても力強く感じる。この差は大きい。
スペーシアギアでお勧めなのは、ターボ車だ。自然吸気エンジンは、車重に対して出力が不足気味。急な登り坂や高速道路の合流などでは、やや非力に感じる。ロングドライブを楽しみたいのであれば、最大トルクに余裕があるターボ車がよい。それでも、クロスビーほどの余裕はない。
スペーシアギアは、やや硬めの乗り味だ。タイヤのゴツゴツ感も伝わってくる。スーパーハイト系は、背が高くいため重心も高いため、カーブではボディが大きく傾き横転リスクもある。そのため、サスペンションをやや硬めに設定し、車体をより安定させる傾向になるのは、他のスーパーハイト系と同様だ。
もうひとつの特徴が、横風への弱さだ。背が高く、車幅が狭いので仕方がない部分ではあるが、強い横風を受けると、車体がフラフラとして落ち着かない。
対するクロスビーの乗り心地は、なかなか快適だ。多少速度を増すとリヤサスペンションがドタバタする感覚もある。だが、サスペンションストロークを有効に使うことで、フラット感ある乗り心地とカーブでの安定性を実現している。エンジンもパワフルなので、ロングドライブも苦にならない。走りの質は、クロスビーの圧勝だ。
アウトドアレジャーで悪路を走る場合も、クロスビーが優位だ。
スペーシアギアの最低地上高は150mmと、ベースであるスペーシアと同じ。SUVのようなルックスになっているものの、悪路走破性は高くない。
対するクロスビーの最低地上高は180mmだ。余裕がある最低地上高とはいえないものの、ちょっとした悪路であれば十分に走り抜けることができるレベルである。スペーシアギアでは走れないような悪路であっても、クロスビーなら余裕で駆け抜ける。
<レポート:大岡智彦>
両車、高リセールバリューを維持
8.リセールバリュー比較
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