9月でエコカー補助金も終わり。中古車がさらに注目される![CORISM] [CORISM]

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【生活・文化】2010/06/24

9月でエコカー補助金が終了! エコカー減税は継続

平成22年度燃費基準&平成17年排出ガス基準 ステッカー

新車ではエコカー減税とエコカー補助金への対応はマストとなった。そのため、自動車メーカー各社はマイナーチェンジや一部改良で燃費を間然させるなどの対応を取ってきた。

 自動車重量税と自動車取得税が減免されるエコカー減税は2012年度まで続けられるが、エコカー購入補助金は3カ月後の2010年9月で終了する。志賀自工会長が「延長を求めることはない」といった意向を表明しているので、10月以降も継続されることになったり、あるいは来年度予算で復活したりする可能性はまずないと思う。
 エコカー購入補助金は、超低排出ガス仕様車(☆☆☆☆)で、平成22年度燃費基準+15%を達成したクルマを購入するときに支給されるもので、乗用車の場合は10万円(軽自動車は半額の5万円)が支給される。
 また登録から13年以上経過したクルマを解体に回して平成22年度燃費基準達成した新車を購入するなら、乗用車の場合は25万円(軽自動車は半額の12万5000円)が支給される。
 13年落ちのクルマを解体するときのほうが、購入するクルマの環境基準が甘くても良い設定で、補助金の額も大きくなっていた。日本の自動車の保有構造を、古くて環境性能の低いクルマから、環境性能の高いクルマに移行させようという趣旨のものだ。
 そんな趣旨で実施されていたエコカー補助金だが、それがエコカー減税と合わせて日本の自動車の需要構造を歪め、ひいては自動車メーカーのクルマ作りを歪めてきた面があったのは否定できない。最近ではエコカー減税&補助金の適用車でないと売れないというのに近い状況になっていたからだ。

補助金の終了で中古車の人気が高まる!?

中古車販売店 イメージ

エコカー減税とエコカー補助金を目当てに無理をして新車を買っていたユーザー層が10月以降は無理をせず、トータルで見れば家計にも優しい中古車に戻ってくるだろう。

 いずれにしても、エコカー購入補助金は、この9月で廃止される。これによってクルマの売れ行きが少しまともな状態に戻るのは間違いないだろう。
 新車を買うなら、エコカー減税&補助金で25万円〜40万円くらいのメリットが得られるケースがザラにあったが、中古車を買おうとするとこれが全く得られないのが普通だったから、中古車を買おうと思っていたユーザーが新車を買うケースが多くなっていた。
 軽自動車に多い新古車などは、これまでの新車との価格差に加えて、エコカー補助金のメリット分以上の価格差がないと売れなくなっていたら、事実上発生がなくなるに近い状態になっていた。
 なので、エコカー減税はまだ残るとは言うものの、これまではちょっと無理をしてでも新車を買っていたユーザーが、10月以降は無理をせずに中古車を買うケースが増えてくると思う。
 エコカー補助金の廃止によって新車の売れ行きが鈍った分が、丸々中古車の売れ行きの増加につながるかどうは難しいところだが、中古車の売れ行きが良くなるのは間違いない。

新車では軽自動車に注目が集まるか!?

中古車販売店 イメージ

エコカー減税&エコカー補助金制度で最も打撃を受けたと言えるのが軽自動車だ。10月以降は新車も中古車も軽自動車は売れ行きが上がるはずだ。

 また新車についていえば、登録車の売れ行きが落ち込んで軽自動車の売れ行きが戻ってくると思う。エコカー補助金について軽自動車は、補助金の額を半額にするといういわれなき差別を受けていたが、それがなくなるので無理して登録車を買っていたユーザーが、再び中古車を選ぶようになるはず。
 10月以降当面は、新車から中古車に移るユーザーより、登録車から軽自動車に移るユーザーのほうが多いかも知れない。昨年から今年にかけて、中古車よりも軽自動車のほうが割を食った印象が強かったからだ。軽自動車の新車の売れ行きが伸び悩んでいることが、それを端的に示してた。
 軽自動車は仮にエンドユーザーに売れなくても、ディーラーが自社登録(届け出)をして中古車市場に回す新古車が増えるのは間違いないから、軽自動車の新車販売台数の数字は確実に増えてくると思う。それが中古車市場に回ってくるのだから、軽自動車は新車も中古車も良く売れるようになるのではないか。
 今年の秋にはムーヴのフルモデルチェンジが予定されているが、これも軽自動車の売れ行きに拍車をかけると思う。
 そんなこんなで、10月以降は新車と中古車、登録車と軽自動車の売れ行きが、少しまともな状態に戻ってくる。エコカー補助金でメリットを受けた人も多いから、必ずしも悪いと思っていない人のほうが多いかも知れないが、基本的には行政が市場を歪めるような施策をとるのは良くない。
 政府が、国民から集めた税金を自動車メーカーの販売促進費として使うようなことは、二度としないほうが良いと思う。

(レポート:松下 宏

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