マツダ ロードスターRF試乗記・評価 ピュアスポーツというよりGT的な味付け

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【マツダ】2017/11/24

 

■ダイナミックな造形で迫力を増したロードスターRF

マツダ ロードスターRF

 1989年夏のデビュー以来、オープンカー市場を牽引してきたマツダ ロードスター。現行の4代目は、2015年春に登場した。伝統のソフトトップを基本としている。

そんなロードスターだが、2016年12月にスイッチ操作によってクーペを簡単にオープンルーフに変身させるロードスターRFを追加設定した。RFは「リトラクタブル・ファストバック」の頭文字を取ったものだ。

先代のNC型に設定されていたロードスターRHTより、外観ははるかにカッコいい。とくにサイドビューは伸びやかな印象だ。リアまわりもダイナミックな造形で、迫力を増した。

マツダの真摯なクルマ造りは、ロードスターRFにも受け継がれている。ドライビングポジションはピタリと決まるし、ペダルも操作しやすい。また、シートはフィットするし、本革巻きステアリングも握り心地がいい。センターコンソールの前側に設けられたスイッチを操作すると、わずか13秒でルーフまわりのパネルがトランクに収納され、オープントップになる。

ルーフを収納したときの印象は、ソフトトップを装備するロードスターとはまったくの別物だ。ピラーが残るため爽快感はロードスターに一歩譲る。

だが、快適性は高められた。高速走行しても風の巻き込みは少なくなっているし、静粛性も向上している。ボディデザインだけでなく、性格的にもスポーツカーというよりグランドツーリングカーに近い。

マツダ ロードスターRF
マツダ ロードスターRF
マツダ ロードスターRF

 

マツダ ロードスターRF

 

■乗り心地、静粛性とも向上したロードスターRF

マツダ ロードスターRF

 標準のロードスターとRFの性格が違うのは、搭載するスカイアクティブGエンジンが別物だからだ。ロードスターはP5-VP型と呼ばれる1.5L直列4気筒DOHCのスカイアクティブGを積む。これに対しロードスターRFは、2.0LのPE-VPR型直列4気筒DOHCを搭載する。トランスミッションは、どちらにも6速MTと6速ATを設定した。

両車ともプレミアムガソリン(ハイオク)を指定。RFの2.0Lエンジンは、最高出力は158ps(116kW)/6000rpm、最大トルクは20.4kg-m(200N・m/4600rpmだ。1.5ℓエンジンより実用域のトルクは太く、アクセルを踏み込むと力強い加速を披露する。

6速AT者はロードスターと同じギア比だが、ファイナルレシオをハイギアードとした。応答レスポンスは鋭く、アクセルを踏み込むと1.1トンのクーペボディを軽々と加速させる。

1.5Lエンジンは勾配のきつい登坂路や一気にスピードを上げたいときにキックダウンさせても加速が物足りなかった。RFでは、この弱点が解消されている。6速MTも小気味よく変速でき、混んだ街中でもフレキシブルな走りを見せつけた。ルーフのクローズド状態での静粛性も一歩上をいく。

マツダ ロードスターRF
マツダ ロードスターRF
マツダ ロードスターRF

 

■ロングドライブ派には、ロードスターRFがお勧め!?

マツダ ロードスターRF

 ただ、RFの2.0Lエンジンが1.5Lエンジンと比べて物足りないのは、高回転のキレとギアを選んでの操る楽しさだ。

ダブルウイッシュボーンとマルチリンクのサスペンションは変わらない。だが、タイヤは195/50R16から205/45R17にサイズアップされた。ショックアブソーバーもちょっとソフトにセッティングされている。ハンドリングは正確で、気持ちよく曲がるが、GT的な味わいが強い。

RFはボディの剛性がアップしているから、姿勢変化は小さく抑えられている。ステアリングを切り込んだときの応答性は、ロードスターより穏やかだ。そこからスッと切れ込んで、狙ったラインにきれいに乗せることができる。

RFは、剛性バランスを最適化するためにトンネルメンバーを追加した。ボディもしっかりしているから、荒れた路面を駆け抜けたときでもサスペンションの動きがよく、バタつかない。

また、荒れた路面でのショックの吸収も上手だ。とくに6速AT車は乗り心地がいいと感じる。どちらを選ぶか迷うが、パートナーと乗る機会が多い快適性重視派やロングドライブ派にはロードスターRFがおすすめだ。

マツダ ロードスターRF
マツダ ロードスターRF
マツダ ロードスターRF

 

■マツダ ロードスターRF価格

■マツダ ロードスターRF価格
・S 6MT 3,250,800円/6EC-AT 3,272,400円
・VS 6MT 3,585,600円/6EC-AT 3,607,200円
・RS 6MT 3,747,600円

■マツダ ロードスターRF燃費、ボディサイズ、スペックなど

■マツダ ロードスターRF VS 6AT
全長×全幅×全高 mm 3,915×1,735×1,245
室内寸法(長さ×幅×高さ) mm 940×1,425×1,040
ホイールベース mm 2,310
トレッド 前/後 mm 1,495/1,505
最低地上高 mm 145
車両重量 kg 1,130
ステアリング ラック&ピニオン式
サスペンション 前/後 ダブルウィッシュボーン式/マルチリンク式
ブレーキ 前/後 ベンチレーテッドディスク/ディスク
エンジン 型式 PE-VPR[RS]型 水冷直列4気筒DOHC16バルブ
総排気量L 1.997
ボア×ストローク mm 83.5×91.2
圧縮比 13.0
最高出力 kW〈PS〉/rpm 116〈158〉/6,000
最大トルク N・m〈kgf・m〉/rpm 200〈20.4〉/4,600
燃料供給装置 筒内直接噴射(DI)
使用燃料・タンク容量L 無鉛プレミアムガソリン 45
JC08燃費 km/L 15.6
最小回転半径m 4.7
トランスミッションタイプ 6EC-AT
価格 3,607,200円
レポート 片岡英明
写真 編集部

 

 

 

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(レポート:片岡 英明

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