「パジェロ」に次世代クリーンディーゼルを搭載した三菱自動車の技術力に迫る
【ビジネス・経済】2010/09/03
三菱 新型 パジェロ「SUPER EXCEED LONG ディーゼル車」
電気自動車やプラグインハイブリッドと並ぶ、三菱の環境への取り組み「クリーンディーゼル」
三菱自動車工業 RV商品開発プロジェクト 中島 嘉宏 プロジェクトマネージャー
最新EV(電気自動車)「iMiEV(アイミーブ)」の市販化に代表されるように、環境対策への取り組みを積極的に行う三菱自動車。同社が掲げる「環境ビジョン2020」では、その電気自動車普及に加え、プラグインハイブリッド車の市場導入や、既存のエンジン車についても燃費・環境性能の改善を図っていくと記されている。
そんな中、主力の大型SUV「パジェロ」へ、世界でも最も厳しいとされる排出ガス規制「ポスト新長期規制」に適合したクリーンディーゼルエンジンを搭載する と発表した。これにより話題のエコカー減税は、自動車取得税と自動車重量税が100%免税になるというハイブリッド車と同等の扱いとなるのだから、その技術力の凄さもわかるだろう。そんな新型パジェロのクリーンディーゼルについて報道向けの記者会見が行われたので、その模様をお届けしよう。
パジェロの統括を務める三菱自動車工業のRV商品開発プロジェクト 中島 嘉宏 プロジェクトマネージャーは、燃料代も経済的で、低速から力強いディーゼルはもともとパジェロの特性に合っていたと話す。事実、2代目パジェロが登場した頃の1990年代前半は、実に8割以上がディーゼルモデルで占めていたという。しかし日本市場では、発進時などに排出される黒煙モクモクなディーゼル車のイメージが次第に嫌われてゆき、RV車ブームが下火になるのと同時に、人気も低下。国内排ガス規制の強化と相まって90年代後半には需要は一気に激減していった。
他方、ガソリンエンジンに比べCO2排出量の少なさなどからむしろ「環境にやさしい」と評される欧州では、燃料噴射システムの進化や黒煙を抑えるDPF(フィルター装置)の技術が90年代後半より一気に進歩した。
そんな欧州への輸出も行い、他方ではディーゼルトラックなどを扱う三菱ふそうをグループ会社に持っていた三菱でも、それらの技術力を用いて、09年より旧「新長期規制」対応のパジェロ ディーゼルを市販化。好評を得ていたことから、今回「ポスト新長期規制」に準拠させた新エンジンを搭載したパジェロの投入につながった。
そんな中、主力の大型SUV「パジェロ」へ、世界でも最も厳しいとされる排出ガス規制「ポスト新長期規制」に適合したクリーンディーゼルエンジンを搭載する と発表した。これにより話題のエコカー減税は、自動車取得税と自動車重量税が100%免税になるというハイブリッド車と同等の扱いとなるのだから、その技術力の凄さもわかるだろう。そんな新型パジェロのクリーンディーゼルについて報道向けの記者会見が行われたので、その模様をお届けしよう。
パジェロの統括を務める三菱自動車工業のRV商品開発プロジェクト 中島 嘉宏 プロジェクトマネージャーは、燃料代も経済的で、低速から力強いディーゼルはもともとパジェロの特性に合っていたと話す。事実、2代目パジェロが登場した頃の1990年代前半は、実に8割以上がディーゼルモデルで占めていたという。しかし日本市場では、発進時などに排出される黒煙モクモクなディーゼル車のイメージが次第に嫌われてゆき、RV車ブームが下火になるのと同時に、人気も低下。国内排ガス規制の強化と相まって90年代後半には需要は一気に激減していった。
他方、ガソリンエンジンに比べCO2排出量の少なさなどからむしろ「環境にやさしい」と評される欧州では、燃料噴射システムの進化や黒煙を抑えるDPF(フィルター装置)の技術が90年代後半より一気に進歩した。
そんな欧州への輸出も行い、他方ではディーゼルトラックなどを扱う三菱ふそうをグループ会社に持っていた三菱でも、それらの技術力を用いて、09年より旧「新長期規制」対応のパジェロ ディーゼルを市販化。好評を得ていたことから、今回「ポスト新長期規制」に準拠させた新エンジンを搭載したパジェロの投入につながった。
先進のクリーンディーゼル技術、その柱は「燃焼制御技術」「噴射系技術」「後処理技術」
三菱自動車工業 EV・パワートレイン要素研究部 竹村 純 部長
この次世代環境対応の新ディーゼルエンジンは、欧州の需要や日本の厳しい排出ガス規制などをクリアすべく開発された。三菱自動車工業のEV・パワートレイン要素研究部 竹村 純 部長は、その技術的特長は大きく分けて3つあるとした。1つはディーゼルエンジンの燃焼制御技術。2つめは燃料(軽油)の噴射系技術。そして最後はエンジンからの排気に対する後処理技術だ。
特に1つめの燃焼制御技術の中でも、圧縮比低下(16.0)により、排出ガスや燃費、さらには出力の向上を見込めるようになったのが大きいと話す。ちなみに欧州向けのRVRなどに搭載される1.8リッターや2.2リッターの乗用車向けターボディーゼルエンジンはさらに凄く、世界一の低圧縮比14.9を実現させている(※日産がエクストレイルに搭載するクリーンディーゼルエンジンの圧縮比は15.6)。
他方、ターボディーゼルエンジンの重量増やコスト増などに対しても、低圧縮比化によりアルミブロックの採用が可能となり、軽量化や基本構造の合理化が実現したことで、結果として対処出来たのだと説明する。
また排出ガスについてはNOXトラップ触媒システムのみで対処しており、尿素水溶液を用いて後処理を行う欧州メーカーとの技術力の違いを見せた。竹村氏(前出)は、もともと三菱がガソリンの直噴エンジンGDIなどで培ってきた技術によるものだと胸を張る。
なお今回のパジェロ改良にあわせ、ガソリンエンジンモデルについてもエンジン制御の最適化による燃費の向上により一部モデルがエコカー減税50%に適合したり、ディーゼルモデルも含めた全モデルが「ブレーキオーバーライド制御」を採用し、発進時の誤操作などによる飛び出し事故を未然に防ぐことが出来るようになるなど、地道な改善も図られている点も追記しておこう。
先進のエコ技術を取り入れ生まれ変わった新型パジェロ。しかしこうなると、やや旧態依然としたクロカン四駆としての成り立ちが、そろそろ気になってくるのも事実。パッケージングやボディ設計、走行性能など、こちらも次世代SUVとしての新提案が早く見てみたいものだ。
【関連記事】
■三菱 パジェロに待望のポスト新長期規制適合クリーンディーゼルを搭載[2010.09.02/CORISM]
■【三菱 新型 パジェロ ディーゼル 試乗記】環境性能はもろちん、走りもさらにパワフルに![2010.09.02/CORISM]
特に1つめの燃焼制御技術の中でも、圧縮比低下(16.0)により、排出ガスや燃費、さらには出力の向上を見込めるようになったのが大きいと話す。ちなみに欧州向けのRVRなどに搭載される1.8リッターや2.2リッターの乗用車向けターボディーゼルエンジンはさらに凄く、世界一の低圧縮比14.9を実現させている(※日産がエクストレイルに搭載するクリーンディーゼルエンジンの圧縮比は15.6)。
他方、ターボディーゼルエンジンの重量増やコスト増などに対しても、低圧縮比化によりアルミブロックの採用が可能となり、軽量化や基本構造の合理化が実現したことで、結果として対処出来たのだと説明する。
また排出ガスについてはNOXトラップ触媒システムのみで対処しており、尿素水溶液を用いて後処理を行う欧州メーカーとの技術力の違いを見せた。竹村氏(前出)は、もともと三菱がガソリンの直噴エンジンGDIなどで培ってきた技術によるものだと胸を張る。
なお今回のパジェロ改良にあわせ、ガソリンエンジンモデルについてもエンジン制御の最適化による燃費の向上により一部モデルがエコカー減税50%に適合したり、ディーゼルモデルも含めた全モデルが「ブレーキオーバーライド制御」を採用し、発進時の誤操作などによる飛び出し事故を未然に防ぐことが出来るようになるなど、地道な改善も図られている点も追記しておこう。
先進のエコ技術を取り入れ生まれ変わった新型パジェロ。しかしこうなると、やや旧態依然としたクロカン四駆としての成り立ちが、そろそろ気になってくるのも事実。パッケージングやボディ設計、走行性能など、こちらも次世代SUVとしての新提案が早く見てみたいものだ。
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4M41型3.2リッターコモンレール式ターボディーゼルエンジンは最高出力190ps(140kW)/3500rpm、最大トルク45.0kg-m(441N・m)/2000rpmと、従来型に比べ出力で12%、トルクで19%もの性能向上を図っている。燃費も10・15モード燃費で10.6km/Lと6%向上した。
大気汚染の原因のひとつである窒素酸化物(NOX)を無害な窒素などに還元させる「NOXトラップ触媒」は、従来型パジェロの新長期規制対応型をベースに、貴金属量の増量に頼らず高効率化を図ることで性能向上を実現させた。
「DPF」(ディーゼル・パティキュレート・フィルター)は、排出ガスに含まれるPM(粒子状物質)を捕集するフィルター。排ガスなどの熱エネルギーを用いてPMを燃焼させることで堆積したPMを除き、自己再生を図る優れモノだ。
三菱 新型 パジェロ「EXCEED LONG ディーゼル車」
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