ホンダ グレイス(GRACE) ハイブリッド試乗記、評価 使い勝手の良い、手頃なサイズのハイブリッドセダン

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【ホンダ】2015/01/06

 

■ホンダ車種ラインアップの穴を埋める役割を担う新型グレイス ハイブリッド

ホンダ グレイス(GRACE) ハイブリッド

ホンダ は最近、軽自動車フィットヴェゼル などを中心に販売を伸ばしているが、ラインナップ全体を見渡すと、軽自動車から上級車まで幅広い車種を持つフルラインメーカーだ。

そのホンダのラインナップに欠けていたのがコンパクトセダン だ。かつて、シビックがあった部分が現在ではラインナップの穴になっていた。そこに投入されたのが、コンパクトセダンである新型ホンダ グレイスだ。

新型ホンダ グレイス(GRACE)は、タイを中心にした東南アジアでシティの名前で呼ばれている。フィット 系のプラットホームを使って作られた小型セダンで、タイでは2014年初頭に発売されている。それを日本仕様に仕上げて販売することになったのが、新型グレイスだ。

ホンダは、フィットのセダン版であるフィットアリアをタイで生産して日本に輸入していた時代がある。だが、今回のモデルは日本の寄居工場で生産したクルマが販売されている。新型グレイス(GRACE)がタイのシティと異なるのは、パワートレーンにスポーツハイブリッドi-DCDを採用することだ。タイでは一般的なガソリンエンジン車しか販売していないが、日本では取り敢えずハイブリッド 車だけが設定されている。

タイでガソリン車しか発売されていないということは、逆に考えると、いつでもハイブリッドだけでなくガソリン車も販売できるという状況にあるということでもある。ホンダは、まずハイブリッドを出してみて、その売れ行きとニーズを見極めてからグレイスのガソリン車を導入するつもりなのだろう。

ホンダ グレイスはフィット系の基本プラットホームを採用して作られたクルマなので、ボディは5ナンバーサイズに収まる手頃なものだ。シビックやアコードが肥大化しすぎて日本で販売できなくなったり、売れ行きが鈍ったりしていることを考えたら、改めて5ナンバー枠に収まる小型セダンというのは一定の価値がある。

ホンダ グレイス(GRACE) ハイブリッド
ホンダ グレイス(GRACE) ハイブリッド
ホンダ グレイス(GRACE) ハイブリッド
ホンダ グレイス ハイブリッド

■スタイリッシュなデザインに、広い室内スペースをもつグレイス。手頃な5ナンバーサイズセダンとして価値ある1台!

ホンダ グレイス ハイブリッド

 ホンダ グレイスの外観デザインは、セダンとしては相当にカッコ良い。前後のピラーの傾斜を強め、流れるようなルーフラインで構成されるダイナミックなクーペ風のフォルムを作っている。ピラーを傾斜させることは、乗降性や視界を悪化させることにつながりかねないので単純にほめられる話ではないが、カッコ良いデザインであることもクルマには大切だ。低く構えフロントノーズには、ベースグレードを除き、先進感のあるLEDヘッドランプが採用されている。

室内空間は、たっぷりした広さがある。フィット系のセンタータンクレイアウトの基本プラットホームは、コンパクトなボディの中に広い室内空間を作れることが定評がある。そのフィットをベースにホイールベースを延長しているから、室内空間が広くなるのも当然である。特に後席の居住空間は、ホンダ車では上級セダンのアコードに匹敵する広さとを確保したとのことで、大人がゆったり座れる広さがある。

スタイリッシュなデザインにした影響か、頭上空間の余裕はさほどではないが、足元空間の広さは正にたっぷりだ。コンパクトなグレイスが上級車のアコードを上回るような広さを持つのは、下克上といっても良い。

グレイスはプラットホームこそフィット系だが、インテリアは大半の部分が専用にデザインされた。心地好さや上質さを追求したインテリアで、フィットと共通なのはセレクターレバーやメーターパネルのディスプレーなど、ごく一部にとどまっている。トランクは430Lの容量があり、ゴルフバッグを3個積めるとのことだ。

デザインのカッコ良さや室内の広さによって、グレイスは改めてセダンの魅力をアピールするクルマになった。ミニバン や軽自動車ばかりが売れるのが今の日本だが、オーソドックスなセダンを求めるユーザーがなくなったわけではない。手頃なセダンを待っていたというユーザーも多いのではないだろうか。

また、カローラ ハイブリッド系には無い4WD の設定があるのも新型グレイスが上手く差別化できているポイント。4WD化すると、若干燃費が悪くなることから、多くのガソリン車がエコカー減税の恩恵が少なくなっている。また、免税レベルのハイブリッド車は、ほとんど4WDの設定が無かったことから、4WDを必要とする雪国の顧客にエコカー減税のメリットが提供できていなかった。ホンダは、グレイスを始め多くのハイブリッド車に4WDを設定しているので、雪国の顧客に向けてもハイブリッドの低燃費とエコカー減税のメリットを提示できていることは高く評価できる。

ホンダ グレイス ハイブリッド
ホンダ グレイス ハイブリッド
ホンダ グレイス ハイブリッド

■ホンダ グレイス価格、スペックなと

ホンダ グレイス ハイブリッド

■ホンダ グレイス価格
・グレイスHYBRID DX FF 1,950,000円
4WD 2,144,400円
・グレイスHYBRID LX FF 2,040,000円
4WD 2,293,800円
・グレイスHYBRID EX FF 2,210,000円
4WD 2,409,800円

定員[人]5人

代表グレード ホンダ グレイスHYBRID LX
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) 4,440×1,695×1,475mm
ホイールベース[mm] 2,600mm
車両重量[kg] 1,180kg
総排気量[cc] 1,496cc
エンジン最高出力[ps(kw)/rpm] 110(81)/6,000rpm
エンジン最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] 13.7(134)/5,000rpm
モーター最高出力[ps(kw)] 29.5ps(22kw)
モーター最大トルク[kg-m(N・m)] 16.3kg-m(160N・m)
システム全体出力[ps(kw)] 137ps(101KW)
ミッション 7速DCT
JC08燃料消費率[km/l] 33.4km/l
価格 2,040,000円
レポート 松下 宏
写真 編集部

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(レポート:松下 宏

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