トヨタ クラウンマジェスタ ハイブリッド新車試乗・評価 優れたパフォーマンスながら、問題はクラウンとの差別化と存在意義

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【トヨタ】2014/01/14

 

 

トヨタブランドのフラッグシップなのだが・・・。

トヨタ クラウンマジェスタ ハイブリッド

 トヨタブランドのフラッグシップモデルであるクラウン マジェスタがフルモデルチェンジを受けた。新型クラウン マジェスタは、今回のモデルが6代目に当たる。いつの間にかモデルを重ねてきたという印象だ。

ただ、当初はクラウンシリーズの一員というかトップ・オブ・クラウンだったマジェスタが、4代目、5代目あたりではクラウンから独立したクルマになりそうな勢いだったのに、今回のマジェスタは改めてクラウンシリーズの一部としてバリエーション追加の形でフルモデルチェンジを受けている。

そんなこともあって、ロイヤルやアスリートなどクラウンの段階から感じていたことだが、トヨタ内でトヨタブランドの扱いが低下しているように感じさせられる。本来なら、レクサスのLS、GS、ISに対し、マジェスタ、クラウン、マークXという図式が描かれるはずだ。

それなのに、ハイブリッド車についていえば、クラウンの対抗がIS300hで、今回のマジェスタにはGS用のハイブリッドシステム搭載しているのだから、何をかいわんやである。

トヨタ クラウンマジェスタ ハイブリッド
トヨタ クラウンマジェスタ ハイブリッド
トヨタ クラウンマジェスタ ハイブリッド
トヨタ クラウンマジェスタ ハイブリッド

かなり出来はよいのだが、クラウンとの差別化が明確でない

トヨタ クラウンマジェスタ ハイブリッド

 新型マジェスタのボディは、クラウンに対してホイールベースが75mm長い。といっても従来のマジェスタと同じ長さだ。プラットホームは、キャリーオーバーしている。ぱっと見た感じはまるでクラウンロイヤルにしか見えない。単にボディをストレッチしただけで、グリルのデザインはロイヤルと似たものとされているのだから、普通のユーザーが見たらロイヤルと間違えてしまうのも無理はない。

確かにグリルの枠の中のバーは、ロイヤルが横桟基調でマジェスタが縦型とされるなどの違いはあるが、ひと目で違うクルマと分かるほどではない。しかも、グリル中央のエンブレムはトヨタマークからクラウンの王冠に戻った。

インテリア回りの雰囲気にしても、相当に良くできているとはいえ、基本造形はクラウンと共通で、使われているのは木目パネルではなく木目調パネルやステアリングだったりする。これがマジェスタなのかと思わされる残念な部分だ。あまりにクラウンとの違いが小さいからだ。

後席に座ると、長いホイールベースの効果がはっきりと感じられ、ゆったりと足を組めるような空間が広がっている。特に後席重視仕様のFパッケージでは、電動リクライニングシートなどによって快適な室内空間が作られていて、相当に良くできているという印象だった。

トヨタ クラウンマジェスタ ハイブリッド
トヨタ クラウンマジェスタ ハイブリッド
トヨタ クラウンマジェスタ ハイブリッド

圧倒的なパワー、優れた乗り心地と静粛性、しかし、トヨタのフラッグシップなのに、安全装備は物足りない

トヨタ クラウンマジェスタ ハイブリッド

 新型マジェスタは、V型8気筒エンジンをなくしてV型6気筒3.5Lエンジン+電気モーターのハイブリッドシステムを搭載する。これは、基本的にGS450hや旧型クラウンのハイブリッドに搭載されていたのと同じものだ。動力性能は、エンジンが215kW/354N・m、電気モーターが147kW/275N・mで、上級のFR車用に開発された高度なシステムだ。システムとしては252kWを発生する。

すでに定評を得ているハイブリッドシステムで、走りに関しては何の不満もない。発進は電気モーターだけで走り出し、低速域ではスムーズそのものといった感じの走りを示す。アクセルを踏み込んだときのパワーフィールも上々だ。

新型マジェスタは、ボディをストレッチしたことなどによって車両重量は180O㎏を超えているが、重さを苦にしないだけの動力性能を備えている。軽井沢で峠越えの道を試乗したが、余裕を感じさせる走りの性能を見せた。

静粛性は、クラウンのハイブリッド車を上回るものだ。クラウンのハイブリッドは、4気筒エンジンを搭載するため、振動や騒音の面ではやや不利になるところがある中で静粛性を確保していたが、V型6気筒エンジンを搭載するマジェスタの静粛性はひとランク上のものとなっている。

もうひとつ好感を持てたのは、乗り心地の良さだ。マジェスタならではの快適性に優れた足回りを備えるのに加え、クラウンに比べて長いホイールベースが乗り心地に貢献している。

高級車であるだけに、装備の充実度が高いのは当然のことだが、今回のマジェスタでは安全装備のプリクラッシュセーフティシステムが仕様ダウンしてしまった。LSには最新・最高のシステムが採用されるのに、マジェスタは並みの仕様に変わってしまった。

旧型では、ミリ波レーダーとステレオカメラを組み合わせて人間も認識できる方式だったのに、新型ではミリ波レーダーだけになり、人間を認識できなくなった。しかもFパッケージには標準だが、マジェスタにはオプション設定なのだから、これは何とも物足りない。

マジェスタからクラウン・マジェスタに変わるとともに、格下げされた感の強い今回のモデルは、このクルマをあえて作り続ける必要があるのかどうかと思わせるような部分が多々あるように思えた。

トヨタ クラウンマジェスタ ハイブリッド
トヨタ クラウンマジェスタ ハイブリッド
トヨタ クラウンマジェスタ ハイブリッド
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トヨタ クラウンマジェスタ価格

●トヨタ クラウンマジェスタ価格
クラウンマジェスタ         6,100,000円
“Fバージョン” 6,700,000円

トヨタ クラウンマジェスタ燃費、ボディサイズなどスペック

代表グレード トヨタ クラウンマジェスタ
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) 4,970×1,800×1,460mm
ホイールベース[mm] 2,925mm
総排気量[cc] 3.456cc
エンジン最高出力[ps(kw)/rpm] 292(215)/6,000rpm
エンジン最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] 36.1(354)/4,500rpm
モーター最高出力[ps(kw)] 200(147)
モーター最大トルク[kg-m(N・m)] 28.0(275)
システム全体[ps(kw)] 343(252)
車両重量[kg] 1,810
ミッション 電気式無段変速機
タイヤサイズ 225/50R17
燃費 18.2km/L
定員[人] 5人
税込価格[万円] 610万円
燃料 無鉛プレミアムガソリン
レポート 松下宏
写真 編集部

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(レポート:松下 宏

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