内外装のデザインだけでなくエンジンや自慢のSH-AWDにも手を加えた
ホンダのフラッグシップカーとなる最上級セダンのレジェンド(KB2型)は、2004年10月に現行モデルがデビューし、SH-AWDと呼ぶ独自の4WDシステムを採用するなどした点が評価を集め、この年の日本カー・オブ・ザ・イヤーと同アドバンスド・テクノロジー賞を受賞した。2008年に9月には前後のデザインを変更したほか、SH-AWDの機能を変更するなど、さまざまな面での魅力アップを図ったマイナーチェンジを実施した。
外観デザインは、フロントグリルのデザインを変更して一段と存在感のあるものとしたほか、歩行者傷害に対応するバンパーの延長などによってボディサイズもやや大きくなった。ホンダは今年発売したインスパイアが、レジェンドよりも大きくなっていたため、それに対応してボディサイズを拡大する必要にも迫られていた。また床下回りの空力を改善するなど、見えない部分でも変更が行われている。
歩行者傷害への対応ということでは、下肢傷害に対応するバンパー部分の改良だけでなく、ポップアップエンジンフードによる頭部傷害にも対応しており、最高水準の歩行者傷害対応性能を備えるようになった。
搭載エンジンはV型6気筒3.5リッターから3.7リッターへの排気量アップが図られた。これによって動力性能は309ps(227kW)/37.7kg-m(370N・m)になり、300ps超えを実現した。エンジンが大きくなるのは必ずしも良いことばかりではないが、大柄なボディのAWDということもあり、車両重量が 1800kg台とけっこう重いので、動力性能にはより余裕が欲しいということだろう。
また今回のモデルから足回りを固めたユーロ系の2グレード設定するなど、バリエーションの拡充が図られた。標準系の最上級グレードであるIには先にホンダのテストコースでちょい乗りしていたが、今回は都内でユーロSに試乗した。
ユーロSに乗って走り出すと、レジェンドがホンダの高級車であることがすぐに分かる。ほかのメーカーでは、高級車といえば柔らかめの乗り味のクルマとするのが普通だが、レジェンドの中でもユーロは特に、スポーティな感じの硬めの乗り味を示すからだ。
逆に言えばロードノイズが入ってくるなど、振動・騒音の面ではほかの高級車に比べてやや劣っている印象もあるが、単に静かなクルマが良いというわけではないというのがホンダの考えでもある。
外観デザインは、フロントグリルのデザインを変更して一段と存在感のあるものとしたほか、歩行者傷害に対応するバンパーの延長などによってボディサイズもやや大きくなった。ホンダは今年発売したインスパイアが、レジェンドよりも大きくなっていたため、それに対応してボディサイズを拡大する必要にも迫られていた。また床下回りの空力を改善するなど、見えない部分でも変更が行われている。
歩行者傷害への対応ということでは、下肢傷害に対応するバンパー部分の改良だけでなく、ポップアップエンジンフードによる頭部傷害にも対応しており、最高水準の歩行者傷害対応性能を備えるようになった。
搭載エンジンはV型6気筒3.5リッターから3.7リッターへの排気量アップが図られた。これによって動力性能は309ps(227kW)/37.7kg-m(370N・m)になり、300ps超えを実現した。エンジンが大きくなるのは必ずしも良いことばかりではないが、大柄なボディのAWDということもあり、車両重量が 1800kg台とけっこう重いので、動力性能にはより余裕が欲しいということだろう。
また今回のモデルから足回りを固めたユーロ系の2グレード設定するなど、バリエーションの拡充が図られた。標準系の最上級グレードであるIには先にホンダのテストコースでちょい乗りしていたが、今回は都内でユーロSに試乗した。
ユーロSに乗って走り出すと、レジェンドがホンダの高級車であることがすぐに分かる。ほかのメーカーでは、高級車といえば柔らかめの乗り味のクルマとするのが普通だが、レジェンドの中でもユーロは特に、スポーティな感じの硬めの乗り味を示すからだ。
逆に言えばロードノイズが入ってくるなど、振動・騒音の面ではほかの高級車に比べてやや劣っている印象もあるが、単に静かなクルマが良いというわけではないというのがホンダの考えでもある。
ほかの高級車に比べて、スポーティさを重視したエクステリアデザイン。だが、質感の高さは車格にふさわしく、高級感も感じさせてくれる。
2本出しのマフラーなどが、スポーティさを強調している。リヤコンビランプのデザインも変更され、よりスタイリッシュなフォルムに変身。
大型のフロントグリルはメッキが施され、高級感と存在感の高さは文句なし。ヘッドライトの形状も変更されるなど、新鮮さは失われていない。
いかにもホンダ車らしいスポーティな雰囲気のインテリア。質感の高さも文句なしで、フラッグシップモデルにふさわしい高級感を備えている。
スポーツグレードのユーロは、赤いステッチ入りの本革シートやステアリングを装備。快適性はもちろん、コーナーでのホールド感も抜群だ。
後席は前後のスペースも十分で、ゆったりとくつろげる。ただ、頭上の空間はライバルに比べるともう少し余裕があってもいいかもしれない。
独特の重厚感ある加速が味わえるのが魅力を高評価
排気量アップによる動力性能の向上は、特に中低速域のトルクの向上に振り向けられており、発進時からとても力強い加速を感じさせる、まさに高評価といえよう。重量ボディを押し出していく重厚感のある加速フィールは独特のものだ。もう少し軽快な感じがあってもよいが、重厚な加速感は高級車らしさに通じるものでもあり、軽々しい感じになってもいけない。
今回の改良でSH-AWDが1速からでも機能するようになったというが、それは都内のドライのオンロードでは良く確認できなかった。アクセルを踏み込んだ瞬間からインパネ内に設けられたSH-AWDのインジケーターが動いて機能しているのが分かるが、それがはっきり体感できるほどではない。
ステアリングを操作しながら発進するような形でインジケーターを確認しようとしたら、その状態ではステアリングパッドが邪魔をしてインジケーターが見えなくなってしまう。このあたりは一考が必要だが、アイスバーン状になった雪道の交差点近くでは、これまで以上に走りやすくなることは容易に想像できる。
このほか横滑り防止装置のVSAと電子制御パワーステアリングを総合制御してクルマを安定方向にモーションアダプティブ EPSも採用されているが、これも都内の一般道では挙動を乱すような走りをして確認することはできなかった。
レジェンドの価格は大幅な魅力アップもあってかなり高くなり、新設定のユーロSには593万円の価格が設定されている。HDDナビなども標準なのでオプション装着なしでも乗れるのだが、だとしてもかなり高くなった印象を受けるのは止むを得ない。レジェンドを買うならユーロSを選ぶか、あるいはベースのレジェンドが555万円なので、これを選ぶかのどちらかだろう。
今回の改良でSH-AWDが1速からでも機能するようになったというが、それは都内のドライのオンロードでは良く確認できなかった。アクセルを踏み込んだ瞬間からインパネ内に設けられたSH-AWDのインジケーターが動いて機能しているのが分かるが、それがはっきり体感できるほどではない。
ステアリングを操作しながら発進するような形でインジケーターを確認しようとしたら、その状態ではステアリングパッドが邪魔をしてインジケーターが見えなくなってしまう。このあたりは一考が必要だが、アイスバーン状になった雪道の交差点近くでは、これまで以上に走りやすくなることは容易に想像できる。
このほか横滑り防止装置のVSAと電子制御パワーステアリングを総合制御してクルマを安定方向にモーションアダプティブ EPSも採用されているが、これも都内の一般道では挙動を乱すような走りをして確認することはできなかった。
レジェンドの価格は大幅な魅力アップもあってかなり高くなり、新設定のユーロSには593万円の価格が設定されている。HDDナビなども標準なのでオプション装着なしでも乗れるのだが、だとしてもかなり高くなった印象を受けるのは止むを得ない。レジェンドを買うならユーロSを選ぶか、あるいはベースのレジェンドが555万円なので、これを選ぶかのどちらかだろう。
エンジンは300cc排気量がアップし、 3.7リッターとなった。中低速域のトルクアップが図られ、重厚感のある加速が味わえるのが特徴だ。
ミッションは全車5速ATとなる。ほかのフラッグシップセダンでは6速AT以上を採用しているだけに燃費面なども含め、やや物足りない印象だ。
18インチの大径タイヤ&ホイールを装着する。ほかの高級車に比べノイズなどは大きめだが、いかにもホンダ車らしいスポーティな乗り味だ。
メーターにはSH-AWDの作動状況を表わすインジケーターが装着されている。視認性も高く、スポーティさと高級感も兼ね備えている。
ナビやオーディオ、そしてエアコンなどのスイッチ類はインパネ中央にまとめられている。走行中でも操作しやすいサイズと形状が印象的だ。
左右の張り出しが少し気にはなるが、実用上十分な容量を確保している。センター部分にはトランクスルー機構も備え、長尺物の搭載も可能だ。
ホンダ レジェンド(KB2型) 燃費、ボディサイズ、スペックなど
代表グレード | ホンダ レジェンド(KB2型) ユーロS |
---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 4985×1845×1455mm |
車両重量[kg] | 1830kg |
総排気量[cc] | 3664cc |
最高出力[ps(kw)/rpm] | 309ps(227kw)/6300rpm |
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] | 37.7kg-m(370N・ m)/5000rpm |
ミッション | 5速AT |
10・15モード燃焼[km/l] | 8.5km/l |
定員[人] | 5人 |
税込価格[万円] | 593.0万円 |
発売日 | 2008/9/5 |
レポート | 松下宏 |
写真 | 近藤暁史 |
(レポート:松下 宏)
【オススメ記事】
- 三菱エクリプスクロス試乗記・評価 さすが4WDの三菱! 豪快にリヤタイヤを振りだすような走りも楽しめる絶妙なS-AWCに脱帽!【レビュー】
- 【日産リーフ 長期評価レポートvol.6】 日差リーフの実電費チェック! (一般道編)コツコツ電費を稼ぐe-Pedal【評論家ブログ : 日産リーフ】
- メルセデス・ベンツSクラス新車情報・購入ガイド 約20年振りの直6エンジンに、ISGを組みあわせた次世代エンジンを搭載!【ニュース・トピックス】
- 【日産リーフ 長期評価レポートvol.5】 日差リーフの実電費チェック! (高速道路編)実電費アップは、こだわりの空力性能にあり!【評論家ブログ : 日産リーフ】
- 三菱エクリプスクロス新車情報・購入ガイド スタイルに走り、装備とスキ無しの完成度を誇るコンパクトSUV。ガソリン車だけしかないことが、唯一の弱点?【ニュース・トピックス】
- 【日産リーフ 長期評価レポートvol.4】 30歳代クルマ好き女性、初めての電気自動車! その評価は?【評論家ブログ : 日産リーフ】
- 日産セレナe-POWER新車情報・購入ガイド ついに、シリーズハイブリッドシステムを搭載したセレナ! 5ナンバーミニバン、ハイブリッド車戦争へ加速!!【ニュース・トピックス】
- マツダCX-8試乗記・評価 際立つ運転のしやすさ! こだわりの「躍度」を雪上でチェック!【レビュー】
- 日産テラ(TERRA)新車情報・購入ガイド ナバラベースのSUV中国でデビュー! 日本への導入は?【ニュース・トピックス】
- フォルクスワーゲン パサート新車情報・購入ガイド 遅れてきた大本命! クリーンディーゼルエンジンを搭載したTDIデビュー!!【ニュース・トピックス】
【関連記事】
- BYDシール(SEAL)試乗記・評価 日本勢脅威のスポーツセダン【その他】
- マツダEZ-6(イージー シックス)新車情報・購入ガイド 長安汽車の電動技術を使った合作電動車、初公開!【マツダ】
- トヨタ カローラシリーズ新車情報・購入ガイド スポーティな特別仕様車「ACTIVE SPORT」新投入!【トヨタ】
- 日産車雪上、試乗記・評価 雪道でe-4ORCEの実力は?【日産】
- BMW i7試乗記・評価 2つの顔を持つ電気自動車のフラッグシップセダン【BMW】
- AFEELA Prototype JAPAN MOBILITY SHOW 2023レポート【ホンダ】
- 日産スカイラインNISMO/NISMOリミテッド新車情報・購入ガイド ニスモ流GTの極め方とは?【日産】
- BMW5シリーズ(G60)新車情報・購入ガイド BEVメイン!? 戦略的価格で勝負!【BMW】
- ニュルブルクリンク24時間レース スバル応援ツアーレポート【BLOG】
- BMW 5シリーズ(G60)新車情報・購入ガイド 意外とコンサバだが、デカい!【BMW】
【オススメ記事】
- 2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー、栄えある10ベストカーが決定! 今年のナンバー1は、どのクルマに!?【イベント】
- 2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー、ノミネート車31台が決定!【イベント】
- マツダCX-80試乗記・評価 すべてに大人の余裕を感じた国内フラッグシップ3列SUV【マツダ】
- 三菱 アウトランダーPHEV新車情報・購入ガイド 大幅改良&値上げ。それでも、コスパ高し!!【三菱】
- スズキ フロンクス試乗記・評価 価格、燃費値を追加。欧州プレミアムコンパクトに近い上質感【スズキ】
- 日産セレナAUTECH SPORTS SPEC新車情報・購入ガイド 走りの質感を大幅向上した特別なモデル【日産】
- 日産セレナe-POWER新車情報・購入ガイド 待望の4WD「e-4ORCE」を搭載!【日産】
- ホンダ N-BOX JOY新車情報・購入ガイド オシャレ、かわいいクロスオーバーモデル【ホンダ】
- スズキ スペーシアギア新車情報・購入ガイド キープコンセプトだが魅力的!【スズキ】
- 【動画】三菱トライトン 後悔・失敗しないための試乗レビュー ピックアップなのに、乗り心地が・・・【三菱】
CORISM公式アカウントをフォローし、最新記事をチェック!