新型トヨタ カローラスポーツ新車情報・購入ガイド「カローラブランドのリブランディング? 走りにこだわった超低燃費ハッチバック」動画あり
若い世代はカローラを知らない? カローラブランドは復活するのか?
トヨタは、Cセグメントの5ドアハッチバックである新型カローラスポーツの発売を開始した。
日本マーケットにおいて、新型トヨタ カローラスポーツは、同じ5ドアハッチバックであるオーリスの後継モデルとなる。
トヨタは、この新型カローラスポーツを20歳台や30歳台に売りたいとしている。中高年のカローラブランドのイメージは、もはやおじいちゃんのクルマだ。アクシオなどのユーザーは、平均70歳台に突入していると言われている。
そんな中、カローラブランドをより若々しいブランドイメージに変える役割を担うのがカローラスポーツということになる。中高年にとって、おじいちゃんのクルマであるカローラブランドだが、若年層にとっては認知すら進んでいない現状がある。認知が進んでいないブランドなら、スポーティで若々しいイメージを刷り込むことができるという狙いもあるようだ。新型カローラスポーツは、カローラブランドのリブランディングを狙ったモデルという側面もあるのだ。
新型カローラスポーツのプラットフォーム(車台)は、基本的にプリウスやC-HRと同じ。そのため、新型カローラスポーツに搭載されるパワーユニットは、1.2Lターボと1.8Lハイブリッドが用意された。スポーツという車名通り、走りを鍛えたモデルとなった。
また、同時に発売された新型クラウン同様、コネクティッドカーとしての価値をアピールする。車両データをディーラーと共有することで、修理や点検などが円滑に行われたり、ヘルプネットなど利便性の高いサービスが利用可能となる。
新型トヨタ カローラスポーツの価格は、2,419,200円から。
ライバルVWゴルフより、やや長いボディサイズをもつ新型カローラスポーツ
新型トヨタ カローラスポーツは、カローラと名が付くものの、国内で売られているカローラアクシオやカローラフィールダーとは全く異なる。アクシオやフィールダーは、アクアやヴィッツといったモデルと基本的に同じBセグメント用プラットフォーム(車台)が使われている。
それに対して、新型カローラスポーツは、プリウスやC-HRなどと同じCセグメントのプラットフォームが使われている。新型カローラスポーツのボディサイズは、全長4375×全幅1790×全高1460mm、ホイールベース 2640mmとなった。全長や全高は似たアクシオと似たようにサイズなのだが、全幅だけは95㎜もワイドになり、3ナンバーサイズになっている。
また、グローバルでライバルとなるフォルクスワーゲン ゴルフと比べると、新型カローラスポーツは、全長で+110㎜、全幅+10㎜、全高-20㎜、ホイールベース+5㎜となった。新型カローラスポーツは、ゴルフに比べ全長がやや長い。
洗練度を増してきた「キーンルック」デザイン
新型トヨタ カローラスポーツのフロントデザインは、トヨタ独自のキーンルックが採用された。このキーンルックと呼ばれる個性的なデザインは、アンダープライオリティとセットのようになっていて、台形形状の大型ロアグリルにアッパー部を合わせることで立体的な造形とした。
このキーンルック、最初は違和感だけが先行していたが、色々な車種に使われていくうちに、徐々に洗練されてきた。新型カローラスポーツでは、柔らかな面とシャープな線を上手くインテグレートさせていて、なかなかスポーティで高い完成度を誇る。
新開発のスポーツシートを採用したインテリア
新型カローラスポーツのインテリアは、水平基調のデザインが採用され広々とした空間を表現。インパネセンター部には、7インチTFTマルチインフォメーションディスプレイを設置。やや高めの位置にあるものの、視線移動量が多くもう少し奥にモニターを設置したほうが視認性は向上する。
シートは、車名にスポーツと入ることもあり、スポーツシートとスポーティシートの2タイプが用意された。スポーツシートは、ホールド性能を徹底的に追求した新開発。肩部の張り出し形状を最適化。コーナリング時の高い横Gがかかっても、しっかり身体をサポートする。
スポーティシートは、一般的なシートと比べややホールド性重視した。身体に負担が少ない運転姿勢を保ち、長時間の運転でも疲れにくいシートとした。
このシートには、タンカラーやレッド系のレザーもオプションで設定され、より上質でスポーティな空間にすることが可能だ。
34.2㎞/L! 圧倒的な燃費性能を誇る1.8Lハイブリッド
新型カローラスポーツに搭載されるパワーユニットは、1.8Lハイブリッドと1.2Lターボの2タイプが用意された。新開発された2.0Lエンジンは、日本マーケットへの導入は見送られている。
売れ筋となるのは、プリウスやC-HRと基本的に同じ1.8Lのハイブリッド車だ。システム出力は122psで、燃費は34.2㎞/Lと優れた数値となった。この1.8Lハイブリッドは、応答レスポンスを高めラバーバンドフィールを改善している。しかし、やはりシステム上限界があり、一般的なATなどと比べるとダイレクト感は足りない。スポーツドライビングという視点では、やや物足りない感じが残る。
国内トヨタブランド初のiMTを用意した1.2Lターボ
一方で1.2Lは、116ps&185Nmを誇る。燃費は19.6㎞/Lとなった。パワーや燃費などは、一般的なダウンサイジングターボといった印象。しかし、1.2Lという絶対的な排気量が少ないため、市街地などでのストップ&ゴーなどでは、ターボの過給待ちによるレスポンスの悪さや、非力感を感じる。ターボの過給がかかっている状態では、十分な加速力を誇るが、スポーツなのかというと微妙。
また、1.2LターボもミッションはCVT。10速スポーツシーケンシャルシフトマチックが採用されてはいるので、CVT特有のラバーバンドフィールが気にならなければ、スポーティな走りも可能だ。
また、国内トヨタブランドとしては初となるiMT(インテリジェントマニュアルトランスミッション)が用意された。ドライブモードセレクトでSPORTモードを選択すると、iMTがスタンバイ状態になる。コンピューター制御により、エンジン回転数をクルマが自動的に合わせて、スムーズな変速をアシストする。素早いクラッチ操作でもショックが少ないのが特徴で、ちょっと運転が上手くなった気がする。
さらに、エンストするリスク軽減機能もあり、発進時にクラッチ操作を検出すると、エンジン出力を最適に調整(トルクアップ)。クラッチのみでの発進操作をよりスムーズに行えるようになった。
減衰力を自動調整するAVSが用意され、よりスポーティな走りをアピールする新型カローラスポーツ
サスペンションもプリウスなどと同じ。フロントは、マクファーソンストラット式、リヤはダブルウィッシュボーン式だ。ただし、細部は新型カローラスポーツ用になっている。C-HRに採用されたザックス製ダンパーではなく、新型カローラスポーツ用に新開発したダンパーを採用。オイルや構成部品などの組み合わせ約600パターンに及ぶ走行試験を行い、上質な乗り心地と操舵応答性を両立した。
また、ダンパーの減衰力が可変式となるリニアソレノイド式AVSは、トヨタブランドFF車として国内初採用となる。このAVS装着車は、5タイプのドライブモードに対応。ECO、COMFORT、NORMAL、SPORT S、SPORT S +と呼ばれるモードをドライバーが自ら選択できる。
クラストップレベルの実力! 日本の狭い道でも使い勝手が良好な取り回し
3ナンバーサイズになり、使い勝手面でやや不安が残る新型カローラスポーツ。しかし、新型カローラスポーツの最小回転半径5.1m。Cセグメントのハッチバックの中で、トップクラスの取り回しの良さを実現。最近のトヨタグローバルモデルの中でも、これだけ最小回転半径が小さいモデルは珍しい。
高評価!夜間の歩行者も検知! より安心・安全になった「トヨタセーフティセンス」を全車標準装備。しかし・・・
新型カローラスポーツの安全装備は、第2世代型の予防安全パッケージ「トヨタセーフティセンス」が全車に標準装備された。第2世代になったことで、夜間の歩行者検知や昼間の自転車検知も可能となった。歩行者死亡事故の多くが夜間に発生しているだけに、実際の事故形態により適合した安全装備といえ、もしもの時に頼りになる。
また、サイド&カーテンエアバッグやニーエアバッグも全車に標準装備化されており、どのグレードを選んでも一定レベルの安全性能をもつ。
こうした安全装備が強化されたものの、相変わらずトヨタの安全装備に対する姿勢は消極的だ。
後方や後側方から接近する車両を検知し警報、もしくはブレーキ制御で衝突を回避するブラインドスポットモニターやリヤクロストラフィックオートブレーキなどは、オプション設定となっている。運転が苦手な人や、視界が狭くなっているお年寄りには非常に頼りになる機能。
このような似た装備をコンパクトカーのマツダ デミオは標準装備化している。もはや、先進予防安全装備といえるものではないベーシックな機能だけに、早急な標準装備化が求められる。自動車は扱いを間違えると人を殺める道具。そんな道具を売り利益を上げる自動車メーカーなのだから、より安全なクルマを送り出す責任がある。
話題のコネクティッドサービスは、3年間無料だが4年目から有料に
新型カローラスポーツで話題にしているコネクティッドサービスは、車載通信機DCMを全車に標準搭載し、T-Connectサービスを3年間無料で提供する。安全装備は標準装備化しないのに、こうした流行りのサービスには積極的だ。
このコネクティッドサービスには、車両データーをディーラーと共有し、スムースな点検や修理が受けられたり、もしもの事故などでは専門オペレーターによる通報や救急車の手配なども含まれる。確かに便利な機能だ。3年間は無料というところがポイントで、4年目からはしっかり有料になる。
新型トヨタ カローラスポーツのグレード選び
新型トヨタ カローラスポーツのグレード選び。新型カローラスポーツは、まずエンジンの選択から。無難な選択というのであれば、1.8Lハイブリッドとなる。1.2Lターボとの価格差は27万円円と、他のモデルと比べると差が小さい。これで、エコカー減税などの減税メリットが加わると、車両価格差はかなり少なってくる。3~5年程度で乗り換える場合、ハイブリッド車のリセールバリューの方が高くなると予想できる。さらに、ハイブリッドの燃費はガソリン車を圧倒しているので、使い方にもよるが燃料費差まで含めれば、27万円という価格差は無いに等しいといえそうだ。
新型カローラスポーツのハイブリッド車には、3グレードが設定されている。GXグレードはシンプルな仕様だが、やはり満足度という観点からはGZかGという選択となる。
GZとGの大きな装備差は、オプティトロンメーターや18インチホイール、Bi-Beam LEDヘッドランプ類など。価格差は16万円程度になる。Gのメーターはアナログで、GZはオプティトロンメーターとなり、見た目の豪華さは一目瞭然といったところ。オプション類では、5段階のドライブモードとAVSはGZにのみオプションで装備が可能となる。
新型カローラスポーツ1.2Lターボのグレードは、FF&4WD車共にGZ、G、GXの3グレード設定。装備関連では、ハイブリッド車の機能面以外では、ほぼ同じ設定になっている。Gの価格は2,257,200円からと、なかなか絶妙な価格設定がされている。アクセラスポーツやインプレッサスポーツなどとジックリと比べてみるといいだろう。
菅田将暉、中条あやみ、トヨタ カローラスポーツCM動画
https://youtu.be/AwlDLbJRtVE
■新型トヨタ カローラスポーツ HYBRID G“Z”ボディサイズ、燃費など
全長4,375×全幅1,790×1,460㎜
ホイールベース 2,640㎜
車両重量 1,400㎏
JC08モード燃費 30.0㎞/L
■新型トヨタ カローラスポーツ 1.8Lハイブリッドシステムの主要諸元
エンジン 型式 2ZR-FXE
排気量(L) 1.797
最高出力(kW[PS]/rpm) 72[98]/5,200
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) 142[14.5]/3,600
モーター 最高出力(kW[PS]) 53[72]
最大トルク(N・m[kgf・m]) 163[16.6]
システム全体(kW[PS]) 90[122]
バッテリー ニッケル水素
■新型トヨタトヨタ カローラスポーツ 1.2Lターボエンジンの主要諸元
エンジン 型式 8NR-FTS
排気量(L) 1.196
最高出力(kW[PS]/rpm) 85[116]/5,200~5,600
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) 185[18.9]/1,500~4,000
■トヨタ カローラスポーツ価格
カローラスポーツHYBRID G 2,527,200円
カローラスポーツHYBRID G “Z” 2,689,200円
カローラスポーツHYBRID G“X” 2,419,200円
カローラスポーツ G“Z” 2,419,200円
カローラスポーツ G 2,257,200円
カローラスポーツ G “X” 2,138,400円
■4WD車
カローラスポーツ G“Z” 2,613,600円
カローラスポーツ G 2,451,600円
カローラスポーツ G“X” 2,332,800円
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