日産ノートの実燃費チェック! まずは、高速道路で、その実力を評価する!
日産 がクラスナンバー1低燃費ということで、アピールする新型ノート 。最も低燃費なグレードであるS DIG-Sが、25.2 km/Lとなっていて、最も売れているX DIG-Sが24.0km/Lだ。エコスーパーチャージャー付のグレードなら、すべてエコカー減税が免税というメリットも大きい。
とはいえ、実際に購入すると、気になるのがいわゆる実燃費と呼ばれる数値。実際の使い方とかけ離れているといわれ10・15モードがJC08モード燃費に変わったものの、やはり、実燃費より圧倒的に良いのが普通だ。
そこで、今回は、より実生活の中で日産ノートの実燃費がどれだけのものかチェックしてみた。
まずは、誰が乗っても大きな差が出ないと思われる高速道路でチェック。東名高速の横浜ICから御殿場ICまでの約65km区間を計測した。この区間は、横浜ICから御殿場区間は登りとなり、燃費に不利な傾向。逆に御殿場ICから横浜IC区間は下りになるので、低燃費が期待できる。それぞれ、登りと下りでチェックしてみた。
東名横浜IC→御殿場IC間 後半の登りを入れても、実燃費20km/Lオーバーを記録!
早朝6時台に東名横浜ICへ。大型のトラックなどは多いが、全般的に流れはよい。今回の燃費チェックは、いわゆるエコランではなく、いかに普通に移動する時に近い状態で行った。そのため、燃費を稼ぐというような走りは一切なし。一般的な交通の流れを無視しない走りに徹した。エアコンオンは、常にON状態で設定温度は24度。ECOモードもONとした。
結果、平均速度計は、97km/hとなった。高速道路の上限スピード100km/hに近付けるためだ。エコランをすると、どうしてもスピードを下げざる負えない。しかし、それでは実燃費と乖離する。そこで、平均速度を高速道路の上限スピードでもある100km/hに設定したからだ。
だが、横浜ICから東名高速に入り、10分もしないうちに、この平均速度100km/h設定が、むずかしいことに気が付いた。ちょっとでも、前方に遅いクルマがいたり、トンネルや登り坂で流れが悪くなると、すぐに100km/hを割り込むからだ。平均速度を100km/hに戻すためには、許される範囲内で100km/h以上で走行しないといけないからだ。空いていた東名高速道路とはいえ、どちらかと言うと交通の流れをリードする状況が多かった。
比較的速い流れでの走行でも、ノートの燃費は好調で20km/Lを軽くオーバーする。エンジンの回転数は、2000回転を少しオーバーするくらいだ。エコスーパーチャージャーとはいえ、過給器なので、キックダウンさるような大きなアクセルの踏み込みをすると燃費が悪化傾向。高速道路なので、基本的に急加速は必要ないので低燃費につながった。
一般的に、スーパーチャージャーは、エンジンの動力を使って常に過給しているが、ノートのエコスーパーチャージャーは、エンジン回転数に合わせ、街中などの低速運転領域では過給をカットするなど、電動クラッチでON/OFFを効率よく制御する。これが、エコスーパーチャージャーと呼ばれる所以だ。わずかなアクセル開度で巡航している場合は、恐らくほとんど過給されていない印象だ。
大井松田IC付近から以降は、登り坂が続きアクセル開度が多くなる。こうなると、まさにスーパーチャージャーが実力を発揮する。1.2Lながら1.5L並のトルクを生かし、スイスイと加速する。全長4.1mというコンパクトカー と呼ばれるクラスでは、大きなサイズをもつノートだが、ボディは軽く1090kg。この軽さも加速や燃費に好印象をもたらしている。
御殿場ICに近付くにつれて、登り坂は急になる。22km/L程度で走行していたノートも、徐々に燃費は悪化し始めた。IC到着時には20.2km/Lとなっていた。平均速度97km/hという速い速度で、登り坂もありオーバー20km/Lというの低燃費性能を発揮した。
御殿場IC→横浜IC間、下り坂での燃費に期待がかかる。愚行を繰り返しながらも23.4km/L!
平均速度97km/hで来た以上、帰りも同じ平均速度を目指さなければならず、気が重かった。復路は午後になり、東名高速もクルマが増え走りにくくなることが予想され、平均速度が上がらない恐れもあった。
そのため、御殿場IC→大井松田間の下り坂で低燃費が期待できる区間を速度重視のため、アクセルONで下るという愚行を繰り返すことが多くなった。それでもノートの実燃費は、26km/L程度を維持。
厚木IC→横浜IC間は、交通量が多くなり平均速度が上がらないと予想していたのだが、実際はガラガラ。平均速度は、わずかだが往路の97km/hを上回り99km/hというハイベースとなってしまった。下り区間の貯金があったため、最終的なノートの実燃費は23.4km/Lとなった。
比較的ハイベースでも低燃費となった結果は、やはりボディ全体の空気抵抗低減によりものが大きい。日産ノートは、クラストップのCd値0.29を実現している。空気抵抗は、直接燃費に影響を与える。速度が上がれば上がるほど、空気の壁が燃費に悪影響をあたえるからだ。
余談だが、休憩のために立ち寄ったコンビニの駐車場でのことだ。車両前方から駐車場に入れたのだが、クルマを降りてよく見ると、バンパー下端にあるプラスチックエアロパーツが駐車場の輪止めに接触するくらいギリギリまで下げられていることに気がついた。
日産ノートは、ヨーロッパでも売れるグローバルカーだ。ヨーロッパでは、日本より速い速度域での走行が強いられる。高速での低燃費化も重要な要素だ。ボディの空気抵抗軽減は、まさにヨーロッパも意識したものなのだろう。
結果、日産ノートの往復での実燃費は、21.8km/Lとなった。もっと速度を落とせば、コレ以上の燃費は十分に可能。ポイントは、エコランをした結果ではなく、誰もが普通に運転していてもこれくらいの燃費が出せるということだ。
■<プロと一般ユーザーが試乗評価! 新型日産ノート長期評価レポート一覧>
日産ノート 価格 燃費 スペックなど
<新型日産ノート価格>
■2WD HR12DE車
・S 1,249,500円
・X 1,298,850円
■2WD HR12DDR車
・S DIG-S 1,449,000円
・X DIG-S 1,499,400円
・MEDALIST 1,674,750円
■4WD HR12DE車
・X FOUR 1,557,150円
代表グレード | 日産ノート X DIG-S |
---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 4,100×1,695×1,525mm |
ホイールベース[mm] | 2,600mm |
トレッド前/後[mm] | 1,480/1,485mm |
車両重量[kg] | 1,090kg |
総排気量[cc] | 1,198cc |
エンジン最高出力[kw(ps)/rpm] | 72(98)/5,600 |
エンジン最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] | 142(14.5)/4,400 |
ミッション | CVT |
タイヤサイズ | 185/70R14 |
JC08モード燃費 | 24.0km/L |
定員[人] | 5人 |
税込価格[円] | 1,449,000円 |
発売日 | 2012/8/28 |
レポート | 編集部 |
写真 | 編集部 |
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