12/3、いよいよ電気自動車「日産 リーフ」がデビューした![国沢 光宏 コラム] [CORISM]

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【ビジネス・経済】2010/12/03

12月3日、正式に発表された電気自動車「日産 リーフ」

自動車評論家で唯一「リーフ」に予約を入れた男「国沢 光宏」自身による、日産 リーフの新車解説速報をお届け

日産 リーフに装着された「ゼロ・エミッション」(排出ガスゼロ)のロゴマーク

日産 リーフに装着された「ゼロ・エミッション」(排出ガスゼロ)のロゴマーク

 ついに日産 リーフが発売となった。
【日産 新型 リーフ 新車情報】待ちに待った日産リーフ、ついに発表[2010.12.03/CORISM]

 車両価格やグレード、装備内容についての目新しい情報無し(補助金が78万円に増額され298万円になったことのみトピックス)。最後までナゾのスペックだった車重は1520kgと、予想外に軽い。普通の新車紹介記事を書いても面白くないので、目からウロコの落ちるような視点からレポートしてみよう。

 さて。リーフに搭載されているバッテリーの重量は、おおよそ300kg。こう書くと「やっぱり電気自動車って重いね!」と考えるかもしれない。でもそいつは従来のガソリン車の常識であり、電気自動車だと決して重くないのだった。なぜか? こらもうエネルギーを回生出来るからだ。
 ガソリン車だと300kg重ければ、その分だけ加速にエネルギーを使う。したがって燃費だって確実に悪くなる。けれど電気自動車は走行エネルギーを回収出来ます。つまり300kg分の重量を60km/hで走らせれば、減速の時に300kg分大きなエネルギーを回収出来るワケ。

目からウロコ! リーフで5万km走れば、プリウスよりも「お得」!?

日産 リーフ パワートレイン
 仮に70%のエネルギーを回収出来るとしよう。300kgの70%で210kg分はチャラ。したがって実質的なバッテリーの重量で言えば、90kgということになる。車重1520kgのリーフなら、210kg分がチャラになるため1310kg。リーフのボディサイズを考えれば重くない。
 重量はクルマの効率と密接に関係する。今まで「電気自動車は重くて効率が悪い」と思われてきたけれど、エネルギー回生さえキッチリ行えば、普通のクルマと同等の効率を追求可能。この一点を持ってしても、電気自動車の将来は明るい。回生効率を追求すれば、バッテリー搭載量を増やしても効率落ちず。
 だからこそプリウスと真正面から勝負できる総コスト(車両価格+エネルギーコスト)を持つ。試算すると298万円でリーフを買って5万kmくらい走れば、もはやプリウスの総コストと並ぶ。「プリウスより安く付く」という事実に気づけば、リーフの購入を考える人が急増すると考えている。

簡単にバイヤーズガイドなど(2グレードしかないけれど・・・)

日産 リーフ インテリア
最後に簡単なバイヤーズガイドなど。ベーシックグレードでもナビやLEDヘッドライトが標準装備されるなど、必要にして十分。上級グレードに装備される太陽光発電パネルは、ほぼ意味無し。太陽エネルギーなんぞ微々たるモノ。TVの見過ぎです。電気自動車にとっちゃギミックだ。
 また長距離走行もしないだろうからクルーズコントロールだって不要(そもそもスイッチだけで済むのだから全車標準装備にすべき)。お金が余っている人なら上級グレードもいい。教養ある人はベーシックグレードを推奨しておく。もちろん私もベーシックグレードです。
 また、ヒーターを強化した寒冷地仕様もあるけれど、基本的に寒い地域と電気自動車って相性が悪い。外気温0度を下回ることの多い地域は、電気自動車をすすめません。青森県が電気自動車を積極に導入しようとしているらしいが「ムダ使いしないようもう少し勉強しなさい」とアドバイスします。

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(レポート:国沢 光宏

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