物足りない結果に終わりそうな自動車税制改正。どうなる取得税と消費税の二重課税?
ユーザーとして今回の税制改正で期待したのは、消費税との二重課税になっている自動車取得税の廃止と、道路財源としての意味を失った自動車重量税の廃止でした。
今回の結果は、全く不十分なものです。まず、自動車取得税はそのまま継続になりました。今後消費税を増税するときに廃止を再検討するとのことですが、増税のときに廃止してもトータルでは税負担が増えることになるのは目に見えています。
自動車重量税については本則税率から2倍に割り増しになっている分をやや抑制し、1.5倍の割り増しに抑えるようにするというだけのものでした。現在、500㎏ごとに年間5000円という税額が、3800円に抑えられるだけのことです。一般的な小型車で新車購入時の負担が3600円経るだけです。
エコカー減税で、ごまかした自動車税制改正!?
具体的な中身は、詳細には固まっていないようですが、現在は排気ガス四つ星&平成17年度燃費基準値+15%または25%達成となっている対象基準を、+15%ではダメにして+25%達成車だけに絞るとか、あるいは燃費については2015年基準(JC08モードによる測定)というのがあるので、それを達成したクルマ&達成率が高いクルマを対象にすることになりそうです。
最近では四つ星+25%は当たり前のようになっていますが、2015年燃費基準は2004年(平成17年)燃費基準から23.5%ほど改善したものになるので、四つ星+25%達成では最低レベルの減税しか受けられないことになると思われます。
電気自動車やハイブリッド車、クリーンディーゼル車は現在100%減税になっていますが、これは継続されそうな状況です。エコカー減税をこれらの車種だけに絞るという案もあったようですが、それだと対象車が少なくなりすぎますし、最近の燃費の良いガソリン車が対象外になってしまいます。
最終案はまだ一般には提示されておらず、政府などで具体案が煮詰められている段階ですが、いずれにしても今回の税制改正はユーザーから見て物足りない結果に終わってしまいそうです。
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