【スズキ 新型 ソリオ 試乗評価】スズキが造った新型白ナンバーワゴンの実力

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【スズキ】2011/02/13

 

軽自動車の拡大版と侮るなかれ!

スズキ ソリオ フロントマスク

バンパーの塊感のある造形に加えて、グリルはスケルトンタイプを採用することで、未来感を演出している
 ルーツをたどれば、途中、ワゴンRソリオと名乗りつつ、ワゴンRワイドにいきつくのがこのスズキソリオ。つまりワゴンRの兄貴分というわけなのだが、よく勘違いされるのが、ワゴンRベースでエンジン大きくしただけじゃないの? ということ。じつは違うんです。形がかなり似ていたワゴンRワイド時代からして、シャーシは別物。当然のことながら、新型ソリオも我が道を行くというか、世界で好評価のスイフト譲りと考えたほうがいい。だから軽自動車とは別物。実車を見れば軽よりもひとまわりほど大きく(とくに幅)、軽ベースのリッターカーのようなエンジンだけ勝っちゃっている感じもなくて、走りが頼もしいなど、個人的に長きに亘ってお気に入りの一台だったりする。

スズキ ソリオ フロントビュー

ワゴンRの派生車種だけに、デザイン的にはやはり似てはいる。ただし、サイズに余裕があるだけに、デザインに窮屈さはなし

スズキ ソリオ リヤビュー

縦方向に加えて、リヤガーニッシュを左右に渡すことによって、横方向の伸びも表現している。ドッシリ感はまずまず

スズキ ソリオ ホイール

今やこのクラスでも16インチは当然になってきている。デザインもさることながら、当たりもソフトで、乗り心地はいい

 ライバル不在! 上級ミニバンと肩を並べる後席のゆとりに驚く

スズキ ソリオ スライドドア

フロアが完全フラットというだけでなく、ステップ高で365ミリという低さにも驚く。楽々乗り込むことができる
 加えて、新型ソリオのトピックスとしてはミニバン化が押し進められていることに注目だ。両側スライドドアは開口幅580ミリ、開口高1230ミリも確保しているだけでなく、弱点とされる手前への振り出し量も150ミリと最小限に抑えられているというから文句なしの評価だ。一部グレードを除いて、電動スライドも備わるというから驚く。
まさにミニバンな装備なのだが、一歩足を踏み入れると、そこに広がるのは広大なスペース。さすがにCMのように、大人が3人座るのは無理としても、ふたりならば足を完全に伸ばせてゆったり。シートバックリクライニングも、左右分割スライドもするので、サルーン以上のくつろぎっぷりである。これはソリオ最大の魅力だし、ライバルの追従をゆるさない……。というか、そもそもライバルはほぼなしの独走状態だ。

スズキ ソリオ リヤシート

パッケージングのうまさは軽自動車で培ったノウハウが存分に投入されている部分。戸惑うほど広い

スズキ ソリオ フロントシート

肉厚で、上級車と同じぐらいの造り。スライドも細かくて、自在に合わせることが可能。また助手席は前方に倒すことができる

スズキ ソリオ フロント&リヤシート

大人4人なら、余裕で乗ることができることが写真からもわかるだろう。ピラーも細くて邪魔にならないし、衝突安全性も確保されている

 

スズキ ソリオ インパネ

小型車でも質感の高いインパネに仕上げてくるのがスズキの常套。ソリオも例外でなく、デザイン&質感ともに高いレベルだ

スズキ ソリオ センターコンソール

スイッチ類はセンター部分に集中的に配置されている。全車CVTで、インパネシフトもサッと手が伸ばせるし、細身が主流の昨今、太くてガッチリと握れる

スズキ ソリオ バックビューモニター

カーナビを付けなくても、バックビューモニターが付いているのはありがたいところ。一度使うとなしではいられない筆頭装備

 

スズキ ソリオ リヤシートシートベルト留め具

後席真ん中には3点式シートベルトを装備しているのは評価できる。ただし、ヘッドレストがないというのは明らかに変だ

スズキ ソリオ ラゲッジ

リヤ側から簡単に倒すことができるのはありがたい。50対50の分割可倒式だ。助手席も倒すと長尺モノも積むことができる

スズキ ソリオ ラゲッジ

倒さない状態でもゴルフバッグが横にして積めるほどラゲッジ能力は高い。開発段階でとくにこだわった部分とのこと

スイフト譲りの実用ユニットで、納得の走り!

スズキ ソリオ エンジン

スイフト譲りの完成度の高いユニット。91ps/12.0kg-mと十分なスペックだ
 パッケージングなどのよさは確かに新型ソリオの大きな特徴。ただし、最近ではそのような場合、走りにこだわりがないことが確実に増えてきている。まぁ、道具として考えればそれでよし、という考えなのかもしれないし、それもありなのかも。
しかし、ソリオは違う。心臓部に収まるのは世界的に評価を得ているスイフト譲り。低速からモリモリと力が出て、上までしっかりと回る実用ユニットだ。フィーリングも軽々しいというよりも頼もしさが感じられて、コンパクトカーにありがちな安っぽさがなし。
足まわりもこれだけ"上屋"が大きいとドタバタしたり、動きにシャープさがなさそうに思ってしまうが、路面の段差もトントンと軽くいなすし、コーナーでのロールすら自然。走りにこだわるユーザーも納得だろうと評価できる。
要は「小排気量のボディが重い実用車を買ってしまった」と後悔することもなければ、「こんなもんだろう」とあきらめるもなし。「本当は2リッターあたりのミニバンが欲しかった」なんてウジウジする必要もない。コンパクトなミニバン、つまりミニミニバン
というのも選択肢としてありだ。
スズキ ソリオ 走り
スズキ ソリオ 走り
スズキ ソリオ 走り
押しの強いフロントは前から見ても迫力十分。またドッシリ感たっぷりで、じつに安定した走りであることも見てとれる。とくにリヤの追従性がよく、荒れた路面でも気持ちよく走ることができる

スズキ ソリオ フロントビュー スライドドアオープン

 

 

 

代表グレード スズキ ソリオ X [FF]
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) 3710×1620×1765mm
車両重量[kg] 1030kg
総排気量[cc] 1242cc
最高出力[ps(kW)/rpm] 91ps(67kw)/6000rpm
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] 12.0kg-m(118N・m)/4800rpm
トランスミッション CVT
10・15モード燃費[km/L] 21.0km/L
定員[人] 5人
消費税込価格[万円] 150.99万円(バックモニター付CDプレーヤー装着車は4.725万円高)
発売日 2011/01/07
レポート 近藤 暁史
写真 CORISM編集部

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(レポート:近藤暁史

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